10月25日(木)、フランスで2019年ツール・ド・フランスのコースプレゼンテーションが開催され、マイヨジョーヌ100周年記念大会のコース全貌が明らかになった。ベルギーのブリュッセルで開幕する大会には5つの山頂フィニッシュが登場。タイムトライアルが短めのレイアウトだ。


ツール・ド・フランス2019コース全体図ツール・ド・フランス2019コース全体図 photo:A.S.O.2019年は総合リーダーの証であるマイヨジョーヌが導入されて100年目にあたる。ツールで5回総合優勝を飾っているエディ・メルクス(ベルギー)の1勝目から50周年を記念してベルギーの首都ブリュッセルで開幕を迎えるのは事前の発表の通り。そこから南に下ってフランスに入国し、ヴォージュ山脈や中央山塊(マッシフサントラル)を通過して2週目にかけてピレネー山脈へ。最終週にアルプス山脈を走り、最終日にパリでフィナーレを迎える。合計距離は3,460km。

初日の第1ステージは石畳坂ミュール・ド・ヘラールツベルヘンを含むフランドルらしいコースレイアウトで、集団スプリントを制したスプリンターがマイヨジョーヌを着ることになる。2019年もステージ1位10秒、2位6秒、3位4秒のボーナスタイムは継承されるが、マイヨジョーヌは翌日の第2ステージ・チームタイムトライアルで早速持ち主を変えることになりそうだ。

第3ステージでベルギーに別れを告げてフランスへ。スプリンター向きの2ステージをこなしてから、ツールはヴォージュ山脈に突入する。特に第6ステージのラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ山頂フィニッシュは前半戦の大きなポイントになるだろう。ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユは2012年と2014年、2017年に続く4回目の登場。しかし2019年はフィニッシュ地点が標高1,035mから1,140mに引き上げられており、その延長区間は最大勾配24%の未舗装路になる見通しだ。

中央山塊を走る第8〜10ステージは山がちでアップダウンの連続。アルビで大会最初の休息日を過ごし、ペイルスルド峠も登場する第12ステージでピレネー山脈に突入する。第13ステージは毎年欠かさず登場するポーの街を舞台に27kmの個人タイムトライアルが行われる。

7月8日(月)第3ステージ バンシュ〜エペルネー 214km7月8日(月)第3ステージ バンシュ〜エペルネー 214km photo:A.S.O.7月10日(水)第5ステージ サン=ディエ=デ=ヴォージュ〜コルマール 169km7月10日(水)第5ステージ サン=ディエ=デ=ヴォージュ〜コルマール 169km photo:A.S.O.
7月11日(木)第6ステージ ミュルーズ〜ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ 157km7月11日(木)第6ステージ ミュルーズ〜ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ 157km photo:A.S.O.7月13日(土)第8ステージ マコン〜サンテティエンヌ 199km7月13日(土)第8ステージ マコン〜サンテティエンヌ 199km photo:A.S.O.
7月14日(日)第9ステージ サンテティエンヌ〜ブリウド 170km7月14日(日)第9ステージ サンテティエンヌ〜ブリウド 170km photo:A.S.O.7月18日(木)第12ステージ トゥールーズ〜バニェール=ド=ビゴール 202km7月18日(木)第12ステージ トゥールーズ〜バニェール=ド=ビゴール 202km photo:A.S.O.

第14ステージにはトゥールマレー峠の山頂フィニッシュが登場。ステージ距離が117kmと短いため、距離19.4km/平均7.4%の名峰で高強度の登坂バトルが繰り広げられることになる。ピレネー最終日の第15ステージもミュール・ド・ペゲールを越えてからフォワの街を見下ろすプラ・ダルビ(距離11.8km/平均6.9%)にフィニッシュする難易度の高いもの。そこから最後の休息日を挟んでアルプス山脈へと向かう。

