2019/06/15(土) - 09:42
8つの山岳が連続する全長229km/獲得標高差4,000mの山岳コースが設定されたクリテリウム・デュ・ドーフィネ第6ステージで3名が逃げ切り達成。ミュールベルガーとのスプリント一騎打ちを制したジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)がステージ優勝と山岳賞ジャージを手にした。
平野に位置するサン=ヴルバから、ガリビエ峠の麓の街サンミッシェル=ド=モーリエンヌまで、アルプス山脈の中を229kmかけて走る第6ステージ。合計8つのカテゴリー山岳が設定されており、獲得標高差は4,000mに達する。いずれの山岳もカテゴリーは2級以下で、山頂フィニッシュではないが、残り7.5km地点で2級山岳ボーヌ峠(距離8.1km/平均6%)が登場するなど危険をはらむ。ステージ前半は大雨に包まれたものの、後半に入ると暖かい太陽が路面を乾かした。
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)のアタックをきっかけに形成されたのは、グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)とアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム)を含む3名の逃げグループ。カスパー・ピーダスン(デンマーク、サンウェブ)の山岳賞ジャージを守りたいサンウェブが約1時間にわたって追走を継続したものの、強力な逃げトリオはこの追走を振り切った。
サンウェブが追走を諦めると、すでに総合で16分以上遅れている逃げを見送っても問題がないミッチェルトン・スコットが集団先頭に立ってコントロール。タイム差は最大で14分まで広がり、先頭で7つのカテゴリー山岳を先頭通過したアラフィリップが一躍山岳賞ランキングトップに立った。
残り16.5km地点、サンミッシェル=ド=モーリエンヌのフィニッシュラインを一旦通過した時点でタイム差は9分35秒。中継ヘリが着陸を余儀なくされるほどの強風が吹くモーリエンヌ谷を逃げ続けた先頭3名が、逃げ切りをほぼ確定させた状態で最後の2級山岳ボーヌ峠の登坂を開始した。
ステージ優勝に向けて活発に動いたのはミュールベルガーで、2日連続逃げのデマルキはアタックの度に出遅れながらも食らいつく。しかし2級山岳ボーヌ峠の頂上まで500mを残してデマルキはついに脱落し、ミュールベルガーがアラフィリップを引き連れる形でテクニカルなダウンヒル区間に突入した。
メイン集団はチームイネオスが徹底的にペースコントロールを担った。ステージ2連勝を飾り、ポイント賞&ヤングライダー賞トップのワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が位置取りに力を使って早々に遅れる中、チームイネオスのジャンニ・モスコン(イタリア)やディラン・ファンバーレ(オランダ)がハイペースを刻み、ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール)のアタックを引き戻す。
頂上が近づくとミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームイネオス)がハイペース牽引を引き継ぐ。このチームイネオスの支配から抜け出す選手は現れず、メイン集団は約30名に絞られた状態で先頭から6分20秒遅れで頂上を越えた。2級山岳ボーヌ峠の登坂タイムを比較すると、逃げトリオが20分17秒だったのに対し、メイン集団は17分33秒だった。ほぼ同じ体重(66kg)の選手の比較では、逃げのデマルキが平均331W、集団のシェレルが平均373Wを出力している。
先頭で下りコーナーを軽快にこなしたミュールベルガーは、スプリント力で勝るアラフィリップを振り払うことができないままフィニッシュに到着。デマルキに合流を許さないまま、ミュールベルガーとアラフィリップがほぼ同時にスプリントを開始する。先行するミュールベルガーに並びかけるアラフィリップ。身をよじりながら最後の力を振り絞ってスプリントした2人が横並びでハンドルを投げ込んでフィニッシュする。アラフィリップが20cmに満たない差で先着した。
下り区間でクウィアトコウスキーが一貫して先頭を率いたメイン集団は、大きな脱落者を生むことなく、そして大きくリードする選手を生むこともなく、6分10秒遅れでフィニッシュした。集団前方のステージ8位でフィニッシュしたアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がマイヨジョーヌを守っている。
ステージ優勝を飾ったアラフィリップは「厳しい1日だった。今週、特に今日良い走りをしたいと思っていた。一緒に逃げた2人は最後の山岳で僕を振るい落とそうとしたけど、もし協調しないのであれば反応して付いていくことに徹するとミュールベルガーに伝えた。彼が良い加速力の持ち主であることは分かっていた。数日間続いた悪天候の影響で疲労が溜まっていたし、大きなタイム差がありながらもずっと全開走行だったので、神経質なフィナーレになったよ。向かい風が吹いていたのでスプリントの開始をできるだけ遅らせたんだ」と勝利の秘訣を語る。アラフィリップはシーズン10勝目。出場した全てのステージレースで少なくともステージ1勝を飾っている。
