2018/04/23(月) - 11:25
「アンディのような偉大なチャンピオンと同じ勝ち方で勝ったことを誇りに思う」と語るのは、19km独走勝利を飾ったボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)。アルデンヌ最終戦リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで活躍した選手たちのコメントを紹介します。
1位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
ラ・ルドゥットでチームがハードな展開に持ち込み、フィリップ(ジルベール)とラ・ロッシュ・オ・フォーコンで仕掛けた。頂上通過後に後続との距離が開いたのでルーラーとしての才能を活かすべく独走に持ち込んだ。誰も反応してついてこなかったことに驚きながら、「行け!行け!行け!」という無線の指示を受けて踏み始めた。
確かに早めの仕掛けただったけど、仮にスプリント勝負になったらアレハンドロ・バルベルデに歯が立たない。だから自分のTT能力を最大限生かしてフィニッシュまで逃げることにした。アンディ・シュレクのような偉大なチャンピオンと同じ勝ち方で勝ったことを誇りに思うよ。
これは世界で最も美しいワンデーレースであり、ルクセンブルクにも近く、家族やファンの前で勝利したことは一生忘れることがないだろう。この感覚を飲み込むにはあと数日かかりそうだ。クイックステップフロアーズは家族のようなもの。互いを信頼して、それぞれ自分の役割をこなし、チームとして勝つために走っている。その結果が出たんだ。
2位 マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
シーズン序盤は体調が優れずに低迷し、思うような成績を残せなかった。今日はスタートからずっと調子が良くて、久々にバイクレーサーとして勝負していると感じることができたよ。ボブ・ユンゲルスを(ラ・ロッシュ・オ・フォーコン通過後に)行かせてしまったのは自分に原因がある。背中ポケットのジェルに手を伸ばしているタイミングで、自分の前を走る彼が加速したんだ。そこから彼は予想を超える勇敢で強力なレースを展開した。
(残り3kmを切ってから)ロマン・バルデがアタックした時、これこそ飛びつくべき動きだと判断して追いついた。そこからフィニッシュまでは終始協力できていた。数日前に悪いニュースを受けた妻に良い成績をプレゼントしたくて、レース後すぐに電話したよ。彼女の気持ちを和らげ、決して良くないシーズン前半を送っていたチームに2位という成績をもたらすことができて満足している。
3位 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)
ボブ・ユンゲルスが勝利に値する走りをしたので、悔いはないし満足している。彼は強力で、どんな追走アタックも届かなかった。そして後ろではジュリアン・アラフィリップがすべてのアタックに飛びついていた。残り2.5km地点でマイケル・ウッズと抜け出してからは、表彰台に登るための戦いが始まった。彼は自分よりスプリント力があると思っていたし、3位という成績は自分の今の状態を考えるとベストな結果だと思う。
ラ・ロッシュ・オ・フォーコンのペースは強烈だったけど、いつもよりスマートに、そしてこのレースを楽しむことができた。このレースで勝てる能力があるのか自分ではわからない。でも楽しかったし、リスクも負いながら、勝利に近いところではしることができた。単純なクライマーとしての枠に収まりたくない。ストラーデビアンケ2位に続く自信につながる成績で、これから気持ちを切り替えて夏のプジェクトに取り掛かりたい。
5位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
ツアー・オブ・アルプスの5日間の疲労がたまっていたものの、とても良い状態でレースに挑めていた。終盤にかけてペースが上がるエリミネーションレースで、サンニコラでアタックすることもできたし、最後は自分でも驚くほどのパフォーマンスだった。
7位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)
チームは常に固まって走れていたし、彼らのサポートは完璧だった。集団が割れた時、上手く反応して勝負に残ったけど、そこから一歩飛び出すことができなかった。最後はスプリントで7位。パフォーマンスにも結果にも満足しているので、ボーラ・ハンスグローエのメンバーとして走るグランツールが今から楽しみだ。
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ミッチェルトン・スコット)
先週と違って調子がスーパーとは言えない状態だったものの、終盤の勝負に残り、そこからジャック・ヘイグが超強力な走りでサポートしてくれた。作戦はジュリアン・アラフィリップとアレハンドロ・バルベルデをマークすること。その作戦に固執してしまったので、実際はもっと他のチームと攻撃を仕掛けるべきだった。
思うような結果ではなかったけど満足している。1週間で8位以上が3回。安定感ある結果を残すことができたし、明日からはステージレースに気持ちを切り替えるよ。
9位 セルジオルイス・エナオ(コロンビア、チームスカイ)
