2018/01/29(月) - 12:43
世界選手権1週間前。オランダはホーヘルハイデで開催されたシクロクロスW杯最終戦で、マテュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)が圧勝。日本人選手の結果と併せてレポートする。
アルカンシエル着用者を決める世界選手権まで残すところ1週間。各選手が仕上がり具合を確認するUCIシクロクロスワールドカップ最終戦がオランダの沿岸都市ホーヘルハイデにて開催された。
2014年に世界選手権が開催された名物コースは、林の中の小さな丘陵地と平地を組み合わせたもの。アップダウンを多く含み、スタート直後のフライオーバーや、高低差のあるキャンバー下りなどが新設され、例年よりも難易度を増した設定だ。総勢7名で臨む日本チームをはじめ、世界選手権出場を控えた選手たちが顔を揃えた。
全日本王者の小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)と竹之内悠(東洋フレーム)が出場した男子エリートレースでは、ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア)やマテュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)がスタートダッシュで先行。第1コーナー直後のフライオーバーでは案の定大渋滞が発生し、後方スタートの小坂と竹之内は苦しい展開を強いられた。
先頭では「身体の掛かりが良かったのでプッシュした」と言うW杯ランキングリーダーのファンデルポールが1周目から加速した。ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)が後方に埋もれる中、ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス)が食い下がったものの、ファンデルポールは徐々に独走態勢を築き上げていく。
ベルギー・オランダ勢が上位を占有する中、全米王者のスティーヴン・ハイド(アメリカ、キャノンデールp/bシクロクロスワールド.com)や、来日経験のあるスティーブ・シェネル(フランス、チームシャザル・キャニオン)やジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア、イタリアナショナルチーム)らは10番台で滑り出す。しかしベルトリーニはシケインのバニーホップで激しくクラッシュし順位を下げてしまった。
ファンアールトは2周目に単独2番手に上がり、10秒先のファンデルポールを目掛けて追走を開始する。「スタートは全くダメだったけれど、少し経つと脚が回るようになった」と振り返る世界王者だったが、5周目突入時のタイム差は17秒、6周目突入時には23秒と両者の距離は僅かに離れていく。
その後方ではマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ビンゴール)がスウィークを捉えて激しい3位争いを展開。ファンアールトは全10周回中の9周目、遂にファンデルポールとの差を詰めに掛かったものの、残り1周で15秒の差を削り取るには至らなかった。
危なげなく独走を守りきったファンデルポールは、今季の勝ち星を26に伸ばす鮮やかな勝利。今季ワールドカップ9戦中7勝を挙げ、ポイントランキングでも文句なしの総合優勝を確定させた。「独走に持ち込んでから、ワウトとのタイム差は15秒から動かなかった。より速くは走れなかったし、ワウトももっと速く走れたとは思わない。だからこそミスしないことが重要と考えていた。来週に向けて必要以上にプレッシャーを感じていないし、この1週間でインターバルトレーニングを積んで良い状態で臨みたい」と世界選手権に向けてコメントしている。
再び2位に甘んじたファンアールトだが、後半の走りには満足している様子だ。「マテューにずっとプレッシャーを掛け続けられたので自分としては良い走りだった。フィニッシュが近づくにつれて踏めるようになっていたし、彼との差を縮められたと思う」とレースを振り返った。
このレースで竹之内は55位、小坂は59位で完走ならず。小坂は「昨日のレースのおかげで感覚も戻ってきて自分の力は出せたと思いますが、世界のトップとの差は昨年以上に開いていました」と自身のブログでコメントしている。
そして世界王者のサンヌ・カント(ベルギー、IKO・ベオバンク)が優勝した女子エリートで、全日本王者の今井美穂(CO2Bicycles)は途中足切りの52位。途中3位争いを展開していた元世界王者のポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、キャニオン・スラム)とMTBクロスカントリーの現世界王者ヨランダ・ネフ(スイス、クロスレーシング)がキャンバーで激しくクラッシュしてDNFしたものの、幸い骨折など大きな怪我はなかった。
また、男子U23の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)は、W杯リーダートーマス・ピッドコック(イギリス、テレネット・フィデア)のスタート時落車に巻き込まれたことが響き49位、男子ジュニアの村上功太郎(松山工業高校)はトップと同一周回の38位で完走し、スタートダッシュ中に落車し負傷した積田連(Team CHAINRING)は再スタートを切ったもののDNFとなった。
アルカンシエル着用者を決める世界選手権まで残すところ1週間。各選手が仕上がり具合を確認するUCIシクロクロスワールドカップ最終戦がオランダの沿岸都市ホーヘルハイデにて開催された。
2014年に世界選手権が開催された名物コースは、林の中の小さな丘陵地と平地を組み合わせたもの。アップダウンを多く含み、スタート直後のフライオーバーや、高低差のあるキャンバー下りなどが新設され、例年よりも難易度を増した設定だ。総勢7名で臨む日本チームをはじめ、世界選手権出場を控えた選手たちが顔を揃えた。
全日本王者の小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)と竹之内悠(東洋フレーム)が出場した男子エリートレースでは、ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア)やマテュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)がスタートダッシュで先行。第1コーナー直後のフライオーバーでは案の定大渋滞が発生し、後方スタートの小坂と竹之内は苦しい展開を強いられた。
先頭では「身体の掛かりが良かったのでプッシュした」と言うW杯ランキングリーダーのファンデルポールが1周目から加速した。ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)が後方に埋もれる中、ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス)が食い下がったものの、ファンデルポールは徐々に独走態勢を築き上げていく。
