2018/01/13(土) - 09:17
イタリアンバイクブランド、ウィリエールより軽量オールラウンダーZeroシリーズの末弟モデル「Zero.9 LTD」をインプレッション。上位グレードと同形状フレームを採用し、カーボン積層を変更することでミドルグレードながら高い剛性と耐久性を実現した日本限定発売のレーシングモデルを紹介しよう。
イタリアの商人ピエトロ・ダル・モリン氏が1906年に開始した自転車工房を起源とする老舗バイクブランド、ウィリエール。1945年にはイタリアの都市「トリエステ」の名を加えたウィリエール・トリエスティーナへと社名を変更するとともに、現代にも受け継がれる赤いハルベルト(鉾槍)のブランドマークを採用。1948年にはフィオレンツォ・マーニ(イタリア)によるジロ・デ・イタリア総合優勝を果たし、レーシングブランドとして一躍注目を集める存在となった。
長い歴史の中で数多くのプロチームをサポートし続け、近年で言えばUCIワールドチームのランプレや2016年にツアー・オブ・ジャパンで来日したユナイテッドヘルスケアも同社のバイクを使用してきた経歴を持つ。2018シーズンは引き続きフィリッポ・ポッツァート(イタリア)擁するウィリエール・トリエスティーナとともに、新たにフランス籍のUCIプロコンチネンタルチーム、ディレクトエネルジーもウィリエールのバイクを駆り世界のトップレースを戦う。
そんな同社のレーシングバイクにおいて、エアロロードの「Cento(チェント)」シリーズと双璧を成すのが軽量オールラウンドモデルの「Zero」シリーズである。2012年モデルから登場したZero.7(ゼロセッテ)より始まったシリーズで、翌年には下位グレードに当たるZero.9(ゼロノヴェ)が、2016年モデルではプレミアムグレードとなるZero.6(ゼロセーイ)がデビューし、今までに3モデルをラインアップしてきた。
険しい山岳コースを含むグランツールで戦うバイクとして生み出された同シリーズは、高い軽量性が持ち前のバイク。いずれも”Zero.”のモデル名が示す通り、0.7、0.9、0.6kg台の重量に収まったフレームとして仕上がるのが特長だ。そんな中、2016年モデル以降ラインアップより姿を消していた末弟モデル「Zero.9」が、装いを新たにし日本限定で復活を果たした。
極太のチュービングと滑らかな曲線を多用した前作からはフレーム形状を一新。現行のZero.7と同一の、細身でシンプルな軽量バイクらしいルックスを獲得している。その中でCentoシリーズで培ったエアロのテクノロジーも投入。ダウンチューブにはカムテール形状を取り入れつつ、ヘッドチューブからフォークにかけても繋がりのあるインテグレーテッドデザインとすることで空力性能も追求している。
フレームのメイン素材には上位グレードと同じ高弾性な60Tカーボンを採用する。その上でZero.7と比較して60Tカーボンの使用率を変更するとともに、各所のカーボンレイアップを調整することで、ミドルグレードながら高い剛性感と耐久性を実現。レーシングバイクらしい優れた走行性能を獲得している。
カーボン素材自体の製法にもこだわっており、炭素繊維を固める樹脂に超低密度ナノ粒子酸化亜鉛(ZnO)を混ぜ込む独自の技術を用いる。これにより強度低下の原因となる繊維同士の微小な間隙を埋め、フレーム全体で均一な品質を可能とし、優れた耐久性や軽量性、反応性をバイクにもたらしている。
また、フレームの成型にはLIT(Large Inflatable Tube)技術を活用。これはカーボンプリプレグを並べた後、ブラダと呼ばれる風船のように膨らむチューブによって内部から高圧で金型に押し付け成型するというもの。高品質なカーボンリムで有名なエンヴィも用いる技術であり、隙間なく密に素材同士を結合させることで高い精度や強度を実現している。加えてフレーム内部も平滑に仕上がり、余計なバリが発生しない高品質な製造を可能としている。
その他、上下異径のヘッドチューブがフロント周りの剛性を高め、ストレート形状のフォークとともに機敏なハンドリングを実現している他、ウィリエールのアイコンとも言える曲がりを入れたトップチューブと細身のシートステーにより振動吸収性も担保されている。シマノのプレスフィットBBや標準的な27.2mm径のシートポスト、電動コンポーネント対応フレームと、メンテナンスやアップグレードのしやすいスペックを有しているのもポイントだ。
販売はフレームセットとともにシマノコンポーネントにて組まれた各種完成車で行われる。今回はその中からアルテグラ仕様の完成車にてテストを行った。早速、インプレッションに移ろう。
