2019/04/17(水) - 09:27
4月16日にメキシコのアグアスカリエンテスで行われたアワーレコード挑戦で、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)が新記録を樹立。2015年にブラドレー・ウィギンズ(イギリス)が残した54.526kmを上回る55.089kmを1時間で走り切った。
現ヨーロッパTTチャンピオンが55kmの壁を破った。
標高1,887mという低圧で空気密度が小さい(空気抵抗が減る)という特性から、記録が出やすい競技場として知られるメキシコのアグアスカリエンテス・ヴェロドロームで行われたカンペナールツのアワーレコード挑戦。標高の高さは酸素濃度の低さに直結するため、カンペナールツはアワーレコード挑戦を前に標高3,000mを想定した低酸素室で身体を慣らした。また、暑さと標高に慣れるためにカンペナールツは気温35度/標高1,730mのナミビアでも個人トレーニング合宿を行なっている。
記録の出やすいベストな気圧で挑戦するため、予備日を含む4月15日と16日の2日間で行われた今回の挑戦。ベルギー国内でのライブ中継を考慮して、ベルギー時間午後6時にきっちり1時間の全開走行が始まった。
カンペナールツが目指したのは、2015年にウィギンズが記録した54.526km。0スタートから徐々に加速したカンペナールツは、1周250mの木製インドアバンクでラップタイム16.2秒を刻むスピードを見せ、32周した時点でウィギンズの前に出る。スタートから15分が経過し、55周をこなしたところで平均スピードを55km/hに乗せた。
ウィギンズは58x14のギア比を選択した一方で、61x14もしくは60x14のギア比を踏み続けたカンペナールツは「最初の30分間は少し楽観的に走った。そして30分経過後は少しだけペースを落とす走りが必要だった。作戦は大成功だった。後半に少しペースを落としたものの、どの周回でもウィギンズより速いペースだった」と語る。その後も1周16.3〜16.4秒のラップタイムを刻み続けたカンペナールツ。残り2分を切ってから15.9〜16.1秒のラップタイムを刻む追い込みを見せ、スタートから1時間経過後、221周したカンペナールツに「55.089km」の新記録が告げられた。
「スーパーハッピーだ。偉大なサイクリストに仲間入りすることができた。長い期間ずっとこのアワーレコードに集中してきたから喜びもひとしお。55kmという魔法の数字を叩き出すことができて本当に良かった。100%の状態での挑戦をサポートしてくれたチームに感謝している」。
2014年にUCI(国際自転車競技連盟)がルールを変更してから、18人目の挑戦者となったカンペナールツ。2015年にウィギンズが打ち立てた記録にこれまで10名が挑んだが、いずれも記録更新には至らなかった。
歴代アワーレコード記録
イェンス・フォイクト(ドイツ)51.110km
マティアス・ブランドル(オーストリア)51.852km
ローハン・デニス(オーストラリア)52.491km
アレックス・ドーセット(イギリス)52.937km
ブラドレー・ウィギンズ(イギリス)54.526km
ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー)55.089km
現ヨーロッパTTチャンピオンが55kmの壁を破った。
標高1,887mという低圧で空気密度が小さい(空気抵抗が減る)という特性から、記録が出やすい競技場として知られるメキシコのアグアスカリエンテス・ヴェロドロームで行われたカンペナールツのアワーレコード挑戦。標高の高さは酸素濃度の低さに直結するため、カンペナールツはアワーレコード挑戦を前に標高3,000mを想定した低酸素室で身体を慣らした。また、暑さと標高に慣れるためにカンペナールツは気温35度/標高1,730mのナミビアでも個人トレーニング合宿を行なっている。
記録の出やすいベストな気圧で挑戦するため、予備日を含む4月15日と16日の2日間で行われた今回の挑戦。ベルギー国内でのライブ中継を考慮して、ベルギー時間午後6時にきっちり1時間の全開走行が始まった。
カンペナールツが目指したのは、2015年にウィギンズが記録した54.526km。0スタートから徐々に加速したカンペナールツは、1周250mの木製インドアバンクでラップタイム16.2秒を刻むスピードを見せ、32周した時点でウィギンズの前に出る。スタートから15分が経過し、55周をこなしたところで平均スピードを55km/hに乗せた。
ウィギンズは58x14のギア比を選択した一方で、61x14もしくは60x14のギア比を踏み続けたカンペナールツは「最初の30分間は少し楽観的に走った。そして30分経過後は少しだけペースを落とす走りが必要だった。作戦は大成功だった。後半に少しペースを落としたものの、どの周回でもウィギンズより速いペースだった」と語る。その後も1周16.3〜16.4秒のラップタイムを刻み続けたカンペナールツ。残り2分を切ってから15.9〜16.1秒のラップタイムを刻む追い込みを見せ、スタートから1時間経過後、221周したカンペナールツに「55.089km」の新記録が告げられた。
「スーパーハッピーだ。偉大なサイクリストに仲間入りすることができた。長い期間ずっとこのアワーレコードに集中してきたから喜びもひとしお。55kmという魔法の数字を叩き出すことができて本当に良かった。100%の状態での挑戦をサポートしてくれたチームに感謝している」。
2014年にUCI(国際自転車競技連盟)がルールを変更してから、18人目の挑戦者となったカンペナールツ。2015年にウィギンズが打ち立てた記録にこれまで10名が挑んだが、いずれも記録更新には至らなかった。
歴代アワーレコード記録
イェンス・フォイクト(ドイツ)51.110km
マティアス・ブランドル(オーストリア)51.852km
ローハン・デニス(オーストラリア)52.491km
アレックス・ドーセット(イギリス)52.937km
ブラドレー・ウィギンズ(イギリス)54.526km
ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー)55.089km
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