2010/01/22(金) - 18:53
強風が吹き付けたツアー・ダウンアンダー第4ステージは、ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)が終盤にアタックを仕掛ける白熱の展開。最後はスプリント勝負に持ち込まれ、コロンビアトレインに発射されたアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)が3勝目を飾った。
アデレード近郊のノーウッドをスタートし、内陸部の山岳地帯を抜けてインド洋に面したゴールワにゴールする第4ステージ。距離は今大会最長の149.5kmで、平野部を駆け抜ける後半部はほぼ真っ平ら。インド洋から吹き付ける風が選手たちを襲った。
雨のパラつくノーウッドをスタート後、すぐにアタックを仕掛けたのはヨナタン・カストロビエホ(スペイン、エウスカルテル)。しばらくアタック合戦が続き、7名が飛び出すとメイン集団は沈静化した。
逃げを試みたのは、山岳賞ジャージを着るローレッガー(チームミルラム)、クレメント(ラボバンク)、ケンプ(チームUniSA)、ラヴァール(アージェードゥーゼル)、フライ(BMCレーシングチーム)、ミンゲス(エウスカルテル)、そしてファーストアタックを仕掛けたカストロビエホ。
26km地点に設定されたKOM(山岳ポイント)で飛び出したのはもちろんローレッガー。純白の山岳賞ジャージを着るローレッガーは観客が詰めかけた上り頂上を先頭で通過し、16ポイントを加算して山岳賞トップをキープ。2位通過したケンプが14ポイント差でローレッガーを追う展開に。
メイン集団はリーダージャージ擁するチームHTC・コロンビアが完全に支配し、逃げグループとのタイム差を2分前後に抑え込みながらレース後半へ。強風吹き付ける平野部に差し掛かると、チームHTC・コロンビアに代わってカチューシャやレディオシャックが集団コントロールを担った。
やがて逃げグループはケンプ、クレメント、カストロビエホの3名に縮小。しかし3名では大集団に太刀打ち出来ず、向かい風区間のラスト13km地点で集団に飲み込まれた。
集団前方で人数を揃えたのはレディオシャック。ここから飛び出したのは、何とランス・アームストロング(アメリカ)とトーマス・ヴァイクス(リトアニア)のレディオシャックコンビ。協力して先頭交代した2人は、向かい風&横風区間で23秒のリードを築いた。
しかしさすがのアームストロングの力を持ってしてもスプリンターチームには敵わない。強風の影響で50名ほどに縮小したメイン集団は、ラスト3kmでアームストロングとヴァイクスをキャッチ。ここからコロンビアトレインが発進した。
ライバルチームの攻勢にも動じず、コロンビアトレインは牽引車を切り離しながらハイスピードで集団をリード。一直線の最終ストレート、ラスト150m、最終発射台マシュー・ゴス(オーストラリア)の後ろからスプリントを開始したグライペルは、誰にも先頭を譲らずゴールに飛び込んだ。
キャンサー・カウンシル・ヘルプライン・クラシックではチームスカイに敗れはしたものの、グライペルはツアー・ダウンアンダー本戦でスプリント3戦全勝。初出場した2008年大会から数えると、出場した13ステージ中8勝目だ。
「今日もチームHTC・コロンビアは一日中ずっとレースをコントロールしていた。この勝利はチームワークの賜物だ」。リーダージャージを着てハットトリックを達成したグライペルは語る。
「力を温存するために、そして他のチームに力を使わせるために、ラスト50kmで一旦集団の中程に下がったんだ。レディオシャックが動きを見せたからラスト10kmで集団前方に戻って逃げを吸収。それからゴールまではずっとチームHTC・コロンビアがリードしていたよ。チームメイトは完璧なリードアウトを見せてくれた。マシュー・ゴスのような選手が味方についている限り、誰も前に出ることは出来ない」
ボーナスタイムを10秒加算して、ライバルたちとの総合タイム差を20秒まで広げたグライペル。2度目の総合優勝を狙うドイツ生まれのピュアスプリンターの前には、ウィランガ・ヒル(第5ステージ)が立ちはだかるが「チームの調子は良い。明日は厳しい闘いが予想されるけど、チームメイトの力を借りて上りを攻略してみせる。先頭グループでゴールしたい」と自信を見せている。
強風区間で攻撃を仕掛けたアームストロングは17秒遅れでゴール。総合4位につけていたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)も同グループ内でゴールし、総合順位を下げている。
ステージダイジェストムービー
ツアー・ダウンアンダー2010第4ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)3h30'29"
2位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)
3位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
4位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、レディオシャック)
5位 マヌエル・カルドソ(ポルトガル、フットオン・セルヴェット)
6位 ジュリアン・ディーン(ニュージーランド、ガーミン・スリップストリーム)
7位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
8位 マシュー・ゴス(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)
9位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、チームミルラム)
10位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フランセーズデジュー)
個人総合成績
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)13h23'57"
2位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)+20"
3位 グレゴリー・ヘンダーソン(イギリス、チームスカイ)+24"
4位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、レディオシャック)
5位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)+26"
6位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
7位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
8位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)+29"
9位 ロバート・ハンター(南アフリカ、ガーミン・トランジションズ)+30"
10位 バーデン・クック(オーストラリア、サクソバンク)
スプリント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)
山岳賞
トーマス・ローレッガー(ドイツ、チームミルラム)
新人賞
ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
