メリダのツーリング向けマルチパーパスロードSILEXに、オフロードアドベンチャー用のアセンブルを施した「SILEX+ 8000-E」が登場。グラベルコンポーネントのシマノGRXと650Bホイール、45Cのワイドタイヤを合わせたグラベルパッケージに仕上がる1台をインプレッションとともに紹介しよう。



メリダ SILEX+ 8000-Eメリダ SILEX+ 8000-E photo:So.Isobe
オンオフロード問わず自転車遊びを楽しめる、オールロードカテゴリーが盛り上がりを見せ始めた2018モデルよりラインアップに登場したメリダのマルチパーパスバイク「SILEX(サイレックス)」。ロードはもちろん、MTBやシクロクロスなどオフロードバイクにも造詣の深いメリダが、そのノウハウを注ぎ込みクロスオーバーな楽しみ方ができるモデルとして開発された1台だ。

MTBのジオメトリーにインスパイアされた設計で長く伸びたヘッドチューブが特徴的。アップライトなポジションによって手にかかる荷重を減らし、かつ上体がリラックスした姿勢となることで長時間でも快適なライドを楽しめる。また、トップチューブを長めにステムは短めにすることでオフロードでも軽快なハンドリングとなるよう調整している。

トップチューブからシートステーが流れるように繋がったデザインで快適性を強化トップチューブからシートステーが流れるように繋がったデザインで快適性を強化 650Bホイールに45Cのワイドタイヤを合わせた本格グラベル仕様650Bホイールに45Cのワイドタイヤを合わせた本格グラベル仕様
ハンドル・ステムはメリダのオリジナルパーツをアセンブルハンドル・ステムはメリダのオリジナルパーツをアセンブル BB周辺はオフロードでも軽快なライドを楽しめる剛性感に仕上がるBB周辺はオフロードでも軽快なライドを楽しめる剛性感に仕上がる

荒れた路面での安定感を高めるために、長めのチェーンステーと深いBBドロップを採用しており、バイクパッキングなど荷物を装備しても低重心で安心してライドに集中できる乗り味を追求。フロントトライアングルが大きめなデザインのためフレームバッグやハンドルバーバッグが装着しやすく、まさにオフロードツーリングにピッタリの設計が施されている。

ダウンチューブの下側とフロントフォークの両サイドにもボトルケージのマウント箇所を設けており、積載量を増やす工夫も。もちろんアドベンチャーライドでの泥はねを防ぐフェンダーも装備可能だ。フロントディレイラー台座も着脱でき、自身の走り方に合わせてフロントシングル/ダブルの選択ができる。

扁平させたシートステーが振動吸収性を高めている扁平させたシートステーが振動吸収性を高めている 上側に潰しをいれたカーボンシートピラーがシッティング時の快適性を向上上側に潰しをいれたカーボンシートピラーがシッティング時の快適性を向上 長めのヘッドチューブを採用し長時間ライドでも快適なポジションを実現長めのヘッドチューブを採用し長時間ライドでも快適なポジションを実現

トップチューブからシートステーが繋がったデザインと、横方向に扁平させたチューブ形状によって振動吸収性を強化。フロントフォークも先端に向かって先細りしていくブレード形状を採用し、突き上げを緩和するよう考えられている。カーボン製のシートピラーも上側に潰しをいれることで、しなりを活かしてシッティング時の快適性を高めてくれる。

ラインアップ全てがディスクブレーキモデルで、キャリパーの台座にはメリダオリジナルの放熱フィンも搭載される。エンドは12mmスルーアクスル仕様だ。タイヤクリアランスは700Cで44mmまで、650Bで2.2インチまで対応しグラベルタイヤや細身のMTBタイヤも装着できる。

タイヤクリアランスとBB周辺部の剛性を両立させるチェーンステーデザインタイヤクリアランスとBB周辺部の剛性を両立させるチェーンステーデザイン ディスクブレーキの冷却効果を高めるメリダオリジナルの放熱フィンディスクブレーキの冷却効果を高めるメリダオリジナルの放熱フィン
DI2タイプのシマノGRXを搭載、オフロード遊びに適したフロントシングル仕様だDI2タイプのシマノGRXを搭載、オフロード遊びに適したフロントシングル仕様だ リア11速でフロントは40T、フロントダブルにすることも可能だリア11速でフロントは40T、フロントダブルにすることも可能だ

