2019/06/16(日) - 14:52
大雨降る超級山岳モンテ・ド・ピペで繰り広げられたクリテリウム・デュ・ドーフィネ頂上決戦。残り1kmから加速して先行する選手たちを追い抜いたワウト・プールス(チームイネオス)が勝利し、ステージ2位のヤコブ・フルサング(アスタナ)が最終日を前に総合首位に立った。
最終日を前にしたクリテリウム・デュ・ドーフィネ第7ステージは、133.5kmという短めの距離に1級山岳エピンヌ峠(距離7.6km/平均7.2%)と1級山岳グラニエ峠(距離12km/平均5.8%)、1級山岳マルシュー峠(距離10.4km/平均6.1%)、超級山岳モンテ・ド・ピペ(距離19km/平均6.9%)が詰め込まれた獲得標高差4,300mの難関山岳コース。ステージ後半にかけて強い雨が降る過酷なレースが繰り広げられた。
ジロ・デ・イタリアで痛めた膝がまだ完治していないため、ツール・ド・フランスを見据えるトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)はこの難関ステージをスタートせず。悪天候も影響してこの日はDNSとDNFを合わせて14名がレースを去っている。
逃げグループを形成したのは山岳賞ジャージのジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)やジャンニ・モスコン(イタリア、チームイネオス)、マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト)、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)を含む強力な22名。逃げグループにジャック・ヘイグ(オーストラリア)を乗せたミッチェルトン・スコットがメイン集団のコントロールを担い、総合でわずか30秒しか遅れていないルツェンコらのリードを4分程度に押さえ込んだ。
ピエール・ロラン(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルズ)やニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)ら7名が加わってさらに人数を増やした逃げグループからは、アラフィリップとレナード・ホフステッド(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)の2人が抜け出すことに成功。山岳賞トップの座を確かなものにしたいアラフィリップが山岳ポイントを量産していく。
この日3つ目の1級山岳マルシュー峠に差し掛かると先頭は20名に人数を増やし、そこから今度はルツェンコとウッズが先行を開始する。土砂降りの雨に包まれた薄暗い山道を進んだルツェンコとウッズは、メイン集団から2分リードで1級山岳マルシュー峠を通過。ここにモスコンやシュレル、コルトニールセンらが追いついて、モビスターの牽引に切り替わったメイン集団から2分のリードで最後の超級山岳モンテ・ド・ピペに向かった。
標高1,552mの超級山岳モンテ・ド・ピペ頂上まで12km、つまりフィニッシュまで12kmを残してタイム差は1分を割り込む。アシスト勢をフル動員したモビスターの牽引によってタイム差が40秒まで縮まったところでナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)がアタックを仕掛け、ここにミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームイネオス)がチェックに入る。
一旦小康状態となった雨が再び降り始め、気温は10度を下回った。アスタナの集団牽引によって、飛び出していたキンタナや、先頭で逃げ続けていたウッズとルツェンコは吸収される。そこから総合上位陣によるアタック合戦が始まり、残り2km地点を前にエマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)とヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)が飛び出した。
ブッフマンとフルサングの後方では、マイヨジョーヌを着るアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)やティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト)、ワウト・プールス(オランダ、チームイネオス)、ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)らが追走グループを形成。真っ先に動いたキンタナやリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)らはこの追走グループに入ることはできない。
フルサングらに先行させるわけにはいかないイェーツやピノが追走をかけ、その中からフラムルージュ(残り1kmアーチ)通過と同時にプールスがカウンターアタック。追走グループの一番後ろから一気に飛び出したプールスが、残り250mで先頭のフルサングとブッフマンをキャッチするとともさらに加速していく。落車負傷リタイアしたエースのクリストファー・フルーム(イギリス)の代役を務めるオランダ人オールラウンダーが超級山岳を制した。
「チームに勝利をもたらすことができてよかった。この勝利はクリス(フルーム)への贈り物だ」。過酷な山岳ステージを勝利で終えたプールスは喜ぶ。「今日はずっと調子の良さを感じていて、素晴らしいチームの働きによって勝負に持ち込むことができた。残り500mの時点で先行する2人(フルサングとブッフマン)に追いつかないんじゃないかと思ったけど、最終コーナーでなんとか追いついてそこから加速したんだ」。ボーナスタイム10秒を獲得したプールスは総合10位から総合5位まで順位を上げることに成功している。
マイヨジョーヌを着るイェーツはピノとマーティンとともに10秒遅れでフィニッシュ。総合首位の座はステージ2位のフルサングのもとに移った。「良い天気の1日になると思っていたのに、ステージ後半は酷い雨に降られた。『とにかく早くフィニッシュに着きたい』という気持ちで走ったよ」と、2017年大会の総合優勝者フルサングは語る。
最終ステージを前に総合1位フルサングと総合2位イェーツのタイム差は8秒。以下、ヴァンガーデレン、ブッフマン、プールス、トゥーンス、ピノが33秒以内にひしめく状態だ。「リーダージャージ獲得は嬉しいけど、大会最終日は決まって厳しいものになる。ジャージ争いの観点から言うと、距離が短い山岳ステージは刺激的なものになるはず」とマイヨジョーヌを手にしたフルサングは語っている。
最終日を前にしたクリテリウム・デュ・ドーフィネ第7ステージは、133.5kmという短めの距離に1級山岳エピンヌ峠(距離7.6km/平均7.2%)と1級山岳グラニエ峠(距離12km/平均5.8%)、1級山岳マルシュー峠(距離10.4km/平均6.1%)、超級山岳モンテ・ド・ピペ(距離19km/平均6.9%)が詰め込まれた獲得標高差4,300mの難関山岳コース。ステージ後半にかけて強い雨が降る過酷なレースが繰り広げられた。
ジロ・デ・イタリアで痛めた膝がまだ完治していないため、ツール・ド・フランスを見据えるトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)はこの難関ステージをスタートせず。悪天候も影響してこの日はDNSとDNFを合わせて14名がレースを去っている。
逃げグループを形成したのは山岳賞ジャージのジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)やジャンニ・モスコン(イタリア、チームイネオス)、マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト)、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)を含む強力な22名。逃げグループにジャック・ヘイグ(オーストラリア)を乗せたミッチェルトン・スコットがメイン集団のコントロールを担い、総合でわずか30秒しか遅れていないルツェンコらのリードを4分程度に押さえ込んだ。
ピエール・ロラン(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルズ)やニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)ら7名が加わってさらに人数を増やした逃げグループからは、アラフィリップとレナード・ホフステッド(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)の2人が抜け出すことに成功。山岳賞トップの座を確かなものにしたいアラフィリップが山岳ポイントを量産していく。
