2019/05/01(水) - 09:15
4月30日、スイス西部で第73回ツール・ド・ロマンディが開幕した。6日間の大会の初日、3.8kmの個人タイムトライアルで、前年度の覇者プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)を1秒差で下した同郷のヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・メリダ)がイエロージャージに袖を通した。
第二次世界大戦後すぐの1947年に初開催され、以降毎年欠かさず開催されているツール・ド・ロマンディ。2019年で開催73回目を迎える歴史あるステージレースであり、2005年からUCIプロツアー(現UCIワールドツアー)カレンダーに組み込まれている。大会期間は6日間で、アルデンヌクラシックを走り終えたばかりの選手やグランツールに向けて調整を続ける選手たちが出場する。
ドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、リヒテンシュタインに囲まれたスイスには4つの言語圏が存在する。ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つが公用語とされており、フランス語(厳密に言うとスイスフランス語)が第1公用語として話されている同国西部のロマンディ地方がレースの舞台となる。
第73回大会はフランス国境に近いヌシャテルで開幕。ヌシャテル湖畔の街中を駆け抜ける3.8kmのプロローグ(個人タイムトライアル)には、中盤にかけて高低差50m弱のアップダウンが組み込まれたもの。平均スピードが45km/hを超えるレース時間5分強の戦いで、スロベニアTTチャンピオンがトップタイムをマークした。
前年度の総合優勝者プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)が暫定トップタイムを記録したが、スロベニアTTチャンピオンジャージを着るヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・メリダ)がそれを1秒更新。最終走者ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が8秒遅れのタイムでレースを終えたところで、トラトニクのステージ優勝が決まった。
1990年2月23日生まれ、スロベニアの首都リュブリャナ出身の29歳トラトニク。2011年にクイックステップ入りしたものの、翌年からUCIコンチネンタルチームとUCIプロコンチームを転々とし、今シーズン、バーレーン・メリダで8年ぶりにUCUワールドチームに復帰した。2度のスロベニアTTタイトルを含めてスロベニア国内のUCIレースを中心に成績を残しているが、UCIワールドツアーレベルの勝利はこれが初めて。
「この結果には驚いているけど、全力を出せば必ず良い結果を出せると信じていた。自分にとって特別なUCIワールドツアーレース初勝利。良い友達のログリッチェにいつもTTで負け続けていたから、彼に勝つことができて嬉しいよ」とトラトニクはコメントする。ステージ2位のログリッチェは1989年10月29日生まれの29歳でトラトニクと同年代。ジロ・デ・イタリア出場予定のログリッチェはステージ優勝こそ逃したものの、大会連覇に向けて好スタートを切ったと言える。
チームスカイからチームイネオスに名称を変更し、新チーム名での初戦を迎えたゲラント・トーマス(イギリス)はステージ5位。ツール・ド・フランスに向けて順調な仕上がりを見せている。なお、チームイネオスがロマンディで着用するジャージは仮のデザインで、正式なイネオスジャージは5月2日開幕のツール・ド・ヨークシャーで披露される。UCIはレース期間中のジャージ変更を禁じているため、正式ジャージ発表後もロマンディでは仮ジャージを使用する。
参考までに、ステージ6位に入ったアレックス・ドーセット(イギリス、カチューシャ・アルペシン)のSTRAVAログを見ると、ドーセットは5分13秒間にわたって平均487Wを出力。直線区間では概ね500W以上を出力しており、レース中盤の下り区間で最高速が73.4km/hに達している。
注目の新人レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)は14秒差のステージ57位。4月にアワーレコードを更新したヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)は落車によって最下位となるステージ139位でレースを終えている。
第二次世界大戦後すぐの1947年に初開催され、以降毎年欠かさず開催されているツール・ド・ロマンディ。2019年で開催73回目を迎える歴史あるステージレースであり、2005年からUCIプロツアー(現UCIワールドツアー)カレンダーに組み込まれている。大会期間は6日間で、アルデンヌクラシックを走り終えたばかりの選手やグランツールに向けて調整を続ける選手たちが出場する。
ドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、リヒテンシュタインに囲まれたスイスには4つの言語圏が存在する。ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つが公用語とされており、フランス語(厳密に言うとスイスフランス語)が第1公用語として話されている同国西部のロマンディ地方がレースの舞台となる。
第73回大会はフランス国境に近いヌシャテルで開幕。ヌシャテル湖畔の街中を駆け抜ける3.8kmのプロローグ(個人タイムトライアル)には、中盤にかけて高低差50m弱のアップダウンが組み込まれたもの。平均スピードが45km/hを超えるレース時間5分強の戦いで、スロベニアTTチャンピオンがトップタイムをマークした。
前年度の総合優勝者プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)が暫定トップタイムを記録したが、スロベニアTTチャンピオンジャージを着るヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・メリダ)がそれを1秒更新。最終走者ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が8秒遅れのタイムでレースを終えたところで、トラトニクのステージ優勝が決まった。
