2019/09/04(水) - 11:59
サイクルイベントで見つけたこだわりのバイクを紹介する「あなたの自転車見せてください」。今回は8月に開催されたヒルクライムイベント「マウンテンサイクリングin乗鞍2019」で強豪クライマーたちが駆った愛車を紹介しよう。
チャンピオンクラス 1位 中村俊介(SEKIYA)トレック EMONDA SLR
積極的な走りで先頭集団を揺さぶり続け、ラストは2人のスプリントを制して見事2連覇した中村さん。9年前に「山の神」こと森本誠が出した歴代最高記録を27秒塗り替える54分41秒のタイムを叩き出し、大会新記録となった走りを支えたのがトレックの超軽量モデルであるEMONDA SLRだ。
バイクはリスキーな加工をせずに信頼できる軽量パーツで構成している。注目すべき点はホイールの組み合わせだ。前輪にコリマ AERO+、後輪にマヴィックのCOSMIC CARBON ULTIMATEという、前後で異なるフレンチブランドのフルカーボンホイールを組み合わせている。
「前後のホイールを変えているのはそれぞれ考えがあって。前輪は剛性よりも軽量を求めてスポーク本数が少なく軽いコリマ AERO+に。後輪は駆動力が必要なので剛性の高いCOSMIC CARBON ULTIMATEで、この組み合わせが自分には合っています」と言う。
装着されるのも前後で違うタイヤで、共に最小限の転がり抵抗をもつタイムトライアル向けチューブラータイヤが装着されていた。フロントは軽量のケーシングと薄いトレッドにより最高のスピードを発揮してくれるヴィットリアのCORSA SPEED。リアはコンチネンタルのPODIUM TT 22mmだ。
チェーンリングは表記とは違う50-36Tの組み合わせを使用。スプロケットはワイドレシオな11-28T。スピードプレイペダルはベータチタニウム製のチタンシャフトを特注で打ち換えて、軽量化と剛性を高めている。変速スピード重視でコンポーネントはデュラエースR9150 DI2を選択。「シマノDI2の、ダンシングしながら変速するときの感じが好き」と中村さん。
ステム一体型ハンドルのボントレガーXXX インテグレーテッドバー/ステムを使用。サドルはセッレイタリアSLRの穴あきモデルだ。サイクルコンピューターはレザインMICRO COLOR GPSを使用する。
チャンピオンクラス 2位 森本誠(GOKISO)ヨネックス CARBONEX
優勝した中村さんとのゴールスプリントに敗れ、惜しくも2位だった森本さん。「ゴールスプリントで勝った記憶もあるので、スプリント勝負に持ち込みたくて守りの走りにシフトしました。結果的に負けてしまい2位でしたが、また来年リベンジします」と、今大会の反省と来年の抱負を語ってくれた。
「山の神」こと森本さんの愛車はヨネックス CARBONEX。回転系がすべて抵抗が少ないゴキソで統一されていた。ホイールはもちろんのこと、ボトムブラケットもゴキソ製。ゴキソのBBはスクエアテーパーにのみ対応しているので、使用できるのはスギノ製クランクのみだという。取り付けられていたスギノクランクには軽量化のため肉抜き加工が施されていた。
バーテープはあえて巻かず、ボトルケージや不必要なボルトはすべて外した徹底的な軽量化がされていた。ゴキソ GD²24mmクリンチャーには数々のテストを経た結果、転がり抵抗が少なく軽量で乗り心地の良いコンチネンタルのGrand Prix Supersonicを選択することにした。チューブはSOYOのラテックスチューブで、重量48gと軽量だ。
サドルは長年愛用しているフルカーボンのAXライトネス。「このサドルは乗鞍の時だけ使用しています。レース時間は1時間以内で体重が掛からないので、快適さよりも軽量性を優先しました」と森本さん。ギア比は乗鞍ではフロントシングルで34Tを使用。スプロケットは12-25T。昨年まではステンレスのアウターケーブルを使用していたが、会社の同僚の方が見つけてきてくれたというアルミアウターを装着していた。また随所にチタンボルトを使用していた。
