2019/06/16(日) - 10:49
9日間で争われるツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)が開幕。平均50km/hオーバーの高速バトルとなった初日個人TTで世界王者ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ)が復活の勝利。ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)が総合陣の中でトップタイムをマークしている。
同時期開催のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネと並び、ツール・ド・フランスの重要な前哨戦として知られるツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)が開幕した。
ノンストップで行われる9日間の日程中には個人タイムトライアルと超級山岳フィニッシュがそれぞれ2回ずつ組み込まれ、九州本島よりも少し大きいスイス全域を駆け巡る。ツール・ド・フランスに照準を合わせる総合勢はもちろんのこと、スプリンターやクラシックハンター、TTスペシャリストなど幅広い選手層がスタートリストに名を連ねている。
比較的平坦基調の序盤戦を終え、第5ステージからは本格的な山岳ステージがスタート。肝となるのが第6ステージのフルムザーベルグ(標高1213m/登坂距離8.5km/平均勾配9%)と、第7ステージに控えるスイスの象徴とも言えるゴッタルド峠(2090m/12.5km/7.2%)で、翌日には完全フラットな19.2kmの個人TTが控える。更に最終第9ステージも頂上フィニッシュでこそないものの、序盤からフルカ峠、ズステン峠、グリムゼル峠と超級山岳3連発を経てフィニッシュ地点へと下る非常に厳しいステージ構成だ。
今年は18あるUCIワールドチームと、ツール出場を決めているトタル・ディレクトエネルジー、そしてラリーUHCサイクリング、更にスイスナショナルチームを加えた全21チームが参加中。これまでステージ通算16勝をマークしているペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)やゲラント・トーマス(イギリス)とエガン・ベルナル(コロンビア)のチームイネオス2大総合エース、ジロでの低迷を払拭したいエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)、アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)などツール出場を予定している豪華布陣が出揃った。
エメンタールチーズの産地として有名なラングナウ・イム・エメンタールで開催された距離9.5kmの短距離個人タイムトライアル。午後からの雷雨予報のため有力勢がこぞって前方スタートを選ぶ中、最速タイムをマークしたのはアルカンシエルのローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ)だった。
デニスはそれまで首位に立っていたTTスペシャリスト、マチェイ・ボドナール(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)をコンマ差で交わして首位に。短距離TTを得意とするマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)は1秒、チームメイトのセーアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ)も2秒届かず、長い間ホットシートに座り続けたデニスが今季初勝利。昨年は世界選手権終了後にシーズンを終えていたため、アルカンシエルを着用しての初勝利を射止めることとなった。
「キツいレースだった。ここ数ヶ月は自分の期待とはかけ離れた成績しか出せておらず、自分自身との戦いだった。そして遂に今日成績を出し、トップレベルに返り咲くためのきっかけをつかむことができた。明日からはできる限りこのリーダージャージを守っていく。天王山はもう一つ控える個人TTだと思うし、今日のパフォーマンスをもう一度発揮する自信がある」と、柔らかな笑顔でファビアン・カンチェラーラからリーダージャージを受け取ったデニスは語っている。
沿道にスロバキア国旗が並ぶ中好ペースを保ち、フィニッシュラインでハンドルを投げるほど追い込んだサガンは7秒遅れの7位。5月初めのツール・ド・ロマンディ以来1ヶ月ぶりの実戦となったトーマスも快調なペースを刻み、TTスペシャリストやスプリンター以外では最高となる17秒遅れのステージ13位と順調な滑り出しを見せている。
その他総合勢ではウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)がトーマスから1秒遅れの16位、ベルナルは23秒遅れの26位、ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)は30秒差の39位だった。
同時期開催のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネと並び、ツール・ド・フランスの重要な前哨戦として知られるツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)が開幕した。
ノンストップで行われる9日間の日程中には個人タイムトライアルと超級山岳フィニッシュがそれぞれ2回ずつ組み込まれ、九州本島よりも少し大きいスイス全域を駆け巡る。ツール・ド・フランスに照準を合わせる総合勢はもちろんのこと、スプリンターやクラシックハンター、TTスペシャリストなど幅広い選手層がスタートリストに名を連ねている。
比較的平坦基調の序盤戦を終え、第5ステージからは本格的な山岳ステージがスタート。肝となるのが第6ステージのフルムザーベルグ(標高1213m/登坂距離8.5km/平均勾配9%)と、第7ステージに控えるスイスの象徴とも言えるゴッタルド峠(2090m/12.5km/7.2%)で、翌日には完全フラットな19.2kmの個人TTが控える。更に最終第9ステージも頂上フィニッシュでこそないものの、序盤からフルカ峠、ズステン峠、グリムゼル峠と超級山岳3連発を経てフィニッシュ地点へと下る非常に厳しいステージ構成だ。
今年は18あるUCIワールドチームと、ツール出場を決めているトタル・ディレクトエネルジー、そしてラリーUHCサイクリング、更にスイスナショナルチームを加えた全21チームが参加中。これまでステージ通算16勝をマークしているペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)やゲラント・トーマス(イギリス)とエガン・ベルナル(コロンビア)のチームイネオス2大総合エース、ジロでの低迷を払拭したいエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)、アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)などツール出場を予定している豪華布陣が出揃った。