― インプレッション
「見た目に反した硬い剛性感、大パワーを受け止める伸びのある走り」杉山友則(Bicicletta IL CUORE)
プロ選手がレースで使用するための剛性の塊のようなレーシングバイクです。特にフロント回りの剛性が高く、他社のハイエンドモデルに迫る剛性感を有していますね。よく理解して乗らないとハンドルを取られてしまうような印象すら受けます。そして推進力の要となるBB回りは多少のウィップ感はあるにしろ、芯のある太い硬さを感じます。
軽量ヒルクライムバイクに分類されるバイクですが、フレーム全体がしっかりと芯の詰まった剛性感を有しており、大きなパワーを掛けても力を逃がすこと無く、安定感のある伸びを見せてくれます。細身のルックスではありますが、パワー系のライダーにもマッチしそうですね。だからといってフレームが重いというわけではなく、登りでも軽快に進んでくれるのが特徴的です。
硬めの剛性感ですので、登りに関してはギアを掛けて踏んでいくよりは、軽いギアをハイケイデンスで回していく方が合っています。その上で勝負所ではギアを足してパワーで踏んでいけば、しっかりと応えてくれますので、それこそライバルと競り合ってレースをするためのロードバイクですね。自転車レースが文化として息づいているイタリアならではの設計思想を感じます。
ハンドリングはレーシングバイクらしくクイックな操舵感で、ハンドルに力を入力すると直ぐに反応してくれます。細身のストレートフォークの特性がしっかり出ている結果でしょうね。同時に直進安定性も優れていますので、手放ししても真っ直ぐ進もうとする感覚が強いですね。ただ基本的にはレーシーなハンドリングですので、始めの内は扱いに慣れが必要かもしれません。
全体的についつい踏みたくなる剛性感ですので、レースを走るぞという気持ちにさせてくれるバイクです。もちろん軽いギアで回していってもそれなりに走ってくれる懐の広さを持ち合わせていますが、あくまでも真価を発揮するのは大きなギアを踏んでいった時の加速感ですね。前半は無駄な所で脚を使わないように貯めておいて、ここ1番の勝負所でアタックをするといった展開に最適です。
これほどの性能を有していながら完成車パッケージで40万円を切るプライスはお買い得だと思います。レースを真剣にやりたい人にとっては最適な価格帯だと思いますし、ミドルグレードながら1000gを切った軽いフレーム重量もあり、トップグレードに手を出さなくても十分に戦っていけるバイクとなってくれることと思います。
「リニアな加速感が楽しめるオールラウンドなレーシングバイク」辻本尚希(L-Breath Bike)
このバイクはギアを掛けて踏み込んだ時の力の掛かり方がダイレクトで、優れた反応性を持つバイクですね。踏み初めからトップスピードに至るまでの時間が非常に短く、リニアな加速感を感じることできます。その上バイク自体も非常に軽量に仕上がっていますので、ヒルクライムでタイムを狙ったり、レースの最後にスプリントをかけたりといったレーシング系のライダーには最適な乗り味になっています。
ギアを掛けてハイトルクで踏む場合とギアを軽くしてハイケイデンスで回す乗り方を比べてみたのですが、どちらの踏み方でも許容してくれる懐の広さを感じます。体重が軽い方やパワーが少ない方でもケイデンス高めで回せばスイスイ登ってくれますし、前荷重で踏み込んでいっても後輪がしっかり追従するように反応してくれます。
そういった反応性を有しながらも硬さはあまり感じませんでした。スプリントでバイクを振っても左右でカッチリ止まってしまうのではなく、適度にいなしてくれる感覚があるため、脚に疲労を貯めすぎるということがありません。長距離にも対応してくれる乗り味で、レースからロングライドまでオールラウンドに使うことができるでしょう。
ハンドリングはレーシングバイクらしくクイックですね。鋭角にコーナーを攻めることが出来ますので、しっかりレースに対応します。この鋭いハンドリングを活かしてクリテリウムに使用しても良いでしょう。鋭角にコーナーに侵入し立ち上がりでギアを足しながら踏んでいくと、気持ちよく加速していきます。
レース機材として十分使える性能を有していますので、軽量ホイールをアセンブルして重量を突き詰めればヒルクライムバイクとして戦える軽量バイクになりますし、逆にハイトの高いディープリムホイールを組み合わせれば平坦巡航のし易いバイクにも仕上がるでしょう。高いレベルで様々な乗り方をすることが出来るバイクですから、ライダーの意図に応じて思い通りのバイクになってくれると思います。これで40万円を切るのは魅力的ですね。
