1級山岳アルト・デ・パルマスで激しい登坂勝負が勃発。観客との接触から復帰したナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)がステージを獲り、積極的にアタックを繰り返したミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)が逆転総合優勝に輝いた。
ファンのリクエストに応えるボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
熱狂的なファンを持つリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) (c)CorVos
最終ステージに向けて走り出す集団 (c)CorVos
コロンビアの熱狂的なサイクリングブームの中、6日間に渡り開催されたツアー・コロンビア2.1(UCI2.1)もいよいよ最終日。標高差およそ1000mの1級山岳アルト・デ・パルマス(登坂距離15.5km/平均勾配6.7%)に上り詰めるクイーンステージで、コロンビアンクライマーによる激しい総合優勝争いが繰り広げられた。
序盤の中間スプリント通過後に形成された逃げグループに許されたタイム差は3分半。1級山岳アルト・デ・パルマスに差し掛かる頃にリードはほぼゼロとなり、既に総合で大きく遅れているクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)のペースメイクで逃げをキャッチ。総合4位のイバン・ソーサ(コロンビア)を率いるチームスカイが集団前方を固める中、ケビン・リベラ(コスタリカ、アンドローニジョカトリ・シデルメク)のアタックによって登坂勝負の幕が切って落とされる。
牽引役をフルームからホナタン・ナルバエス(エクアドル、チームスカイ)に切り替えたチームスカイが集団先頭を固めたが、しかし総合3位のミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)が加速したことで一気に人数が絞られる。総合リーダーのジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)は遅れ、チームスカイ3名(ソーサ、ベルナル、ナルバエス)、EFエデュケーションファーストプロサイクリング2名(ウラン、マルティネス)、モビスター2名(キンタナ、カラパス)、そしてセルジオ・エナオ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)という南米のトップクライマー揃いの中から、間髪入れずにキンタナが飛び出した。
独走でフィニッシュを目指すナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) (c)CorVos
キンタナのアタックは追従したベルナルによって封じ込められたものの、「レース中ずっと受けていたファンの声援からエネルギーをもらった」と言うキンタナは再びアタック。ここに逆転総合優勝を狙うロペスが合流し、ソーサとベルナルのチームスカイコンビもジョイン。こうして4名の先頭集団が形成された。
沿道に詰めかけたファンから熱狂的な声援を受けながら進む4名だったが、残り4kmで並走していたファンが勢い余って選手たちに向けて転倒。煽りを受けたキンタナとソーサがバランスを崩すという事態が起きてしまう。怪我なく2人は復帰したものの、ベルナルはソーサをアシストすべくペースを緩めたため、思いがけずロペスが単独先行する状況が生まれた。
ロペスは暫く単独先行していたものの、単独で追いついてきたソーサを見て、同じくアクシデントで遅れたキンタナを待つことに。キンタナが合流したことで再び勝負は振り出しに戻った。
積極的な走りで総合優勝を確定させたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) (c)CorVos
すぐさまロペスが力強いアタックを決めたものの、ペースが緩んだ隙にキンタナが追いつき、カウンターで先行する。アラフィリップとマルティネスが遅れたことで総合首位が見えたロペスは無理に追わず、チームスカイコンビと共にフィニッシュへ。大歓声を受けたキンタナがステージ優勝を挙げ、ソーサと共に8秒遅れのステージ3位に入ったロペスが総合優勝を決めた。
ステージ表彰を受けるナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) (c)CorVos
昨年ツール・ド・フランス第17ステージで勝利したキンタナにとって、これが今期初勝利。「コロンビアのレースはいつでもハイレベルだけれど、今回は全ステージを通じて難しいレースが続いた。今日は接触事故があったけれど、自転車競技ではたまに起こること。転んでも再び立ち上がり復帰すれば良いだけの話。僕やソーサが今日そうしたようにね。このレースでコロンビアの、そしてラテンの人々、そして海外からコロンビアに来ている人全てがロードレースを楽しめたと思う。これからもっとこうしたイベントが盛り上がっていくと嬉しい」とキンタナは語っている。
「この勝利は僕だけではなく、チームの勝利。素晴らしい働きを見せてくれたチームメイト全員に感謝したい」と語るのは、母国コロンビアでキャリア2度目の総合優勝を遂げた"スーパーマン"ロペス。「スマートなレースを心がけて走り、正しいタイミングでアタックし、ようやく欲しかった結果を残すことができた。最終盤はちょっとタフすぎたけれど、最後まで攻めきり勝利を手にできた。コロンビアで勝てたのだから最高に嬉しいよ」と喜びを語っている。
ツアー・コロンビア2.1 2019 総合表彰台 (c)CorVos
このクイーンステージで、地元コロンビア勢がトップ9位までを独占。10位にはエクアドルのナルバエスが入り、再び15位まではコロンビア勢が占める結果に。総合成績でも7位のアラフィリップ以外は全員南米勢(総合9位のカラパス以外はコロンビア勢)と、地元選手の大活躍で6日間のツアー・コロンビア2.1が閉幕した。



