2018/05/24(木) - 04:41
大雨の降るイゼオで繰り広げらえた集団スプリントで、マリアチクラミーノを着るエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が4勝目をマーク。最終的なポイント賞獲得に大きく前進した。
久々にスプリンターに出番が回ってきた。このチャンスを逃すとスプリンターの出番は最終日ローマまで回ってこない。ガルダ湖に面したリーヴァ・デル・ガルダをスタート後しばらく山岳地帯ををこなし、残り55km地点で平野に出るとあとはフィニッシュまで平坦路が続く。最後はロンバルディア州のイゼオを起点とした23.9km周回コースを1周。イゼオ湖近くを走る周回コースは平坦基調だが、道幅が狭いセクションや細かいコーナーが多く、小さい街をいくつも通過するため、ナーバスなレースが展開された。
この日はヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール)とルイス・メインチェス(南アフリカ、ディメンションデータ)がスタートせず。ガルダ湖畔を離れて正式なスタートが切られると、UCIワールドチームのサブエース級選手までもが加わる激しいアタック合戦が繰り広げられた。
ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)やアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)、ダビ・デラクルス(スペイン、チームスカイ)らを含む14名の逃げグループが形成されたものの、ボーラ・ハンスグローエやUAEチームエミレーツがこれを許さずに吸収する。あまりにハイスピードな展開にメイン集団が割れてクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)が後方に取り残されるシーンも見られたが、チームメイトの働きによってフルームは集団に戻っている。
その後も20名を超える逃げグループが形成されたが、メイン集団から1分以上のタイム差を奪うことはできない。再び逃げグループを引き戻したメイン集団からは、続いて66km地点の3級山岳ロンドリーノの登りでケニー・エリッソンド(フランス、チームスカイ)がアタック。この動きに反応したサンチェスやアレクサンドル・ジェニエス(フランス、アージェードゥーゼール)、ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)らが8名の逃げグループを新たに形成した。
ミッチェルトン・スコットがこの動きを容認しなかったためタイム差は広がらず、やがて逃げグループがサンチェス、デマルキ、ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)、ベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエルサイクリングアカデミー)の4名に絞られたところで集団はペースダウン。レースの折り返し地点に差し掛かってようやく逃げらしい逃げが決まった。
メイン集団は逃げグループに2分のリードを与えたが、集団スプリントに持ち込みたいボーラ・ハンスグローエの集団牽引によってタイム差は縮小傾向に。フィニッシュラインを一旦通過する残り23.9km地点でタイム差は30秒。ロットNLユンボも集団牽引に加わり、先頭で粘り続けていたデマルキとサンチェスは残り12km地点で吸収される。
そのまますんなりと集団スプリントに向かうことはなく、残り9km地点でジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)がアタックするとロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)、チェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)、セルジオルイス・エナオ(コロンビア、チームスカイ)、ゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)という強力な面子が反応して抜け出す。スプリンターチームの抑え選手を含むこのアタックは協調性を欠き、ペースが上がらずに残り6km地点で吸収。続くマウリス・ラメルティンク(オランダ、カチューシャ・アルペシン)のアタックも残り3km地点で吸収され、雨降りしきるイゼオのフィニッシュラインに向かって約90名の集団が突進した。
スプリンターチームに加え、リスク回避のためにマリアローザのサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)やフルームらも集団先頭に上がって残り2km。ロットNLユンボやボーラ・ハンスグローエが先頭に立ったものの、人数が足りずに主導権を握ることはできない。
残り1kmアーチを前にスティバルがヴィヴィアーニを集団前方へと連れていく。するとそこに最終発射台役のファビオ・サバティーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が後方から合流。クイックステップフロアーズがトレインを形成して残り800mからスティバル、残り500mからサバティーニが先頭に立ってリードアウトを行い、ヴィヴィアーニのスプリント開始のタイミングを待つ。
残り200mで真っ先に仕掛けたのはヴィヴィアーニの番手につけていたダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNLユンボ)だった。ヴィヴィアーニは即座にファンポッペルの加速に対応し、そこから踏みなおしてファンポッペルの前に出る。後方からサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が追い込みをかけたものの届かず、先に手を挙げるサバティーニに見守られながらヴィヴィアーニが4本指を立ててフィニッシュした。
昨年チームメイトのフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)が飾ったステージ4勝に並んだヴィヴィアーニ。表彰台でいつもより長めにスプマンテを振り回したヴィヴィアーニは「イモラでバッドデーを迎えて自信を失っていたものの、3週間のステージレースの後半でも勝てることを改めて証明することができた。チームメイトとの連携も抜群で、大きな目標であるマリアチクラミーノに向けてまた一歩近づいたよ。ここまでのステージでパンクやメカトラが連続していたサバティーニの働きが差を生んだと思う」と語る。
