2020/07/17(金) - 00:36
トレックが誇るエアロロードのフラッグシップ「Madone SLR」がマイナーチェンジ。新型Émondaで投入されたOCLV 800カーボンやT47BBを採用しフレームをアップデートしている。ホイールやバーステムも最新モデルを装備することで、バイク全体で450gもの軽量化を実現した。
OCLV 800カーボン採用のフレームへ生まれ変わったトレックのMadone SLR (c)Trek
2015年のフルモデルチェンジによって純然たるエアロロードへと舵を切ったトレックのMadone(マドン)。2年前に登場した現行モデルは、ディスクブレーキ化を含むエアロダイナミクスの向上に加え、トレック独自のIsoSpeedに改良を加えることで快適性にも磨きをかけた究極のレースバイクとして誕生。現ロード世界王者のマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)もメインバイクとして愛用している1台だ。
エアロ形状のKVF(Kammtail Virtual Foil)が採用されたボリュームあるフレームが、風を切り裂く高い空力性能を発揮。2ピースタイプの専用コックピットも空気抵抗低減とクリーンなケーブルルーティングに寄与している。フレームから切り離したL字のシートマストによる調整式IsoSpeedも現行Madoneのアイコニックなテクノロジーであり、しなりを生み出すことで振動吸収性を向上させている。
最新のOCLV 800カーボンを新たに採用しフレーム単体で80gの軽量化を実現(画像はÉmonda) (c)トレック・ジャパン
軽量オールラウンダーと比較すると、どうしても重量面がネックとなってしまうのがエアロロードの宿命だが、今回その弱点を克服すべく"軽量化"に焦点を当てたアップデートがMadone SLRに施された。まずトピックとなるのが、新型Émondaの開発によって誕生した「OCLV 800」カーボンを採用したこと。従来モデルに使用されてきたOCLV 700に比べ高い引張り強度を有しており、成型時にレイアップする素材量の削減に成功。形状はそのままにフレーム単体で80gの軽量化を実現した。
更にメンテナンス性の向上や規格の統一を目的とし、BB規格もDomaneやÉmondaと同じ「T47」へと変更された。ベアリングがシェル内側に配置されるねじ切りタイプのBBで、トレック伝統のBB90に近いワイドなシェル幅(85.5mm)を確保しつつ整備性を高めている。シェル内径も37mmから47mmへと拡張され、スラムのDUBスピンドルやローターなどの30mm径スピンドルともマッチするよう考えられている。
男女のチームカラーモデルともにカーボン地が透けて見える特別なペイントで軽量化を図っている (c)Trek
加えて、男女のプロチームカラーモデルにはスモークカラーと呼ばれる色付きのクリアコートを採用することで、ペイント重量を50gほど軽量化。カーボン地が透けて見える特別なペイントであり、Project Oneでも選択することが可能だという。DomaneとÉmondaのチームカラーにも同じペイントが採用されているため、フレーム重量を気にするライダーは要チェックだろう。
また、Project Oneで選択可能になった新作のホイールとハンドルバー/ステムも軽量化に貢献している。ディスクブレーキ専用設計の新型Aeolus RSL 37 ホイールは、従来のXXX 4ホイールとほぼ同等の空力性能を持ちながらも100g以上軽い重量をマーク。トレック・セガフレードもこのAeolus RSL 37をほとんどのレースで使っていくというほど万能なホイールだ。
新型Aeolus RSL 37 ホイールを装備することでXXX 4ホイールと比較して100g以上軽くなる (c)トレック・ジャパン
ディスクブレーキ専用設計で軽量化を実現したAeolus RSL 37ホイール (c)トレック・ジャパン
新型Émonda SLRで採用されたAeolus RSL Bar/Stemも選択可能だ (c)トレック・ジャパン
コックピットパーツも新型Émonda SLRで採用された一体型のAeolus RSL Bar/Stemを選べるようになった。ステムとハンドルバーが一体成型されることで、標準搭載される2ピースタイプと比べハンドル周りだけで160gも軽量化されるという。
これらのアップデートが加わり、バイクトータルで見たときには450gもの軽量化を実現した新型Madone SLR。UCI規定である6.8kgギリギリに調整されたÉmondaよりは重いものの、スラムRed eTAP完成車で約7.40kg、シマノDURA-ACE DI2完成車で約7.35kgと、ハイエンドモデルに恥じない軽量バイクに仕上がっている。
トレック Madone SLR 7 Disc (c)トレック・ジャパン
新しいOCLV 800フレームに軽量塗装、新型ホイール&バーステムを搭載した仕様はProject Oneでオーダー可能。2021モデルからProject One全体で価格改定されており、どのグレードも5%前後プライスダウンしたことにも注目だ。
初回入荷限定の「Madone SLR 7 Disc」のみが在庫品完成車として販売されるが、こちらはAeolus Pro 5ホイールと従来のMadone SLRエアロハンドルバーが搭載された仕様となる。なお、セカンドグレードのMadone SLにはアップデートはなく、カラー変更のみに留まっている。
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2015年のフルモデルチェンジによって純然たるエアロロードへと舵を切ったトレックのMadone(マドン)。2年前に登場した現行モデルは、ディスクブレーキ化を含むエアロダイナミクスの向上に加え、トレック独自のIsoSpeedに改良を加えることで快適性にも磨きをかけた究極のレースバイクとして誕生。現ロード世界王者のマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)もメインバイクとして愛用している1台だ。
