2018/09/25(火) - 02:06
ロード世界選手権U23タイムトライアルで圧倒的なタイムをマークしたデンマークのミッケル・ビョーグが連覇を達成。日本から出場した松田祥位(EQADS)は47位、山本大喜(キナンサイクリング)は49位でそれぞれレースを終えている。
気温11度ほどの冷たい風が吹くイン渓谷で若手最速の称号をかけたU23タイムトライアルが開催。スワロフスキー社の「クリスタルワールド」があるヴァッテンスをスタートし、アップダウンを繰り返しながら27.7kmかけてインスブルックのフィニッシュラインを目指す。獲得標高差は262mで、部分的にペダリングが間に合わないハイスピードダウンヒルも登場する。
前半スタートの選手の中で気を吐いたのは、研修生としてロット・スーダルで走る20歳のブレント・ヴァンムール(ベルギー)とU23のナショナルTTチャンピオンであるマティアス・ノルスガード(デンマーク)。それぞれ平均スピードを50km/hの大台に乗せる走りを披露したが、最終走者のディフェンディングチャンピオンが前半から2人を大きく上回った。
前年度大会2位のブランドン・マクナルティ(アメリカ)がタイムを伸ばせない中、最終走者ミッケル・ビョーグ(デンマーク)は第1計測(18.1km地点)でノルスガードの暫定トップタイムを24秒も更新する。後半のアップダウン区間ではヴァンムールに及ばなかったものの、全体を通して安定したペース作りをしたビョーグの圧勝だった。2位のヴァンムールに33秒、3位のノルスガードに38秒の差をつけたビョーグが大会連覇を達成した。
「このレースのためにシーズン全てを捧げたと言っていい。先週現地入りしてから毎日コースを試走した。レース中もずっと調子は良かったし、ここに至るトレーニングと準備期間と勝利で締めくくることができてよかった」と語るビョーグは1998年11月3日生まれの19歳。ツアー・オブ・カリフォルニア第4ステージの個人TTでUCIワールドチーム選手に混ざって6位に入るなど、同年代の選手の中でずば抜けたTT能力を発揮している。「1年前のベルゲンと似ていて、短くて爆発力のいる今日のコースは自分向きだった。コーチと一緒にコースをよく研究し、登りではしっかりと追い込んで、ハイスピードな下りと最後の平坦区間に向けて回復することを心がけた。3位のマティアス(ノールスガード)とはよく一緒にトレーニングする仲であるのと同時に、実は彼の妹(エマ・ノルスガード=プロ選手)と婚約しているんだ。シーズン最後なので照準を合わせるのが難しいレースだけど、彼とお互いを高め合いながらここまで準備してきた」。
まだロードレースでは目立った成績を残していないビョーグは「自分のキャリアの中でこれからはロードレースの力を磨いていきたい」と語る。なお、ビョーグは2019年もアメリカのUCIプロコンチネンタルチームであるハーゲンスベルマン・アクセオンで走ることが決まっている。
スタジエール(研修生)として8月からチームスカイで走っているトラック団体追い抜き金メダリストのイーサン・ヘイター(イギリス)は27.7kmコースを33分16秒で駆け抜けて5位。参考までに、平均スピードは49.9km/hで、最高スピードは81.7km/h、平均出力は340W(体重67kg)だった。
日本から出場した松田祥位(EQADS)は2分58秒差の47位、山本大喜(キナンサイクリング)は3分00秒差の49位だった。
松田祥位(EQADS)
コース下見を重ねて、できるだけ不安がない状態で走った。レースでも無心で踏み続け、ベストの力を出すことをできたと思う。力の差や細かい修正点はあるが、現段階ではコーナリング等も工夫して走ることができたと思う。ジュニアカテゴリーでは、海外のレースを走る機会が限られていて、レースを走って課題をみつけても、それを次のレースで実践するまでのスパンが長かった。でもアンダー23カテゴリーになり、これからは春も夏も遠征があるので、課題を克服していくスパンを短くしていければ、世界に食らいつくことができると考えている。恵まれた環境があると思うので、それを無駄にせずに上をめざしていきたい。ロードレースは、これまでの欧州遠征の集大成。学んだことを出していきたい。いかにチームメートを上位に送るかが仕事になると思うが、恐れずに走っていきたい。調子は良く、ようやく身体が動いてきている感覚なので頑張りたい。
山本大喜(キナンサイクリング)
試走してコースを覚えて、どこで踏むかとか考えていた。それを思っていたとおりにレースでもできたので、出せるものはすべて出し切り、ベストを尽くせたと思う。(アンダー最後の年だが)アンダーでこれだけ力の差がある状態で、エリートに行くとどんどん差が広がるだけだと思う。何か良いきっかけを作って今まで以上に違うことをしないといけない。そう思えたことは良かった。タイムトライアルを走って調子は悪くないと感じている。タイムトライアルは力勝負なので差が出てしまうのは仕方ないこと。ロードレースではダメージを少なく、最後まで脚を残していければ、トップに付いていくことができると思う。先頭集団に残ることだけを考えて走りたい。
気温11度ほどの冷たい風が吹くイン渓谷で若手最速の称号をかけたU23タイムトライアルが開催。スワロフスキー社の「クリスタルワールド」があるヴァッテンスをスタートし、アップダウンを繰り返しながら27.7kmかけてインスブルックのフィニッシュラインを目指す。獲得標高差は262mで、部分的にペダリングが間に合わないハイスピードダウンヒルも登場する。
前半スタートの選手の中で気を吐いたのは、研修生としてロット・スーダルで走る20歳のブレント・ヴァンムール(ベルギー)とU23のナショナルTTチャンピオンであるマティアス・ノルスガード(デンマーク)。それぞれ平均スピードを50km/hの大台に乗せる走りを披露したが、最終走者のディフェンディングチャンピオンが前半から2人を大きく上回った。
