2019/01/10(木) - 15:48
1月10日、UCIワールドツアー初戦である男子レースに先立ってサントス・ウィメンズ・ツアー・ダウンアンダー(UCI2.1)が開幕。全日本チャンピオン與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)も出場している4日間のステージレースはレティツィア・パテルノステル(イタリア、トレック・セガフレード)のスプリント勝利で幕開けた。
男子レースと同様に、サントス・ウィメンズ・ツアー・ダウンアンダーは年々その存在感を増しているシーズン最初のビッグレース。UCIウィメンズワールドツアーには組み込まれていないものの、ミッチェルトン・スコットやトレック・セガフレード、アレ・チポッリーニを含む15チーム(1チーム6名)が出場。遥々ヨーロッパからトレーニングを兼ねて渡豪し、2週間後のカデルエヴァンス・グレートオーシャンロード・レースとセットで出場するチームも多く、12月から現地でトレーニングを続けていた與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)もそのうちの一人だ。與那嶺は前日に届いたという真新しいナショナルチャンピオンジャージに袖を通して登場した。
山頂フィニッシュやクリテリウムを含む4日間の初日は獲得標高差1,150mほどの平坦ステージ。翌日の最高気温が40度という予報が出ているにも関わらず、この日のスタート地点ハーンドルフは気温14度という寒空で、どのチームも丘陵地帯を吹き抜ける風の向きに警戒しながらスタートを切った。
合計88名の集団は112.9kmレースの大半を一つの塊りとなって走行を続けた。3ヶ所のカテゴリー山岳と2ヶ所のスプリントポイントではアレ・チポッリーニが積極的に動き、ヤングライダー賞候補のナディア・クアリオット(イタリア)が山岳ポイントを、この日の本命スプリンターでもあるクロエ・ホスキング(オーストラリア)がスプリントでポイントを獲得。クアリオットは山岳賞ジャージを手にしている。
逃げという逃げが生まれないまま集団はスプリントに向けての位置どり合戦を開始する。向かい風&横風の残り10kmを集団先頭は平均スピード48.2km/hで駆け抜け、フルメンバーでトレインを組んだトレック・セガフレードがパテルノステルを発射。直前のオーストラリア選手権で3位に入ったサラ・ロイ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)は届かず、パテルノステルが頭を抱える驚きのポーズでフィニッシュラインを駆け抜けた。
オーストラリア勢を退けてスプリント勝利を飾ったイタリア人のパテルノステルは1999年生まれの19歳。ジュニア時代からトラックレーサーとしてスピードを磨き、2016年のトラック世界選手権ジュニアのポイントレースと団体追い抜きで優勝している。ロードレースでは2017年のロード世界選手権女子ジュニアで銅メダルを獲得。スプリントだけでなく山岳も得意とするオールラウンダーで、アスタナウィメンズから今シーズン結成されたばかりのトレック・セガフレードに移籍した。
「フィニッシュラインが近いと思ってスプリントを開始したらまだ250mもあって、最後はもう力が残っていなかった。チームの働きに勝利で報いることができて本当に良かった。プロ2年目の私にとってこの勝利はとても大きなもので、新チームの最初のレースで勝てたのは最高の気分」。そう語るパテルノステルはリーダージャージとヤングライダー賞ジャージを手にしている。
1ヶ月にわたる現地トレーニングを経て、新チームでシーズン開幕戦を迎えた與那嶺は「今回チームは若いナディア(クアリオット)でヤングライダー賞を狙い、集団スプリントになればクロエ(ホスキング)で狙う作戦でした。山岳ポイントで動けるときはナディアを前に連れて行き、私は頂上通過後のアタックに警戒。最後は、トレインを組んでコントロールできるメンバーではないので、私は残り2kmまで位置どりして後ろに下がってしまいました。シーズン初戦としては、しっかりと仕事をしながら走れたという印象です」と語る。
「ヨーロッパに戻った時に『今日はエリが狙っていいよ』って言われるように、しっかりここで仕事をして認められるように積み重ねて行きたい」。そう語る與那嶺はダウンアンダー出場後もオーストラリアに滞在。翌週のカデルエヴァンス・グレートオーシャンロード・レースにも出場する予定だ。
男子レースと同様に、サントス・ウィメンズ・ツアー・ダウンアンダーは年々その存在感を増しているシーズン最初のビッグレース。UCIウィメンズワールドツアーには組み込まれていないものの、ミッチェルトン・スコットやトレック・セガフレード、アレ・チポッリーニを含む15チーム(1チーム6名)が出場。遥々ヨーロッパからトレーニングを兼ねて渡豪し、2週間後のカデルエヴァンス・グレートオーシャンロード・レースとセットで出場するチームも多く、12月から現地でトレーニングを続けていた與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)もそのうちの一人だ。與那嶺は前日に届いたという真新しいナショナルチャンピオンジャージに袖を通して登場した。
山頂フィニッシュやクリテリウムを含む4日間の初日は獲得標高差1,150mほどの平坦ステージ。翌日の最高気温が40度という予報が出ているにも関わらず、この日のスタート地点ハーンドルフは気温14度という寒空で、どのチームも丘陵地帯を吹き抜ける風の向きに警戒しながらスタートを切った。
合計88名の集団は112.9kmレースの大半を一つの塊りとなって走行を続けた。3ヶ所のカテゴリー山岳と2ヶ所のスプリントポイントではアレ・チポッリーニが積極的に動き、ヤングライダー賞候補のナディア・クアリオット(イタリア)が山岳ポイントを、この日の本命スプリンターでもあるクロエ・ホスキング(オーストラリア)がスプリントでポイントを獲得。クアリオットは山岳賞ジャージを手にしている。