ヴィヴィアーニはフィニッシュ地点での50ポイントに2つの中間スプリントで稼いだ3ポイントを加え、ポイント賞2位のベネットに58ポイント差をつけている。仮にベネットが最終日ローマでステージ優勝(50ポイント獲得)しても、中間スプリントを稼がない限り逆転は不可能だ。
「今日はもっとイージーな1日だと想像していた。とてもとても速いステージだった」と語るのはマリアローザを着続けるイェーツ。「誰もが逃げに乗りたがっていた。一旦逃げグループが形成されても、メンバーに納得しないチームが追いかけてフリダシに戻るの繰り返し。明日からはトム・デュムランを始め、総合ライバルたちの動きに目を光らせて走るよ。一歩一歩ローマが近づいてきている」。翌日は1級山岳プラート・ネヴォーゾ(全長13.9km/標高差959m/平均6.9%/最大勾配10%)の山頂フィニッシュが設定された難易度4つ星の山岳ステージだ。
久々にスプリンターに出番が回ってきた。このチャンスを逃すとスプリンターの出番は最終日ローマまで回ってこない。ガルダ湖に面したリーヴァ・デル・ガルダをスタート後しばらく山岳地帯ををこなし、残り55km地点で平野に出るとあとはフィニッシュまで平坦路が続く。最後はロンバルディア州のイゼオを起点とした23.9km周回コースを1周。イゼオ湖近くを走る周回コースは平坦基調だが、道幅が狭いセクションや細かいコーナーが多く、小さい街をいくつも通過するため、ナーバスなレースが展開された。
この日はヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール)とルイス・メインチェス(南アフリカ、ディメンションデータ)がスタートせず。ガルダ湖畔を離れて正式なスタートが切られると、UCIワールドチームのサブエース級選手までもが加わる激しいアタック合戦が繰り広げられた。
ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)やアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシング)、ダビ・デラクルス(スペイン、チームスカイ)らを含む14名の逃げグループが形成されたものの、ボーラ・ハンスグローエやUAEチームエミレーツがこれを許さずに吸収する。あまりにハイスピードな展開にメイン集団が割れてクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)が後方に取り残されるシーンも見られたが、チームメイトの働きによってフルームは集団に戻っている。
その後も20名を超える逃げグループが形成されたが、メイン集団から1分以上のタイム差を奪うことはできない。再び逃げグループを引き戻したメイン集団からは、続いて66km地点の3級山岳ロンドリーノの登りでケニー・エリッソンド(フランス、チームスカイ)がアタック。この動きに反応したサンチェスやアレクサンドル・ジェニエス(フランス、アージェードゥーゼール)、ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)らが8名の逃げグループを新たに形成した。
ミッチェルトン・スコットがこの動きを容認しなかったためタイム差は広がらず、やがて逃げグループがサンチェス、デマルキ、ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)、ベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエルサイクリングアカデミー)の4名に絞られたところで集団はペースダウン。レースの折り返し地点に差し掛かってようやく逃げらしい逃げが決まった。
メイン集団は逃げグループに2分のリードを与えたが、集団スプリントに持ち込みたいボーラ・ハンスグローエの集団牽引によってタイム差は縮小傾向に。フィニッシュラインを一旦通過する残り23.9km地点でタイム差は30秒。ロットNLユンボも集団牽引に加わり、先頭で粘り続けていたデマルキとサンチェスは残り12km地点で吸収される。
そのまますんなりと集団スプリントに向かうことはなく、残り9km地点でジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)がアタックするとロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)、チェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)、セルジオルイス・エナオ(コロンビア、チームスカイ)、ゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)という強力な面子が反応して抜け出す。スプリンターチームの抑え選手を含むこのアタックは協調性を欠き、ペースが上がらずに残り6km地点で吸収。続くマウリス・ラメルティンク(オランダ、カチューシャ・アルペシン)のアタックも残り3km地点で吸収され、雨降りしきるイゼオのフィニッシュラインに向かって約90名の集団が突進した。
スプリンターチームに加え、リスク回避のためにマリアローザのサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)やフルームらも集団先頭に上がって残り2km。ロットNLユンボやボーラ・ハンスグローエが先頭に立ったものの、人数が足りずに主導権を握ることはできない。
残り1kmアーチを前にスティバルがヴィヴィアーニを集団前方へと連れていく。するとそこに最終発射台役のファビオ・サバティーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が後方から合流。クイックステップフロアーズがトレインを形成して残り800mからスティバル、残り500mからサバティーニが先頭に立ってリードアウトを行い、ヴィヴィアーニのスプリント開始のタイミングを待つ。
残り200mで真っ先に仕掛けたのはヴィヴィアーニの番手につけていたダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNLユンボ)だった。ヴィヴィアーニは即座にファンポッペルの加速に対応し、そこから踏みなおしてファンポッペルの前に出る。後方からサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が追い込みをかけたものの届かず、先に手を挙げるサバティーニに見守られながらヴィヴィアーニが4本指を立ててフィニッシュした。
