2018/10/15(月) - 10:03
10月14日、香港で2018年度のハンマーシリーズ最終戦が開催。ダウンタウンを走る周回コースでハンマースプリントとハンマーチェイスの2種目が行われ、トップを守り抜いたミッチェルトン・スコットが年間のシリーズチャンピオンに輝いた。
対岸に香港島を望む尖沙咀を走る photo:Kei Tsuji
久々のレース出場を迎えたリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji
午後2時にハンマースプリントがスタート photo:Kei Tsuji
第1戦はノルウェーのスタヴァンゲル、第2戦はオランダのリンブルフ、そして第3戦は香港。アジア初開催となる最終戦には11のUCIワールドチームにNIPPOヴィーニファンティーニ、デルコマルセイユ、イスラエルサイクリングアカデミー、香港ナショナルチームを加えた15チームが出場した。UCIワールドチームの多くは10月16日に中国で開幕するツアー・オブ・広西との連戦出場となる。
ハンマークライムが開催されないのがこの最終戦香港の特徴。ハンマーシリーズ史上初めて1日にハンマースプリントとハンマーチェイスの2種目を詰め込む慌ただしいスケジュールで開催された。大会の土台となっているのは開催4年目を迎える総合自転車イベント「香港サイクロソン」で、同大会のUCIレースでは2017年に新城幸也(バーレーン・メリダ)が3位に入っている。
九龍半島南部の尖沙咀を走る photo:Kei Tsuji
ハンマーシリーズ2018香港 photo:Hammer Seriesレースの舞台となるのは九龍半島南部の尖沙咀地区。ホテルが立ち並ぶエリアと海沿いの幹線道路を結ぶ1周4.3kmの周回コースで、3つの180度コーナーや、高架橋やトンネルのアップダウンがあるため単純な平坦コースとは言えない。特に残り400mからフィニッシュラインに向けて追い風&下り基調になるため、高速スプリントを想定してレース直前にアウターチェーンリングを54Tに交換するチームも現れた。
第1種目のハンマースプリントはこの周回コースを10周する合計43km。毎周回ポイントが設定されたポイントレース形式で、3周目、6周目、10周目の通過は2倍ポイント。チームの合計ポイントで争われ、その順位に沿って第2種目のハンマーチェイスがスタートする仕組みだ。
前半から入れ替わり立ち替わりアタックを繰り出したのはクイックステップフロアーズ。フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)を中心に逃げに乗り、スプリントに絡み、複数の選手を上位通過させてポイントを重ねていく。レース半分を終えたところでクイックステップフロアーズは564ポイントの首位に立った。
後半にかけて反撃に出たのはミッチェルトン・スコットで、6周目に逃げたキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が2倍ポイントを獲得して逆転。しかしドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)の動きによって再び順位は逆転する。8周目を終えた時点でクイックステップフロアーズ869ポイント、ミッチェルトン・スコット748ポイント。この2チームが426ポイントで3位のボーラ・ハンスグローエを大きく引き離した。
平坦基調とは言えないほどアップダウンがあるコース photo:Kei Tsuji
積極的に動いたマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) photo:Kei Tsuji
スピードが上がって縦に伸びる集団 photo:Kei Tsuji
残り400mから幹線道路を下ってフィニッシュへ photo:Kei Tsuji
終盤まで集団先頭で展開した中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji
積極的に動くフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)に中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ)らが反応 photo:Kei Tsuji
スプリントするマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)ら photo:Kei Tsuji
その後もジルベールやマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)がバトルを繰り広げ、10周回を終えてクイックステップフロアーズが首位に。しかしレース中にパンクしたデヴェナインスらが救済措置で先頭集団に復帰していたことがトレンティンらの抗議により発覚し、集団復帰後のデヴェナインスら獲得ポイントがキャンセル。それによりミッチェルトン・スコットが27ポイント差でクイックステップフロアーズを下す結果となった。
ハンマースプリントのわずか30分後に、4.3km周回コースを5周するハンマーチェイス(チームタイムトライアル)がB決勝の7チームを先頭にスタートしていく。総合優勝を狙う権利のあるA決勝に残ったのはミッチェルトン・スコット、クイックステップフロアーズ、ボーラ・ハンスグローエ、ロット・スーダル、サンウェブ、チームスカイ、ロットNLユンボ、トレック・セガフレードの8チームで、上位から順に20秒差をつけてスタートを切った。