チーム総合成績
アージェードゥーゼル
text:Kei Tsuji
photo:Kei Tsuji, Cor Vos
アデレード近郊のノーウッドをスタートし、内陸部の山岳地帯を抜けてインド洋に面したゴールワにゴールする第4ステージ。距離は今大会最長の149.5kmで、平野部を駆け抜ける後半部はほぼ真っ平ら。インド洋から吹き付ける風が選手たちを襲った。
雨のパラつくノーウッドをスタート後、すぐにアタックを仕掛けたのはヨナタン・カストロビエホ(スペイン、エウスカルテル)。しばらくアタック合戦が続き、7名が飛び出すとメイン集団は沈静化した。
逃げを試みたのは、山岳賞ジャージを着るローレッガー(チームミルラム)、クレメント(ラボバンク)、ケンプ(チームUniSA)、ラヴァール(アージェードゥーゼル)、フライ(BMCレーシングチーム)、ミンゲス(エウスカルテル)、そしてファーストアタックを仕掛けたカストロビエホ。
26km地点に設定されたKOM(山岳ポイント)で飛び出したのはもちろんローレッガー。純白の山岳賞ジャージを着るローレッガーは観客が詰めかけた上り頂上を先頭で通過し、16ポイントを加算して山岳賞トップをキープ。2位通過したケンプが14ポイント差でローレッガーを追う展開に。
メイン集団はリーダージャージ擁するチームHTC・コロンビアが完全に支配し、逃げグループとのタイム差を2分前後に抑え込みながらレース後半へ。強風吹き付ける平野部に差し掛かると、チームHTC・コロンビアに代わってカチューシャやレディオシャックが集団コントロールを担った。
やがて逃げグループはケンプ、クレメント、カストロビエホの3名に縮小。しかし3名では大集団に太刀打ち出来ず、向かい風区間のラスト13km地点で集団に飲み込まれた。
集団前方で人数を揃えたのはレディオシャック。ここから飛び出したのは、何とランス・アームストロング(アメリカ)とトーマス・ヴァイクス(リトアニア)のレディオシャックコンビ。協力して先頭交代した2人は、向かい風&横風区間で23秒のリードを築いた。
しかしさすがのアームストロングの力を持ってしてもスプリンターチームには敵わない。強風の影響で50名ほどに縮小したメイン集団は、ラスト3kmでアームストロングとヴァイクスをキャッチ。ここからコロンビアトレインが発進した。
ライバルチームの攻勢にも動じず、コロンビアトレインは牽引車を切り離しながらハイスピードで集団をリード。一直線の最終ストレート、ラスト150m、最終発射台マシュー・ゴス(オーストラリア)の後ろからスプリントを開始したグライペルは、誰にも先頭を譲らずゴールに飛び込んだ。
キャンサー・カウンシル・ヘルプライン・クラシックではチームスカイに敗れはしたものの、グライペルはツアー・ダウンアンダー本戦でスプリント3戦全勝。初出場した2008年大会から数えると、出場した13ステージ中8勝目だ。
「今日もチームHTC・コロンビアは一日中ずっとレースをコントロールしていた。この勝利はチームワークの賜物だ」。リーダージャージを着てハットトリックを達成したグライペルは語る。
「力を温存するために、そして他のチームに力を使わせるために、ラスト50kmで一旦集団の中程に下がったんだ。レディオシャックが動きを見せたからラスト10kmで集団前方に戻って逃げを吸収。それからゴールまではずっとチームHTC・コロンビアがリードしていたよ。チームメイトは完璧なリードアウトを見せてくれた。マシュー・ゴスのような選手が味方についている限り、誰も前に出ることは出来ない」
ボーナスタイムを10秒加算して、ライバルたちとの総合タイム差を20秒まで広げたグライペル。2度目の総合優勝を狙うドイツ生まれのピュアスプリンターの前には、ウィランガ・ヒル(第5ステージ)が立ちはだかるが「チームの調子は良い。明日は厳しい闘いが予想されるけど、チームメイトの力を借りて上りを攻略してみせる。先頭グループでゴールしたい」と自信を見せている。
強風区間で攻撃を仕掛けたアームストロングは17秒遅れでゴール。総合4位につけていたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)も同グループ内でゴールし、総合順位を下げている。
ステージダイジェストムービー
ツアー・ダウンアンダー2010第4ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)3h30'29"
2位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)
3位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
4位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、レディオシャック)
5位 マヌエル・カルドソ(ポルトガル、フットオン・セルヴェット)
6位 ジュリアン・ディーン(ニュージーランド、ガーミン・スリップストリーム)
7位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
8位 マシュー・ゴス(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)
9位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、チームミルラム)
10位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フランセーズデジュー)
個人総合成績
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)13h23'57"
2位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)+20"
3位 グレゴリー・ヘンダーソン(イギリス、チームスカイ)+24"
4位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、レディオシャック)
5位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)+26"
6位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
7位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
8位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)+29"
9位 ロバート・ハンター(南アフリカ、ガーミン・トランジションズ)+30"
10位 バーデン・クック(オーストラリア、サクソバンク)
スプリント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)
山岳賞
トーマス・ローレッガー(ドイツ、チームミルラム)
新人賞
ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
チーム総合成績
アージェードゥーゼル
text:Kei Tsuji
photo:Kei Tsuji, Cor Vos
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