今シーズン国内ロードレースの幕開けを告げる、西日本チャレンジサイクルロードレースが3月15日(日)、広島県中央森林公園で行われた。海外レースで多くの選手が不在だが、愛三工業レーシングチーム、シマノレーシングなどに加え、このレースがお披露目となるチーム・マッサも出場し、初レースの展開が注目された。

今年はこのコースで大きな大会が3回行われる。この西日本チャレンジ、6月の実業団Jサイクルツアー西日本ロード、そしてその1週間後の全日本選手権だ。難しくて強者しか残れない名コース。ここでの優勝は価値あるものだ。

エリート2周目の上り、真鍋和幸(NIPPO・COLNAGO)と狩野智也(シマノレーシング)がペースを上げて集団をバラバラにするエリート2周目の上り、真鍋和幸(NIPPO・COLNAGO)と狩野智也(シマノレーシング)がペースを上げて集団をバラバラにする photo:Hideaki.TAKAGI注目の男子エリートは12.3kmを5周する61.5kmで行われ、70人がスタートした。メンバーは愛三工業レーシングチームから品川真寛、鈴木謙一、秋山英也の3人、シマノレーシングから狩野智也、村上純平、島田真琴の3人、NIPPO・COLNAGOは真鍋和幸が参戦。そして注目は三船雅彦が監督を務めるTEAM MASSA-FOCUS-OUTDOOR PRODUCTSの出場だ。津末浩平ら7人が参戦、その戦いぶりも注目された。

エリート 品川真寛(愛三工業レーシングチーム)が優勝、2位は島田真琴(シマノレーシング)エリート 品川真寛(愛三工業レーシングチーム)が優勝、2位は島田真琴(シマノレーシング) photo:Hideaki.TAKAGI序盤からハイペースで振るい落しがかかる。2周目の上りで真鍋と狩野がペースアップすると30人ほどの集団はバラバラにされ、7人の逃げが形成される。真鍋、狩野、島田、品川、鈴木、永良大誠(グランデパール播磨)、伊藤翔吾(TEAM MASSA-FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)だ。

3周目の上りで伊藤が離れ先頭は6人に。第2集団も追い上げ、しばらく30秒ほどの差を保っていたがやがて1分以上に広がる。

先頭の6人は狩野、真鍋が揺さぶるがそのままでゴールへ向かう。最終ストレートに現れたのは狩野。その後から品川がスパートをかける。島田も追うがそのままの体制でゴール。品川が昨年2位の雪辱を果たして優勝。以下、島田、狩野、真鍋、永良、鈴木と続いた。7位以下は2分差で津末を先頭にゴール。チームマッサはこの13人の第2集団に、ほか小笠原崇裕、伊藤、斉藤亮の計4人が入った。

エリート 優勝の品川真寛(愛三工業レーシングチーム)、昨年の2位、チャレンジは1位だエリート 優勝の品川真寛(愛三工業レーシングチーム)、昨年の2位、チャレンジは1位だ photo:Hideaki.TAKAGI優勝した品川は「上りでの真鍋さんと狩野さんのアタックは対照的で両方に対応したので脚を使った。逃げのメンバーの中ではスプリントに賭けたので、後半は狩野さんの激しいアタックになんとか耐えた。下りは攻めずに上りに対処した。鈴木選手にも助けられた。予想したような展開だったが勝ててうれしい」と語る。

優勝できなかったシマノの狩野は「いいメンバーの小集団が作れた。揺さぶりかけたけど離すことができなかった。優勝はできなかったけれど、展開はシマノが主導権取れた。若手も頑張ったのでまずまずの結果」と語る。

スプリンターの品川をふるい落とすべく、狩野と真鍋が波状攻撃を仕掛けたが成功せず、品川の後塵を拝した。しかし作戦を正しく実行できたことは上位チームそれぞれに収穫のあるものだった。

チーム・マッサは、先頭集団に伊藤1名を送り込み、その後は第2集団で追う展開になったが、愛三・シマノらの次に位置することができ、一定の成果は得られただろう。なおチーム・マッサについては、のちほど別ニュースで紹介しよう。

アンダー 優勝の相川将(チームブリヂストン・アンカー)、右は2位岡豊洋(TREK Marco Polo)アンダー 優勝の相川将(チームブリヂストン・アンカー)、右は2位岡豊洋(TREK Marco Polo) photo:Hideaki.TAKAGI23歳未満のアンダーは3周36.9kmで行われた。1周目30人ほどに絞り込まれ、徐々に人数を減らす展開。3周目に伊勢直人と岸本勇気(ともにTEAM MASSA-FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)、野中龍馬(鹿屋体育大学)ら4人が逃げるが半周過ぎで阿部嵩之(シマノレーシング)が引く集団が吸収、さらに相川はアタックして独走する。

ゴールは相川が制し優勝。後続は追い上げて、岡豊洋(TREK Marco Polo)が相川に数mまで迫るが2位に。

アンダー優勝のブリヂストン勢、右から相川将、金子友也、平井栄一アンダー優勝のブリヂストン勢、右から相川将、金子友也、平井栄一 photo:Hideaki.TAKAGI優勝した相川は「チームメイトのおかげ。今日は一人で行けるだけの力が無かったから。3人でとにかく攻撃することを心がけた。今年はアンカーに上がったので、国内とアジアのレースを中心にすると思います。チーム内で選ばれるように頑張ります」と語る。

強い脚を見せた阿部は「チームは自分しかいないのでメリハリをつける走りをしようと思った。結果が出てないのでうまくはできなかったが。逃げに追いついたのが上りが始まるところで脚を使ってしまっていた。ジャージの重みを感じました」と語る。

2周で行われた女子は、西加南子(TEAM FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)が逃げるが、2周目に集団に戻り、終盤でさらにアタックして西がこれを制した。

ジュニアは北桑田高校と日出暘谷高校が互いに逃げる展開になったが、ゴール勝負を黒枝士揮(日出暘谷高校)が制し優勝。

結果
エリート
1位品川真寛(愛三工業レーシングチーム)1時間33分57秒36
2位島田真琴(シマノレーシング)
3位狩野智也(シマノレーシング)
4位真鍋和幸(NIPPO・COLNAGO)
5位永良大誠(グランデパール播磨)
6位鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)
7位津末浩平(TEAM MASSA-FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)
8位村上純平(シマノレーシング)
9位秋山英也(愛三工業レーシングチーム)
10位小笠原崇裕(TEAM MASSA-FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)

アンダー
1位相川将(チームブリヂストン・アンカー)56分49秒06
2位岡豊洋(TREK Marco Polo)
3位野中龍馬(鹿屋体育大学)
4位大塚航(DARK BLUE BIKERS)
5位海老瀬将太(同志社大学)
6位中村弦太(京都産業大学)
7位平井栄一(ブリヂストン・エスポワール)
8位阿部嵩之(シマノレーシング)
9位伊勢直人(TEAM MASSA-FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)
10位福田高志(大阪経済大学)

女子
1位西加南子(TEAM FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)45分34秒66
2位藤井絵理(bicinoko.com)
3位福本千佳(Ready Go Japan)

ジュニア
1位黒枝士揮(日出暘谷高校)57分58秒57
2位西沢倭儀(北桑田高校)
3位細川竜太郎(高松工芸高校)
4位池部壮太(別府商業高校)
5位大中巧基(北桑田高校)
6位徳田鍛造(北桑田高校)

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