昨年チームメイトのフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)が飾ったステージ4勝に並んだヴィヴィアーニ。表彰台でいつもより長めにスプマンテを振り回したヴィヴィアーニは「イモラでバッドデーを迎えて自信を失っていたものの、3週間のステージレースの後半でも勝てることを改めて証明することができた。チームメイトとの連携も抜群で、大きな目標であるマリアチクラミーノに向けてまた一歩近づいたよ。ここまでのステージでパンクやメカトラが連続していたサバティーニの働きが差を生んだと思う」と語る。
ヴィヴィアーニはフィニッシュ地点での50ポイントに2つの中間スプリントで稼いだ3ポイントを加え、ポイント賞2位のベネットに58ポイント差をつけている。仮にベネットが最終日ローマでステージ優勝(50ポイント獲得)しても、中間スプリントを稼がない限り逆転は不可能だ。
「今日はもっとイージーな1日だと想像していた。とてもとても速いステージだった」と語るのはマリアローザを着続けるイェーツ。「誰もが逃げに乗りたがっていた。一旦逃げグループが形成されても、メンバーに納得しないチームが追いかけてフリダシに戻るの繰り返し。明日からはトム・デュムランを始め、総合ライバルたちの動きに目を光らせて走るよ。一歩一歩ローマが近づいてきている」。翌日は1級山岳プラート・ネヴォーゾ(全長13.9km/標高差959m/平均6.9%/最大勾配10%)の山頂フィニッシュが設定された難易度4つ星の山岳ステージだ。
ジロ・デ・イタリア2018第17ステージ結果
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 3:19:57 |
2位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
4位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNLユンボ) | |
5位 | イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・フィックスオール) | |
6位 | クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、イスラエルサイクリングアカデミー) | |
7位 | ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシング) | |
8位 | サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | |
9位 | アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | |
10位 | ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン) |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 69:59:11 |
2位 | トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) | 0:00:56 |
3位 | ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 0:03:11 |
4位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 0:03:50 |
5位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 0:04:19 |
6位 | ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) | 0:05:04 |
7位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 0:05:37 |
8位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | 0:06:02 |
9位 | リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター) | 0:06:07 |
10位 | ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) | 0:07:01 |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 290pts |
2位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 232pts |
3位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 113pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 91pts |
2位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニCSF) | 52pts |
3位 | エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) | 47pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | 70:04:48 |
2位 | リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター) | 0:00:30 |
3位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ) | 0:01:56 |
チーム総合成績
1位 | チームスカイ | 210:19:30 |
2位 | アスタナ | 0:08:36 |
3位 | ミッチェルトン・スコット | 0:10:12 |
text:Kei Tsuji in Iseo, Italy
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