2010/05/04(火) - 20:49
オーストラリアのマシュー・ロイドは、オメガファーマ・ロットのエース級選手としてジロ・デ・イタリアに出場する。オーストラリアを代表するクライマーとして知られるロイドは、スペインのダニエル・モレーノとタッグを組んで総合上位を目指す。
オメガファーマ・ロットのロベルト・ダミアーニ監督曰く、チームには明確なエースがいない。それだけにロイドのモチヴェーションは高い。
「イタリアに住む選手は誰でもマリアローザを着たいと思っている。でも『マリアローザを狙っているんだ』なんて大きな声で言う自信は無いよ。現実的にはステージ優勝を狙っている。チャンスがあれば総合トップ10に入りたい。広い目標を持ってジロに挑みたいと思っているよ」。
そう語るロイドは、現在イタリア・ヴァレーゼ在住。ダミアーニ監督の自宅から数キロの距離だ。
「いつもダミアーニ監督は『レースでは予期せぬことが起こる。良いことも悪いことも』と口を酸っぱくしている。いつも望んだ通りの結果を得られるほどロードレースは甘くないけど、自ら動いて何かを求め続けなければ運は回ってこない。とにかくジロには先入観を持たずに、広い心で挑みたい」。
ロイドは、かつてチームマペイでトレーナーを務めていたアルド・サッシ氏とともに、タイムトライアル・ポジションを煮詰めて来た。ヴァレーゼに住むサッシ氏はカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)やイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)のトレーナーとして知られており、彼の助言がジロのチームタイムトライアルや個人タイムトライアルで役に立つと期待している。
「サッシ氏を慕う選手は多いよ。彼とは良い関係を築いているんだ。アスリートの最高のパフォーマンスを追求する一流のスタッフが彼の周りに集まっているから、必然的に良いアドバイスを得ることが出来るんだ」。
オメガファーマ・ロットは昨年ツール・ド・フランスのチームタイムトライアルで惨敗した苦い経験を持つ。今年のジロでもチームタイムトライアルは重要な役割を担う。チームは既にメンバーを引き連れてコースの下見を終えている。
「昨年のツールは(エースのエヴァンスがいたことで)大きなプレッシャーを感じていた。でもその経験が今の自分に活きている。プレッシャーに打ち勝つことでより良い走りが出来ると信じている。チーム全体が昨年より高いパフォーマンスを発揮出来ると思うよ」。
今年、オランダの3ステージ終了後、選手たちはイタリアに移動する。まずはサヴィリアーノからクーネオまでの33kmで行なわれるチームタイムトライアル。そこからイタリア南部のプーリア州までイタリア半島を南下し、ドロミテの山岳ステージに向かって北上。最終週はゾンコラン、プラン・デ・コロネス、モルティローロ、ガヴィアと、難関山岳が連続して登場する。
タイムトライアルでタイムを失わず、山岳でライバルたちと渡り合うことが出来れば、ロイドは総合上位に絡むことが出来るだろう。ロイドの前に立ちはだかるのは、昨年までのチームメイトであるエヴァンスかも知れない。
「彼との対決は楽しみだよ。カデル(エヴァンス)は本気でジロを狙っている。2002年にもマリアローザを着ているし『今度こそ』という気持ちは強いと思う。彼とは今でも仲がいいんだ。世界チャンピオンの彼に対して挑戦的な態度の選手も多いけど、僕は彼を知り尽くしているから、落ち着いて闘えると思う」。
チームメイトのモレーノも山岳に強いクライマー。オメガファーマ・ロットは地元イタリア人選手を欠く多国籍なメンバーでジロに挑む。
オメガファーマ・ロットのジロ出場メンバー
マシュー・ロイド(オーストラリア)
ダニエル・モレーノ(スペイン)
ヤン・バケランツ(ベルギー)
アダム・ブライス(イギリス)
フランシス・デグレーフ(ベルギー)
ミハエル・エリィエン(オランダ)
オリヴィエ・カイセン(ベルギー)
セバスティアン・ラング(ドイツ)
シャールズ・ウェゲリュース(イギリス)
