ワールドカップとの連戦で行われた「フランドリアンクロス」で、前日2位に甘んじたマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が圧勝。ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)は2位に甘んじた。



圧倒的なペースで逃げ続けるマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)圧倒的なペースで逃げ続けるマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)
前日にドイツで開催されたUCIワールドカップを走り終えると、すぐさま各チームは陸路で500km以上離れたベルギー北部のハンメに移動。DVVフェルゼクリンゲン・トロフェー第3戦の「フランドリアンクロス」に多数のトップ選手たちが連戦した。

林の中の小刻みなアップダウンを縫うように繋ぐハンメのコース。その大部分は硬く締まった土と芝だが、要所要所には滑りやすい泥が残り、スピードはもとより、選手たちの技術が試されることとなる。

そんなリズミカルなコースでこの日最速だったのは、前日に追い上げ届かず2位に終わったマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)だった。ホールショットを奪ったローレンス・ウィーク(ベルギー、エラリアルエステート・サーカス)の後ろで様子を伺うと、テクニカルセクションに入る前にアタック。圧倒的なパワーで独走態勢を築くと、フィニッシュまで他の追随を許さなかった。

2位グループを率いるワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)2位グループを率いるワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) photo:CorVos
積極的な走りで3位に入ったマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)積極的な走りで3位に入ったマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) photo:CorVos追走したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)追走したワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) photo:CorVos


スウィークやマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス)が追走したものの、鮮やかな走りで飛ぶように走るファンデルポールとの差は開くばかり。前日に勝利したファンアールトの脚は重く、中盤になってようやく2番手に浮上した。

途中ネットに引っかかる落車をしながらも、圧倒的なペースで走りぬいたファンデルポールが今季DVVフェルゼクリンゲン・トロフェーで2勝目、今季通算勝利数を15まで伸ばした。

「序盤の落車を除けば、ほぼパーフェクトな走りができたので満足しているよ。(総合時間で争われる)シリーズランキング首位だけど、今までシリーズ優勝したことがないのでこのまま獲りたい」とファンデルポールは意欲を見せている。

圧勝したマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)圧勝したマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) photo:CorVos
2位に甘んじたファンアールトは「中盤にマテューとの距離を縮めたものの、序盤の時点で負け戦だった。ほとんどミスをしなかったけれど、それでも届かなかったのは単純に脚が重たかったから。前日の疲労をためてしまっていた」と振り返る。

ファンデルポールとファンアールトは過密なシクロクロスカレンダーを一時離脱し、温暖なスペインでのトレーニングキャンプに向かう。世界選手権でアルカンシエル奪還を狙うファンデルポールは「充電でリフレッシュすれば、今まで以上に良いレースができるはず」と語っている。

プレゼンターを務めたのはグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)プレゼンターを務めたのはグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) photo:CorVos
DVVフェルゼクリンゲン・トロフェー2017-2018第3戦
1位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) 56’08”
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) +33”
3位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) +47”
4位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +51”
5位 トム・メーウセン(ベルギー、ベオバンク・コレンドン) +57”
6位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ナポレオンゲームス) +1’052
7位 ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・フィデア) +1’15”
8位 ティム・メルリエ(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン) +1’26”
9位 イェンス・アダムス(ベルギー、パウエルスサウゼン・ファストフートサービス) +1’31”
10位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) +1’57”
text:So.Isobe
photo:CorVos