チャンピオンクラス 3位 梅川陸(大泉愛輪会)キャノンデール SUPERSIX Evo Hi-Mod
終盤まで先頭集団で果敢に攻め続け、最後は遅れてしまったが自身最高位の3位を獲得した梅川さん。「身体はかなり絞れていて調子も良かったので自信はありました。作戦はとにかく周りに合わせながら先頭に着いていくことで、最後まで勝負できる位置に居られたらな、という感じでした。レース終盤に自分からアタックしたりと積極的に走れた点は良かったです。ラスト1kmで遅れてしまったのでとても悔しかったです」と梅川さん。
頭髪さえ軽量化した梅川さんの走りを支えるのは、キャノンデール SUPERSIX Evo Hi-Mod。フレームのカラーリングはブラックメインで挿し色のブルーが入る、同社のカラーオーダーシステム「カスタムラボ」仕様になっている。ハンドル周りのポイントはバーテープ。梅川さんが生まれる前に絶版となった、鮮やかなブルーのべノットのセロハン製バーテープを愛用している。薄いため両方合計で25gと軽量だ。スラム REDの左のレバーは内部の変速機構を抜いてある。ハンドルはジップの最新ラインナップから消えた重量170gのSLカーボンハンドルを愛用していた。ステムはスカンジウム製のKCNC SC Wing。サドルはAXライトネス Phoenixだ。
ホイールは乗鞍HCでのみ使用するという前後合計重量1,015gのライトウェイト GIPFELSTURM(ギップフェルシュトルム)を使用。タイヤは軽量のケーシングと薄いトレッドを採用し、転がり抵抗が少ないヴィットリア CORSA SPEEDをチョイスしていた。クイックレバーを使用せず、レバーの無いスキュアーを使用して軽量化を図っていた。
クランクはスラム RED22で、チェーンリングはウルフトゥースの34Tシングルを装着。ブレーキは170gの軽量ブレーキキャリパー、KCNC CB3だ。
チャンピオンクラス 6位 中川真也(ケッヘルVCスプートニク)キャノンデールSUPERSIX Evo Hi-Mod
前回大会は58分台。そのタイムを2分近く更新する自己ベストで6位入賞を果たした中川さん。「レースの作戦は先頭集団に出来るだけついていくことでした。タイムは自己ベストを更新することが出来て良かった。いつも6位なので来年は5位以内を狙っていきたい」とレースを振り返り、来年の目標を語ってくれた。
中川さんの愛車はキャノンデール SUPERSIX Evo Hi-Mod。コンポーネントはシマノ・デュラエースDI2とアルテグラをミックスで使用。サドルはスペシャライズド S-WORKS POWER ARC CARBON。ロードレースでも使用するバイクだが、ヒルクライム仕様ではサドルを前乗り気味にセットし、ステムは120mmから110mmに短くし、力が入りやすいようにした。
「乗鞍でもアウターを使う場面があるので、52-36Tセミコンパクトのフロントダブルのセッティングにしています」という。スプロケットは11-28Tで試走をしたが、ロー28Tでは足りなかったので11-30Tのスプロケットを準備したという。パワーメーターにはパイオニアのペダリングモニターを装着し、ペース配分に役立てる。
前輪は少しでも軽くしたいということで、友人から借りたデュラエースC24のホイールにした。後輪は「踏みこんだ時のかかりが良くて、フィーリングが良い」と中川さんお気に入りのマヴィックのR-SYS。装着されていたタイヤは転がり抵抗の低いコンチネンタルのGrand Prix Supersonicだ。
チャンピオンクラス 橋本謙司 ルック 785 HUEZ RS
トップ10を目指してチャレンジしたが三本滝手前で遅れてしまい、悔しい思いをしたお馴染み「ハシケン」ことフリーライターの橋本謙司さん。上位入賞は果たせなかったが、こだわりの強いカスタムバイクとなっている。
「2年前に58分10秒を叩き出しましたが、今年は仕事が忙しくて8月上旬からしか本格的なトレーニングができませんでした。今年の目標は60分切りでしたが、先頭から遅れてしまいその後は粘って走りましたが62分46秒で目標を達成できませんでした。また来年リベンジしたいですね!」と今年の反省と来年への意気込みを語ってくれた。