エメンタールチーズの産地として有名なラングナウ・イム・エメンタールで開催された距離9.5kmの短距離個人タイムトライアル。午後からの雷雨予報のため有力勢がこぞって前方スタートを選ぶ中、最速タイムをマークしたのはアルカンシエルのローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ)だった。
デニスはそれまで首位に立っていたTTスペシャリスト、マチェイ・ボドナール(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)をコンマ差で交わして首位に。短距離TTを得意とするマイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)は1秒、チームメイトのセーアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ)も2秒届かず、長い間ホットシートに座り続けたデニスが今季初勝利。昨年は世界選手権終了後にシーズンを終えていたため、アルカンシエルを着用しての初勝利を射止めることとなった。
「キツいレースだった。ここ数ヶ月は自分の期待とはかけ離れた成績しか出せておらず、自分自身との戦いだった。そして遂に今日成績を出し、トップレベルに返り咲くためのきっかけをつかむことができた。明日からはできる限りこのリーダージャージを守っていく。天王山はもう一つ控える個人TTだと思うし、今日のパフォーマンスをもう一度発揮する自信がある」と、柔らかな笑顔でファビアン・カンチェラーラからリーダージャージを受け取ったデニスは語っている。
沿道にスロバキア国旗が並ぶ中好ペースを保ち、フィニッシュラインでハンドルを投げるほど追い込んだサガンは7秒遅れの7位。5月初めのツール・ド・ロマンディ以来1ヶ月ぶりの実戦となったトーマスも快調なペースを刻み、TTスペシャリストやスプリンター以外では最高となる17秒遅れのステージ13位と順調な滑り出しを見せている。
その他総合勢ではウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)がトーマスから1秒遅れの16位、ベルナルは23秒遅れの26位、ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)は30秒差の39位だった。
ツール・ド・スイス2019第1ステージ結果
1位 | ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ) | 10'50" |
2位 | マチェイ・ボドナール(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | +01" |
4位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ) | +02" |
5位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
6位 | ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト) | +05" |
7位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | +07" |
8位 | パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) | +08" |
9位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | +09" |
10位 | トム・スカリー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | +11" |
個人総合成績
1位 | ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ) | 10'50" |
2位 | マチェイ・ボドナール(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | +01" |
4位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ) | +02" |
5位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
6位 | ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト) | +05" |
7位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | +07" |
8位 | パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) | +08" |
9位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | +09" |
10位 | トム・スカリー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | +11" |
ポイント賞
1位 | ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ) | 12pts |
2位 | マチェイ・ボドナール(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 8pts |
3位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | 6pts |
ヤングライダー賞
1位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ) | 10'52" |
2位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
3位 | トム・ボーリ(スイス、UAEチームエミレーツ) | +13" |
チーム総合成績
1位 | ボーラ・ハンスグローエ | 32'56" |
2位 | サンウェブ | |
3位 | EFエデュケーションファースト | +15" |
text:So.Isobe
photo:CorVos,www.tourdesuisse.ch
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