プロヴァンス3日目は、グルパマFDJの攻撃に生き残った22名によるスプリント勝負に。ポールリカールのホームストレートを最速で駆け抜けたフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)が通算75勝目を挙げ、ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ)が総合首位を守った。
フランスが誇る国際サーキット、シルキュイ・ポール・リカールを駆け抜ける (c)Tour de La Provence
温暖なマルセイユ近郊を駆け巡るツール・ド・ラ・プロヴァンス(UCI2.1)3日目の舞台は、オーバーニュの街を出発し、30kmの周回コースを5周回する181km。周回コースには登坂距離3.1km/平均勾配7.5%の3級山岳が用意され、登りきった先でフランスが誇る国際サーキット「シルキュイ・ポール・リカール」を1周回する。ポールリカールの5回目のホームストレートがフィニッシュラインだ。
ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ)以下、総合トップ10の選手が全員30秒差以内にひしめく状況であり、この日は第一中間スプリントのボーナスタイム争いが活性化した。
ポールリカールの1回目通過に懸けられた中間スプリントでは11秒差の総合5位につけるサイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング)が先着し、3秒を得て総合順位を1つジャンプアップ。ここからミヒャエル・ゴグル(オーストリア、トレック・セガフレード)やカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)らが抜け出したことでレースはようやく落ち着きを見せる。
リーダージャージを着用するゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ) (c)Tour de La Provence
メイン集団ではクラーク率いるEFエデュケーションファーストプロサイクリングや、総合首位のイサギレ擁するアスタナがコントロールを担当。しかし終盤に入ると、クライマーを揃えたグルパマFDJが、3級山岳の勾配を利用し総攻撃に打って出た。
ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)と22歳のクライマーダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)、そして昨年のブエルタ・ア・エスパーニャでマイヨロホを着たルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)が次々とアタックしたことで集団が分裂。逃げグループを飲み込み、最終的に登坂力に優れた22名が先頭集団を形成し、チェッカーフラッグが待つポールリカールに到達した。
最終盤に独走したジミー・ヤンセンス(ベルギー、コレンドン・サーカス)は鋭角の最終コーナーで捉えられ、各チームアシスト不在の状況下でトニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼル)やクラークがスプリントを開始する。ガロパンが抜け出したが、そのスリップストリームを利用したフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)がパス。勝負強さを見せつけた2012年の世界王者が先着し、今季初レースで早速勝利を収めた。
22名のスプリント勝負を制したフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)Tour de La Provence
ポーリリカールのメインスタンドで表彰を受けるフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)Tour de La Provence
36歳のジルベールにとって、これがキャリア通算75勝目。UAEツアーを経てフランドルとアルデンヌクラシックシーズンを見据える元世界王者は「プレッシャーから解放されるのでシーズン序盤に勝っておくことは非常に大切だ。自分の自信にもなるし、この時期に勝った年は毎年上手くいくようになる。今回一緒に走った若手選手にとってもチームの優勝は大きな糧になったと思う」と経験豊富なキャプテンらしいコメントを残している。
ドゥクーニンク・クイックステップは同日にジュリアン・アラフィリップ(フランス)がコロンビアで勝利を挙げており、既にシーズン8勝目。フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)やニキ・テルプストラ(フランス、ディレクトエネルジー)を放出したにも関わらず今期もこのまま常勝体制を維持しそうな予感。
またこの日、スプリントで3着に入ったガロパンはボーナスタイムを得て、総合成績でイサギレの2秒遅れに接近。明日の最終ステージはフィニッシュ前13kmで3級山岳が控えるレイアウトであり、クライマーやパンチャー入り乱れての総合争いが繰り広げられそうだ。

温暖なマルセイユ近郊を駆け巡るツール・ド・ラ・プロヴァンス(UCI2.1)3日目の舞台は、オーバーニュの街を出発し、30kmの周回コースを5周回する181km。周回コースには登坂距離3.1km/平均勾配7.5%の3級山岳が用意され、登りきった先でフランスが誇る国際サーキット「シルキュイ・ポール・リカール」を1周回する。ポールリカールの5回目のホームストレートがフィニッシュラインだ。
ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ)以下、総合トップ10の選手が全員30秒差以内にひしめく状況であり、この日は第一中間スプリントのボーナスタイム争いが活性化した。
ポールリカールの1回目通過に懸けられた中間スプリントでは11秒差の総合5位につけるサイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング)が先着し、3秒を得て総合順位を1つジャンプアップ。ここからミヒャエル・ゴグル(オーストリア、トレック・セガフレード)やカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)らが抜け出したことでレースはようやく落ち着きを見せる。

