2019/04/11(木) - 10:55
イツリア・バスクカントリー第3ステージの残り6km地点で落車に巻き込まれたアラフィリップやクウィアトコウスキーが総合争いから脱落する中、リーダージャージを着るマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が登りスプリントで2勝目をマークした。
メイン集団をコントロールするボーラ・ハンスグローエ photo:Itzulia Basque Country
バスク一周3日目はサリグレンからバスク州の州都ビトリア=ガステイスに近いエスティバリスまでの191km。2つのカテゴリー山岳を含む無数のアップダウンが組み込まれたコースの獲得標高差は2,700m。しかも前日同様フィニッシュは勾配4%の登り基調で、「アルデンヌ系」のパンチャー選手に再びチャンスが巡ってきた。
序盤の2級山岳で形成されたのはベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)やブルーノ・アルミライル(フランス、グルパマFDJ)を含む8名の逃げグループ。ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード)が山岳賞ジャージ奪取を目論んだが、同じく逃げに乗ったガリコイツ・ブラーボ(スペイン、エウスカディ・バスクカントリー)が山岳賞1位の座を死守している。
リーダージャージ擁するボーラ・ハンスグローエに加えて、ステージ2連勝を狙うドゥクーニンク・クイックステップがメイン集団を長時間にわたって牽引。UCIワールドチームの選手5名が逃げグループに残って抵抗したが、残り10kmでタイム差27秒に。すると、逃げ吸収間近と思われた残り6km地点で大落車が発生した。
トニー・マルティン(ドイツ、ユンボ・ヴィズマ)が60km/h近いスピードで牽引する中、集団の前方で転倒した選手に突っ込む形で大落車が発生。地面に倒れこむ選手たちの真ん中に、総合2位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)と総合3位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)、さらにエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)やゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)という主要選手の姿が。この落車でアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・スーダル)やヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チームスカイ)がレースを去る事態になっている。
落車の影響でおよそ70名に絞られたメイン集団は残り4km地点で逃げグループを吸収。そのままスピードを上げて幹線道路を駆け抜け、残り2km地点のコーナーを曲がるとフィニッシュに向かって緩斜面が始まる。残り1km通過と同時にファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)が飛び出しを図ったが決まらず、勾配が徐々に増した残り200mでアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)とディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)、そしてシャフマンがほぼ同時にスプリントを開始した。
蛍光系のイエローが目立つシャフマンのスプリントが伸びた。ウリッシやエンリコ・バッタリーン(イタリア、ユンボ・ヴィズマ)、そしてU23世界王者マルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)を寄せ付けない爆発力を見せたシャフマンが先着。第1ステージの個人タイムトライアルに続く2勝目をマークした。
リーダージャージを着てステージ2勝目を飾ったマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Itzulia Basque Country
マスはドゥクーニンク・クイックステップのメンバーにアシストされながらも1分43秒遅れでフィニッシュ。総合2位アラフィリップが12分09秒遅れ、総合3位クウィアトコウスキーが9分28秒遅れでフィニッシュしたため、シャフマンが総合争いで大きくリードする状況が生まれた。
第3ステージを終えて総合2位ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)から33秒のリードを得ているシャフマンは「終盤の落車に巻き込まれた選手たちが全員無事であることを願う。最後はグレゴー(ミュールベルガー)とジェイ(マッカーシー)にサポートされて良いポジションをキープしながらスプリントへ。チーム新加入の僕を信頼してアシストしてくれたチームメイトたちのおかげで、ステージ2勝と、リーダージャージ堅守を果たすことができた。厳しいステージがあと3つ残っているけど、まだタンクに燃料を残っていることを願っているよ」とコメント。チームメイトのパトリック・コンラッド(オーストリア)が総合3位、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ)が総合6位につけており、最終的な総合優勝も現実味を帯びてきている。
目標とするアルデンヌクラシックを前に痛手を負ったアラフィリップは「目の前の選手がホイールをハスって、次の瞬間には地面に投げ出されていた。こんなハイスピードの落車はキャリアの中で初めて。とにかく無事にフィニッシュできたことを嬉しく思う。深刻な怪我はないけど、擦過傷と痛みはある」とコメント。一晩様子を見て明朝に出走可否を判断する。
チームメイトのクウィアトコウスキーとともに落車に巻き込まれたトーマスは「落車が発生した時のスピードを考えると、もっと酷い怪我になってもおかしくはなかった。2013年のツールで骨折した骨盤を打ち付けてしまったけど、それほど痛みはない。明日も問題なくスタートできると思う」と語っている。
リーダージャージを着てステージ2勝目を飾ったマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Itzulia Basque Country
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バスク一周3日目はサリグレンからバスク州の州都ビトリア=ガステイスに近いエスティバリスまでの191km。2つのカテゴリー山岳を含む無数のアップダウンが組み込まれたコースの獲得標高差は2,700m。しかも前日同様フィニッシュは勾配4%の登り基調で、「アルデンヌ系」のパンチャー選手に再びチャンスが巡ってきた。
序盤の2級山岳で形成されたのはベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)やブルーノ・アルミライル(フランス、グルパマFDJ)を含む8名の逃げグループ。ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード)が山岳賞ジャージ奪取を目論んだが、同じく逃げに乗ったガリコイツ・ブラーボ(スペイン、エウスカディ・バスクカントリー)が山岳賞1位の座を死守している。
リーダージャージ擁するボーラ・ハンスグローエに加えて、ステージ2連勝を狙うドゥクーニンク・クイックステップがメイン集団を長時間にわたって牽引。UCIワールドチームの選手5名が逃げグループに残って抵抗したが、残り10kmでタイム差27秒に。すると、逃げ吸収間近と思われた残り6km地点で大落車が発生した。