集団が分裂した際に良いポジションで走れていたけど、すべてのアタックに反応するのは不可能。表彰台や勝利を狙っていたものの、届かなかった。朗報は、ジロ・デ・イタリアに向けてコンディションの良さを確認できたこと。来週はリカバリーに励んで、精神的にも身体的にもジロに備えたい。
11位 イエール・ヴァネンデル(ベルギー、ロット・スーダル)
ティム・ウェレンスが調子が悪いと告げてきたので、今日は自分が終盤にアタックする役目を担った。そしてサンニコラでアタックしたんだ。先頭のユンゲルスとのタイム差が縮まったものの、上りで追いつかない限り、TTが得意な彼に追いつくことは不可能だった。
アルデンヌクラシックを通して調子が良く、フレーシュでは表彰台に上ったけど、最後のアンスの上りで力尽きてしまった。パフォーマンスには失望していないものの、結果には失望している。この脚の状態を考えればもっと上を狙えたはず。来年また挑戦するよ。
13位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
今日は全力を尽くした。暑さと湿度の影響だと思うけど、終盤にかけて脚が攣ってしまった。通常のペースで走る分には問題なかったけど、ペースが上がって全開で走るようなタイミングで思うようなパフォーマンスを発揮できなかった。100%の状態であればもっとも前でレースを展開できていたと思う。でも今日は選手の力が拮抗していたし、何回かアタックしたけど、ライバルたちを振り切れず、アンスの上りが始まった時点で表彰台のチャンスはないと思った。
アムステル5位でフレーシュ2位、そしてリエージュ13位。もちろん3勝を狙ったけど、そんな簡単なものじゃない。シーズンすでに9勝しており、前半戦の結果には満足している。今は身体が休養を求めていて、それに従ってしばらくレースを離れる。
メルクスの記録まで1勝に迫っているけど、正直言って、その数字には囚われていない。確かに重要な記録ではあるものの、簡単に勝てるクラシックレースなんてないんだ。
18位 ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)
チームは作戦を立て、それに沿ってレースを展開した。自分の調子も良かったし、チームメイトの働きに応えるべく何度もトライ。ライバルたちに出遅れないように、良いタイミングでアタックを繰り返したけど、完全に飛び出すことができなかった。
パンクは最悪のタイミング(残り8km)で起こったんだ。前輪が完全にぺちゃんこになって、もう信じられない気持ちだった。このリエージュに向けて積み重ねてきたトレーニングと好調さをツール・ド・ロマンディで発揮したい。
32位 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
バッドデーだった。ロッシュ・オ・フォーコンの前の時点で今日は100%ではないと分かった。1年前に亡くなった偉大なる親友ミケーレ・スカルポーニに勝利を捧げたいと思っていただけに残念だ。
text:Kei Tsuji
1位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
ラ・ルドゥットでチームがハードな展開に持ち込み、フィリップ(ジルベール)とラ・ロッシュ・オ・フォーコンで仕掛けた。頂上通過後に後続との距離が開いたのでルーラーとしての才能を活かすべく独走に持ち込んだ。誰も反応してついてこなかったことに驚きながら、「行け!行け!行け!」という無線の指示を受けて踏み始めた。
確かに早めの仕掛けただったけど、仮にスプリント勝負になったらアレハンドロ・バルベルデに歯が立たない。だから自分のTT能力を最大限生かしてフィニッシュまで逃げることにした。アンディ・シュレクのような偉大なチャンピオンと同じ勝ち方で勝ったことを誇りに思うよ。
これは世界で最も美しいワンデーレースであり、ルクセンブルクにも近く、家族やファンの前で勝利したことは一生忘れることがないだろう。この感覚を飲み込むにはあと数日かかりそうだ。クイックステップフロアーズは家族のようなもの。互いを信頼して、それぞれ自分の役割をこなし、チームとして勝つために走っている。その結果が出たんだ。
2位 マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
シーズン序盤は体調が優れずに低迷し、思うような成績を残せなかった。今日はスタートからずっと調子が良くて、久々にバイクレーサーとして勝負していると感じることができたよ。ボブ・ユンゲルスを(ラ・ロッシュ・オ・フォーコン通過後に)行かせてしまったのは自分に原因がある。背中ポケットのジェルに手を伸ばしているタイミングで、自分の前を走る彼が加速したんだ。そこから彼は予想を超える勇敢で強力なレースを展開した。
(残り3kmを切ってから)ロマン・バルデがアタックした時、これこそ飛びつくべき動きだと判断して追いついた。そこからフィニッシュまでは終始協力できていた。数日前に悪いニュースを受けた妻に良い成績をプレゼントしたくて、レース後すぐに電話したよ。彼女の気持ちを和らげ、決して良くないシーズン前半を送っていたチームに2位という成績をもたらすことができて満足している。
3位 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)
ボブ・ユンゲルスが勝利に値する走りをしたので、悔いはないし満足している。彼は強力で、どんな追走アタックも届かなかった。そして後ろではジュリアン・アラフィリップがすべてのアタックに飛びついていた。残り2.5km地点でマイケル・ウッズと抜け出してからは、表彰台に登るための戦いが始まった。彼は自分よりスプリント力があると思っていたし、3位という成績は自分の今の状態を考えるとベストな結果だと思う。
