2018/04/30(月) - 09:45
4月29日にスイスのジュネーブで閉幕したツール・ド・ロマンディ。最終スプリントでパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が勝利し、危なげなく集団フィニッシュしたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)が総合優勝を手にした。
山岳決戦を終えたロマンディの最終日はスプリンターのためのコースレイアウト。前半にかけて標高700〜900m級の峠を連続して越えるため獲得標高差は2,200mに達するが、ジュネーブに向かう後半は比較的平坦だ。
ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)、カルロス・ベローナ(スペイン、ミッチェルトン・スコット)、アレクシ・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール)、マイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ)、パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームスカイ)という強力メンバーで構成された逃げグループはメイン集団から3分30秒のリードを奪うことに成功。しかしステージ前半ロットNLユンボ、ステージ後半バーレーン・メリダ&ボーラ・ハンスグローエが牽引したメイン集団は逃げグループを常に射程圏内に置いた。
スプリンターチームの牽引によってタイム差は縮小を続け、先頭で粘り続けたベローナとアナコナも残り10kmを前に吸収。残り9km地点でアタックを仕掛けたウィリアム・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)の独走も短命に終わる。総合上位の選手も危険回避のために集団先頭に上がり、ハイスピードでジュネーブの街になだれ込んだ。
平坦ステージを支配すると見られたクイックステップフロアーズのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)とフェルナンド・ガビリア(コロンビア)が第3ステージの山岳タイムトライアルでタイムオーバー扱いになったため、この日は主にバーレーン・メリダが集団牽引を担当。残り1kmを切ってゴルカ・イサギレ(スペイン)がソニー・コルブレッリ(イタリア)のために最後のリードアウトを見せる。
残り500mでトム・ボーリ(スイス、BMCレーシング)がロングスパートを仕掛けたところでバーレーン・メリダのリードアウトは崩れ、代わってボーラ・ハンスグローエの発射台役リュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ)を先頭に残り250mの最終コーナーをクリア。ポジションを落としたコルブレッリを尻目に、ゼーリッヒに発射されたパスカル・アッカーマン(ドイツ)が先頭で加速を開始した。
ヴィヴィアーニ&ガビリアの代役としてスプリントに挑んだミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップフロアーズ)やロベルト・フェラーリ(イタリア、UAEチームエミレーツ)は届かずアッカーマンが勝利した。アッカーマンのSTRAVAログによると、ラスト10kmの平均スピードは56.9km/h。残り1kmを切ってからフィニッシュまでの平均スピードは68.1km/hで、最大1,685W、25秒間にわたって1,037Wを出力している。スプリント中の最高速は72.4km/hだった。
「リュディガー・ゼーリッヒのリードアウトにより、残り200mで完璧なポジションからスプリントを開始した。チームメイトたちの献身には感謝しかない。最終ステージで勝利するというチームの目標を達成することができた。昨日の山岳ステージを耐え凌いで乗り切った甲斐があったよ」とアッカーマンは喜ぶ。
2017年にボーラ・ハンスグローエ入りした24歳のがUCIワールドツアーレース初勝利。アッカーマンは2017年クリテリウム・デュ・ドーフィネでステージトップ10を3回経験しており、今年ハンザメクラシック3位、ブルージュ〜デパンヌ3日間レース2位、シュヘルデプライス2位と、ペテル・サガン(スロバキア)のいないレースで成績を残している。
総合上位陣は同タイムの集団内でフィニッシュし、総合リードを守り抜いたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)がロマンディ初総合優勝を果たした。同じくUCIワールドツアーのイツリア・バスクカントリーとロマンディの同年制覇は1999年のローラン・ジャラベールに続く2人目。
すっかりトップオールラウンダーの仲間入りを果たしたログリッチェは「言葉が出てこない。チーム全体が1週間を通して素晴らしい走りを見せてくれた。この勝利はチームメイトたちのものだ。自分の調子が良いことは開幕前からわかっていたけど、実際に結果を出すのは簡単じゃない。このチームを誇りに思う気持ちをしっかりと言葉で表現できない」とコメントする。2016年ジロ・デ・イタリアでステージ優勝、2017年ツール・ド・フランスでステージ優勝を飾っている元スキージャンパーの28歳は、しばらくの休養期間を経て再びツールに挑む。
総合2位にはアグレッシブな走りを見せたエガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)が入り、シーズン序盤の体調不良から復活したリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)が総合3位に。ベルナルは5月のツアー・オブ・カリフォルニアに出場予定。「連覇は逃したけど、総合3位という成績でコンディションに自信がついた」というポートはツールに照準を合わす。
体調不良により第4ステージでリタイアした別府史之(トレック・セガフレード)は5月1日にドイツで開催されるUCIワールドツアーレースのエッシュボルン・フランクフルトに出場する予定だ。
山岳決戦を終えたロマンディの最終日はスプリンターのためのコースレイアウト。前半にかけて標高700〜900m級の峠を連続して越えるため獲得標高差は2,200mに達するが、ジュネーブに向かう後半は比較的平坦だ。
ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター)、カルロス・ベローナ(スペイン、ミッチェルトン・スコット)、アレクシ・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール)、マイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ)、パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チームスカイ)という強力メンバーで構成された逃げグループはメイン集団から3分30秒のリードを奪うことに成功。しかしステージ前半ロットNLユンボ、ステージ後半バーレーン・メリダ&ボーラ・ハンスグローエが牽引したメイン集団は逃げグループを常に射程圏内に置いた。
スプリンターチームの牽引によってタイム差は縮小を続け、先頭で粘り続けたベローナとアナコナも残り10kmを前に吸収。残り9km地点でアタックを仕掛けたウィリアム・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)の独走も短命に終わる。総合上位の選手も危険回避のために集団先頭に上がり、ハイスピードでジュネーブの街になだれ込んだ。
平坦ステージを支配すると見られたクイックステップフロアーズのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)とフェルナンド・ガビリア(コロンビア)が第3ステージの山岳タイムトライアルでタイムオーバー扱いになったため、この日は主にバーレーン・メリダが集団牽引を担当。残り1kmを切ってゴルカ・イサギレ(スペイン)がソニー・コルブレッリ(イタリア)のために最後のリードアウトを見せる。
