2018/05/06(日) - 13:21
マリアローザ変動、そして初回のスプリント勝負が繰り広げられたジロ第2ステージのコメント集。チームの母国で逃げに乗り、山岳賞を目指したギヨーム・ボワヴァン(カナダ)らの言葉も合わせて紹介します。
ステージ優勝を挙げたエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
優勝候補というプレッシャーもあり、決して簡単な勝利ではなかった。普段あまりプレッシャーを感じることはないけれど、調子良くシーズン開幕を迎えることができた分少しだけナーバスだったんだ。今回の勝利は、僕の努力と犠牲を誰よりも分かってくれているガールフレンドにプレゼントしたいと思う。
終盤にかけてトレインがばらけてしまったので、ベネットの番手につけてタイミングを待った。誰もがスプリント開始を躊躇していたけど、必ず誰かが仕掛けると思って準備していたんだ。するとマレツコが飛び出したので迷わずに飛びついて自分のスプリントを開始。正しい判断が勝利につながった。
これ以上ない素晴らしい働きを見せてくれたチームメイトたちに感謝したい。レミ(カヴァニャ)が責務として逃げ集団との間隔を詰め、スティービー(スティバル)が僕を先頭に連れて行ってくれ、フロリアン(セネシャル)が残り2kmを支配。最後はミカエル(モルコフ)とサバ(サバティーニ)がスプリントに向けて解き放ってくれた。コーナーやランドアバウトが連続するカオスなコースレイアウトだったけど、僕らの走りは誇りに思えるものだった。
歴史と伝統のマリアチクラミーノを勝利で手に入れるだなんて夢が叶った気分。ローマへの道のりは長く厳しいけれど、できるだけポイントを加算して守り抜きたいと思っている。強力なチームが僕を信頼してくれていたし、僕も彼らに対して勝利でお返しがしたかった。2勝目、3勝目と勝ち星を狙っていく。
ステージ2位のヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)
最終盤でのチームメイトの働きは素晴らしかったよ。勝利まであと僅かだった。スプリントを始めるタイミングが早すぎたように思うけれど、身体の仕上がりが万全なことも確認できた。
ステージ3位、サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)
グランツール最初の集団スプリントステージは全員がフレッシュでモチベーションの塊だから非常に厳しいものになる。テルアビブに向かう中でチームはうまく動けていたけれど、最終盤で前に出過ぎてしまったのでスプリントを始めるタイミングを待とうと思っていたんだ。ヴィヴィアーニには追いつけず3位を狙う他なかったけれど、1日を通して身体の感覚は良かった。明日の第3ステージを狙っていきたい。
マリアローザを獲得したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)
今日の戦略は、臨機応変に走ることただそれだけだった。もちろん中間スプリントにボーナスタイムが掛けられていることは分かっていたし、逃げグループとの距離も遠くないのでトライしてみようと決まったんだ。
スプリントまで40〜50kmを残した辺りでチームが僕にどうする?と聞いてきたので、あまりやりたくないと答えた。正直言うと、マリアローザを獲得するとチームメイトたちを酷使することになるので、プレッシャーをサンウェブに押し付けたままでいたかった。でもチームメイトたちは『全力でバックアップする』と言ってくれたんだ。スプリントのために完璧なポジション取りをしてもらい、僕は全力でもがくだけ。絶対に負けられなかった。
マリアローザを得ただなんて特別な気分だよ。昨日は僅か2秒差で届かなかったマリアローザが、チームメイトたちの素晴らしい働きで今日僕の元へとやってきたのだから。非常に名誉なことだし、このローザは(死去したチームオーナーの)アンディ・リースに捧げたい。彼が僕らチームに対してものすごく愛情を傾けてくれたぶんを、彼と彼の家族にお返ししたいんだ。
この先は出来る限り長くマリアローザを着続けたい。現実的になる必要があるし、デュムランらから多くを学ぶ必要があるけど、とにかく今はこの名誉あるマリアローザを楽しみたいと思う。僕が自転車に乗り始めたときにはグランツールのリーダーになるなんて思ってもみなかった。信じられない気分だし、BMCレーシングのメンバーであることを誇りに思うよ。
総合2位となったトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)