「勝利は格別。勝つために走っている。出場するすべてのステージレースでステージ優勝したいと思っていた。それに、ドーフィネは地元フランスでのシーズン初戦だったので、ツール・ド・フランスに向けて良い感触を掴んでおきたかったんだ。タイムトライアルの走りも良かったし、今のところ調整は順調に進んでいる」。2018年のツールで山岳賞に輝いたアラフィリップがドーフィネの山岳賞ジャージを手にしている。
マイヨジョーヌを守ったイェーツは「今日はずっとフルガス(全開)というステージではなかった。総合に関係のない3名が逃げる展開にみんな満足していた。最後の山岳ではもっとアタックが掛かるかと思っていたよ。明日は距離が短く、多くの選手が逃げを試みるはず。フィニッシュ地点は全長20kmの山岳の頂上であり、今シーズンまだそんな長い登りを経験していないけど、調子は良いよ」と、残る2ステージに目を向ける。第6ステージを終えて、総合タイム差1分以内にまだ11名がひしめく混戦状態だ。
平野に位置するサン=ヴルバから、ガリビエ峠の麓の街サンミッシェル=ド=モーリエンヌまで、アルプス山脈の中を229kmかけて走る第6ステージ。合計8つのカテゴリー山岳が設定されており、獲得標高差は4,000mに達する。いずれの山岳もカテゴリーは2級以下で、山頂フィニッシュではないが、残り7.5km地点で2級山岳ボーヌ峠(距離8.1km/平均6%)が登場するなど危険をはらむ。ステージ前半は大雨に包まれたものの、後半に入ると暖かい太陽が路面を乾かした。
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)のアタックをきっかけに形成されたのは、グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)とアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム)を含む3名の逃げグループ。カスパー・ピーダスン(デンマーク、サンウェブ)の山岳賞ジャージを守りたいサンウェブが約1時間にわたって追走を継続したものの、強力な逃げトリオはこの追走を振り切った。
サンウェブが追走を諦めると、すでに総合で16分以上遅れている逃げを見送っても問題がないミッチェルトン・スコットが集団先頭に立ってコントロール。タイム差は最大で14分まで広がり、先頭で7つのカテゴリー山岳を先頭通過したアラフィリップが一躍山岳賞ランキングトップに立った。
残り16.5km地点、サンミッシェル=ド=モーリエンヌのフィニッシュラインを一旦通過した時点でタイム差は9分35秒。中継ヘリが着陸を余儀なくされるほどの強風が吹くモーリエンヌ谷を逃げ続けた先頭3名が、逃げ切りをほぼ確定させた状態で最後の2級山岳ボーヌ峠の登坂を開始した。
ステージ優勝に向けて活発に動いたのはミュールベルガーで、2日連続逃げのデマルキはアタックの度に出遅れながらも食らいつく。しかし2級山岳ボーヌ峠の頂上まで500mを残してデマルキはついに脱落し、ミュールベルガーがアラフィリップを引き連れる形でテクニカルなダウンヒル区間に突入した。
メイン集団はチームイネオスが徹底的にペースコントロールを担った。ステージ2連勝を飾り、ポイント賞&ヤングライダー賞トップのワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が位置取りに力を使って早々に遅れる中、チームイネオスのジャンニ・モスコン(イタリア)やディラン・ファンバーレ(オランダ)がハイペースを刻み、ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール)のアタックを引き戻す。
頂上が近づくとミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームイネオス)がハイペース牽引を引き継ぐ。このチームイネオスの支配から抜け出す選手は現れず、メイン集団は約30名に絞られた状態で先頭から6分20秒遅れで頂上を越えた。2級山岳ボーヌ峠の登坂タイムを比較すると、逃げトリオが20分17秒だったのに対し、メイン集団は17分33秒だった。ほぼ同じ体重(66kg)の選手の比較では、逃げのデマルキが平均331W、集団のシェレルが平均373Wを出力している。
先頭で下りコーナーを軽快にこなしたミュールベルガーは、スプリント力で勝るアラフィリップを振り払うことができないままフィニッシュに到着。デマルキに合流を許さないまま、ミュールベルガーとアラフィリップがほぼ同時にスプリントを開始する。先行するミュールベルガーに並びかけるアラフィリップ。身をよじりながら最後の力を振り絞ってスプリントした2人が横並びでハンドルを投げ込んでフィニッシュする。アラフィリップが20cmに満たない差で先着した。
下り区間でクウィアトコウスキーが一貫して先頭を率いたメイン集団は、大きな脱落者を生むことなく、そして大きくリードする選手を生むこともなく、6分10秒遅れでフィニッシュした。集団前方のステージ8位でフィニッシュしたアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がマイヨジョーヌを守っている。
ステージ優勝を飾ったアラフィリップは「厳しい1日だった。今週、特に今日良い走りをしたいと思っていた。一緒に逃げた2人は最後の山岳で僕を振るい落とそうとしたけど、もし協調しないのであれば反応して付いていくことに徹するとミュールベルガーに伝えた。彼が良い加速力の持ち主であることは分かっていた。数日間続いた悪天候の影響で疲労が溜まっていたし、大きなタイム差がありながらもずっと全開走行だったので、神経質なフィナーレになったよ。向かい風が吹いていたのでスプリントの開始をできるだけ遅らせたんだ」と勝利の秘訣を語る。アラフィリップはシーズン10勝目。出場した全てのステージレースで少なくともステージ1勝を飾っている。
