最終2級山岳の頂上でのアタックが決まったパリ〜ニース第6ステージ。アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ)が4.6kmを独走し、念願のワールドツアー初勝利を飾った。



獲得標高差2000mの丘陵ステージで行われたパリ〜ニース第6ステージ photo:A.S.O.

徐々に最終目的地のニースが近づいてきた第84回パリ〜ニース(UCIワールドツアー)。第6ステージは終盤に3つの丘を越える(うちカテゴリー山岳は2つ)、展開予想の難しいレイアウト。そのため序盤から逃げ切りを狙う動きが相次いだものの、決定的な動きには繋がらず、最終的にジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)ら4名が抜け出した。

それを容認したメイン集団は、前日、前々日と勝利を収め、総合2位に3分22秒と大差をつけるヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク)のヴィスマ・リースアバイクが牽引する。レースは落ち着いた展開のまま後半へ。3つの丘を前に、プロトンからセーアン・クラーウアナスン(デンマーク、リドル・トレック)が飛び出し、レースが再び動き出した。

しかしこの試みは成功せず、逃げから遅れたステフ・クラス(ベルギー、スーダル・クイックステップ)と共にクラーウアナスンはプロトンに引き戻される。残り19.2km時点で、先頭3名との差は1分15秒。直後に前日3位だったアロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ)がメカトラで遅れ、素早いバイクチェンジとチームメイトのアシストで集団復帰を果たした。

ジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)ら4名による逃げ集団 photo:A.S.O.

残り8.3km地点から始まる最終2級山岳(距離4km/平均5%)に入った時点で、逃げとの差は31秒。スプリンターなどが遅れ、人数の絞られたプロトンはヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が先導し、先頭からはアルトゥール・クルッカース(ルクセンブルク、チューダープロサイクリング)がドロップして2名となる。しかし集団は逃げを捉え、2級山岳の登坂でレニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス)がアタックするも、ヴィンゲゴーたちを振り切ることはできない。

20名前後まで絞られた先頭集団には、ローレンス・ピシー(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)やマッテオ・トレンティン(イタリア、チューダープロサイクリング)などスプリントに強い選手たちが残る。その集団から頂上手前でアロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ)がアタック。総合でトップ10に入っていないテハダのアタックを追う選手はおらず、そのままフィニッシュまで続く下りへと突入した。

追走集団には登りで遅れたブライアン・コカール(フランス、コフィディス)らスプリンターたちも合流したものの、テハダが逃げ切り、単独でフィニッシュにたどり着いた。

最終山岳で抜け出し、独走勝利したアロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) photo:A.S.O.

ワールドツアー初勝利を飾ったアロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) photo:A.S.O.

ステージレースでは何度もトップ10に入りながらも、これがプロ2勝目となったテハダ。「ようやくヨーロッパのワールドツアーで勝つことができた。キャリアで最も重要な勝利だ。昨日、(監督の)ヴィノクロフが『調子が良ければ最終山岳の頂上付近でアタックしてみろ』とアドバイスをくれた。その前にメカトラが起きたが、チーム全員が助けてくれた。本当に嬉しい」と、テハダはキャリアハイの結果を喜んだ。

2位を争う集団スプリントはドリアン・ゴドン(フランス、イネオス・グレナディアーズ)が先着し、ヴィンゲゴーは同タイムの19位でフィニッシュし、総合首位をキープしている。
パリ〜ニース2026第6ステージ結果
1位 アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) 3:54:38
2位 ドリアン・ゴドン(フランス、イネオス・グレナディアーズ) +0:06
3位 ルイス・アスキー(イギリス、NSNサイクリングチーム)
4位 ブライアン・コカール(フランス、コフィディス)
5位 マッテオ・トレンティン(イタリア、チューダープロサイクリング)
6位 ローレンス・ピシー(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
7位 ケヴィン・ヴォークラン(フランス、イネオス・グレナディアーズ)
8位 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)
9位 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
10位 アレックス・ボーダン(フランス、EFエデュケーション・イージーポスト)
個人総合成績
1位 ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)21:16:50
2位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +3:22
3位 ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト) +5:50
4位 ケヴィン・ヴォークラン(フランス、イネオス・グレナディアーズ) +6:09
5位 レニー・マルティネス(フランス、バーレーン・ヴィクトリアス) +7:37
6位 マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツXRG) +8:15
7位 ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス) +9:02
8位 マティス・ロンデル(フランス、チューダープロサイクリング) +10:06
9位 アレックス・ボーダン(フランス、EFエデュケーション・イージーポスト) +10:16
10位 アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) +11:27
その他の特別賞
ポイント賞 ルーク・ランパーティ(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)
山岳賞 ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)
ヤングライダー賞 ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)
チーム総合成績 イネオス・グレナディアーズ
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O.