ベルギー・オランダ勢が上位を占有する中、全米王者のスティーヴン・ハイド(アメリカ、キャノンデールp/bシクロクロスワールド.com)や、来日経験のあるスティーブ・シェネル(フランス、チームシャザル・キャニオン)やジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア、イタリアナショナルチーム)らは10番台で滑り出す。しかしベルトリーニはシケインのバニーホップで激しくクラッシュし順位を下げてしまった。
ファンアールトは2周目に単独2番手に上がり、10秒先のファンデルポールを目掛けて追走を開始する。「スタートは全くダメだったけれど、少し経つと脚が回るようになった」と振り返る世界王者だったが、5周目突入時のタイム差は17秒、6周目突入時には23秒と両者の距離は僅かに離れていく。
その後方ではマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ビンゴール)がスウィークを捉えて激しい3位争いを展開。ファンアールトは全10周回中の9周目、遂にファンデルポールとの差を詰めに掛かったものの、残り1周で15秒の差を削り取るには至らなかった。
危なげなく独走を守りきったファンデルポールは、今季の勝ち星を26に伸ばす鮮やかな勝利。今季ワールドカップ9戦中7勝を挙げ、ポイントランキングでも文句なしの総合優勝を確定させた。「独走に持ち込んでから、ワウトとのタイム差は15秒から動かなかった。より速くは走れなかったし、ワウトももっと速く走れたとは思わない。だからこそミスしないことが重要と考えていた。来週に向けて必要以上にプレッシャーを感じていないし、この1週間でインターバルトレーニングを積んで良い状態で臨みたい」と世界選手権に向けてコメントしている。
再び2位に甘んじたファンアールトだが、後半の走りには満足している様子だ。「マテューにずっとプレッシャーを掛け続けられたので自分としては良い走りだった。フィニッシュが近づくにつれて踏めるようになっていたし、彼との差を縮められたと思う」とレースを振り返った。
このレースで竹之内は55位、小坂は59位で完走ならず。小坂は「昨日のレースのおかげで感覚も戻ってきて自分の力は出せたと思いますが、世界のトップとの差は昨年以上に開いていました」と自身のブログでコメントしている。
そして世界王者のサンヌ・カント(ベルギー、IKO・ベオバンク)が優勝した女子エリートで、全日本王者の今井美穂(CO2Bicycles)は途中足切りの52位。途中3位争いを展開していた元世界王者のポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、キャニオン・スラム)とMTBクロスカントリーの現世界王者ヨランダ・ネフ(スイス、クロスレーシング)がキャンバーで激しくクラッシュしてDNFしたものの、幸い骨折など大きな怪我はなかった。
また、男子U23の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)は、W杯リーダートーマス・ピッドコック(イギリス、テレネット・フィデア)のスタート時落車に巻き込まれたことが響き49位、男子ジュニアの村上功太郎(松山工業高校)はトップと同一周回の38位で完走し、スタートダッシュ中に落車し負傷した積田連(Team CHAINRING)は再スタートを切ったもののDNFとなった。
男子エリート結果
1位 | マテュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) | 1h05’54” |
2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) | +08” |
3位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ビンゴール) | +1’41” |
4位 | ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラ・サーカス) | +1’58” |
5位 | ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ビンゴール) | +2’22” |
6位 | ティム・メルリエ(オランダ、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) | +2’24” |
7位 | トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) | +2’27” |
8位 | デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス) | +2’50” |
9位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア) | +3’02” |
10位 | ミカエル・ボロシュ(チェコ、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス) | +3’14” |
55位 | 竹之内悠(東洋フレーム) | Lap |
59位 | 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム) | Lap |
女子エリート結果
1位 | サンヌ・カント(ベルギー、IKO・ベオバンク) | 47’31” |
2位 | エヴァ・リヒナー(イタリア、クリフプロチーム) | +10” |
3位 | イヴィ・リチャーズ(イギリス、トレックファクトリーレーシング) | +19” |
52位 | 今井美穂(CO2Bicycles) | Lap |
男子U23結果
1位 | エリ・イゼルビッド(ベルギー、マーラックス・ビンゴール) | 48’48” |
2位 | トーマス・ピッドコック(イギリス、テレネット・フィデア) | +25” |
3位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、チームサンウェブ) | +52” |
49位 | 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) | Lap |
男子ジュニア結果
1位 | ニールス・ファンデプッテ(ベルギー) | 43’25” |
2位 | ヤルノ・ベレンス(ベルギー) | +16” |
3位 | メース・ヘンドリクス(オランダ) | +27” |
38位 | 村上功太郎(松山工業高校) | +3’54” |
DNF | 積田連(Team CHAINRING) |
text:So.Isobe
photo:CorVos,Nobuhiko.Tanabe
photo:CorVos,Nobuhiko.Tanabe
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