終始雨が降り続いたパリ~ニース4日目は、序盤の強風によって約40名の先頭集団が形成された。その中からヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)が残り1kmで飛び出し、今季初勝利をマークするとともに、総合首位に立った。



終始雨の中でのレースとなったパリ〜ニース第4ステージ photo:A.S.O.

パリ近郊から南のニースを目指すパリ~ニース(UCIワールドツアー)の4日目は、今大会最初の山岳バトルが繰り広げられた。世界遺産にも登録されるブールジュ大聖堂を出発し、東に真っ直ぐ進む前半は平坦路。その後、3級山岳からこの日の山岳が始まり、2級山岳を挟み、最後に最大勾配16%の1級山岳ユション(距離8km/平均4.5%)が待ち受ける。

この日はあいにくの雨に加え、気温は10度を下回る寒さ。さらにスタート直後から強風が選手たちを襲い、すぐにエシュロン(横風による集団分断)が発生。前日に区間2位に入り、総合首位に浮上したフアン・アユソ(スペイン、リドル・トレック)やヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)など総合有力勢は、前方の集団に入ることに成功した。

序盤からエシュロンが発生した photo:A.S.O.

先頭集団に入ったフアン・アユソ(スペイン、リドル・トレック)だったが、落車リタイアした photo:A.S.O.

一方、総合2位につけるケヴィン・ヴォークラン(フランス、イネオス・グレナディアーズ)やレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)などは追走集団に甘んじた。40名弱によって形成された先頭集団は、ダニエル・マルティネス(コロンビア)をエースに据えるレッドブル・ボーラ・ハンスグローエを中心に、悪天候のなか懸命に牽引。最初の山岳に達する頃には、後続との差は1分30秒まで広がっていた。

しかし勝利に向け好調と思われていた先頭集団に不運が起こる。残り47km地点の下りでアユソが、元チームメイトであるブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG)と共に落車。レース後の検査の結果、骨折等の大きな怪我はなかったものの、リタイアを余儀なくされた。

レッドブルのペースアップに反応したヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

優勝候補の1人が去った先頭集団は、マルティネスらレッドブル4名とヴィンゲゴーの5名に絞られる。続く2級山岳ではニコ・デンツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が遅れ、4名のまま最終山岳に続く平坦路を進む。ミックとティム・ファンダイケ(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が先導する集団の後方につくヴィンゲゴーは、中継カメラに微笑む余裕を見せながら、1級山岳ユション(距離8km/平均4.5%)の登坂に入った。

ミックが遅れ、フラムルージュ(残り1kmバナー)手前の最大16%で、ヴィンゲゴーがマルティネスとティムを振り切った。終始雨が降り続け、風がレースを大きく動かした戦いを「おそらくキャリアの中でも最も険しいレースの1つ」と振り返ったヴィンゲゴーがフィニッシュに到着。今季ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスに臨むヴィスマの絶対的エースが、今季初勝利を手に入れた。

残り1kmアタックを成功させたヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

今季初勝利と共に総合首位に立ったヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

「途中で服を脱ぐ時間がなかったから」とビブショーツをジャージの上に着た状態でフィニッシュしたヴィンゲゴー。「もしかしたら新しいトレンドになるかもしれないね」とジョークを言う余裕を見せながら、「昨年は落車でリタイアした大会だ。こうしてステージ優勝とリーダージャージを着用できて本当に嬉しい」と喜びを語った。

僅か1kmのアタックで41秒差をつけられたマルティネスが2位でフィニッシュし、単独で追走したゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)が2分54秒遅れの5位に入っている。
パリ〜ニース2026第4ステージ結果
1位 ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) 4:16:12
2位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:41
3位 ティム・ファンダイケ(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:45
4位 ミック・ファンダイケ(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +1:42
5位 ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト) +2:54
6位 ケヴィン・ヴォークラン(フランス、イネオス・グレナディアーズ) +3:38
7位 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) +4:02
8位 ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJユナイテッド) +4:20
9位 イェンセン・プロウライト(オーストラリア、アルペシン・プレミアテック) +4:55
10位 マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツXRG) +5:07
個人総合成績
1位 ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) 12:53:15
2位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:52
3位 ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト) +3:20
4位 ケヴィン・ヴォークラン(フランス、イネオス・グレナディアーズ) +3:39
5位 ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJユナイテッド) +5:02
6位 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) +5:07
7位 ティム・ファンダイケ(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +5:33
8位 マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツXRG) +5:45
9位 イェンセン・プロウライト(オーストラリア、アルペシン・プレミアテック) +6:27
10位 ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス) +6:32
その他の特別賞
ポイント賞 ルーク・ランパーティ(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)
山岳賞 カスパー・ピーダスン(デンマーク、スーダル・クイックステップ)
ヤングライダー賞 ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)
チーム総合成績 レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O.