コロンビアの熱狂的なサイクリングブームの中、6日間に渡り開催されたツアー・コロンビア2.1(UCI2.1)もいよいよ最終日。標高差およそ1000mの1級山岳アルト・デ・パルマス(登坂距離15.5km/平均勾配6.7%)に上り詰めるクイーンステージで、コロンビアンクライマーによる激しい総合優勝争いが繰り広げられた。
序盤の中間スプリント通過後に形成された逃げグループに許されたタイム差は3分半。1級山岳アルト・デ・パルマスに差し掛かる頃にリードはほぼゼロとなり、既に総合で大きく遅れているクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)のペースメイクで逃げをキャッチ。総合4位のイバン・ソーサ(コロンビア)を率いるチームスカイが集団前方を固める中、ケビン・リベラ(コスタリカ、アンドローニジョカトリ・シデルメク)のアタックによって登坂勝負の幕が切って落とされる。
牽引役をフルームからホナタン・ナルバエス(エクアドル、チームスカイ)に切り替えたチームスカイが集団先頭を固めたが、しかし総合3位のミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)が加速したことで一気に人数が絞られる。総合リーダーのジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)は遅れ、チームスカイ3名(ソーサ、ベルナル、ナルバエス)、EFエデュケーションファーストプロサイクリング2名(ウラン、マルティネス)、モビスター2名(キンタナ、カラパス)、そしてセルジオ・エナオ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)という南米のトップクライマー揃いの中から、間髪入れずにキンタナが飛び出した。

キンタナのアタックは追従したベルナルによって封じ込められたものの、「レース中ずっと受けていたファンの声援からエネルギーをもらった」と言うキンタナは再びアタック。ここに逆転総合優勝を狙うロペスが合流し、ソーサとベルナルのチームスカイコンビもジョイン。こうして4名の先頭集団が形成された。
沿道に詰めかけたファンから熱狂的な声援を受けながら進む4名だったが、残り4kmで並走していたファンが勢い余って選手たちに向けて転倒。煽りを受けたキンタナとソーサがバランスを崩すという事態が起きてしまう。怪我なく2人は復帰したものの、ベルナルはソーサをアシストすべくペースを緩めたため、思いがけずロペスが単独先行する状況が生まれた。
ロペスは暫く単独先行していたものの、単独で追いついてきたソーサを見て、同じくアクシデントで遅れたキンタナを待つことに。キンタナが合流したことで再び勝負は振り出しに戻った。

すぐさまロペスが力強いアタックを決めたものの、ペースが緩んだ隙にキンタナが追いつき、カウンターで先行する。アラフィリップとマルティネスが遅れたことで総合首位が見えたロペスは無理に追わず、チームスカイコンビと共にフィニッシュへ。大歓声を受けたキンタナがステージ優勝を挙げ、ソーサと共に8秒遅れのステージ3位に入ったロペスが総合優勝を決めた。

昨年ツール・ド・フランス第17ステージで勝利したキンタナにとって、これが今期初勝利。「コロンビアのレースはいつでもハイレベルだけれど、今回は全ステージを通じて難しいレースが続いた。今日は接触事故があったけれど、自転車競技ではたまに起こること。転んでも再び立ち上がり復帰すれば良いだけの話。僕やソーサが今日そうしたようにね。このレースでコロンビアの、そしてラテンの人々、そして海外からコロンビアに来ている人全てがロードレースを楽しめたと思う。これからもっとこうしたイベントが盛り上がっていくと嬉しい」とキンタナは語っている。
「この勝利は僕だけではなく、チームの勝利。素晴らしい働きを見せてくれたチームメイト全員に感謝したい」と語るのは、母国コロンビアでキャリア2度目の総合優勝を遂げた"スーパーマン"ロペス。「スマートなレースを心がけて走り、正しいタイミングでアタックし、ようやく欲しかった結果を残すことができた。最終盤はちょっとタフすぎたけれど、最後まで攻めきり勝利を手にできた。コロンビアで勝てたのだから最高に嬉しいよ」と喜びを語っている。

このクイーンステージで、地元コロンビア勢がトップ9位までを独占。10位にはエクアドルのナルバエスが入り、再び15位まではコロンビア勢が占める結果に。総合成績でも7位のアラフィリップ以外は全員南米勢(総合9位のカラパス以外はコロンビア勢)と、地元選手の大活躍で6日間のツアー・コロンビア2.1が閉幕した。
ツアー・コロンビア2.1 2019第6ステージ結果
1位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 3h57'19" |
2位 | イバン・ソーサ(コロンビア、チームスカイ) | +08" |
3位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | |
4位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | +16" |
5位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) | +1'01" |
6位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) | |
7位 | ホアン・ガルシア(コロンビア、マンサナポストボン) | +1'27" |
8位 | ディディエ・シャパロ(コロンビア、オルグロ・パイサ) | +1'32" |
9位 | セルジオ・エナオ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | +1'36" |
10位 | ホナタン・ナルバエス(エクアドル、チームスカイ) | +1'40" |
個人総合成績
1位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 18h38'32" |
2位 | イバン・ソーサ(コロンビア、チームスカイ) | +04" |
3位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) | +42" |
4位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | +54" |
5位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | +1'04" |
6位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) | +1'31" |
7位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | +1'33" |
8位 | セルジオ・エナオ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | +2'41" |
9位 | リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター) | +2'46" |
10位 | ロドリゴ・コントレラス(コロンビア、アスタナ) | +2'47" |
山岳賞
1位 | イバン・ソーサ(コロンビア、チームスカイ) | 13pts |
2位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 12pts |
3位 | アレクシス・ベルナル(コロンビア、コルデポルテス・ゼヌ) | 12pts |
ポイント賞
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 40pts |
2位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 38pts |
3位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 25pts |
ヤングライダー賞
1位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 18h38'32" |
3位 | イバン・ソーサ(コロンビア、チームスカイ) | +04" |
3位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) | +42" |
チーム総合成績
1位 | EFエデュケーションファーストプロサイクリング | 55h31'37" |
2位 | モビスター | +02" |
3位 | チームスカイ | +2'35" |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp
世界の国旗 コロンビア国旗 90cm×150cm
World Hobby
Rikki Knightカザフスタンフラグデザインキーコインコスメティックミニクラッチリストレット
Rikki Knight