メイン集団ではクラーク率いるEFエデュケーションファーストプロサイクリングや、総合首位のイサギレ擁するアスタナがコントロールを担当。しかし終盤に入ると、クライマーを揃えたグルパマFDJが、3級山岳の勾配を利用し総攻撃に打って出た。
ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)と22歳のクライマーダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)、そして昨年のブエルタ・ア・エスパーニャでマイヨロホを着たルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)が次々とアタックしたことで集団が分裂。逃げグループを飲み込み、最終的に登坂力に優れた22名が先頭集団を形成し、チェッカーフラッグが待つポールリカールに到達した。
最終盤に独走したジミー・ヤンセンス(ベルギー、コレンドン・サーカス)は鋭角の最終コーナーで捉えられ、各チームアシスト不在の状況下でトニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼル)やクラークがスプリントを開始する。ガロパンが抜け出したが、そのスリップストリームを利用したフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)がパス。勝負強さを見せつけた2012年の世界王者が先着し、今季初レースで早速勝利を収めた。


36歳のジルベールにとって、これがキャリア通算75勝目。UAEツアーを経てフランドルとアルデンヌクラシックシーズンを見据える元世界王者は「プレッシャーから解放されるのでシーズン序盤に勝っておくことは非常に大切だ。自分の自信にもなるし、この時期に勝った年は毎年上手くいくようになる。今回一緒に走った若手選手にとってもチームの優勝は大きな糧になったと思う」と経験豊富なキャプテンらしいコメントを残している。
ドゥクーニンク・クイックステップは同日にジュリアン・アラフィリップ(フランス)がコロンビアで勝利を挙げており、既にシーズン8勝目。フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)やニキ・テルプストラ(フランス、ディレクトエネルジー)を放出したにも関わらず今期もこのまま常勝体制を維持しそうな予感。
またこの日、スプリントで3着に入ったガロパンはボーナスタイムを得て、総合成績でイサギレの2秒遅れに接近。明日の最終ステージはフィニッシュ前13kmで3級山岳が控えるレイアウトであり、クライマーやパンチャー入り乱れての総合争いが繰り広げられそうだ。
ツール・ド・ラ・プロヴァンス2019第3ステージ結果
1位 | フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 4h25'10" |
2位 | トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード) | |
3位 | トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼル) | |
4位 | サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) | |
5位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ) | |
6位 | シリル・ゴティエ(ヴィタルコンセプトB&Bホテルス) | |
7位 | ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール) | |
8位 | ジュリアン・エルファレス(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンス) | |
9位 | ドリアン・ゴドン(フランス、アージェードゥーゼル) | |
10位 | エディ・ダンバー(アイルランド、チームスカイ) |
個人総合成績
1位 | ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ) | 9h25'55" |
2位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | +02" |
3位 | トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼル) | |
4位 | サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) | +08" |
5位 | ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ) | +10" |
6位 | ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | +15" |
7位 | エディ・ダンバー(アイルランド、チームスカイ) | |
8位 | エドゥアルド・プラデス(スペイン、モビスター) | +21" |
9位 | ジミー・ヤンセンス(ベルギー、コレンドン・サーカス) | +26" |
10位 | リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー) | +32" |
山岳賞
1位 | クリース・デボント(ベルギー、コレンドン・サーカス) | 16pts |
2位 | リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー) | 10pts |
3位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 8pts |
ポイント賞
1位 | サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) | 23pts |
2位 | トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼル) | 22pts |
3位 | フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 18pts |
ヤングライダー賞
1位 | ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | 9h26'10" |
2位 | エディ・ダンバー(アイルランド、チームスカイ) | |
3位 | マイケル・ストーナー(オーストラリア、サンウェブ) | +1'16" |
チーム総合成績
1位 | グルパマFDJ | 28h17'40" |
2位 | モビスター | +1'57" |
3位 | アージェードゥーゼル | +2'18" |
text:So.Isobe
photo:Tour de La Provence
photo:Tour de La Provence
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