この日3つ目の1級山岳マルシュー峠に差し掛かると先頭は20名に人数を増やし、そこから今度はルツェンコとウッズが先行を開始する。土砂降りの雨に包まれた薄暗い山道を進んだルツェンコとウッズは、メイン集団から2分リードで1級山岳マルシュー峠を通過。ここにモスコンやシュレル、コルトニールセンらが追いついて、モビスターの牽引に切り替わったメイン集団から2分のリードで最後の超級山岳モンテ・ド・ピペに向かった。
標高1,552mの超級山岳モンテ・ド・ピペ頂上まで12km、つまりフィニッシュまで12kmを残してタイム差は1分を割り込む。アシスト勢をフル動員したモビスターの牽引によってタイム差が40秒まで縮まったところでナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)がアタックを仕掛け、ここにミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームイネオス)がチェックに入る。
一旦小康状態となった雨が再び降り始め、気温は10度を下回った。アスタナの集団牽引によって、飛び出していたキンタナや、先頭で逃げ続けていたウッズとルツェンコは吸収される。そこから総合上位陣によるアタック合戦が始まり、残り2km地点を前にエマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)とヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)が飛び出した。
ブッフマンとフルサングの後方では、マイヨジョーヌを着るアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)やティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト)、ワウト・プールス(オランダ、チームイネオス)、ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)らが追走グループを形成。真っ先に動いたキンタナやリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)らはこの追走グループに入ることはできない。
フルサングらに先行させるわけにはいかないイェーツやピノが追走をかけ、その中からフラムルージュ(残り1kmアーチ)通過と同時にプールスがカウンターアタック。追走グループの一番後ろから一気に飛び出したプールスが、残り250mで先頭のフルサングとブッフマンをキャッチするとともさらに加速していく。落車負傷リタイアしたエースのクリストファー・フルーム(イギリス)の代役を務めるオランダ人オールラウンダーが超級山岳を制した。
「チームに勝利をもたらすことができてよかった。この勝利はクリス(フルーム)への贈り物だ」。過酷な山岳ステージを勝利で終えたプールスは喜ぶ。「今日はずっと調子の良さを感じていて、素晴らしいチームの働きによって勝負に持ち込むことができた。残り500mの時点で先行する2人(フルサングとブッフマン)に追いつかないんじゃないかと思ったけど、最終コーナーでなんとか追いついてそこから加速したんだ」。ボーナスタイム10秒を獲得したプールスは総合10位から総合5位まで順位を上げることに成功している。
マイヨジョーヌを着るイェーツはピノとマーティンとともに10秒遅れでフィニッシュ。総合首位の座はステージ2位のフルサングのもとに移った。「良い天気の1日になると思っていたのに、ステージ後半は酷い雨に降られた。『とにかく早くフィニッシュに着きたい』という気持ちで走ったよ」と、2017年大会の総合優勝者フルサングは語る。
最終ステージを前に総合1位フルサングと総合2位イェーツのタイム差は8秒。以下、ヴァンガーデレン、ブッフマン、プールス、トゥーンス、ピノが33秒以内にひしめく状態だ。「リーダージャージ獲得は嬉しいけど、大会最終日は決まって厳しいものになる。ジャージ争いの観点から言うと、距離が短い山岳ステージは刺激的なものになるはず」とマイヨジョーヌを手にしたフルサングは語っている。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2019第7ステージ結果
1位 | ワウト・プールス(オランダ、チームイネオス) | 4:01:34 |
2位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 0:00:01 |
3位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 0:00:10 |
5位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | |
7位 | ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:00:13 |
8位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト) | 0:00:16 |
9位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) | 0:00:30 |
10位 | ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:00:34 |
13位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:00:46 |
14位 | リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) | |
16位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:00:58 |
個人総合成績
1位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 3:36:40 |
2位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:08 |
3位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト) | 0:00:20 |
4位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:21 |
5位 | ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) | 0:00:28 |
6位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) | 0:00:32 |
7位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 0:00:33 |
8位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 0:01:12 |
9位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:01:20 |
10位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ) | 0:01:21 |
ポイント賞
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | 82pts |
2位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | 53pts |
3位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 47pts |
山岳賞
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 52pts |
2位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) | 25pts |
3位 | カスパー・ピーダスン(デンマーク、サンウェブ) | 18pts |
ヤングライダー賞
1位 | ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) | 27:39:57 |
2位 | ニールソン・ポーレス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:11:03 |
3位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:16:49 |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 82:55:58 |
2位 | ユンボ・ヴィズマ | 0:04:49 |
3位 | EFエデュケーションファースト | 0:11:13 |
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