逃げという逃げが生まれないまま集団はスプリントに向けての位置どり合戦を開始する。向かい風&横風の残り10kmを集団先頭は平均スピード48.2km/hで駆け抜け、フルメンバーでトレインを組んだトレック・セガフレードがパテルノステルを発射。直前のオーストラリア選手権で3位に入ったサラ・ロイ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)は届かず、パテルノステルが頭を抱える驚きのポーズでフィニッシュラインを駆け抜けた。
オーストラリア勢を退けてスプリント勝利を飾ったイタリア人のパテルノステルは1999年生まれの19歳。ジュニア時代からトラックレーサーとしてスピードを磨き、2016年のトラック世界選手権ジュニアのポイントレースと団体追い抜きで優勝している。ロードレースでは2017年のロード世界選手権女子ジュニアで銅メダルを獲得。スプリントだけでなく山岳も得意とするオールラウンダーで、アスタナウィメンズから今シーズン結成されたばかりのトレック・セガフレードに移籍した。
「フィニッシュラインが近いと思ってスプリントを開始したらまだ250mもあって、最後はもう力が残っていなかった。チームの働きに勝利で報いることができて本当に良かった。プロ2年目の私にとってこの勝利はとても大きなもので、新チームの最初のレースで勝てたのは最高の気分」。そう語るパテルノステルはリーダージャージとヤングライダー賞ジャージを手にしている。
1ヶ月にわたる現地トレーニングを経て、新チームでシーズン開幕戦を迎えた與那嶺は「今回チームは若いナディア(クアリオット)でヤングライダー賞を狙い、集団スプリントになればクロエ(ホスキング)で狙う作戦でした。山岳ポイントで動けるときはナディアを前に連れて行き、私は頂上通過後のアタックに警戒。最後は、トレインを組んでコントロールできるメンバーではないので、私は残り2kmまで位置どりして後ろに下がってしまいました。シーズン初戦としては、しっかりと仕事をしながら走れたという印象です」と語る。
「ヨーロッパに戻った時に『今日はエリが狙っていいよ』って言われるように、しっかりここで仕事をして認められるように積み重ねて行きたい」。そう語る與那嶺はダウンアンダー出場後もオーストラリアに滞在。翌週のカデルエヴァンス・グレートオーシャンロード・レースにも出場する予定だ。
サントス・ウィメンズ・ツアー・ダウンアンダー2019第1ステージ結果
1位 | レティツィア・パテルノステル(イタリア、トレック・セガフレード) | 3:10:28 |
2位 | サラ・ロイ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | |
3位 | アルレニス・シエラ(キューバ、アスタナウィメンズ) | |
4位 | アリソン・ジャクソン(カナダ、ティブコ・シリコンバレーバンク) | |
5位 | ラケーレ・バルビエーリ(イタリア、ビーピンク) | |
6位 | アシュリー・モールマンパシオ(南アフリカ、CCCリブ) | |
7位 | マティルダ・レイノルズ(オーストラリア、スペシャライズドウィメンズ) | |
8位 | レベッカ・ウィアサク(オーストラリア、UniSAオーストラリア) | |
9位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、ニュージーランドナショナル) | |
10位 | クロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ) | |
64位 | 與那嶺恵理(日本、アレ・チポッリーニ) |
個人総合成績
1位 | レティツィア・パテルノステル(イタリア、トレック・セガフレード) | 3:10:18 |
2位 | サラ・ロイ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:02 |
3位 | クロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ) | 0:00:05 |
4位 | グレイシー・エルヴィン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | |
5位 | アルレニス・シエラ(キューバ、アスタナウィメンズ) | 0:00:06 |
6位 | アリソン・ジャクソン(カナダ、ティブコ・シリコンバレーバンク) | 0:00:10 |
7位 | ラケーレ・バルビエーリ(イタリア、ビーピンク) | |
8位 | アシュリー・モールマンパシオ(南アフリカ、CCCリブ) | |
9位 | マティルダ・レイノルズ(オーストラリア、スペシャライズドウィメンズ) | |
10位 | レベッカ・ウィアサク(オーストラリア、UniSAオーストラリア) |
スプリント賞
1位 | サラ・ロイ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 65pts |
2位 | クロエ・ホスキング(オーストラリア、アレ・チポッリーニ) | 49pts |
3位 | レティツィア・パテルノステル(イタリア、トレック・セガフレード) | 48pts |
山岳賞
1位 | ナディア・クアリオット(イタリア、アレ・チポッリーニ) | 22pts |
2位 | ジェニー・ペッテノン(オーストラリア、グスト・ステップFWD KOM) | 14pts |
3位 | アリス・コブ(イギリス、ティブコ・シリコンバレーバンク) | 11pts |
text&photo:Kei Tsuji
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