今日チームはメイン集団のコントロールと僕のアシストを完璧にやり遂げてくれた。予想通り風がナーバスな展開を生み出したけど、最終的に問題はなかったね。
マリアローザを着て走るジロは最高の気分だけど、僕にはタイミングが早すぎた。総合首位に立てばレースを1日中コントロールする必要があるし、レース前にはたくさんのイベントにも出なくてはならない。これで重要な局面に向けてチーム力を温存することができる。
マリアアッズーラを着用したエンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)
(アッズーラの獲得は)計画していたものではなかった。山岳といっても一呼吸でクリアしてしまうような短くパンチ力のある坂だったけれど、集団での位置取りも良かったし、グランツールの特別賞を狙えるタイミングも頻繁にあることじゃないので行くことにしたんだ。イスラエルのたくさんの観客が見守る中で自国チームのボワヴァンに先行させることも考えたけれど、ジロは僕らバルディアーニにとって非常に大切なPRの場なんだ。ジロを重要視しているからこそ、僕らにはあらゆる場面で可能な限りアタックすることが必須。あの場面では悪役になることを理解しつつ、自分の本能に従って立ち振る舞った。マリアアッズーラを楽しみつつ、イタリアに持ち帰れるよう注意して走りたい。
逃げに乗ったギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー)
今回のジロがチームのとってどれだけ大切か理解していたし、ジロをイスラエルに招致した人たちのために逃げを打った。BMCが中間スプリントのために追い上げてきていると分かっていたけれど、もうあと5秒差が欲しかった。集団から飛び出してきたバルディアーニの選手(バルビン)がKOMまで100mのところで抜いていった時、僕はもう限界だった。歯ぎしりするほど悔しかった。
イスラエルにはロードレースの歴史が無いと言われるけれど、そんなことは嘘だと思うほど物凄いファンが集まってくれた。残り15km、10kmとテルアビブに近づくにつれて沿道が盛り上がっていて、本当に特別な気分になった。その時僕は集団の後ろにいたから、その様子を楽しく眺めつつ走れた。
text:So.Isobe
ステージ優勝を挙げたエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
優勝候補というプレッシャーもあり、決して簡単な勝利ではなかった。普段あまりプレッシャーを感じることはないけれど、調子良くシーズン開幕を迎えることができた分少しだけナーバスだったんだ。今回の勝利は、僕の努力と犠牲を誰よりも分かってくれているガールフレンドにプレゼントしたいと思う。
終盤にかけてトレインがばらけてしまったので、ベネットの番手につけてタイミングを待った。誰もがスプリント開始を躊躇していたけど、必ず誰かが仕掛けると思って準備していたんだ。するとマレツコが飛び出したので迷わずに飛びついて自分のスプリントを開始。正しい判断が勝利につながった。
これ以上ない素晴らしい働きを見せてくれたチームメイトたちに感謝したい。レミ(カヴァニャ)が責務として逃げ集団との間隔を詰め、スティービー(スティバル)が僕を先頭に連れて行ってくれ、フロリアン(セネシャル)が残り2kmを支配。最後はミカエル(モルコフ)とサバ(サバティーニ)がスプリントに向けて解き放ってくれた。コーナーやランドアバウトが連続するカオスなコースレイアウトだったけど、僕らの走りは誇りに思えるものだった。
歴史と伝統のマリアチクラミーノを勝利で手に入れるだなんて夢が叶った気分。ローマへの道のりは長く厳しいけれど、できるだけポイントを加算して守り抜きたいと思っている。強力なチームが僕を信頼してくれていたし、僕も彼らに対して勝利でお返しがしたかった。2勝目、3勝目と勝ち星を狙っていく。
ステージ2位のヤコブ・マレツコ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)
最終盤でのチームメイトの働きは素晴らしかったよ。勝利まであと僅かだった。スプリントを始めるタイミングが早すぎたように思うけれど、身体の仕上がりが万全なことも確認できた。
ステージ3位、サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)
グランツール最初の集団スプリントステージは全員がフレッシュでモチベーションの塊だから非常に厳しいものになる。テルアビブに向かう中でチームはうまく動けていたけれど、最終盤で前に出過ぎてしまったのでスプリントを始めるタイミングを待とうと思っていたんだ。ヴィヴィアーニには追いつけず3位を狙う他なかったけれど、1日を通して身体の感覚は良かった。明日の第3ステージを狙っていきたい。
