2019/07/25(木) - 09:15
「過去のツール2勝は集団スプリントだったので独走勝利は特別」と語るのは、ミッチェルトン・スコットに4勝目をもたらしたマッテオ・トレンティン。共にステージを狙った逃げメンバーや、明日を見据える総合勢らのコメントを紹介します。
ステージ優勝 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
ツールでの3勝目を挙げたマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) photo:Makoto.AYANO
今日こそステージ優勝のチャンスがあると思っていた。そして、明日から3日間極めて厳しいステージが続くので、今日がラストチャンスだったんだ。今日は脚よりも気持ちで勝利をつかんだ。
キャリアの中で2回しか独走勝利したことがないので、とてもエモーショナルなフィニッシュだった。(一緒に逃げに乗った)クリス(ユールイェンセン)はとても大きな助けになった。逃げながら話し合って、彼が前半のアタックに反応。本当に多くのアタックを封じ込めてくれた。そこから強力なグループが先行した時に自分がフォローした。完璧なシナリオだった。
独走で勝つことは予想していなかった。登りで誰かのアタックに反応するよりも、先頭で自分のペースを保って登る方が得策だと思ったので、最後の3級山岳の前に2〜3回アタックして独走を開始した。タイム差が10秒まで広がれば、後続の選手たちは互いをマークし合って牽制すると分かっていた。これまでのツールでのステージ2勝は集団スプリントでの勝利だったので、独走勝利は特別な気持ち。
ステージ2位 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)
2位は37秒遅れでフィニッシュしたカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)
信頼して送り出してくれたチームに感謝している。調子も良かったし、逃げの中での走りを楽しむことができたよ。最後の登りでは、頂上まで1kmを切ってからアタックしようと決めていた。でも、その時点で脚に力は残っておらず、(先頭トレンティンとの)タイム差を埋めることはできなかった。ステージ2位は良い結果だと思う。グランツールのステージでトップ3に入ったのも初めて。この勢いで、残りのステージをチームとともに戦い続けたい。
ステージ3位 グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)
3位争いを制したグレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)
正しいレース運びだった。チームメイトのミッヒ(シェアー)と一緒に逃げて、良いタイミングでの良い動きに反応したけど、最後の登りで限界を迎えてしまった。他の選手たちの方が強かったとしか言えない。ステージ優勝を狙えない状態になったものの、1日の締めくくりとして全開でスプリントした。とても暑い1日で、最後は暑さにやられてしまった。ステージ中盤にザッと降った雨のおかげで少しクールダウンできたよ。
ステージ5位 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ)
タフで暑いステージだった。全力を尽くしたけど届かなかった。残り25km地点で形成された先頭グループに入り損ねたことが大きなミスだった。登りで先頭グループになんとか追いついて、少しでも上の結果を出すために全力を尽くした。すでにステージ1勝して、今日はステージ5位。個人的にはとても良いツール・ド・フランスだと思う。最終週に入っても脚に力は残っているし、アルプスのステージで再び逃げるチャンスが巡ってくると思う。
ステージ9位 トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)
33人の逃げに加わったトムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)がフィニッシュ photo:Makoto.AYANO
とても暑くて、とてもタフだった。ボトルを20本は使ったと思う。頭や脚、身体中に水をかけ続けた。チームは3名を逃げに乗せることに成功。戦略的に動いたけど、今日はトレンティンが最強だった。
マイヨジョーヌ ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
マイヨジョーヌを守ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Makoto.AYANO
今日はマイヨジョーヌを着てギャップにたどり着くことに専念した。今もまだマイヨジョーヌを着ていることが誇らしい。とても大きな幸せだけど、同時にとても重いものを背負っているとも言える。今日はレース中にあるところで白熱するシーンがあったので、彼ら(ロウとマルティン)と話をして状況を落ち着けようとした。アタックしないからリスクを取らないでくれと。
明日はアルプス3連戦の中で最も厳しいステージ。間違いなく苦しむことになるけど、ここまで高い士気に包まれていることは未だかつてない。この時点でマイヨジョーヌを守るために走るなんて想像していなかった。
マイヨヴェール ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
アシストされフィニッシュしたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Makoto.AYANO
ステージ前半はマイヨヴェールのライバルであるコルブレッリやヴィヴィアーニ、マシューズの動きをチェック。そのおかげで逃げグループに乗れなかった。逃げが形成されてから雨が降るまではとても暑かったけど、結果的に良い休息日になった。
ロウとマルティンの失格処分に対するチームイネオスとユンボ・ヴィズマの共同声明
スタートに向かうルーク・ロウ(イギリス、チームイネオス)
ファンタスティックなレースの精神に反する、レースコミッセールによる極めて厳しい判断だ。通常であれば罰金や警告で済む事例であり、レースからの除外には当てはまらない。イエローカードが順当で、レッドカードではない。ルークとトニーは事態を理解している。コース上で起こる些細な喧嘩であり、他の選手や他のチームに影響を及ぼしてはいない。彼らはともに走り続け、握手をしてフィニッシュした。どちらかを陥れようとする意思はなく、互いを尊重しあっている。彼らのツールがここで終わることが正当ではないと信じている。