ハシケンさんの愛車はルック社の威信をかけて開発された究極のスーパークライミングバイク、785 HUEZ RS。コンポーネントはスラム RED。こだわりは今年のツール・ド・フランスで話題となったライトウェイトのホイールとカーボンドライジャパンのビッグプーリー「V3」。
「最後のリムブレーキのロードバイク」というテーマでこのバイクを組み上げたと言う。決戦装備で5.2kgと、フロントシングル化していないが軽量だ。ハンドルはボントレガーのステム一体型ハンドルXXX インテグレーテッド。サドルはボントレガー Carbon XXXと、長く愛用しているというこだわりパーツが取り付けられていた。
ローター INPOWER DMクランクに、同ローターの楕円チェーンリング(52-36T)が組み合わせられていた。スプロケットはロー30Tのものを使用した。チェーンはPTFEパウダーを付着させたサクラ SLFチェーンだ。このチェーンには超低摩擦で撥水性が高い固体潤滑剤をコーティングしている。ペダルはルック KEO BLADE。
一般女子 1位 牧瀬翼(IKEUCHI EXIT)ヨネックス CARBONEX
3週間の野辺山合宿をして乗鞍に挑み、コースレコードを塗り替える圧巻の走りで2連覇を果たした女子プロロードレーサーの牧瀬さん。レースを「純粋に楽しみながら走りました」と振り返る。その走りを支えたフレームはヨネックス CARBONEXだ。
基本はロードレースで使用するバイクだけに目立つ軽量パーツは使用されていない。注目ポイントはカーボンドライジャパンのビッグプーリー「V3」とゴキソ GD²24mmクリンチャーホイールの二つだ。コンポーネントは機械式のシマノ デュラエースR9100。タイヤは転がり抵抗が少なく軽量で乗り心地も良いというコンチネンタルのGrand Prix Supersonicを選択。空気圧は普段のロードレースでは7気圧のところ、乗鞍では8気圧にして走ったという。
海外転戦など過酷な条件下で使用することが多いため、耐久性重視でクリスキングのヘッドパーツを取り付けていた。パワーメーターは今回新しくパイオニアのペダリングモニターを装着したという。気になるギア比は、チェーンリングは52-36Tセミコンパクトに。スプロケットはロードレースでは11-28Tを使用するが、乗鞍ではレース前半に少しでも休めるようにと11-30Tのスプロケットを選択したという。
今後の目標について「身体を鍛え上げ終えたら、バイクは軽量化していくつもりです。また来年も楽しみながら走り、連覇したい。」と意気込みを語ってくれた。
一般男子A 1位 中島あつし(たてりん)メリダ SCULTURA LIMITED
一般男子A優勝の中島あつしさん(たてりん)(エントリー名は「ぱーぷるぷじょー」)の愛車はメリダSCULTURA LIMITED。数モデルあるSCULTURAのなかでも最高ランクのカーボン素材を使用したCF4フレーム採用モデルで、アルテグラで組まれた完成車だ。
ホイールはマヴィック KSYRIUM PRO CARBON SLチューブラーに換装。サイクルコンピューターはブライトンのRider 410。カーボンボトルゲージを装着。それ以外はほぼ完成車購入時のままだ。
「乗鞍向けのセッティングは特別なことはなく、ホイール以外はほぼ純正のままです。コンポなどのパーツはコスト重視で考え、お金をかけるならフレームとホイールと考えている『冒険はしないタイプ』なんです(笑)。SCULTURA CF4フレームはパリッとした軽い硬さで、とても軽く、良く走るので性能にはとても満足しています。とくにダンシングで速いんです。定評ある軽量ホイールのKSYRIUMは安心で、走行性能を考えてチューブラーを選びました。ブライトンはパワーを表示できるサイコンの中でもっとも価格が手頃だから選んでいます。今後アップグレードするならハンドルとステムをカーボンにして軽量化したり、ブレーキのデュラエース化で制動力アップを考えています」。