マリアローザを獲得したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)
今日の戦略は、臨機応変に走ることただそれだけだった。もちろん中間スプリントにボーナスタイムが掛けられていることは分かっていたし、逃げグループとの距離も遠くないのでトライしてみようと決まったんだ。
スプリントまで40〜50kmを残した辺りでチームが僕にどうする?と聞いてきたので、あまりやりたくないと答えた。正直言うと、マリアローザを獲得するとチームメイトたちを酷使することになるので、プレッシャーをサンウェブに押し付けたままでいたかった。でもチームメイトたちは『全力でバックアップする』と言ってくれたんだ。スプリントのために完璧なポジション取りをしてもらい、僕は全力でもがくだけ。絶対に負けられなかった。
マリアローザを得ただなんて特別な気分だよ。昨日は僅か2秒差で届かなかったマリアローザが、チームメイトたちの素晴らしい働きで今日僕の元へとやってきたのだから。非常に名誉なことだし、このローザは(死去したチームオーナーの)アンディ・リースに捧げたい。彼が僕らチームに対してものすごく愛情を傾けてくれたぶんを、彼と彼の家族にお返ししたいんだ。
この先は出来る限り長くマリアローザを着続けたい。現実的になる必要があるし、デュムランらから多くを学ぶ必要があるけど、とにかく今はこの名誉あるマリアローザを楽しみたいと思う。僕が自転車に乗り始めたときにはグランツールのリーダーになるなんて思ってもみなかった。信じられない気分だし、BMCレーシングのメンバーであることを誇りに思うよ。
総合2位となったトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)
今日チームはメイン集団のコントロールと僕のアシストを完璧にやり遂げてくれた。予想通り風がナーバスな展開を生み出したけど、最終的に問題はなかったね。
マリアローザを着て走るジロは最高の気分だけど、僕にはタイミングが早すぎた。総合首位に立てばレースを1日中コントロールする必要があるし、レース前にはたくさんのイベントにも出なくてはならない。これで重要な局面に向けてチーム力を温存することができる。
マリアアッズーラを着用したエンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)
(アッズーラの獲得は)計画していたものではなかった。山岳といっても一呼吸でクリアしてしまうような短くパンチ力のある坂だったけれど、集団での位置取りも良かったし、グランツールの特別賞を狙えるタイミングも頻繁にあることじゃないので行くことにしたんだ。イスラエルのたくさんの観客が見守る中で自国チームのボワヴァンに先行させることも考えたけれど、ジロは僕らバルディアーニにとって非常に大切なPRの場なんだ。ジロを重要視しているからこそ、僕らにはあらゆる場面で可能な限りアタックすることが必須。あの場面では悪役になることを理解しつつ、自分の本能に従って立ち振る舞った。マリアアッズーラを楽しみつつ、イタリアに持ち帰れるよう注意して走りたい。
逃げに乗ったギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー)
今回のジロがチームのとってどれだけ大切か理解していたし、ジロをイスラエルに招致した人たちのために逃げを打った。BMCが中間スプリントのために追い上げてきていると分かっていたけれど、もうあと5秒差が欲しかった。集団から飛び出してきたバルディアーニの選手(バルビン)がKOMまで100mのところで抜いていった時、僕はもう限界だった。歯ぎしりするほど悔しかった。
イスラエルにはロードレースの歴史が無いと言われるけれど、そんなことは嘘だと思うほど物凄いファンが集まってくれた。残り15km、10kmとテルアビブに近づくにつれて沿道が盛り上がっていて、本当に特別な気分になった。その時僕は集団の後ろにいたから、その様子を楽しく眺めつつ走れた。
text:So.Isobe
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The Story of the Giro d'Italia: A Year-by-Year History of the Tour of Italy, Volume Two: 1971-2011
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