エアロ形状のKVF(Kammtail Virtual Foil)が採用されたボリュームあるフレームが、風を切り裂く高い空力性能を発揮。2ピースタイプの専用コックピットも空気抵抗低減とクリーンなケーブルルーティングに寄与している。フレームから切り離したL字のシートマストによる調整式IsoSpeedも現行Madoneのアイコニックなテクノロジーであり、しなりを生み出すことで振動吸収性を向上させている。
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軽量オールラウンダーと比較すると、どうしても重量面がネックとなってしまうのがエアロロードの宿命だが、今回その弱点を克服すべく"軽量化"に焦点を当てたアップデートがMadone SLRに施された。まずトピックとなるのが、新型Émondaの開発によって誕生した「OCLV 800」カーボンを採用したこと。従来モデルに使用されてきたOCLV 700に比べ高い引張り強度を有しており、成型時にレイアップする素材量の削減に成功。形状はそのままにフレーム単体で80gの軽量化を実現した。
更にメンテナンス性の向上や規格の統一を目的とし、BB規格もDomaneやÉmondaと同じ「T47」へと変更された。ベアリングがシェル内側に配置されるねじ切りタイプのBBで、トレック伝統のBB90に近いワイドなシェル幅(85.5mm)を確保しつつ整備性を高めている。シェル内径も37mmから47mmへと拡張され、スラムのDUBスピンドルやローターなどの30mm径スピンドルともマッチするよう考えられている。
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また、Project Oneで選択可能になった新作のホイールとハンドルバー/ステムも軽量化に貢献している。ディスクブレーキ専用設計の新型Aeolus RSL 37 ホイールは、従来のXXX 4ホイールとほぼ同等の空力性能を持ちながらも100g以上軽い重量をマーク。トレック・セガフレードもこのAeolus RSL 37をほとんどのレースで使っていくというほど万能なホイールだ。
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コックピットパーツも新型Émonda SLRで採用された一体型のAeolus RSL Bar/Stemを選べるようになった。ステムとハンドルバーが一体成型されることで、標準搭載される2ピースタイプと比べハンドル周りだけで160gも軽量化されるという。
これらのアップデートが加わり、バイクトータルで見たときには450gもの軽量化を実現した新型Madone SLR。UCI規定である6.8kgギリギリに調整されたÉmondaよりは重いものの、スラムRed eTAP完成車で約7.40kg、シマノDURA-ACE DI2完成車で約7.35kgと、ハイエンドモデルに恥じない軽量バイクに仕上がっている。
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新しいOCLV 800フレームに軽量塗装、新型ホイール&バーステムを搭載した仕様はProject Oneでオーダー可能。2021モデルからProject One全体で価格改定されており、どのグレードも5%前後プライスダウンしたことにも注目だ。
初回入荷限定の「Madone SLR 7 Disc」のみが在庫品完成車として販売されるが、こちらはAeolus Pro 5ホイールと従来のMadone SLRエアロハンドルバーが搭載された仕様となる。なお、セカンドグレードのMadone SLにはアップデートはなく、カラー変更のみに留まっている。
トレック Madone SLR プロジェクトワン参考価格
モデル | 2020価格 | 2021価格 | 価格差 |
---|---|---|---|
Madone SLR 9 | 1,235,000円 | 1,222,000円 | 13,000円 |
Madone SLR 9 eTap | 1,281,000円 | 1,222,000円 | 59,000円 |
Madone SLR 8 | 961,000円 | 932,000円 | 29,000円 |
Madone SLR 7 | 939,000円 | 892,000円 | 47,000円 |
Madone SLR 7 eTap | 1,013,000円 | 941,000円 | 72,000円 |
Madone SLR 6 | 853,000円 | 812,000円 | 41,000円 |
※パーツ選択によって価格の前後あり
トレック Madone SLR 7 Disc(在庫品完成車)
コンポーネント:シマノULTEGRA DI2
ホイール:ボントレガーAeolus Pro 5
コックピット:Madone SLRエアロハンドルバー
重量:8.08kg
カラー:Carbon Smoke/Crimson
サイズ:52、54
価格:836,000円(税抜)
トレック Madone SLR 7 Disc(在庫品完成車)
コンポーネント:シマノULTEGRA DI2
ホイール:ボントレガーAeolus Pro 5
コックピット:Madone SLRエアロハンドルバー
重量:8.08kg
カラー:Carbon Smoke/Crimson
サイズ:52、54
価格:836,000円(税抜)
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