photo&text:Michinari.Takagi
photo:Makoto.AYANO
チャンピオンクラス 1位 中村俊介(SEKIYA)トレック EMONDA SLR
積極的な走りで先頭集団を揺さぶり続け、ラストは2人のスプリントを制して見事2連覇した中村さん。9年前に「山の神」こと森本誠が出した歴代最高記録を27秒塗り替える54分41秒のタイムを叩き出し、大会新記録となった走りを支えたのがトレックの超軽量モデルであるEMONDA SLRだ。
バイクはリスキーな加工をせずに信頼できる軽量パーツで構成している。注目すべき点はホイールの組み合わせだ。前輪にコリマ AERO+、後輪にマヴィックのCOSMIC CARBON ULTIMATEという、前後で異なるフレンチブランドのフルカーボンホイールを組み合わせている。
「前後のホイールを変えているのはそれぞれ考えがあって。前輪は剛性よりも軽量を求めてスポーク本数が少なく軽いコリマ AERO+に。後輪は駆動力が必要なので剛性の高いCOSMIC CARBON ULTIMATEで、この組み合わせが自分には合っています」と言う。
装着されるのも前後で違うタイヤで、共に最小限の転がり抵抗をもつタイムトライアル向けチューブラータイヤが装着されていた。フロントは軽量のケーシングと薄いトレッドにより最高のスピードを発揮してくれるヴィットリアのCORSA SPEED。リアはコンチネンタルのPODIUM TT 22mmだ。
チェーンリングは表記とは違う50-36Tの組み合わせを使用。スプロケットはワイドレシオな11-28T。スピードプレイペダルはベータチタニウム製のチタンシャフトを特注で打ち換えて、軽量化と剛性を高めている。変速スピード重視でコンポーネントはデュラエースR9150 DI2を選択。「シマノDI2の、ダンシングしながら変速するときの感じが好き」と中村さん。
ステム一体型ハンドルのボントレガーXXX インテグレーテッドバー/ステムを使用。サドルはセッレイタリアSLRの穴あきモデルだ。サイクルコンピューターはレザインMICRO COLOR GPSを使用する。
チャンピオンクラス 2位 森本誠(GOKISO)ヨネックス CARBONEX
優勝した中村さんとのゴールスプリントに敗れ、惜しくも2位だった森本さん。「ゴールスプリントで勝った記憶もあるので、スプリント勝負に持ち込みたくて守りの走りにシフトしました。結果的に負けてしまい2位でしたが、また来年リベンジします」と、今大会の反省と来年の抱負を語ってくれた。
「山の神」こと森本さんの愛車はヨネックス CARBONEX。回転系がすべて抵抗が少ないゴキソで統一されていた。ホイールはもちろんのこと、ボトムブラケットもゴキソ製。ゴキソのBBはスクエアテーパーにのみ対応しているので、使用できるのはスギノ製クランクのみだという。取り付けられていたスギノクランクには軽量化のため肉抜き加工が施されていた。
バーテープはあえて巻かず、ボトルケージや不必要なボルトはすべて外した徹底的な軽量化がされていた。ゴキソ GD²24mmクリンチャーには数々のテストを経た結果、転がり抵抗が少なく軽量で乗り心地の良いコンチネンタルのGrand Prix Supersonicを選択することにした。チューブはSOYOのラテックスチューブで、重量48gと軽量だ。
サドルは長年愛用しているフルカーボンのAXライトネス。「このサドルは乗鞍の時だけ使用しています。レース時間は1時間以内で体重が掛からないので、快適さよりも軽量性を優先しました」と森本さん。ギア比は乗鞍ではフロントシングルで34Tを使用。スプロケットは12-25T。昨年まではステンレスのアウターケーブルを使用していたが、会社の同僚の方が見つけてきてくれたというアルミアウターを装着していた。また随所にチタンボルトを使用していた。
チャンピオンクラス 3位 梅川陸(大泉愛輪会)キャノンデール SUPERSIX Evo Hi-Mod
