2010/03/12(金) - 09:24
3月11日、ティレーノ〜アドリアティコ第3ステージがイタリア中部のモンテカティーニ・テルメで行なわれ、ライバルスプリンターたちが上りで苦しむ中、トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)がスプリント勝利。ミラノ〜サンレモに向けて大きな1勝を掴んだ。
元プロ選手のフォルナチャーリにドルチェを食べさせてもらうフィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ) photo:Cor Vosこの日のスタート&ゴール地点は、古くから温泉リゾート地として知られるイタリア・トスカーナ州西部のモンテカティーニ・テルメ。中盤に標高763mのカテゴリー山岳ゴライオーロを越え、高低差160mのカテゴリー山岳ヴィーコを含む15kmの周回コースに突入する。
ヴィーコは登坂距離3.2km・平均勾配5.4%の上りで、頂上からゴールまでは11.4km。この日も序盤からの逃げを、スプリンターチームが追い上げる典型的な平坦ステージの展開が繰り広げられた。
トスカーナ州の丘陵地帯を走るメイン集団 photo:Cor Vos7km地点で飛び出したのはミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)、アラン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)、ディエゴ・カッチャ(イタリア、ISD・ネーリ)、アラン・マランゴーニ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)。
イグナチエフら4名は最大4分45秒のリードを得て逃げ続け、レース後半の周回コースに入った。メイン集団をコントロールしたのはチームスカイやリクイガス。ヴィーコの上りはスプリンターも問題なくクリア出来ると予想されたが、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)は3周目の上りで脱落した。
マルテンスを下したトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)が勝利 photo:Cor Vos周回を重ねる毎に先頭グループとメイン集団のタイム差は縮まり、ゴールまで4kmを残してイグナチエフらは吸収。リクイガス主導のスプリント勝負に持ち込まれ、ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア)にスプリントで応戦したボーネンが勝利。ベルギーチャンピオンが両手を挙げてゴールした。
これまでパリ〜ルーベ3勝、ロンド・ファン・フラーンデレン2勝、ロード世界選手権1勝、ツール・ド・フランスでステージ通算6勝、ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ通算2勝という輝かしい戦歴を残すボーネンだが、これがティレーノのステージ初優勝。驚くことに、これがイタリアレース初勝利だ。
ティレーノでステージ初勝利を飾ったトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) photo:RCS Sport例年この時期のボーネンはパリ〜ニースに出場し、これまでステージ通算5勝。ミラノ〜サンレモ初制覇に向けて、今年は平坦ステージの多いティレーノを選択した。調子は上々で、ミラノ〜サンレモの有力候補の一人に挙げられる。
「非常に満足している。これまで世界中のレースで勝っていたけど、イタリア国内のレースで勝ったことは一度も無かった。キャリアに欠けている勝利をようやく掴んだ気分。ミラノ〜サンレモを含むシーズン前半の目標レースに向けて、あと数日はこのティレーノで調子を上げて行きたい。クラシックシーズンに向けてモチヴェーションは高い」。今シーズン4勝目を飾ったボーネンは、春のビッグレースに向けて大きな手応えを感じたようだ。
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ)は先頭通過でゴールしたが、ポジションの悪さからスプリントには絡めず。一方ライバルのカヴェンディッシュは上りで精彩を欠き、チームメイトに守られながら9分34秒遅れでゴールした。明らかにカヴのコンディションは低迷しており、ミラノ〜サンレモ連覇に暗雲が立ちこめる。
リーダージャージのリーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)は集団内でゴールし、総合首位の座をキープ。アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)はこの日も大きく遅れ、完全に総合争いから脱落した。
レース展開や選手コメントはガゼッタ紙より。
ティレーノ〜アドリアティコ2010第2ステージ結果
1位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) 4h14'13"
2位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
3位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)
4位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)
5位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
6位 フランチェスコ・ジナンニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)
7位 サーシャ・モードロ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
8位 ダニーロ・ホンド(ドイツ、ランプレ)
9位 セバスティアン・イノー(フランス、アージェードゥーゼル)
10位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)
個人総合成績
1位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム) 7h50'18"
2位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
3位 パブロ・ラストラス(スペイン、ケースデパーニュ) +04"
4位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
5位 アラン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)
6位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク) +06"
7位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)
8位 ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、チームミルラム) +08"
9位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +09"
10位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ) +10"
ポイント賞
リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)
山岳賞
ドミトロ・グラボフスキー(ウクライナ、ISD・ネーリ)
新人賞
ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
チーム総合成績
コルナゴ・CSFイノックス
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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ヴィーコは登坂距離3.2km・平均勾配5.4%の上りで、頂上からゴールまでは11.4km。この日も序盤からの逃げを、スプリンターチームが追い上げる典型的な平坦ステージの展開が繰り広げられた。
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イグナチエフら4名は最大4分45秒のリードを得て逃げ続け、レース後半の周回コースに入った。メイン集団をコントロールしたのはチームスカイやリクイガス。ヴィーコの上りはスプリンターも問題なくクリア出来ると予想されたが、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)は3周目の上りで脱落した。
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これまでパリ〜ルーベ3勝、ロンド・ファン・フラーンデレン2勝、ロード世界選手権1勝、ツール・ド・フランスでステージ通算6勝、ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ通算2勝という輝かしい戦歴を残すボーネンだが、これがティレーノのステージ初優勝。驚くことに、これがイタリアレース初勝利だ。
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「非常に満足している。これまで世界中のレースで勝っていたけど、イタリア国内のレースで勝ったことは一度も無かった。キャリアに欠けている勝利をようやく掴んだ気分。ミラノ〜サンレモを含むシーズン前半の目標レースに向けて、あと数日はこのティレーノで調子を上げて行きたい。クラシックシーズンに向けてモチヴェーションは高い」。今シーズン4勝目を飾ったボーネンは、春のビッグレースに向けて大きな手応えを感じたようだ。
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ)は先頭通過でゴールしたが、ポジションの悪さからスプリントには絡めず。一方ライバルのカヴェンディッシュは上りで精彩を欠き、チームメイトに守られながら9分34秒遅れでゴールした。明らかにカヴのコンディションは低迷しており、ミラノ〜サンレモ連覇に暗雲が立ちこめる。
リーダージャージのリーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)は集団内でゴールし、総合首位の座をキープ。アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)はこの日も大きく遅れ、完全に総合争いから脱落した。
レース展開や選手コメントはガゼッタ紙より。
ティレーノ〜アドリアティコ2010第2ステージ結果
1位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) 4h14'13"
2位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
3位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)
4位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)
5位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
6位 フランチェスコ・ジナンニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)
7位 サーシャ・モードロ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
8位 ダニーロ・ホンド(ドイツ、ランプレ)
9位 セバスティアン・イノー(フランス、アージェードゥーゼル)
10位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)
個人総合成績
1位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム) 7h50'18"
2位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
3位 パブロ・ラストラス(スペイン、ケースデパーニュ) +04"
4位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
5位 アラン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)
6位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク) +06"
7位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)
8位 ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、チームミルラム) +08"
9位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +09"
10位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ) +10"
ポイント賞
リーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)
山岳賞
ドミトロ・グラボフスキー(ウクライナ、ISD・ネーリ)
新人賞
ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
チーム総合成績
コルナゴ・CSFイノックス
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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