ラ・ロッシュ・オ・フォーコンのペースは強烈だったけど、いつもよりスマートに、そしてこのレースを楽しむことができた。このレースで勝てる能力があるのか自分ではわからない。でも楽しかったし、リスクも負いながら、勝利に近いところではしることができた。単純なクライマーとしての枠に収まりたくない。ストラーデビアンケ2位に続く自信につながる成績で、これから気持ちを切り替えて夏のプジェクトに取り掛かりたい。
5位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
ツアー・オブ・アルプスの5日間の疲労がたまっていたものの、とても良い状態でレースに挑めていた。終盤にかけてペースが上がるエリミネーションレースで、サンニコラでアタックすることもできたし、最後は自分でも驚くほどのパフォーマンスだった。
7位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)
チームは常に固まって走れていたし、彼らのサポートは完璧だった。集団が割れた時、上手く反応して勝負に残ったけど、そこから一歩飛び出すことができなかった。最後はスプリントで7位。パフォーマンスにも結果にも満足しているので、ボーラ・ハンスグローエのメンバーとして走るグランツールが今から楽しみだ。
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ミッチェルトン・スコット)
先週と違って調子がスーパーとは言えない状態だったものの、終盤の勝負に残り、そこからジャック・ヘイグが超強力な走りでサポートしてくれた。作戦はジュリアン・アラフィリップとアレハンドロ・バルベルデをマークすること。その作戦に固執してしまったので、実際はもっと他のチームと攻撃を仕掛けるべきだった。
思うような結果ではなかったけど満足している。1週間で8位以上が3回。安定感ある結果を残すことができたし、明日からはステージレースに気持ちを切り替えるよ。
9位 セルジオルイス・エナオ(コロンビア、チームスカイ)
集団が分裂した際に良いポジションで走れていたけど、すべてのアタックに反応するのは不可能。表彰台や勝利を狙っていたものの、届かなかった。朗報は、ジロ・デ・イタリアに向けてコンディションの良さを確認できたこと。来週はリカバリーに励んで、精神的にも身体的にもジロに備えたい。
11位 イエール・ヴァネンデル(ベルギー、ロット・スーダル)
ティム・ウェレンスが調子が悪いと告げてきたので、今日は自分が終盤にアタックする役目を担った。そしてサンニコラでアタックしたんだ。先頭のユンゲルスとのタイム差が縮まったものの、上りで追いつかない限り、TTが得意な彼に追いつくことは不可能だった。
アルデンヌクラシックを通して調子が良く、フレーシュでは表彰台に上ったけど、最後のアンスの上りで力尽きてしまった。パフォーマンスには失望していないものの、結果には失望している。この脚の状態を考えればもっと上を狙えたはず。来年また挑戦するよ。
13位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
今日は全力を尽くした。暑さと湿度の影響だと思うけど、終盤にかけて脚が攣ってしまった。通常のペースで走る分には問題なかったけど、ペースが上がって全開で走るようなタイミングで思うようなパフォーマンスを発揮できなかった。100%の状態であればもっとも前でレースを展開できていたと思う。でも今日は選手の力が拮抗していたし、何回かアタックしたけど、ライバルたちを振り切れず、アンスの上りが始まった時点で表彰台のチャンスはないと思った。
アムステル5位でフレーシュ2位、そしてリエージュ13位。もちろん3勝を狙ったけど、そんな簡単なものじゃない。シーズンすでに9勝しており、前半戦の結果には満足している。今は身体が休養を求めていて、それに従ってしばらくレースを離れる。
メルクスの記録まで1勝に迫っているけど、正直言って、その数字には囚われていない。確かに重要な記録ではあるものの、簡単に勝てるクラシックレースなんてないんだ。
18位 ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)
チームは作戦を立て、それに沿ってレースを展開した。自分の調子も良かったし、チームメイトの働きに応えるべく何度もトライ。ライバルたちに出遅れないように、良いタイミングでアタックを繰り返したけど、完全に飛び出すことができなかった。
パンクは最悪のタイミング(残り8km)で起こったんだ。前輪が完全にぺちゃんこになって、もう信じられない気持ちだった。このリエージュに向けて積み重ねてきたトレーニングと好調さをツール・ド・ロマンディで発揮したい。
32位 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
バッドデーだった。ロッシュ・オ・フォーコンの前の時点で今日は100%ではないと分かった。1年前に亡くなった偉大なる親友ミケーレ・スカルポーニに勝利を捧げたいと思っていただけに残念だ。
text:Kei Tsuji
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