終盤まで先頭集団で果敢に攻め続け、最後は遅れてしまったが自身最高位の3位を獲得した梅川さん。「身体はかなり絞れていて調子も良かったので自信はありました。作戦はとにかく周りに合わせながら先頭に着いていくことで、最後まで勝負できる位置に居られたらな、という感じでした。レース終盤に自分からアタックしたりと積極的に走れた点は良かったです。ラスト1kmで遅れてしまったのでとても悔しかったです」と梅川さん。
頭髪さえ軽量化した梅川さんの走りを支えるのは、キャノンデール SUPERSIX Evo Hi-Mod。フレームのカラーリングはブラックメインで挿し色のブルーが入る、同社のカラーオーダーシステム「カスタムラボ」仕様になっている。ハンドル周りのポイントはバーテープ。梅川さんが生まれる前に絶版となった、鮮やかなブルーのべノットのセロハン製バーテープを愛用している。薄いため両方合計で25gと軽量だ。スラム REDの左のレバーは内部の変速機構を抜いてある。ハンドルはジップの最新ラインナップから消えた重量170gのSLカーボンハンドルを愛用していた。ステムはスカンジウム製のKCNC SC Wing。サドルはAXライトネス Phoenixだ。
ホイールは乗鞍HCでのみ使用するという前後合計重量1,015gのライトウェイト GIPFELSTURM(ギップフェルシュトルム)を使用。タイヤは軽量のケーシングと薄いトレッドを採用し、転がり抵抗が少ないヴィットリア CORSA SPEEDをチョイスしていた。クイックレバーを使用せず、レバーの無いスキュアーを使用して軽量化を図っていた。
クランクはスラム RED22で、チェーンリングはウルフトゥースの34Tシングルを装着。ブレーキは170gの軽量ブレーキキャリパー、KCNC CB3だ。
チャンピオンクラス 6位 中川真也(ケッヘルVCスプートニク)キャノンデールSUPERSIX Evo Hi-Mod
前回大会は58分台。そのタイムを2分近く更新する自己ベストで6位入賞を果たした中川さん。「レースの作戦は先頭集団に出来るだけついていくことでした。タイムは自己ベストを更新することが出来て良かった。いつも6位なので来年は5位以内を狙っていきたい」とレースを振り返り、来年の目標を語ってくれた。
中川さんの愛車はキャノンデール SUPERSIX Evo Hi-Mod。コンポーネントはシマノ・デュラエースDI2とアルテグラをミックスで使用。サドルはスペシャライズド S-WORKS POWER ARC CARBON。ロードレースでも使用するバイクだが、ヒルクライム仕様ではサドルを前乗り気味にセットし、ステムは120mmから110mmに短くし、力が入りやすいようにした。
「乗鞍でもアウターを使う場面があるので、52-36Tセミコンパクトのフロントダブルのセッティングにしています」という。スプロケットは11-28Tで試走をしたが、ロー28Tでは足りなかったので11-30Tのスプロケットを準備したという。パワーメーターにはパイオニアのペダリングモニターを装着し、ペース配分に役立てる。
前輪は少しでも軽くしたいということで、友人から借りたデュラエースC24のホイールにした。後輪は「踏みこんだ時のかかりが良くて、フィーリングが良い」と中川さんお気に入りのマヴィックのR-SYS。装着されていたタイヤは転がり抵抗の低いコンチネンタルのGrand Prix Supersonicだ。
チャンピオンクラス 橋本謙司 ルック 785 HUEZ RS
トップ10を目指してチャレンジしたが三本滝手前で遅れてしまい、悔しい思いをしたお馴染み「ハシケン」ことフリーライターの橋本謙司さん。上位入賞は果たせなかったが、こだわりの強いカスタムバイクとなっている。
「2年前に58分10秒を叩き出しましたが、今年は仕事が忙しくて8月上旬からしか本格的なトレーニングができませんでした。今年の目標は60分切りでしたが、先頭から遅れてしまいその後は粘って走りましたが62分46秒で目標を達成できませんでした。また来年リベンジしたいですね!」と今年の反省と来年への意気込みを語ってくれた。