ヴァルス峠、イゾアール峠、ガリビエ峠を越える全長207kmの第18ステージは今大会最難関クラス。標高2,642mのガリビエ峠から一気に駆け下り、中腹のヴァロワールの街でフィニッシュを迎える。そして翌日の第19ステージにはフレンチアルプスの峠道として最も高い標高2,770mのイズラン峠(距離12.9km/平均7.5%)が登場。短め(123km)のステージはティーニュ(距離7.4km/平均7%)の山頂フィニッシュで締めくくられる。

最終日前日の第20ステージも131kmと短いが、その中にロズラン峠とロンジュフォワ峠、ヴァル・トランスが詰め込まれている。実質的な総合優勝者を決める標高2,365mのヴァル・トランスは距離33.4kmで平均5.5%。ここでマイヨジョーヌを手にした選手とチームを先頭に、最終日のパリ・シャンゼリゼを凱旋することになる。

全体の印象としてタイムトライアルの合計距離が短く、標高のある峠が多く登場。山頂フィニッシュの数も多く、例年以上にクライマー向きのレイアウトであると言える。コースプレゼンテーションに出席したクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)ら有力選手のコメントは後ほどお伝えします。

7月19日(金)第13ステージ ポー〜ポー 27km(個人TT)7月19日(金)第13ステージ ポー〜ポー 27km(個人TT) photo:A.S.O.7月20日(土)第14ステージ タルブ〜トゥールマレー 117km7月20日(土)第14ステージ タルブ〜トゥールマレー 117km photo:A.S.O.
7月21日(日)第15ステージ リムー〜フォワ 185km7月21日(日)第15ステージ リムー〜フォワ 185km photo:A.S.O.7月25日(木)第18ステージ アンブラン〜ヴァロワール 207km7月25日(木)第18ステージ アンブラン〜ヴァロワール 207km photo:A.S.O.
7月26日(金)第19ステージ サンジャン=ド=モーリエンヌ〜ティーニュ 123km7月26日(金)第19ステージ サンジャン=ド=モーリエンヌ〜ティーニュ 123km photo:A.S.O.7月27日(土)第20ステージ アルベールヴィル〜ヴァル・トランス 131km7月27日(土)第20ステージ アルベールヴィル〜ヴァル・トランス 131km photo:A.S.O.
ツール・ド・フランス2019ステージリスト
7月6日(土) 第1ステージ ブリュッセル〜ブリュッセル 192km
7月7日(日) 第2ステージ ブリュッセル/王宮〜ブリュッセル/アトミウム 27km(チームTT)
7月8日(月) 第3ステージ バンシュ〜エペルネー 214km
7月9日(火) 第4ステージ ランス〜ナンシー 215km
7月10日(水) 第5ステージ サン=ディエ=デ=ヴォージュ〜コルマール 169km
7月11日(木) 第6ステージ ミュルーズ〜ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ 157km
7月12日(金) 第7ステージ ベルフォール〜シャロン=シュル=ソーヌ 230km
7月13日(土) 第8ステージ マコン〜サンテティエンヌ 199km
7月14日(日) 第9ステージ サンテティエンヌ〜ブリウド 170km
7月15日(月) 第10ステージ サン=フルール〜アルビ 218km
7月16日(火) 休息日
7月17日(水) 第11ステージ アルビ〜トゥールーズ 167km
7月18日(木) 第12ステージ トゥールーズ〜バニェール=ド=ビゴール 202km
7月19日(金) 第13ステージ ポー〜ポー 27km(個人TT)
7月20日(土) 第14ステージ タルブ〜トゥールマレー 117km
7月21日(日) 第15ステージ リムー〜フォワ 185km
7月22日(月) 休息日
7月23日(火) 第16ステージ ニーム〜ニーム 177km
7月24日(水) 第17ステージ ポン・デュ・ガール〜ギャップ 206km
7月25日(木) 第18ステージ アンブラン〜ヴァロワール 207km
7月26日(金) 第19ステージ サンジャン=ド=モーリエンヌ〜ティーニュ 123km
7月27日(土) 第20ステージ アルベールヴィル〜ヴァル・トランス 131km
7月28日(日) 第21ステージ ランブイエ〜パリ/シャンゼリゼ 127km
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.

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