ラインアップ的にもトップモデルというわけではないですが、今より一段上のレベルで走りたい方にはその入口となるようなグレードのロードバイクだと思います。軽量クライミングバイクという枠に囚われない楽しみ方ができる性能を有していますし、ホイールを変えるだけでも様々なスタイルに変貌してくれると思います。
ウィリエール Zero.9 LTD
フレーム:60Tカーボン、機械式/電動式兼用
カラー:ブルー、ホワイト、マットブラック
サイズ:XS、S、M、L
価 格:フレームセット 300,000円(税抜)
デュラエース WH-RS11仕様 500,000円(税抜)
アルテグラ WH-RS11仕様 385,000円(税抜)
105 WH-RS10仕様 340,000円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
杉山友則(Bicicletta IL CUORE)
東京都台東区のBicicletta IL CUORE 下谷本店店長。ダミアーノ・クネゴがジュニアチャンピオンだったころからクネゴのファンだという、自他ともに認めるミーハー系自転車乗り。グエルチョッティやコルナゴ、ルックなどヨーロピアンブランドへの造詣が深い。ショップ店長としては、ユーザーがサイクルライフを楽しめる遊び方の提案を心がけている。
CWレコメンドショップページ
Bicicletta IL CUORE ショップHP
辻本尚希(L-Breath Bike)
管洋介氏率いるAVENTURA AIKOH VICTORIA RACINGのエースライダーとしてロード競技を続けつつ、普段はL-Breath Bike 御茶ノ水店のスタッフとして働く。順天堂大学時代は自転車競技部の主将を務めるとともに、2013年の学生選手権個人ロードチャンピオンにも輝く。現在はアスリート社員として自転車のソフト面の強化に力を入れており、チームやショップが行うスクールの企画・運営・講師も務める。
CWレコメンドショップページ
L-Breath BIKE 御茶ノ水店 ショップHP
ウェア協力:ルコック
ヘルメット協力:ベル、スミス
text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
イタリアの商人ピエトロ・ダル・モリン氏が1906年に開始した自転車工房を起源とする老舗バイクブランド、ウィリエール。1945年にはイタリアの都市「トリエステ」の名を加えたウィリエール・トリエスティーナへと社名を変更するとともに、現代にも受け継がれる赤いハルベルト(鉾槍)のブランドマークを採用。1948年にはフィオレンツォ・マーニ(イタリア)によるジロ・デ・イタリア総合優勝を果たし、レーシングブランドとして一躍注目を集める存在となった。
長い歴史の中で数多くのプロチームをサポートし続け、近年で言えばUCIワールドチームのランプレや2016年にツアー・オブ・ジャパンで来日したユナイテッドヘルスケアも同社のバイクを使用してきた経歴を持つ。2018シーズンは引き続きフィリッポ・ポッツァート(イタリア)擁するウィリエール・トリエスティーナとともに、新たにフランス籍のUCIプロコンチネンタルチーム、ディレクトエネルジーもウィリエールのバイクを駆り世界のトップレースを戦う。
そんな同社のレーシングバイクにおいて、エアロロードの「Cento(チェント)」シリーズと双璧を成すのが軽量オールラウンドモデルの「Zero」シリーズである。2012年モデルから登場したZero.7(ゼロセッテ)より始まったシリーズで、翌年には下位グレードに当たるZero.9(ゼロノヴェ)が、2016年モデルではプレミアムグレードとなるZero.6(ゼロセーイ)がデビューし、今までに3モデルをラインアップしてきた。
険しい山岳コースを含むグランツールで戦うバイクとして生み出された同シリーズは、高い軽量性が持ち前のバイク。いずれも”Zero.”のモデル名が示す通り、0.7、0.9、0.6kg台の重量に収まったフレームとして仕上がるのが特長だ。そんな中、2016年モデル以降ラインアップより姿を消していた末弟モデル「Zero.9」が、装いを新たにし日本限定で復活を果たした。