残り500mでトム・ボーリ(スイス、BMCレーシング)がロングスパートを仕掛けたところでバーレーン・メリダのリードアウトは崩れ、代わってボーラ・ハンスグローエの発射台役リュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ)を先頭に残り250mの最終コーナーをクリア。ポジションを落としたコルブレッリを尻目に、ゼーリッヒに発射されたパスカル・アッカーマン(ドイツ)が先頭で加速を開始した。
ヴィヴィアーニ&ガビリアの代役としてスプリントに挑んだミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップフロアーズ)やロベルト・フェラーリ(イタリア、UAEチームエミレーツ)は届かずアッカーマンが勝利した。アッカーマンのSTRAVAログによると、ラスト10kmの平均スピードは56.9km/h。残り1kmを切ってからフィニッシュまでの平均スピードは68.1km/hで、最大1,685W、25秒間にわたって1,037Wを出力している。スプリント中の最高速は72.4km/hだった。
「リュディガー・ゼーリッヒのリードアウトにより、残り200mで完璧なポジションからスプリントを開始した。チームメイトたちの献身には感謝しかない。最終ステージで勝利するというチームの目標を達成することができた。昨日の山岳ステージを耐え凌いで乗り切った甲斐があったよ」とアッカーマンは喜ぶ。
2017年にボーラ・ハンスグローエ入りした24歳のがUCIワールドツアーレース初勝利。アッカーマンは2017年クリテリウム・デュ・ドーフィネでステージトップ10を3回経験しており、今年ハンザメクラシック3位、ブルージュ〜デパンヌ3日間レース2位、シュヘルデプライス2位と、ペテル・サガン(スロバキア)のいないレースで成績を残している。
総合上位陣は同タイムの集団内でフィニッシュし、総合リードを守り抜いたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)がロマンディ初総合優勝を果たした。同じくUCIワールドツアーのイツリア・バスクカントリーとロマンディの同年制覇は1999年のローラン・ジャラベールに続く2人目。
すっかりトップオールラウンダーの仲間入りを果たしたログリッチェは「言葉が出てこない。チーム全体が1週間を通して素晴らしい走りを見せてくれた。この勝利はチームメイトたちのものだ。自分の調子が良いことは開幕前からわかっていたけど、実際に結果を出すのは簡単じゃない。このチームを誇りに思う気持ちをしっかりと言葉で表現できない」とコメントする。2016年ジロ・デ・イタリアでステージ優勝、2017年ツール・ド・フランスでステージ優勝を飾っている元スキージャンパーの28歳は、しばらくの休養期間を経て再びツールに挑む。
総合2位にはアグレッシブな走りを見せたエガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ)が入り、シーズン序盤の体調不良から復活したリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)が総合3位に。ベルナルは5月のツアー・オブ・カリフォルニアに出場予定。「連覇は逃したけど、総合3位という成績でコンディションに自信がついた」というポートはツールに照準を合わす。
体調不良により第4ステージでリタイアした別府史之(トレック・セガフレード)は5月1日にドイツで開催されるUCIワールドツアーレースのエッシュボルン・フランクフルトに出場する予定だ。
ツール・ド・ロマンディ2018第5ステージ結果
1位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 4:09:51 |
2位 | ミケル・モルコフ(デンマーク、クイックステップフロアーズ) | |
3位 | ロベルト・フェラーリ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | ティモシー・デュポン(フランス、ワンティ・グループゴベール) | |
5位 | リュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
6位 | ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
7位 | バンジャマン・トマ(フランス、グルパマFDJ) | |
8位 | イェンス・クークレール(ベルギー、ロット・スーダル) | |
9位 | ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット) | |
10位 | サミュエル・デュムラン(フランス、アージェードゥーゼール) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) | 17:09:00 |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 0:00:08 |
3位 | リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) | 0:00:35 |
4位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 0:01:16 |
5位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 0:01:23 |
6位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:02:32 |
7位 | ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) | 0:02:49 |
8位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール) | |
9位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:03:09 |
10位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ) | 0:03:12 |
ポイント賞
1位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 112pts |
2位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) | 81pts |
3位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 80pts |
山岳賞
1位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 43pts |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 36pts |
3位 | ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 33pts |
ヤングライダー賞
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 17:09:08 |
2位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) | 0:03:26 |
3位 | ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | 0:04:28 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツ | 51:35:39 |
2位 | アスタナ | 0:01:17 |
3位 | チームスカイ | 0:02:12 |
text:Kei Tsuji
Amazon.co.jp