2019/04/09(火) - 10:38
最大勾配23%の激坂を含む11.2kmの個人タイムトライアル。雨に見舞われたイツリア・バスクカントリー第1ステージで、マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が豪華オールラウンダーたちを退けるトップタイムを叩き出した。
ステージ優勝したマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Itzulia Basque Country
ベルギーのフランドル地方でクラシック熱がピークを迎える中、スペインのバスク地方で6日間のステージレース「イツリア・バスクカントリー(バスク一周レース)」が開幕した。1924年に第1回大会が開催された歴史あるステージレースであり、1936年から1968年までの中断区間を挟んで今年で開催59回目を迎える。長年スペイン語の「ブエルタ・アル・パイスバスコ」の名称が使用されてきたが、2018年からUCI登録名を含めて現地バスク語と英語を組み合わせた「イツリア・バスクカントリー」に変更されている。
イツリア・バスクカントリー2019第1ステージ photo:Itzulia Basque Country初日はスマラガの町を発着する11.2kmの個人タイムトライアル。テクニカルなコーナーや90km/h近くまで出る直線的な下り、最大勾配が23%に達するアンティグアの登り(全長1.9km/平均勾配11.2%)が組み合わされたコースは気温10度ほどの冷たい雨に濡れた。
ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ)が激坂でバランスを崩して転倒し、バスク期待のミケル・ランダ(スペイン、モビスター)が54秒遅れに沈む中、一番時計を記録したのはTTバイクで登りもこなしたマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)だった。
まだたっぷりと路面が濡れたコースを走ったシャフマンは、ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト)に9秒差、ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)に10秒差をつける17分10秒のトップタイムで優勝。UCIワールドツアーランキング首位のジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が12秒遅れで続き、ツール・ド・フランス覇者ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)は30秒遅れのステージ9位で初日を終えている。
参考までに、ステージ3位のクウィアトコウスキーはアンティグアの登り(全長1.9km/平均勾配11.2%)を平均スピード17.4km/hで走破。最大勾配23%の激坂区間では10km/hを下回っている。
ステージ2位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) photo:Itzulia Basque Country
ステージ22位 ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ) photo:Itzulia Basque Country
ステージ39位 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チームスカイ) photo:Itzulia Basque Country
シャフマンは2018年ジロ・デ・イタリア第18ステージの1級山岳プラートネヴォーゾで逃げ切り勝利を掴んだ25歳。ボーラ・ハンスグローエに移籍した今年は3月のGPインドゥストリア&アルティジャナートで優勝し、ボルタ・ア・カタルーニャ第5ステージで逃げ切り勝利。2018年に8位に入ったフレーシュ・ワロンヌを含め、「アルデンヌクラシック」に照準を合わせている。
「プロになって初めての個人タイムトライアル勝利なので、言葉が出てこない。正直言って今日のコースではチャンスがないと思っていた。最大勾配が23%に達して、頂上手前1kmの平均勾配が16%の登りは厳しすぎると思っていたんだ。でも頂上通過時点で自分が最速タイムだと言われて、そこからリスクを負って攻めた。トップ選手が集う中での勝利を誇りに思う。明日から総合成績を狙って走るよ」。黄色いリーダージャージを手にしたシャフマンは、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)とともに最終的な総合成績を狙う。
リーダージャージを手にしたマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Itzulia Basque Country
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ベルギーのフランドル地方でクラシック熱がピークを迎える中、スペインのバスク地方で6日間のステージレース「イツリア・バスクカントリー(バスク一周レース)」が開幕した。1924年に第1回大会が開催された歴史あるステージレースであり、1936年から1968年までの中断区間を挟んで今年で開催59回目を迎える。長年スペイン語の「ブエルタ・アル・パイスバスコ」の名称が使用されてきたが、2018年からUCI登録名を含めて現地バスク語と英語を組み合わせた「イツリア・バスクカントリー」に変更されている。
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ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ)が激坂でバランスを崩して転倒し、バスク期待のミケル・ランダ(スペイン、モビスター)が54秒遅れに沈む中、一番時計を記録したのはTTバイクで登りもこなしたマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)だった。
まだたっぷりと路面が濡れたコースを走ったシャフマンは、ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト)に9秒差、ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)に10秒差をつける17分10秒のトップタイムで優勝。UCIワールドツアーランキング首位のジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が12秒遅れで続き、ツール・ド・フランス覇者ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)は30秒遅れのステージ9位で初日を終えている。
参考までに、ステージ3位のクウィアトコウスキーはアンティグアの登り(全長1.9km/平均勾配11.2%)を平均スピード17.4km/hで走破。最大勾配23%の激坂区間では10km/hを下回っている。
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シャフマンは2018年ジロ・デ・イタリア第18ステージの1級山岳プラートネヴォーゾで逃げ切り勝利を掴んだ25歳。ボーラ・ハンスグローエに移籍した今年は3月のGPインドゥストリア&アルティジャナートで優勝し、ボルタ・ア・カタルーニャ第5ステージで逃げ切り勝利。2018年に8位に入ったフレーシュ・ワロンヌを含め、「アルデンヌクラシック」に照準を合わせている。
「プロになって初めての個人タイムトライアル勝利なので、言葉が出てこない。正直言って今日のコースではチャンスがないと思っていた。最大勾配が23%に達して、頂上手前1kmの平均勾配が16%の登りは厳しすぎると思っていたんだ。でも頂上通過時点で自分が最速タイムだと言われて、そこからリスクを負って攻めた。トップ選手が集う中での勝利を誇りに思う。明日から総合成績を狙って走るよ」。黄色いリーダージャージを手にしたシャフマンは、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)とともに最終的な総合成績を狙う。
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イツリア・バスクカントリー2019第1ステージ結果
1位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:17:10 |
2位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) | 0:00:09 |
3位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 0:00:10 |
4位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:12 |
5位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:16 |
6位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:19 |
7位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ) | 0:00:22 |
8位 | エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:24 |
9位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) | 0:00:30 |
10位 | ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションファースト) | 0:00:31 |
個人総合成績
1位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:17:10 |
2位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) | 0:00:09 |
3位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 0:00:10 |
4位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:12 |
5位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:16 |
6位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:19 |
7位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ) | 0:00:22 |
8位 | エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:24 |
9位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) | 0:00:30 |
10位 | ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションファースト) | 0:00:31 |
text:Kei.Tsuji
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