2019/07/22(月) - 11:30
MTB全日本選手権で男子エリートで、力の差を見せつけた山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)が圧巻の全日本選手権11勝目を達成。女子では今井美穂(CO2bicycle)が連覇を果たした。
男子エリート:山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)が11回目の全日本王者に
第32回全日本マウンテンバイク選手権大会最終日となる21日はクロスカントリーのレースが行われた。会場は秋田県田沢湖スキー場。この会場で全日本選手権が行われるのは2008年以来、5回目。2008年に山本幸平がエリートクラスで初優勝した会場でもある。
6周回で争われた男子エリートは、蒸し暑さがピークとなる14:30にスタート。やはり注目は11勝目が掛かった今シーズン初国内レースの山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)。さらに国内CJシリーズ戦で連勝中の前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)、国内のCJシリーズをスキップして海外レース転戦してきた平野星矢(TEAM BRIDGESTONE Cycling)、そして中原義貴(WIAWIS RACING TEAM)という4名が好スタートを切り、そのまま先頭パックが形成された。
2周目には中原が、3周目には前田が遅れる。前田と中原に沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)が合流し山本と平野の先頭パックを追うが、やがてそのパックもバラバラとなった。
3周目。フィードに向かうラインが二つに分かれたドロップオフで平野のミスにより山本が単独でトップとなった。平野はペダルが外れた拍子にサドルに胸を打ち付け、痛みに耐えて走り続るもペースダウンを余儀なくされる。これによって後方との差が詰まり先頭との差は広がった。残り2周となり平野が再びペースアップすると若干ではあるが、先頭の山本の差が縮まったように見えた。
3周目に平野が遅れ、単独トップとなった山本は「最後はしっかり踏んで引き離して勝利を確実なものにしてフィニッシュした。」と語るように最終周にペースアップ。2008年に初めてエリートクラスを制したのと同じ会場で通算11勝目の全日本タイトルを獲得した。2位には平野、3位には前田が入った。
山本はポーランドでのステージレース後、ワールドカップを2戦スキップして帰国し、長野県松本市で調整してこのレースに臨んだ。25日からレバノンで行われるアジア戦を皮切りにワールドカップ、世界選手権、そして10月の東京オリンピックテストイベントまでほぼノンストップでレースをこなす予定だという。
男子エリートスタートから6分後にスタートしたU23男子では平林安里(SPECIALIZED RACING JAPAN)がU23カテゴリー最終年のタイトルも獲得し、4連覇を達成した。仮にエリートと同時スタートだったとしても上位に食い込める走りで、来年以降エリートクラスでの走りに注目だ。2位には北林力(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)、3位には竹内遼(FUKAYA RACING)が入った。
女子エリート:今井美穂(CO2bicycle)大会連覇達成
女子エリートはU23と同じ4周回で争われた。3周回のレースであるジュニア、ユース、マスターズが同時にスタートした。
ホールショットを決めたのは連覇を狙う今井美穂(CO2bicycle)それに女王返り咲きを目指す末政実緒(ヨツバサイクル)、U23の佐藤寿美(drawer THE RACING)、ユースの中島瞳(Limited Team 846/KURE/TRIGON)らが続いた。
「WCC(スイスのUCIワールドサイクリングセンター)で合宿している2人がどのくらい強くなっているのか少し不安で初めは少し様子を見た」と今井が語るように、ファーストラップのフィードゾーンに現れたのはジュニアクラスのWCCで合宿中の小林あか里(MTBクラブ安曇野)がトップ。
それに同じくWCCで合宿しているU23カテゴリー松本璃奈(TEAM SCOTT JAPAN)が続き、その後に今井の順。少し間があいてユースの渡部春雅(駒澤大学高等学校)と各カテゴリーのトップが続いた。
2周目のフィードゾーン付近で今井が小林、松本を順に捉えトップに立つ。先週ワールドカップを走って帰国した時差の影響か松本はペースが上がらず、今井との差は広がっていった。3周回のレースであるジュニア、ユース、マスターズは一足先にフィニッシュすると、エリート、U23、それぞれのクラスでの順位差がはっきりとし、今井を追う末政との差は、今井の勝利は揺るがないほどの差だった。
今井は全体の2位を走るU23の松本を引き離して去年に続く連覇を達成。2位には末政、3位には小林可奈子(MTBクラブ安曇野)が入った。
本来自分のパフォーマンスとはかけ離れた力しか出せなかったと語った松本はU23カテゴリー1年目での優勝。ジュニアは小林あか里が優勝しこのカテゴリーを連覇。ユースは全体の4位のポジションでレースを展開した渡部が制し、渡部もこのカテゴリーで連覇を達成。マスターズでは綾野桂子(cycleclub3UP)が優勝した。