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos, Kei Tsuji
translation:Kei Tsuji
オメガファーマ・ロットのロベルト・ダミアーニ監督曰く、チームには明確なエースがいない。それだけにロイドのモチヴェーションは高い。
「イタリアに住む選手は誰でもマリアローザを着たいと思っている。でも『マリアローザを狙っているんだ』なんて大きな声で言う自信は無いよ。現実的にはステージ優勝を狙っている。チャンスがあれば総合トップ10に入りたい。広い目標を持ってジロに挑みたいと思っているよ」。
そう語るロイドは、現在イタリア・ヴァレーゼ在住。ダミアーニ監督の自宅から数キロの距離だ。
「いつもダミアーニ監督は『レースでは予期せぬことが起こる。良いことも悪いことも』と口を酸っぱくしている。いつも望んだ通りの結果を得られるほどロードレースは甘くないけど、自ら動いて何かを求め続けなければ運は回ってこない。とにかくジロには先入観を持たずに、広い心で挑みたい」。
ロイドは、かつてチームマペイでトレーナーを務めていたアルド・サッシ氏とともに、タイムトライアル・ポジションを煮詰めて来た。ヴァレーゼに住むサッシ氏はカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)やイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)のトレーナーとして知られており、彼の助言がジロのチームタイムトライアルや個人タイムトライアルで役に立つと期待している。
「サッシ氏を慕う選手は多いよ。彼とは良い関係を築いているんだ。アスリートの最高のパフォーマンスを追求する一流のスタッフが彼の周りに集まっているから、必然的に良いアドバイスを得ることが出来るんだ」。
オメガファーマ・ロットは昨年ツール・ド・フランスのチームタイムトライアルで惨敗した苦い経験を持つ。今年のジロでもチームタイムトライアルは重要な役割を担う。チームは既にメンバーを引き連れてコースの下見を終えている。
「昨年のツールは(エースのエヴァンスがいたことで)大きなプレッシャーを感じていた。でもその経験が今の自分に活きている。プレッシャーに打ち勝つことでより良い走りが出来ると信じている。チーム全体が昨年より高いパフォーマンスを発揮出来ると思うよ」。
今年、オランダの3ステージ終了後、選手たちはイタリアに移動する。まずはサヴィリアーノからクーネオまでの33kmで行なわれるチームタイムトライアル。そこからイタリア南部のプーリア州までイタリア半島を南下し、ドロミテの山岳ステージに向かって北上。最終週はゾンコラン、プラン・デ・コロネス、モルティローロ、ガヴィアと、難関山岳が連続して登場する。
タイムトライアルでタイムを失わず、山岳でライバルたちと渡り合うことが出来れば、ロイドは総合上位に絡むことが出来るだろう。ロイドの前に立ちはだかるのは、昨年までのチームメイトであるエヴァンスかも知れない。
「彼との対決は楽しみだよ。カデル(エヴァンス)は本気でジロを狙っている。2002年にもマリアローザを着ているし『今度こそ』という気持ちは強いと思う。彼とは今でも仲がいいんだ。世界チャンピオンの彼に対して挑戦的な態度の選手も多いけど、僕は彼を知り尽くしているから、落ち着いて闘えると思う」。
チームメイトのモレーノも山岳に強いクライマー。オメガファーマ・ロットは地元イタリア人選手を欠く多国籍なメンバーでジロに挑む。
オメガファーマ・ロットのジロ出場メンバー
マシュー・ロイド(オーストラリア)
ダニエル・モレーノ(スペイン)
ヤン・バケランツ(ベルギー)
アダム・ブライス(イギリス)
フランシス・デグレーフ(ベルギー)
ミハエル・エリィエン(オランダ)
オリヴィエ・カイセン(ベルギー)
セバスティアン・ラング(ドイツ)
シャールズ・ウェゲリュース(イギリス)
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos, Kei Tsuji
translation:Kei Tsuji