1990年2月23日生まれ、スロベニアの首都リュブリャナ出身の29歳トラトニク。2011年にクイックステップ入りしたものの、翌年からUCIコンチネンタルチームとUCIプロコンチームを転々とし、今シーズン、バーレーン・メリダで8年ぶりにUCUワールドチームに復帰した。2度のスロベニアTTタイトルを含めてスロベニア国内のUCIレースを中心に成績を残しているが、UCIワールドツアーレベルの勝利はこれが初めて。
「この結果には驚いているけど、全力を出せば必ず良い結果を出せると信じていた。自分にとって特別なUCIワールドツアーレース初勝利。良い友達のログリッチェにいつもTTで負け続けていたから、彼に勝つことができて嬉しいよ」とトラトニクはコメントする。ステージ2位のログリッチェは1989年10月29日生まれの29歳でトラトニクと同年代。ジロ・デ・イタリア出場予定のログリッチェはステージ優勝こそ逃したものの、大会連覇に向けて好スタートを切ったと言える。
チームスカイからチームイネオスに名称を変更し、新チーム名での初戦を迎えたゲラント・トーマス(イギリス)はステージ5位。ツール・ド・フランスに向けて順調な仕上がりを見せている。なお、チームイネオスがロマンディで着用するジャージは仮のデザインで、正式なイネオスジャージは5月2日開幕のツール・ド・ヨークシャーで披露される。UCIはレース期間中のジャージ変更を禁じているため、正式ジャージ発表後もロマンディでは仮ジャージを使用する。
参考までに、ステージ6位に入ったアレックス・ドーセット(イギリス、カチューシャ・アルペシン)のSTRAVAログを見ると、ドーセットは5分13秒間にわたって平均487Wを出力。直線区間では概ね500W以上を出力しており、レース中盤の下り区間で最高速が73.4km/hに達している。
注目の新人レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)は14秒差のステージ57位。4月にアワーレコードを更新したヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)は落車によって最下位となるステージ139位でレースを終えている。
ツール・ド・ロマンディ2019プロローグ結果
1位 | ヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・メリダ) | 0:05:09 |
2位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 0:00:01 |
3位 | トム・ボーリ(スイス、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | トニー・マルティン(ドイツ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:00:04 |
5位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス) | |
6位 | アレックス・ドーセット(イギリス、カチューシャ・アルペシン) | |
7位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | 0:00:05 |
8位 | カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター) | |
9位 | マチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) |
個人総合成績
1位 | ヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・メリダ) | 0:05:09 |
2位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 0:00:01 |
3位 | トム・ボーリ(スイス、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | トニー・マルティン(ドイツ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:00:04 |
5位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス) | |
6位 | アレックス・ドーセット(イギリス、カチューシャ・アルペシン) | |
7位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | 0:00:05 |
8位 | カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター) | |
9位 | マチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) |
ポイント賞
1位 | ヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・メリダ) | 30pts |
2位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 25pts |
3位 | トム・ボーリ(スイス、UAEチームエミレーツ) | 22pts |
ヤングライダー賞
1位 | バンジャマン・トマ(フランス、グルパマFDJ) | 0:05:12 |
2位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、チームイネオス) | 0:00:01 |
3位 | ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:03 |
チーム総合成績
1位 | ユンボ・ヴィズマ | 0:15:31 |
2位 | UAEチームエミレーツ | 0:00:02 |
3位 | グルパマFDJ | 0:00:07 |