2018/06/18(月) - 12:21
9日間にわたって開催されたツール・ド・スイスを締めくくる34.1kmの個人タイムトライアルでシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)が勝利し、チームメイトのリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)が初総合優勝を達成した。
ツール・ド・スイス最終日はイタリア語圏のベッリンツォーナを舞台にした34.1kmの個人タイムトライアル。コースは前日の第8ステージの周回を延長したもので、合計270mほどの登りをこなして街中に戻ってくる。
昨年ツール・ド・フランスの最終個人TTを制したマチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)に続いて、今大会第6ステージで逃げ切り勝利を飾ったソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ)が好走して暫定トップに。しかし初日のチームTT勝利の立役者であるBMCレーシングのシュテファン・キュング(スイス)とティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)が中間計測の時点でアンデルセンのタイムを更新していった。
ヴァンガーデレンはアンデルセンに4秒届かなかったが、キュングは唯一40分台を切る39分44秒の暫定トップタイムをマーク。登りを含むコースを平均スピード51.342km/hで駆け抜けたキュングがアンデルセンのタイムを19秒も更新し、他の追随を許さない走りでステージ優勝に輝いた。
総合1位と総合2位のタイム差17秒で迎えた最終総合争いで優位に立ったのはイエロージャージを着るリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)だった。総合2位ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)に中間計測の時点で14秒リードしたポートは、後半にかけてさらにペースを上げてステージ14位でフィニッシュ。ライバルたちに総合逆転の隙を与えなかった。
ステージ38位に沈んだキンタナは総合3位にダウンし、総合上位陣の中で最高位となるステージ8位に入ったヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)が総合2位までジャンプアップ。精彩を欠いたウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)は総合3位から総合5位まで順位を下げ、エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)が総合4位とヤングライダー賞首位を守っている。
「シーズンの大きな目標であったスイスで勝てて本当に良かった」。初出場のスイスで初総合優勝を飾ったポートは語る。メインスポンサー撤退によって存続が危ぶまれている中で、アメリカ登録ながらほぼ地元スイスチームであるBMCレーシングに国内最大のタイトルをもたらしたポートは「ツール・ド・スイスは重要なレースであり、(ツールの)前哨戦と呼ぶのは敬意が足りない。ビッグネームがそろう中での総合優勝はツールに向けて良いサイン。4月に亡くなったチームオーナーのアンディ・リースの地元スイスで勝ったという意味も大きく、この勝利を彼に捧げたい。パリ〜ニースやカタルーニャ、ロマンディに並ぶかそれ以上の大きな勝利だと思う」と、7月の大一番に向けて好調ぶりを確認した。
初日にイエロージャージを着用し、その後のステージでポートをアシストし続けたキュングは「暑い9日間の戦いで誰もが疲れている中、タイム差がつく終盤に力を残した走りが勝利につながった。チームTTで勝利し、最終日に自分がステージ優勝して、リッチーが総合優勝。この成功を待ち望んでいたアンディ・リースがいないのが残念だけど、とにかく自分たちの成績を誇りに思う」と語っている。
ツール・ド・スイス最終日はイタリア語圏のベッリンツォーナを舞台にした34.1kmの個人タイムトライアル。コースは前日の第8ステージの周回を延長したもので、合計270mほどの登りをこなして街中に戻ってくる。
昨年ツール・ド・フランスの最終個人TTを制したマチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)に続いて、今大会第6ステージで逃げ切り勝利を飾ったソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ)が好走して暫定トップに。しかし初日のチームTT勝利の立役者であるBMCレーシングのシュテファン・キュング(スイス)とティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)が中間計測の時点でアンデルセンのタイムを更新していった。
ヴァンガーデレンはアンデルセンに4秒届かなかったが、キュングは唯一40分台を切る39分44秒の暫定トップタイムをマーク。登りを含むコースを平均スピード51.342km/hで駆け抜けたキュングがアンデルセンのタイムを19秒も更新し、他の追随を許さない走りでステージ優勝に輝いた。
総合1位と総合2位のタイム差17秒で迎えた最終総合争いで優位に立ったのはイエロージャージを着るリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)だった。総合2位ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)に中間計測の時点で14秒リードしたポートは、後半にかけてさらにペースを上げてステージ14位でフィニッシュ。ライバルたちに総合逆転の隙を与えなかった。
ステージ38位に沈んだキンタナは総合3位にダウンし、総合上位陣の中で最高位となるステージ8位に入ったヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)が総合2位までジャンプアップ。精彩を欠いたウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ)は総合3位から総合5位まで順位を下げ、エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)が総合4位とヤングライダー賞首位を守っている。
「シーズンの大きな目標であったスイスで勝てて本当に良かった」。初出場のスイスで初総合優勝を飾ったポートは語る。メインスポンサー撤退によって存続が危ぶまれている中で、アメリカ登録ながらほぼ地元スイスチームであるBMCレーシングに国内最大のタイトルをもたらしたポートは「ツール・ド・スイスは重要なレースであり、(ツールの)前哨戦と呼ぶのは敬意が足りない。ビッグネームがそろう中での総合優勝はツールに向けて良いサイン。4月に亡くなったチームオーナーのアンディ・リースの地元スイスで勝ったという意味も大きく、この勝利を彼に捧げたい。パリ〜ニースやカタルーニャ、ロマンディに並ぶかそれ以上の大きな勝利だと思う」と、7月の大一番に向けて好調ぶりを確認した。