極太のチュービングと滑らかな曲線を多用した前作からはフレーム形状を一新。現行のZero.7と同一の、細身でシンプルな軽量バイクらしいルックスを獲得している。その中でCentoシリーズで培ったエアロのテクノロジーも投入。ダウンチューブにはカムテール形状を取り入れつつ、ヘッドチューブからフォークにかけても繋がりのあるインテグレーテッドデザインとすることで空力性能も追求している。
フレームのメイン素材には上位グレードと同じ高弾性な60Tカーボンを採用する。その上でZero.7と比較して60Tカーボンの使用率を変更するとともに、各所のカーボンレイアップを調整することで、ミドルグレードながら高い剛性感と耐久性を実現。レーシングバイクらしい優れた走行性能を獲得している。
カーボン素材自体の製法にもこだわっており、炭素繊維を固める樹脂に超低密度ナノ粒子酸化亜鉛(ZnO)を混ぜ込む独自の技術を用いる。これにより強度低下の原因となる繊維同士の微小な間隙を埋め、フレーム全体で均一な品質を可能とし、優れた耐久性や軽量性、反応性をバイクにもたらしている。
また、フレームの成型にはLIT(Large Inflatable Tube)技術を活用。これはカーボンプリプレグを並べた後、ブラダと呼ばれる風船のように膨らむチューブによって内部から高圧で金型に押し付け成型するというもの。高品質なカーボンリムで有名なエンヴィも用いる技術であり、隙間なく密に素材同士を結合させることで高い精度や強度を実現している。加えてフレーム内部も平滑に仕上がり、余計なバリが発生しない高品質な製造を可能としている。
その他、上下異径のヘッドチューブがフロント周りの剛性を高め、ストレート形状のフォークとともに機敏なハンドリングを実現している他、ウィリエールのアイコンとも言える曲がりを入れたトップチューブと細身のシートステーにより振動吸収性も担保されている。シマノのプレスフィットBBや標準的な27.2mm径のシートポスト、電動コンポーネント対応フレームと、メンテナンスやアップグレードのしやすいスペックを有しているのもポイントだ。
販売はフレームセットとともにシマノコンポーネントにて組まれた各種完成車で行われる。今回はその中からアルテグラ仕様の完成車にてテストを行った。早速、インプレッションに移ろう。
― インプレッション
「見た目に反した硬い剛性感、大パワーを受け止める伸びのある走り」杉山友則(Bicicletta IL CUORE)
プロ選手がレースで使用するための剛性の塊のようなレーシングバイクです。特にフロント回りの剛性が高く、他社のハイエンドモデルに迫る剛性感を有していますね。よく理解して乗らないとハンドルを取られてしまうような印象すら受けます。そして推進力の要となるBB回りは多少のウィップ感はあるにしろ、芯のある太い硬さを感じます。
軽量ヒルクライムバイクに分類されるバイクですが、フレーム全体がしっかりと芯の詰まった剛性感を有しており、大きなパワーを掛けても力を逃がすこと無く、安定感のある伸びを見せてくれます。細身のルックスではありますが、パワー系のライダーにもマッチしそうですね。だからといってフレームが重いというわけではなく、登りでも軽快に進んでくれるのが特徴的です。
硬めの剛性感ですので、登りに関してはギアを掛けて踏んでいくよりは、軽いギアをハイケイデンスで回していく方が合っています。その上で勝負所ではギアを足してパワーで踏んでいけば、しっかりと応えてくれますので、それこそライバルと競り合ってレースをするためのロードバイクですね。自転車レースが文化として息づいているイタリアならではの設計思想を感じます。
ハンドリングはレーシングバイクらしくクイックな操舵感で、ハンドルに力を入力すると直ぐに反応してくれます。細身のストレートフォークの特性がしっかり出ている結果でしょうね。同時に直進安定性も優れていますので、手放ししても真っ直ぐ進もうとする感覚が強いですね。ただ基本的にはレーシーなハンドリングですので、始めの内は扱いに慣れが必要かもしれません。
全体的についつい踏みたくなる剛性感ですので、レースを走るぞという気持ちにさせてくれるバイクです。もちろん軽いギアで回していってもそれなりに走ってくれる懐の広さを持ち合わせていますが、あくまでも真価を発揮するのは大きなギアを踏んでいった時の加速感ですね。前半は無駄な所で脚を使わないように貯めておいて、ここ1番の勝負所でアタックをするといった展開に最適です。
これほどの性能を有していながら完成車パッケージで40万円を切るプライスはお買い得だと思います。レースを真剣にやりたい人にとっては最適な価格帯だと思いますし、ミドルグレードながら1000gを切った軽いフレーム重量もあり、トップグレードに手を出さなくても十分に戦っていけるバイクとなってくれることと思います。