前年度大会2位のブランドン・マクナルティ(アメリカ)がタイムを伸ばせない中、最終走者ミッケル・ビョーグ(デンマーク)は第1計測(18.1km地点)でノルスガードの暫定トップタイムを24秒も更新する。後半のアップダウン区間ではヴァンムールに及ばなかったものの、全体を通して安定したペース作りをしたビョーグの圧勝だった。2位のヴァンムールに33秒、3位のノルスガードに38秒の差をつけたビョーグが大会連覇を達成した。
「このレースのためにシーズン全てを捧げたと言っていい。先週現地入りしてから毎日コースを試走した。レース中もずっと調子は良かったし、ここに至るトレーニングと準備期間と勝利で締めくくることができてよかった」と語るビョーグは1998年11月3日生まれの19歳。ツアー・オブ・カリフォルニア第4ステージの個人TTでUCIワールドチーム選手に混ざって6位に入るなど、同年代の選手の中でずば抜けたTT能力を発揮している。「1年前のベルゲンと似ていて、短くて爆発力のいる今日のコースは自分向きだった。コーチと一緒にコースをよく研究し、登りではしっかりと追い込んで、ハイスピードな下りと最後の平坦区間に向けて回復することを心がけた。3位のマティアス(ノールスガード)とはよく一緒にトレーニングする仲であるのと同時に、実は彼の妹(エマ・ノルスガード=プロ選手)と婚約しているんだ。シーズン最後なので照準を合わせるのが難しいレースだけど、彼とお互いを高め合いながらここまで準備してきた」。
まだロードレースでは目立った成績を残していないビョーグは「自分のキャリアの中でこれからはロードレースの力を磨いていきたい」と語る。なお、ビョーグは2019年もアメリカのUCIプロコンチネンタルチームであるハーゲンスベルマン・アクセオンで走ることが決まっている。
スタジエール(研修生)として8月からチームスカイで走っているトラック団体追い抜き金メダリストのイーサン・ヘイター(イギリス)は27.7kmコースを33分16秒で駆け抜けて5位。参考までに、平均スピードは49.9km/hで、最高スピードは81.7km/h、平均出力は340W(体重67kg)だった。
日本から出場した松田祥位(EQADS)は2分58秒差の47位、山本大喜(キナンサイクリング)は3分00秒差の49位だった。
松田祥位(EQADS)
コース下見を重ねて、できるだけ不安がない状態で走った。レースでも無心で踏み続け、ベストの力を出すことをできたと思う。力の差や細かい修正点はあるが、現段階ではコーナリング等も工夫して走ることができたと思う。ジュニアカテゴリーでは、海外のレースを走る機会が限られていて、レースを走って課題をみつけても、それを次のレースで実践するまでのスパンが長かった。でもアンダー23カテゴリーになり、これからは春も夏も遠征があるので、課題を克服していくスパンを短くしていければ、世界に食らいつくことができると考えている。恵まれた環境があると思うので、それを無駄にせずに上をめざしていきたい。ロードレースは、これまでの欧州遠征の集大成。学んだことを出していきたい。いかにチームメートを上位に送るかが仕事になると思うが、恐れずに走っていきたい。調子は良く、ようやく身体が動いてきている感覚なので頑張りたい。
山本大喜(キナンサイクリング)
試走してコースを覚えて、どこで踏むかとか考えていた。それを思っていたとおりにレースでもできたので、出せるものはすべて出し切り、ベストを尽くせたと思う。(アンダー最後の年だが)アンダーでこれだけ力の差がある状態で、エリートに行くとどんどん差が広がるだけだと思う。何か良いきっかけを作って今まで以上に違うことをしないといけない。そう思えたことは良かった。タイムトライアルを走って調子は悪くないと感じている。タイムトライアルは力勝負なので差が出てしまうのは仕方ないこと。ロードレースではダメージを少なく、最後まで脚を残していければ、トップに付いていくことができると思う。先頭集団に残ることだけを考えて走りたい。
ロード世界選手権2018男子U23タイムトライアル結果
順位 | チーム名 | タイム | 平均スピード |
---|---|---|---|
1位 | ミッケル・ビョーグ(デンマーク) | 32:31 | 51.111km/h |
2位 | ブレント・ヴァンムール(ベルギー) | 00:33 | 50.249km/h |
3位 | マティアス・ノルスガード(デンマーク) | 00:38 | 50.127km/h |
4位 | エドアルド・アッフィニ(イタリア) | 00:44 | 49.972km/h |
5位 | イーサン・ヘイター(イギリス) | 00:45 | 49.942km/h |
6位 | トビアス・フォス(ノルウェー) | 00:50 | 49.819km/h |
7位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ) | 00:52 | 49.764km/h |
8位 | ステファン・デボッド(南アフリカ) | 00:59 | 49.600km/h |
9位 | マッテオ・ソブレロ(イタリア) | 01:01 | 49.552km/h |
10位 | カラム・スコットソン(オーストラリア) | 01:01 | 49.549km/h |
47位 | 松田祥位(EQADS) | 02:58 | 46.834km/h |
49位 | 山本大喜(キナンサイクリング) | 03:00 | 46.775km/h |
text&photo:Kei Tsuji in Innsbruck, Austria
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