初日にイエロージャージを着用し、その後のステージでポートをアシストし続けたキュングは「暑い9日間の戦いで誰もが疲れている中、タイム差がつく終盤に力を残した走りが勝利につながった。チームTTで勝利し、最終日に自分がステージ優勝して、リッチーが総合優勝。この成功を待ち望んでいたアンディ・リースがいないのが残念だけど、とにかく自分たちの成績を誇りに思う」と語っている。
ツール・ド・スイス2018第9ステージ
順位 | 名前 | タイム | 平均スピード |
---|---|---|---|
1位 | シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) | 0:39:44 | 51.342 |
2位 | ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ) | 0:00:19 | 50.936 |
3位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) | 0:00:23 | 50.852 |
4位 | マチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:26 | 50.788 |
5位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | 50.788 | |
6位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームスカイ) | 0:00:37 | 50.558 |
7位 | キャメロン・マイヤー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 50.558 | |
8位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 0:00:38 | 50.537 |
9位 | ニキアス・アルント(ドイツ、サンウェブ) | 0:00:44 | 50.412 |
10位 | ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター) | 0:00:46 | 50.370 |
11位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:00:49 | 50.308 |
13位 | シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン) | 0:01:03 | 50.020 |
14位 | リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) | 0:01:04 | 50.000 |
17位 | アルテュール・ヴィショ(フランス、グルパマFDJ) | 0:01:13 | 49.817 |
22位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:01:26 | 49.555 |
24位 | エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) | 0:01:31 | 49.455 |
27位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 0:01:33 | 49.415 |
31位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | 0:01:43 | 49.216 |
34位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:01:54 | 48.999 |
38位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:01:59 | 48.901 |
86位 | ミケル・ランダ(スペイン、モビスター) | 0:03:33 | 47.131 |
個人総合成績
1位 | リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) | 29:28:05 |
2位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 0:01:02 |
3位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:01:12 |
4位 | エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) | 0:01:20 |
5位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 0:01:21 |
6位 | シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン) | 0:01:47 |
7位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | 0:01:52 |
8位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:01:59 |
9位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:02:27 |
10位 | アルテュール・ヴィショ(フランス、グルパマFDJ) | 0:02:41 |
ポイント賞
1位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | 26pts |
2位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | 26pts |
3位 | ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、サンウェブ) | 21pts |
山岳賞
1位 | マーク・クリスティアン(イギリス、アクアブルースポート) | 36pts |
2位 | ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) | 32pts |
3位 | ロメン・シカール(フランス、ディレクトエネルジー) | 24pts |
ヤングライダー賞
1位 | エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) | 29:29:25 |
2位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:32 |
3位 | パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームスカイ) | 0:02:27 |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 87:51:34 |
2位 | モビスター | 0:04:45 |
3位 | アージェードゥーゼール | 0:04:54 |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
photo:CorVos