2019/09/04(水) - 08:37
アップダウン連続の36.2kmコースで争われたブエルタ第10ステージの個人TTで、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)が貫禄のステージ優勝。3分以上遅れたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)に代わり総合首位に浮上した。
スペインを抜け出してフランスのポーで大会1回目の休息日を迎えたブエルタ。1ヶ月半前の7月19日にアラフィリップの個人TT勝利に沸いたポーで、再びTTバイクによる戦いが繰り広げられる。今年のグランツアー中最も長い距離36.2km、時間にして50分弱のコースは(ブエルタならではのプロフィールでは平坦に見えるが)アップダウンの連続で、細かいコーナーも多く含まれている。
フィニッシュ地点はツール第13ステージと同じマキルベアルン通りだが、1ヶ月半前に登場した最大勾配17%のミュロ通りの急坂は省かれ、代わりに勾配4%ほどの第18歩兵連隊通りの登りが残り1km地点に組み込まれている。ニュージーランドTT王者のパトリック・ベヴィン(CCCチーム)によれば、「全く休む場所がない超タフコース。スタート直後から2.5kmの登りたあって、ペースコントロールが非常に難しい。回復できる場所なんてどこにもない」。
難易度の高いこのTTコースで飛ぶような走りを披露したのは、予想通りマイヨロホ獲得を使命に掲げたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)だった。
序盤に指針となるタイムを叩き出したのは、このブエルタで積極的な走りが目立つレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)。それまで首位にいたバンジャマン・トマ(フランス、グルパマFDJ)を中間計測で1分37秒上回る47分32秒(平均45.7km/h)をマークしてホットシートにつく。
カヴァニャを脅かしたのはべヴィンだった。第1中間計測ではカヴァニャから遅れること1秒、第2中間計測では反対に3秒上回り、最終的に2秒上回る僅差でカヴァニャを上回る。ずっとこのステージを狙っていたと言うニュージーランド王者が狙い通りの走りで後続選手のフィニッシュを待つこととなる。
ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト)やネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)らもべヴィンには届かず、いよいよ総合上位陣がスタートしていく。タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)、ログリッチェ、そしてマイヨロホのナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)。20歳ポガチャルがベヴィンから1分04秒遅れで好走したが、TT巧者でステージ優勝候補筆頭のログリッチェが飛ぶような走りを披露した。
「今日は集中して可能な限り強くペダルを回すことだけを考えていた」と言う、ポイント賞ジャージを着用して走ったログリッチェ。第1中間計測ではベヴィンを33秒上回り、2分前にスタートしたロペスをフィニッシュライン直前で抜き去ってフィニッシュ。バルベルデやベヴィンから1分13秒遅れに終わる中、ログリッチェが26秒上回る47分04秒で一躍ホットシートに座った。
休息日前のアンドラ決戦でマイヨロホを得たばかりのキンタナは大いに苦しんだ。序盤から大きくタイムを失い、ログリッチェから3分06秒遅れるステージ27位でフィニッシュ。これによってログリッチェのステージ優勝とマイヨロホ浮上が決定し、バルベルデが1分52秒遅れの総合2位、ロペスが2分11秒遅れの同3位、キンタナが総合成績を3つ落として3分00秒遅れの4位に転落。激坂が多数組み込まれたバスクステージを前に、総合上位陣の成績が大きくシャッフルされることとなった。
「できるだけハイペースを保つことに務め、ステージ優勝するには十分余裕があった。僕らはまだまだブエルタのスタート地点。このリードがマドリードで勝つのに十分かどうか見定めなくてはならない。すでにいくつか激しいステージを消化してきたけれど、まだまだ難しいコースが待ち構えている。今一番大切なのはその日その日を大切に乗り切ること。(総合首位に立ったことで)レースをコントロールする必要があるけれど、僕には強いチームがついていてくれる」とログリッチェは語っている。
スペインを抜け出してフランスのポーで大会1回目の休息日を迎えたブエルタ。1ヶ月半前の7月19日にアラフィリップの個人TT勝利に沸いたポーで、再びTTバイクによる戦いが繰り広げられる。今年のグランツアー中最も長い距離36.2km、時間にして50分弱のコースは(ブエルタならではのプロフィールでは平坦に見えるが)アップダウンの連続で、細かいコーナーも多く含まれている。
フィニッシュ地点はツール第13ステージと同じマキルベアルン通りだが、1ヶ月半前に登場した最大勾配17%のミュロ通りの急坂は省かれ、代わりに勾配4%ほどの第18歩兵連隊通りの登りが残り1km地点に組み込まれている。ニュージーランドTT王者のパトリック・ベヴィン(CCCチーム)によれば、「全く休む場所がない超タフコース。スタート直後から2.5kmの登りたあって、ペースコントロールが非常に難しい。回復できる場所なんてどこにもない」。
難易度の高いこのTTコースで飛ぶような走りを披露したのは、予想通りマイヨロホ獲得を使命に掲げたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)だった。
序盤に指針となるタイムを叩き出したのは、このブエルタで積極的な走りが目立つレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)。それまで首位にいたバンジャマン・トマ(フランス、グルパマFDJ)を中間計測で1分37秒上回る47分32秒(平均45.7km/h)をマークしてホットシートにつく。
カヴァニャを脅かしたのはべヴィンだった。第1中間計測ではカヴァニャから遅れること1秒、第2中間計測では反対に3秒上回り、最終的に2秒上回る僅差でカヴァニャを上回る。ずっとこのステージを狙っていたと言うニュージーランド王者が狙い通りの走りで後続選手のフィニッシュを待つこととなる。
ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト)やネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)らもべヴィンには届かず、いよいよ総合上位陣がスタートしていく。タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)、ログリッチェ、そしてマイヨロホのナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)。20歳ポガチャルがベヴィンから1分04秒遅れで好走したが、TT巧者でステージ優勝候補筆頭のログリッチェが飛ぶような走りを披露した。
「今日は集中して可能な限り強くペダルを回すことだけを考えていた」と言う、ポイント賞ジャージを着用して走ったログリッチェ。第1中間計測ではベヴィンを33秒上回り、2分前にスタートしたロペスをフィニッシュライン直前で抜き去ってフィニッシュ。バルベルデやベヴィンから1分13秒遅れに終わる中、ログリッチェが26秒上回る47分04秒で一躍ホットシートに座った。
休息日前のアンドラ決戦でマイヨロホを得たばかりのキンタナは大いに苦しんだ。序盤から大きくタイムを失い、ログリッチェから3分06秒遅れるステージ27位でフィニッシュ。これによってログリッチェのステージ優勝とマイヨロホ浮上が決定し、バルベルデが1分52秒遅れの総合2位、ロペスが2分11秒遅れの同3位、キンタナが総合成績を3つ落として3分00秒遅れの4位に転落。激坂が多数組み込まれたバスクステージを前に、総合上位陣の成績が大きくシャッフルされることとなった。
「できるだけハイペースを保つことに務め、ステージ優勝するには十分余裕があった。僕らはまだまだブエルタのスタート地点。このリードがマドリードで勝つのに十分かどうか見定めなくてはならない。すでにいくつか激しいステージを消化してきたけれど、まだまだ難しいコースが待ち構えている。今一番大切なのはその日その日を大切に乗り切ること。(総合首位に立ったことで)レースをコントロールする必要があるけれど、僕には強いチームがついていてくれる」とログリッチェは語っている。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第10ステージ結果
1位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 0:47:05 |
2位 | パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) | 0:00:25 |
3位 | レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:27 |
4位 | ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト) | 0:00:48 |
5位 | ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター) | 0:01:02 |
6位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール) | 0:01:14 |
7位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:01:21 |
8位 | マルク・ソレル(スペイン、モビスター) | 0:01:22 |
9位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) | 0:01:27 |
10位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) | 0:01:28 |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 36:05:29 |
2位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 0:01:52 |
3位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 0:02:11 |
4位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:03:00 |
5位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 0:03:05 |
6位 | カールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル) | 0:04:59 |
7位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:05:42 |
8位 | ニコラ・エデ(フランス、コフィディス) | 0:05:49 |
9位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) | 0:06:07 |
10位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 0:06:25 |
ポイント賞
1位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 89pts |
2位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 70pts |
3位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 61pts |
山岳賞
1位 | アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴスBH) | 29pts |
2位 | ジョフリー・ブシャール(フランス、アージェードゥーゼール) | 21pts |
3位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | 18pts |
ヤングライダー賞
1位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 36:07:40 |
2位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 0:00:54 |
3位 | セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) | 0:07:56 |
チーム総合成績
1位 | モビスター | 107:43:41 |
2位 | ユンボ・ヴィズマ | 0:18:11 |
3位 | アスタナ | 0:22:02 |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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