フィニッシュ後、救済措置からの復帰方法について話すマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)とフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)ら photo:Kei Tsuji
ポート脱落により早々に4名になったBMCレーシング photo:Kei Tsuji
ミッチェルトン・スコットがスタート photo:Kei Tsuji
トンネル出口の登りをこなすチームスカイ photo:Kei Tsuji
前半から飛ばしたクイックステップフロアーズ photo:Kei Tsuji
ハンマーチェイス単体の時間を見ると、トム・デュムラン(オランダ)擁するサンウェブが27分07秒で優勝。クイックステップフロアーズは先頭のミッチェルトン・スコットを懸命に追いかけたが、20秒差を詰めることはできなかった。最終的にクイックステップフロアーズに18秒差をつけてミッチェルトン・スコットが逃げ切った。
「40kmのポイントレースから時間を空けずにチームタイムトライアルだったので、リカバリーする時間がなくて本当にハードだった。でも個人的には好きなフォーマットであり、密度の濃いレースを大都市で開催できることを示したと思う」とハンマーシリーズ香港を制したミッチェルトン・スコットのトレンティンは語る。
「このスタイルのレースには未来がある」と語るのはマイヤー。「2つのレースの間が短くて身体を休めることができなかったけど、観客もエキサイティングなレースを楽しめたと思う。チームとして、シーズンを良い形で締めくくることができてよかった」。
ミッチェルトン・スコットは最終戦香港を制しただけでなく、2018年のシリーズチャンピオンにも輝いている。シリーズランキングではクイックステップフロアーズが2位、サンウェブが3位、ロットNLユンボが4位、BMCレーシングが5位に入っている。
先頭を走り続けるミッチェルトン・スコット photo:Kei Tsuji
3つの180度コーナーを含む周回コース photo:Kei Tsuji
Uターンをこなして幹線道路の登りに向かう photo:Kei Tsuji
メンバーを確認しながらペースを調整する photo:Kei Tsuji
フィニッシュに向かうミッチェルトン・スコット photo:Kei Tsuji
最後までペースを落とさなかったミッチェルトン・スコット photo:Kei Tsuji
ハンマーシリーズ香港を制し、シリーズチャンピオンに輝いたミッチェルトン・スコット photo:Kei Tsuji
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第1戦はノルウェーのスタヴァンゲル、第2戦はオランダのリンブルフ、そして第3戦は香港。アジア初開催となる最終戦には11のUCIワールドチームにNIPPOヴィーニファンティーニ、デルコマルセイユ、イスラエルサイクリングアカデミー、香港ナショナルチームを加えた15チームが出場した。UCIワールドチームの多くは10月16日に中国で開幕するツアー・オブ・広西との連戦出場となる。
ハンマークライムが開催されないのがこの最終戦香港の特徴。ハンマーシリーズ史上初めて1日にハンマースプリントとハンマーチェイスの2種目を詰め込む慌ただしいスケジュールで開催された。大会の土台となっているのは開催4年目を迎える総合自転車イベント「香港サイクロソン」で、同大会のUCIレースでは2017年に新城幸也(バーレーン・メリダ)が3位に入っている。
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第1種目のハンマースプリントはこの周回コースを10周する合計43km。毎周回ポイントが設定されたポイントレース形式で、3周目、6周目、10周目の通過は2倍ポイント。チームの合計ポイントで争われ、その順位に沿って第2種目のハンマーチェイスがスタートする仕組みだ。
前半から入れ替わり立ち替わりアタックを繰り出したのはクイックステップフロアーズ。フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)を中心に逃げに乗り、スプリントに絡み、複数の選手を上位通過させてポイントを重ねていく。レース半分を終えたところでクイックステップフロアーズは564ポイントの首位に立った。
後半にかけて反撃に出たのはミッチェルトン・スコットで、6周目に逃げたキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が2倍ポイントを獲得して逆転。しかしドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)の動きによって再び順位は逆転する。8周目を終えた時点でクイックステップフロアーズ869ポイント、ミッチェルトン・スコット748ポイント。この2チームが426ポイントで3位のボーラ・ハンスグローエを大きく引き離した。
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ハンマースプリントのわずか30分後に、4.3km周回コースを5周するハンマーチェイス(チームタイムトライアル)がB決勝の7チームを先頭にスタートしていく。総合優勝を狙う権利のあるA決勝に残ったのはミッチェルトン・スコット、クイックステップフロアーズ、ボーラ・ハンスグローエ、ロット・スーダル、サンウェブ、チームスカイ、ロットNLユンボ、トレック・セガフレードの8チームで、上位から順に20秒差をつけてスタートを切った。