「勝利は格別。勝つために走っている。出場するすべてのステージレースでステージ優勝したいと思っていた。それに、ドーフィネは地元フランスでのシーズン初戦だったので、ツール・ド・フランスに向けて良い感触を掴んでおきたかったんだ。タイムトライアルの走りも良かったし、今のところ調整は順調に進んでいる」。2018年のツールで山岳賞に輝いたアラフィリップがドーフィネの山岳賞ジャージを手にしている。
マイヨジョーヌを守ったイェーツは「今日はずっとフルガス(全開)というステージではなかった。総合に関係のない3名が逃げる展開にみんな満足していた。最後の山岳ではもっとアタックが掛かるかと思っていたよ。明日は距離が短く、多くの選手が逃げを試みるはず。フィニッシュ地点は全長20kmの山岳の頂上であり、今シーズンまだそんな長い登りを経験していないけど、調子は良いよ」と、残る2ステージに目を向ける。第6ステージを終えて、総合タイム差1分以内にまだ11名がひしめく混戦状態だ。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2019第6ステージ結果
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 5:00:34 |
2位 | グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム) | |
4位 | ワウト・プールス(オランダ、チームイネオス) | 0:06:10 |
5位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ) | |
6位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | |
7位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | |
8位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | |
9位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | |
10位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) |
個人総合成績
1位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 23:35:04 |
2位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) | 0:00:04 |
3位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト) | 0:00:06 |
4位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 0:00:07 |
5位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:00:24 |
6位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 0:00:25 |
7位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:26 |
8位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 0:00:30 |
9位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:00:40 |
10位 | ワウト・プールス(オランダ、チームイネオス) |
ポイント賞
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | 82pts |
2位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | 53pts |
3位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 47pts |
山岳賞
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 32pts |
2位 | カスパー・ピーダスン(デンマーク、サンウェブ) | 18pts |
3位 | アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム) | 14pts |
ヤングライダー賞
1位 | ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) | 23:37:49 |
2位 | ステフ・クラス(ベルギー、カチューシャ・アルペシン) | 0:01:29 |
3位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | 0:04:01 |
チーム総合成績
1位 | EFエデュケーションファースト | 70:48:30 |
2位 | アスタナ | 0:00:14 |
3位 | グルパマFDJ | 0:01:49 |
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