エリート連覇を成し遂げた今井は「スイスのWCCで合宿してきた2人がどのくらい強いか不安でしたが、ただ誰よりも早くフィニッシュしたかったので、行けるところで行きました。」とレース後語ってくれた。
男子マスターズ:山本和弘(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM JP)が宣言通りに復帰戦優勝
また、マスターズクラスでは30〜60代の世代が男子ジュニア、ユースの6分後にスタート。このレースで復帰した山本和弘(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM JP)が、2周目中盤まで食らいつく斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)を振り切り復活優勝を飾った。斎藤は最終周に品川真寛(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM)に交わされ、年代を関係なく山本、品川、斎藤の順でフィニッシュ。なお表彰は各年代別に行われた。
男子ジュニアは松本一成(TEAM SCOTT JAPAN)は山口創平(ProRide)とのデッドヒートが予想されたが、松本が終始単独でトップを走り、ジュニア1年目でタイトルを獲得。男子ユースでは村上裕二郎(松山工業高校)が優勝し、シクロクロスと合わせてユースタイトル2冠達成した。
男子エリート:山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)が11回目の全日本王者に
第32回全日本マウンテンバイク選手権大会最終日となる21日はクロスカントリーのレースが行われた。会場は秋田県田沢湖スキー場。この会場で全日本選手権が行われるのは2008年以来、5回目。2008年に山本幸平がエリートクラスで初優勝した会場でもある。
6周回で争われた男子エリートは、蒸し暑さがピークとなる14:30にスタート。やはり注目は11勝目が掛かった今シーズン初国内レースの山本幸平(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)。さらに国内CJシリーズ戦で連勝中の前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)、国内のCJシリーズをスキップして海外レース転戦してきた平野星矢(TEAM BRIDGESTONE Cycling)、そして中原義貴(WIAWIS RACING TEAM)という4名が好スタートを切り、そのまま先頭パックが形成された。
2周目には中原が、3周目には前田が遅れる。前田と中原に沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)が合流し山本と平野の先頭パックを追うが、やがてそのパックもバラバラとなった。
3周目。フィードに向かうラインが二つに分かれたドロップオフで平野のミスにより山本が単独でトップとなった。平野はペダルが外れた拍子にサドルに胸を打ち付け、痛みに耐えて走り続るもペースダウンを余儀なくされる。これによって後方との差が詰まり先頭との差は広がった。残り2周となり平野が再びペースアップすると若干ではあるが、先頭の山本の差が縮まったように見えた。
3周目に平野が遅れ、単独トップとなった山本は「最後はしっかり踏んで引き離して勝利を確実なものにしてフィニッシュした。」と語るように最終周にペースアップ。2008年に初めてエリートクラスを制したのと同じ会場で通算11勝目の全日本タイトルを獲得した。2位には平野、3位には前田が入った。
山本はポーランドでのステージレース後、ワールドカップを2戦スキップして帰国し、長野県松本市で調整してこのレースに臨んだ。25日からレバノンで行われるアジア戦を皮切りにワールドカップ、世界選手権、そして10月の東京オリンピックテストイベントまでほぼノンストップでレースをこなす予定だという。
男子エリートスタートから6分後にスタートしたU23男子では平林安里(SPECIALIZED RACING JAPAN)がU23カテゴリー最終年のタイトルも獲得し、4連覇を達成した。仮にエリートと同時スタートだったとしても上位に食い込める走りで、来年以降エリートクラスでの走りに注目だ。2位には北林力(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM)、3位には竹内遼(FUKAYA RACING)が入った。
女子エリート:今井美穂(CO2bicycle)大会連覇達成
女子エリートはU23と同じ4周回で争われた。3周回のレースであるジュニア、ユース、マスターズが同時にスタートした。
ホールショットを決めたのは連覇を狙う今井美穂(CO2bicycle)それに女王返り咲きを目指す末政実緒(ヨツバサイクル)、U23の佐藤寿美(drawer THE RACING)、ユースの中島瞳(Limited Team 846/KURE/TRIGON)らが続いた。
「WCC(スイスのUCIワールドサイクリングセンター)で合宿している2人がどのくらい強くなっているのか少し不安で初めは少し様子を見た」と今井が語るように、ファーストラップのフィードゾーンに現れたのはジュニアクラスのWCCで合宿中の小林あか里(MTBクラブ安曇野)がトップ。
それに同じくWCCで合宿しているU23カテゴリー松本璃奈(TEAM SCOTT JAPAN)が続き、その後に今井の順。少し間があいてユースの渡部春雅(駒澤大学高等学校)と各カテゴリーのトップが続いた。