650Bホイールを標準装備しグラベル向けのスペックを獲得した「SILEX+」も2020ラインアップより登場。その中でもシマノのグラベルコンポーネントGRX DI2を搭載したトップグレードが、今回インプレッションを行った「SILEX+ 8000-E」だ。悪路でのチェーン暴れを抑えてくれるスタビライザー付きのリアディレイラーや11-42TのMTB用カセット、ナローワイドのチェーンリング、フレア形状のハンドルバー、45Cのグラベルタイヤなどオフロードでの走破性を高めたアセンブルが施されている。5サイズ展開で、価格は499,000円(税抜)だ。



― インプレッション

「MTBのような安定感のある走り、グラベル仕様ながら登りはかなり軽快」遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)

バイクの見た目としてはヘッドの長さが気になってしまいますが、実際に乗ってみるとハンドルの高さは全く気にならず、マウンテンバイクのような安定感のあるジオメトリーになっていると気付かされます。前傾姿勢の深いロードバイクよりもっと気軽に乗れる自転車として考えれば、このポジションは上体も快適で操作性も良く全然”アリだな”という感想です。

「MTBのような安定感のある走り、グラベル仕様ながら登りはかなり軽快」遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)「MTBのような安定感のある走り、グラベル仕様ながら登りはかなり軽快」遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)
エンデュランスな見た目に反して走りはかなり軽快で、オフロードの登りもスイスイいけるような軽さがありますね。対して下りの安定感も非常に高く、トレイルライドはもちろん例えばSDA王滝のようなオフロードイベントでも圧倒的に速いバイクとして楽しめると思います。フレームの剛性もしっかりしていて柔らかい感じはなく踏み込んだときの反応も良いですね。

「700Cと650Bの2種類のホイールを使い分けてマルチパーパスに使って欲しい1台」「700Cと650Bの2種類のホイールを使い分けてマルチパーパスに使って欲しい1台」 シマノGRX DI2とMTBのリアカセットそして650Bホイールの組み合わせも相まって、ロードとマウンテンバイクを足して2で割ったような印象のバイクです。キャンプツーリングやバイクパッキングと相性良いのはもちろん、この1台でロード、MTB、シクロクロス、通勤、山遊びなどなど多用途に使うことができますね。どのジャンルも本格的なレースではなく、ゆったり楽しむ走りにマッチするでしょう。

これだけマルチパーパスなバイクなので、700Cと650Bの2種類のホイールをシーン毎に使い分けると楽しみの幅がグッと広がります。フロントシングル仕様でも十分どこにでも遊びにいけますし、乗り方に応じてタイヤサイズやギア選択を変えてみても面白いと思いますよ。

メリダ SILEX+ 8000-E
フレーム:SILEX CF2
フォーク:MERIDA SILEX CF2 Tapered Full Carbon
シートピラー:MERIDA TEAM CC carbon 30.9 S-FLEX
コンポーネント:Shimano GRX DI2
リム:Fulrcum Rapid Red 500
タイヤ:Kenda Flintridge PRO 650Bx45C
サイズ:44、47、50、53、56
重量:8.7kg(50サイズ)
価格:499,000円(税抜)



インプレッションライダーのプロフィール

遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)遠藤健太(サイクルワークス Fin’s) 遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)

新潟県長岡市に店舗を構えるサイクルワークス Fin’sの店長。学生時代にBMXをきっかけにスポーツバイクの虜となり、2012年には全日本選手権ロードに出場した経験も持つ走れる店長。現在も積極的にレース出場を重ねるだけにロードレーサーのイメージが強いが、MTBをはじめオフロードライドもこなす。SDA王滝への出場や里山遊びを楽しみ、長岡MTBフェスティバルの主催も務めている。

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サイクルワークス Fin’s HP

text:Yuto.Murata
photo:So.Isobe
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