「リニアな加速感が楽しめるオールラウンドなレーシングバイク」辻本尚希(L-Breath Bike)
このバイクはギアを掛けて踏み込んだ時の力の掛かり方がダイレクトで、優れた反応性を持つバイクですね。踏み初めからトップスピードに至るまでの時間が非常に短く、リニアな加速感を感じることできます。その上バイク自体も非常に軽量に仕上がっていますので、ヒルクライムでタイムを狙ったり、レースの最後にスプリントをかけたりといったレーシング系のライダーには最適な乗り味になっています。
ギアを掛けてハイトルクで踏む場合とギアを軽くしてハイケイデンスで回す乗り方を比べてみたのですが、どちらの踏み方でも許容してくれる懐の広さを感じます。体重が軽い方やパワーが少ない方でもケイデンス高めで回せばスイスイ登ってくれますし、前荷重で踏み込んでいっても後輪がしっかり追従するように反応してくれます。
そういった反応性を有しながらも硬さはあまり感じませんでした。スプリントでバイクを振っても左右でカッチリ止まってしまうのではなく、適度にいなしてくれる感覚があるため、脚に疲労を貯めすぎるということがありません。長距離にも対応してくれる乗り味で、レースからロングライドまでオールラウンドに使うことができるでしょう。
ハンドリングはレーシングバイクらしくクイックですね。鋭角にコーナーを攻めることが出来ますので、しっかりレースに対応します。この鋭いハンドリングを活かしてクリテリウムに使用しても良いでしょう。鋭角にコーナーに侵入し立ち上がりでギアを足しながら踏んでいくと、気持ちよく加速していきます。
レース機材として十分使える性能を有していますので、軽量ホイールをアセンブルして重量を突き詰めればヒルクライムバイクとして戦える軽量バイクになりますし、逆にハイトの高いディープリムホイールを組み合わせれば平坦巡航のし易いバイクにも仕上がるでしょう。高いレベルで様々な乗り方をすることが出来るバイクですから、ライダーの意図に応じて思い通りのバイクになってくれると思います。これで40万円を切るのは魅力的ですね。
ラインアップ的にもトップモデルというわけではないですが、今より一段上のレベルで走りたい方にはその入口となるようなグレードのロードバイクだと思います。軽量クライミングバイクという枠に囚われない楽しみ方ができる性能を有していますし、ホイールを変えるだけでも様々なスタイルに変貌してくれると思います。
ウィリエール Zero.9 LTD
フレーム:60Tカーボン、機械式/電動式兼用
カラー:ブルー、ホワイト、マットブラック
サイズ:XS、S、M、L
価 格:フレームセット 300,000円(税抜)
デュラエース WH-RS11仕様 500,000円(税抜)
アルテグラ WH-RS11仕様 385,000円(税抜)
105 WH-RS10仕様 340,000円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
杉山友則(Bicicletta IL CUORE)
東京都台東区のBicicletta IL CUORE 下谷本店店長。ダミアーノ・クネゴがジュニアチャンピオンだったころからクネゴのファンだという、自他ともに認めるミーハー系自転車乗り。グエルチョッティやコルナゴ、ルックなどヨーロピアンブランドへの造詣が深い。ショップ店長としては、ユーザーがサイクルライフを楽しめる遊び方の提案を心がけている。
CWレコメンドショップページ
Bicicletta IL CUORE ショップHP
辻本尚希(L-Breath Bike)
管洋介氏率いるAVENTURA AIKOH VICTORIA RACINGのエースライダーとしてロード競技を続けつつ、普段はL-Breath Bike 御茶ノ水店のスタッフとして働く。順天堂大学時代は自転車競技部の主将を務めるとともに、2013年の学生選手権個人ロードチャンピオンにも輝く。現在はアスリート社員として自転車のソフト面の強化に力を入れており、チームやショップが行うスクールの企画・運営・講師も務める。
CWレコメンドショップページ
L-Breath BIKE 御茶ノ水店 ショップHP
ウェア協力:ルコック
ヘルメット協力:ベル、スミス
text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
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