2周目のフィードゾーン付近で今井が小林、松本を順に捉えトップに立つ。先週ワールドカップを走って帰国した時差の影響か松本はペースが上がらず、今井との差は広がっていった。3周回のレースであるジュニア、ユース、マスターズは一足先にフィニッシュすると、エリート、U23、それぞれのクラスでの順位差がはっきりとし、今井を追う末政との差は、今井の勝利は揺るがないほどの差だった。
今井は全体の2位を走るU23の松本を引き離して去年に続く連覇を達成。2位には末政、3位には小林可奈子(MTBクラブ安曇野)が入った。
本来自分のパフォーマンスとはかけ離れた力しか出せなかったと語った松本はU23カテゴリー1年目での優勝。ジュニアは小林あか里が優勝しこのカテゴリーを連覇。ユースは全体の4位のポジションでレースを展開した渡部が制し、渡部もこのカテゴリーで連覇を達成。マスターズでは綾野桂子(cycleclub3UP)が優勝した。
エリート連覇を成し遂げた今井は「スイスのWCCで合宿してきた2人がどのくらい強いか不安でしたが、ただ誰よりも早くフィニッシュしたかったので、行けるところで行きました。」とレース後語ってくれた。
男子マスターズ:山本和弘(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM JP)が宣言通りに復帰戦優勝
また、マスターズクラスでは30〜60代の世代が男子ジュニア、ユースの6分後にスタート。このレースで復帰した山本和弘(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM JP)が、2周目中盤まで食らいつく斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)を振り切り復活優勝を飾った。斎藤は最終周に品川真寛(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM)に交わされ、年代を関係なく山本、品川、斎藤の順でフィニッシュ。なお表彰は各年代別に行われた。
男子ジュニアは松本一成(TEAM SCOTT JAPAN)は山口創平(ProRide)とのデッドヒートが予想されたが、松本が終始単独でトップを走り、ジュニア1年目でタイトルを獲得。男子ユースでは村上裕二郎(松山工業高校)が優勝し、シクロクロスと合わせてユースタイトル2冠達成した。
クロスカントリー 男子エリート結果
クロスカントリー 女子エリート結果
1位 | 今井美穂(CO2bicycle) |
2位 | 末政実緒(ヨツバサイクル) |
3位 | 小林可奈子(MTBクラブ安曇野) |
クロスカントリー 男子U23結果
1位 | 平林安里(SPECIALIZED RACING JAPAN) |
2位 | 北林力(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM) |
3位 | 竹内 遼(FUKAYA RACING) |
クロスカントリー 女子U23結果
1位 | 松本璃奈(TEAM SCOTT JAPAN) |
2位 | 矢吹優夏(B・B・Q) |
3位 | 佐藤寿美(drawer THE RACING) |
クロスカントリー 男子ジュニア結果
1位 | 松本一成(TEAM SCOTT JAPAN) |
2位 | 山口創平(ProRide) |
3位 | 野澤蓮(TEAM BG8) |
クロスカントリー 女子ジュニア結果
1位 | 小林あか里(MTBクラブ安曇野) |
クロスカントリー 男子ユース結果
1位 | 村上裕二郎(松山工業高校) |
2位 | 野澤瑠(TEAM BG8) |
3位 | 瀬戸口瑛(南大隅高校) |
クロスカントリー 女子ユース結果
1位 | 渡部春雅(駒澤大学高等学校) |
2位 | 中島瞳(Limited Team 846/KURE/TRIGON) |
3位 | 西村志帆(TEAM BG8) |
クロスカントリー 男子マスターズ30代
1位 | 山本和弘(DREAM SEEKER MTB RACING TEAM JP) |
2位 | 品川真寛(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM) |
3位 | 岡本紘幸(インパルス) |
クロスカントリー 男子マスターズ40代
1位 | 斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT) |
2位 | 國井敏夫(MilePost BMC Racing) |
3位 | 吉元健太郎(チーム鳴木屋) |
クロスカントリー 男子マスターズ50代
1位 | 塩見学 (B・B・Q Masters) |
2位 | 澤田雄一(チームサイクルマインド) |
3位 | 澤田泰征(VOLCAオードビーBOMA) |
クロスカントリー 男子マスターズ60代
1位 | 榎本真(ペルジタ) |
2位 | 平野拡稔(MilePost BMC Racing) |
クロスカントリー 女子マスターズ
1位 | 綾野桂子(cycleclub3UP) |
2位 | 齋藤佳寿実(UltraSetaSelect) |
text&photo:Satoshi.Oda/Kasukabe Vision FILMz
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