トニー・マルティン(ドイツ、ユンボ・ヴィズマ)が60km/h近いスピードで牽引する中、集団の前方で転倒した選手に突っ込む形で大落車が発生。地面に倒れこむ選手たちの真ん中に、総合2位ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)と総合3位ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)、さらにエンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)やゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)という主要選手の姿が。この落車でアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・スーダル)やヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チームスカイ)がレースを去る事態になっている。
落車の影響でおよそ70名に絞られたメイン集団は残り4km地点で逃げグループを吸収。そのままスピードを上げて幹線道路を駆け抜け、残り2km地点のコーナーを曲がるとフィニッシュに向かって緩斜面が始まる。残り1km通過と同時にファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)が飛び出しを図ったが決まらず、勾配が徐々に増した残り200mでアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)とディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)、そしてシャフマンがほぼ同時にスプリントを開始した。
蛍光系のイエローが目立つシャフマンのスプリントが伸びた。ウリッシやエンリコ・バッタリーン(イタリア、ユンボ・ヴィズマ)、そしてU23世界王者マルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)を寄せ付けない爆発力を見せたシャフマンが先着。第1ステージの個人タイムトライアルに続く2勝目をマークした。
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マスはドゥクーニンク・クイックステップのメンバーにアシストされながらも1分43秒遅れでフィニッシュ。総合2位アラフィリップが12分09秒遅れ、総合3位クウィアトコウスキーが9分28秒遅れでフィニッシュしたため、シャフマンが総合争いで大きくリードする状況が生まれた。
第3ステージを終えて総合2位ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ)から33秒のリードを得ているシャフマンは「終盤の落車に巻き込まれた選手たちが全員無事であることを願う。最後はグレゴー(ミュールベルガー)とジェイ(マッカーシー)にサポートされて良いポジションをキープしながらスプリントへ。チーム新加入の僕を信頼してアシストしてくれたチームメイトたちのおかげで、ステージ2勝と、リーダージャージ堅守を果たすことができた。厳しいステージがあと3つ残っているけど、まだタンクに燃料を残っていることを願っているよ」とコメント。チームメイトのパトリック・コンラッド(オーストリア)が総合3位、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ)が総合6位につけており、最終的な総合優勝も現実味を帯びてきている。
目標とするアルデンヌクラシックを前に痛手を負ったアラフィリップは「目の前の選手がホイールをハスって、次の瞬間には地面に投げ出されていた。こんなハイスピードの落車はキャリアの中で初めて。とにかく無事にフィニッシュできたことを嬉しく思う。深刻な怪我はないけど、擦過傷と痛みはある」とコメント。一晩様子を見て明朝に出走可否を判断する。
チームメイトのクウィアトコウスキーとともに落車に巻き込まれたトーマスは「落車が発生した時のスピードを考えると、もっと酷い怪我になってもおかしくはなかった。2013年のツールで骨折した骨盤を打ち付けてしまったけど、それほど痛みはない。明日も問題なくスタートできると思う」と語っている。
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イツリア・バスクカントリー2019第3ステージ結果
1位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 4:47:57 |
2位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | エンリコ・バッタリーン(イタリア、ユンボ・ヴィズマ) | |
4位 | マルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ) | |
5位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ) | |
6位 | ヨン・アベラストゥリ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) | |
7位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | |
8位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | |
9位 | カルロス・キンテロ(コロンビア、マンサナポストボン) | |
10位 | グレガ・ボーレ(スロベニア、バーレーン・メリダ) |
個人総合成績
1位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 8:34:31 |
2位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ) | 0:00:33 |
3位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) | 0:00:48 |
5位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ) | 0:00:49 |
6位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:51 |
7位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | 0:00:54 |
8位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) | 0:01:11 |
9位 | ミケル・ランダ(スペイン、モビスター) | 0:01:16 |
10位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) |
ポイント賞
1位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 64pts |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 39pts |
3位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ) | 32pts |
山岳賞
1位 | ガリコイツ・ブラーボ(スペイン、エウスカディ・バスクカントリー) | 12pts |
2位 | ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード) | 11pts |
3位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) | 3pts |
ヤングライダー賞
1位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 8:34:31 |
2位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) | 0:00:48 |
3位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | 0:01:16 |
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