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ハンマーチェイス単体の時間を見ると、トム・デュムラン(オランダ)擁するサンウェブが27分07秒で優勝。クイックステップフロアーズは先頭のミッチェルトン・スコットを懸命に追いかけたが、20秒差を詰めることはできなかった。最終的にクイックステップフロアーズに18秒差をつけてミッチェルトン・スコットが逃げ切った。
「40kmのポイントレースから時間を空けずにチームタイムトライアルだったので、リカバリーする時間がなくて本当にハードだった。でも個人的には好きなフォーマットであり、密度の濃いレースを大都市で開催できることを示したと思う」とハンマーシリーズ香港を制したミッチェルトン・スコットのトレンティンは語る。
「このスタイルのレースには未来がある」と語るのはマイヤー。「2つのレースの間が短くて身体を休めることができなかったけど、観客もエキサイティングなレースを楽しめたと思う。チームとして、シーズンを良い形で締めくくることができてよかった」。
ミッチェルトン・スコットは最終戦香港を制しただけでなく、2018年のシリーズチャンピオンにも輝いている。シリーズランキングではクイックステップフロアーズが2位、サンウェブが3位、ロットNLユンボが4位、BMCレーシングが5位に入っている。
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ハンマースプリント結果
1位 | ミッチェルトン・スコット | 996.2 |
2位 | クイックステップフロアーズ | 968.7 |
3位 | ボーラ・ハンスグローエ | 587.8 |
4位 | ロット・スーダル | 478.2 |
5位 | サンウェブ | 477.9 |
6位 | チームスカイ | 368.2 |
7位 | ロットNLユンボ | 340.7 |
8位 | トレック・セガフレード | 313.8 |
9位 | UAEチームエミレーツ | 308.7 |
10位 | NIPPOヴィーニファンティーニ | 276.5 |
11位 | EFエデュケーションファースト・ドラパック | 275.2 |
12位 | BMCレーシング | 167.1 |
13位 | イスラエルサイクリングアカデミー | 160.2 |
14位 | デルコマルセイユ | 71.4 |
15位 | 香港ナショナルチーム |
ハンマーチェイス結果
1位 | サンウェブ | 27:07 |
2位 | クイックステップフロアーズ | 00:09 |
3位 | ミッチェルトン・スコット | 00:11 |
4位 | BMCレーシング | 00:27 |
5位 | ボーラ・ハンスグローエ | 00:31 |
6位 | EFエデュケーションファースト・ドラパック | 00:48 |
7位 | ロットNLユンボ | 00:50 |
8位 | UAEチームエミレーツ | 01:06 |
9位 | トレック・セガフレード | 01:10 |
10位 | チームスカイ | 01:11 |
11位 | ロット・スーダル | 01:26 |
12位 | NIPPOヴィーニファンティーニ | 01:43 |
13位 | デルコマルセイユ | 02:02 |
14位 | イスラエルサイクリングアカデミー | 02:22 |
15位 | 香港ナショナルチーム | 03:46 |
ハンマーシリーズ香港 総合成績
1位 | ミッチェルトン・スコット |
2位 | クイックステップフロアーズ |
3位 | ボーラ・ハンスグローエ |
4位 | サンウェブ |
5位 | ロット・スーダル |
6位 | ロットNLユンボ |
7位 | チームスカイ |
8位 | トレック・セガフレード |
9位 | UAEチームエミレーツ |
10位 | BMCレーシング |
11位 | EFエデュケーションファースト・ドラパック |
12位 | NIPPOヴィーニファンティーニ |
13位 | デルコマルセイユ |
14位 | イスラエルサイクリングアカデミー |
15位 | 香港ナショナルチーム |
ハンマーシリーズ シリーズランキング
スタヴァンゲル | リンブルフ | 香港 | 合計 | ||
---|---|---|---|---|---|
1位 | ミッチェルトン・スコット | 100 | 81 | 100 | 281 |
2位 | クイックステップフロアーズ | 53 | 100 | 81 | 234 |
3位 | サンウェブ | 81 | 19 | 53 | 153 |
4位 | ロットNLユンボ | 35 | 66 | 34 | 135 |
5位 | BMCレーシング | 66 | 43 | 15 | 124 |
6位 | チームスカイ | 43 | 35 | 28 | 106 |
7位 | ボーラ・ハンスグローエ | 28 | 65 | 93 | |
8位 | ロット・スーダル | 19 | 23 | 43 | 85 |
9位 | バーレーン・メリダ | 53 | 53 | ||
10位 | トレック・セガフレード | 23 | 22 | 45 | |
11位 | UAEチームエミレーツ | 15 | 18 | 33 | |
12位 | NIPPOヴィーニファンティーニ | 28 | 28 | ||
13位 | EFエデュケーションファースト・ドラパック | 15 | 15 | ||
14位 | アクアブルースポート | ||||
15位 | カハルーラル | ||||
16位 | イスラエルサイクリングアカデミー | ||||
17位 | デルコマルセイユ |
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