ハシケンさんの愛車はルック社の威信をかけて開発された究極のスーパークライミングバイク、785 HUEZ RS。コンポーネントはスラム RED。こだわりは今年のツール・ド・フランスで話題となったライトウェイトのホイールとカーボンドライジャパンのビッグプーリー「V3」。
「最後のリムブレーキのロードバイク」というテーマでこのバイクを組み上げたと言う。決戦装備で5.2kgと、フロントシングル化していないが軽量だ。ハンドルはボントレガーのステム一体型ハンドルXXX インテグレーテッド。サドルはボントレガー Carbon XXXと、長く愛用しているというこだわりパーツが取り付けられていた。
ローター INPOWER DMクランクに、同ローターの楕円チェーンリング(52-36T)が組み合わせられていた。スプロケットはロー30Tのものを使用した。チェーンはPTFEパウダーを付着させたサクラ SLFチェーンだ。このチェーンには超低摩擦で撥水性が高い固体潤滑剤をコーティングしている。ペダルはルック KEO BLADE。
一般女子 1位 牧瀬翼(IKEUCHI EXIT)ヨネックス CARBONEX
3週間の野辺山合宿をして乗鞍に挑み、コースレコードを塗り替える圧巻の走りで2連覇を果たした女子プロロードレーサーの牧瀬さん。レースを「純粋に楽しみながら走りました」と振り返る。その走りを支えたフレームはヨネックス CARBONEXだ。
基本はロードレースで使用するバイクだけに目立つ軽量パーツは使用されていない。注目ポイントはカーボンドライジャパンのビッグプーリー「V3」とゴキソ GD²24mmクリンチャーホイールの二つだ。コンポーネントは機械式のシマノ デュラエースR9100。タイヤは転がり抵抗が少なく軽量で乗り心地も良いというコンチネンタルのGrand Prix Supersonicを選択。空気圧は普段のロードレースでは7気圧のところ、乗鞍では8気圧にして走ったという。
海外転戦など過酷な条件下で使用することが多いため、耐久性重視でクリスキングのヘッドパーツを取り付けていた。パワーメーターは今回新しくパイオニアのペダリングモニターを装着したという。気になるギア比は、チェーンリングは52-36Tセミコンパクトに。スプロケットはロードレースでは11-28Tを使用するが、乗鞍ではレース前半に少しでも休めるようにと11-30Tのスプロケットを選択したという。
今後の目標について「身体を鍛え上げ終えたら、バイクは軽量化していくつもりです。また来年も楽しみながら走り、連覇したい。」と意気込みを語ってくれた。
一般男子A 1位 中島あつし(たてりん)メリダ SCULTURA LIMITED
一般男子A優勝の中島あつしさん(たてりん)(エントリー名は「ぱーぷるぷじょー」)の愛車はメリダSCULTURA LIMITED。数モデルあるSCULTURAのなかでも最高ランクのカーボン素材を使用したCF4フレーム採用モデルで、アルテグラで組まれた完成車だ。
ホイールはマヴィック KSYRIUM PRO CARBON SLチューブラーに換装。サイクルコンピューターはブライトンのRider 410。カーボンボトルゲージを装着。それ以外はほぼ完成車購入時のままだ。
「乗鞍向けのセッティングは特別なことはなく、ホイール以外はほぼ純正のままです。コンポなどのパーツはコスト重視で考え、お金をかけるならフレームとホイールと考えている『冒険はしないタイプ』なんです(笑)。SCULTURA CF4フレームはパリッとした軽い硬さで、とても軽く、良く走るので性能にはとても満足しています。とくにダンシングで速いんです。定評ある軽量ホイールのKSYRIUMは安心で、走行性能を考えてチューブラーを選びました。ブライトンはパワーを表示できるサイコンの中でもっとも価格が手頃だから選んでいます。今後アップグレードするならハンドルとステムをカーボンにして軽量化したり、ブレーキのデュラエース化で制動力アップを考えています」。
photo&text:Michinari.Takagi
photo:Makoto.AYANO
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