text:Kei.Tsuji
ステージ優勝 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
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今日こそステージ優勝のチャンスがあると思っていた。そして、明日から3日間極めて厳しいステージが続くので、今日がラストチャンスだったんだ。今日は脚よりも気持ちで勝利をつかんだ。
キャリアの中で2回しか独走勝利したことがないので、とてもエモーショナルなフィニッシュだった。(一緒に逃げに乗った)クリス(ユールイェンセン)はとても大きな助けになった。逃げながら話し合って、彼が前半のアタックに反応。本当に多くのアタックを封じ込めてくれた。そこから強力なグループが先行した時に自分がフォローした。完璧なシナリオだった。
独走で勝つことは予想していなかった。登りで誰かのアタックに反応するよりも、先頭で自分のペースを保って登る方が得策だと思ったので、最後の3級山岳の前に2〜3回アタックして独走を開始した。タイム差が10秒まで広がれば、後続の選手たちは互いをマークし合って牽制すると分かっていた。これまでのツールでのステージ2勝は集団スプリントでの勝利だったので、独走勝利は特別な気持ち。
ステージ2位 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)
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信頼して送り出してくれたチームに感謝している。調子も良かったし、逃げの中での走りを楽しむことができたよ。最後の登りでは、頂上まで1kmを切ってからアタックしようと決めていた。でも、その時点で脚に力は残っておらず、(先頭トレンティンとの)タイム差を埋めることはできなかった。ステージ2位は良い結果だと思う。グランツールのステージでトップ3に入ったのも初めて。この勢いで、残りのステージをチームとともに戦い続けたい。
ステージ3位 グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)
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正しいレース運びだった。チームメイトのミッヒ(シェアー)と一緒に逃げて、良いタイミングでの良い動きに反応したけど、最後の登りで限界を迎えてしまった。他の選手たちの方が強かったとしか言えない。ステージ優勝を狙えない状態になったものの、1日の締めくくりとして全開でスプリントした。とても暑い1日で、最後は暑さにやられてしまった。ステージ中盤にザッと降った雨のおかげで少しクールダウンできたよ。
ステージ5位 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ)
タフで暑いステージだった。全力を尽くしたけど届かなかった。残り25km地点で形成された先頭グループに入り損ねたことが大きなミスだった。登りで先頭グループになんとか追いついて、少しでも上の結果を出すために全力を尽くした。すでにステージ1勝して、今日はステージ5位。個人的にはとても良いツール・ド・フランスだと思う。最終週に入っても脚に力は残っているし、アルプスのステージで再び逃げるチャンスが巡ってくると思う。
ステージ9位 トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)
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とても暑くて、とてもタフだった。ボトルを20本は使ったと思う。頭や脚、身体中に水をかけ続けた。チームは3名を逃げに乗せることに成功。戦略的に動いたけど、今日はトレンティンが最強だった。
マイヨジョーヌ ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
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今日はマイヨジョーヌを着てギャップにたどり着くことに専念した。今もまだマイヨジョーヌを着ていることが誇らしい。とても大きな幸せだけど、同時にとても重いものを背負っているとも言える。今日はレース中にあるところで白熱するシーンがあったので、彼ら(ロウとマルティン)と話をして状況を落ち着けようとした。アタックしないからリスクを取らないでくれと。
明日はアルプス3連戦の中で最も厳しいステージ。間違いなく苦しむことになるけど、ここまで高い士気に包まれていることは未だかつてない。この時点でマイヨジョーヌを守るために走るなんて想像していなかった。
マイヨヴェール ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
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ステージ前半はマイヨヴェールのライバルであるコルブレッリやヴィヴィアーニ、マシューズの動きをチェック。そのおかげで逃げグループに乗れなかった。逃げが形成されてから雨が降るまではとても暑かったけど、結果的に良い休息日になった。
ロウとマルティンの失格処分に対するチームイネオスとユンボ・ヴィズマの共同声明
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ファンタスティックなレースの精神に反する、レースコミッセールによる極めて厳しい判断だ。通常であれば罰金や警告で済む事例であり、レースからの除外には当てはまらない。イエローカードが順当で、レッドカードではない。ルークとトニーは事態を理解している。コース上で起こる些細な喧嘩であり、他の選手や他のチームに影響を及ぼしてはいない。彼らはともに走り続け、握手をしてフィニッシュした。どちらかを陥れようとする意思はなく、互いを尊重しあっている。彼らのツールがここで終わることが正当ではないと信じている。
text:Kei.Tsuji
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