2017/11/20(月) - 08:56
11月18日と19日、オムニアムの全日本選手権が伊豆ベロドロームで開催された。男子は橋本英也(日本競輪学校)が優勝。女子は中村愛花(日本体育大学)が優勝した。
種目内容が変更になってから2回目のオムニアム全日本選手権。それまでは2日間かけて行われていたが、変更後は全4種目を1日で行う事になるため、今年は18日は女子、19日は男子と分けて行われた。オムニアムの種目の合間には、マスターズの全日本選手権と「ジャパン・パラサイクリングカップ」も併催された(マスターズとパラサイクリングカップは後日別記事でレポートする)。
3種目のリードを守った橋本英也が優勝
男子は前日に2組に分けてポイントレースで予選を行った。各組上位12人が決勝に進むが、マディソンの全日本チャンピオン一丸尚吾(ブリヂストンアンカー)や、大学選手権3位の徳田匠(鹿屋体育大学)、ツール・ド・北海道で活躍した草場啓吾(日本大学)らが決勝に進めず、オムニアムB(順位決定戦)に回る事に。
一方、3連覇がかかる小林泰正(日本競輪学校)や、この種目のリオデジャネイロオリンピック代表の窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)、2年ぶりに出場する橋本英也(日本競輪学校)、学生チャンピオンの中井唯晶(京都産業大学)らは順当に決勝に進んだ。
スクラッチ(40周・10km)
スタート直後からアタックがかかるが逃げは決まらず、集団が長く伸びたハイスピードな展開が続く。残り2周で今村駿介(中央大学)が仕掛けて逃げ切り1位。山下祥平(日本体育大学)、橋本英也(日本競輪学校)と続いた。
テンポレース(40周・10km)
1周目から安田京介と松下綾馬(京都産業大学)の2人が飛び出して逃げ、入れ替わりで大前翔(東京ヴェントス)が単独で逃げてポイントを獲得。中盤からは小林、近谷涼(ブリヂストンアンカー)、渡邊翔太郎(愛三工業レーシング)らと共に逃げた橋本が9点を獲得して1位。総合でも首位に立つ。
エリミネイション
学生チャンピオンの中井が1回目に除外(エリミネイト)される波乱が起きるが、その後は順当に進み、原田裕成(愛三工業レーシング)、近谷涼(ブリヂストンアンカー)、新村譲(CS Slinger)、窪木、橋本が残る。新村が除外され4人になったところで、近谷がアタックして奇襲に出る。この動きで窪木と原田が除外される一方、橋本は近谷を追いかけ、さらに抜き去って逃げきり勝ち。総合2位の今村に12点差をつけて総合首位を固めた。
ポイントレース(100周・25㎞)
首位の橋本は序盤にポイントを加算する一方、2位今村はポイントに絡めず。レース中盤、近谷、中井、小林、原田、松下、渡部将太(法政大学)の6人が逃げて集団をラップ(周回遅れ)する。これによりラップポイント20点を獲得した近谷が8点差の2位に浮上。しかし近谷は終盤にポイントを加算出来ない一方、橋本はポイントを加算。倍の点数となるゴールは2位で6点を加算し、15点差として総合優勝を決めた。
「中距離は自分を活かせる種目」優勝・橋本英也
「昨年は出場しなかったので、ルールが変わって初めての全日本オムニアムでした。得意種目とする中距離ばかりになったので走りやすかったし、自分に有利と感じました。
2年前は守りの走りをしてしまって勝てなかったので、今回は自分から動いて点数を取り、後ろを引き離すような走りをイメージして臨みました。3種目を終えて点差を開けたのは、その通りに出来たからだと思います。
今は競輪学校に在学中ですが、中距離は自分の長所を活かせる種目でもあるし、ケイリンだからと短距離に限定するのではなく、キャパシティーは広げていきたいです。世界に挑戦する機会をもらえるなら、上位に入れるように頑張りたいです」
「この種目で安定した力がついてきたと感じる」2位・近谷涼
「いつも守りに入ってしまう事が多いので、順位を維持するのではなく積極的に攻めて、あわよくば優勝もと考えていたところでうまく逃げに乗る事が出来てラップを取る事ができました。
今年2回目の2位に入れました。これまでオムニアムで表彰台に乗れた事が無かったので、この種目で安定した力がついてきたと感じています。でも1位にはなれなかったので、次は優勝出来るように頑張ります」
「3連覇の自信はあったが・・・」3位・小林泰正
「プレッシャーはありましたが、自信もありました。ですが、最初のスクラッチでつまづいてしまい、テンポで取り返したけれどエリミ(ネイション)を落とし、得意なポイントレースで逆転を狙いましたが、3位までしか手が届きませんでした。
優勝した(橋本)英也さんは、競輪学校でも一歩前を行かれているので、この大会で一矢報いたいと思っていましたが出来ませんでした。この悔しさはどこかで晴らしたいと思っています。目標は中距離も走れる競輪選手になって、競輪だけでなく自転車全体を盛り上げていきたいです」
種目内容が変更になってから2回目のオムニアム全日本選手権。それまでは2日間かけて行われていたが、変更後は全4種目を1日で行う事になるため、今年は18日は女子、19日は男子と分けて行われた。オムニアムの種目の合間には、マスターズの全日本選手権と「ジャパン・パラサイクリングカップ」も併催された(マスターズとパラサイクリングカップは後日別記事でレポートする)。
3種目のリードを守った橋本英也が優勝
男子は前日に2組に分けてポイントレースで予選を行った。各組上位12人が決勝に進むが、マディソンの全日本チャンピオン一丸尚吾(ブリヂストンアンカー)や、大学選手権3位の徳田匠(鹿屋体育大学)、ツール・ド・北海道で活躍した草場啓吾(日本大学)らが決勝に進めず、オムニアムB(順位決定戦)に回る事に。
一方、3連覇がかかる小林泰正(日本競輪学校)や、この種目のリオデジャネイロオリンピック代表の窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ)、2年ぶりに出場する橋本英也(日本競輪学校)、学生チャンピオンの中井唯晶(京都産業大学)らは順当に決勝に進んだ。
スクラッチ(40周・10km)
スタート直後からアタックがかかるが逃げは決まらず、集団が長く伸びたハイスピードな展開が続く。残り2周で今村駿介(中央大学)が仕掛けて逃げ切り1位。山下祥平(日本体育大学)、橋本英也(日本競輪学校)と続いた。
テンポレース(40周・10km)
1周目から安田京介と松下綾馬(京都産業大学)の2人が飛び出して逃げ、入れ替わりで大前翔(東京ヴェントス)が単独で逃げてポイントを獲得。中盤からは小林、近谷涼(ブリヂストンアンカー)、渡邊翔太郎(愛三工業レーシング)らと共に逃げた橋本が9点を獲得して1位。総合でも首位に立つ。
エリミネイション
学生チャンピオンの中井が1回目に除外(エリミネイト)される波乱が起きるが、その後は順当に進み、原田裕成(愛三工業レーシング)、近谷涼(ブリヂストンアンカー)、新村譲(CS Slinger)、窪木、橋本が残る。新村が除外され4人になったところで、近谷がアタックして奇襲に出る。この動きで窪木と原田が除外される一方、橋本は近谷を追いかけ、さらに抜き去って逃げきり勝ち。総合2位の今村に12点差をつけて総合首位を固めた。
ポイントレース(100周・25㎞)
首位の橋本は序盤にポイントを加算する一方、2位今村はポイントに絡めず。レース中盤、近谷、中井、小林、原田、松下、渡部将太(法政大学)の6人が逃げて集団をラップ(周回遅れ)する。これによりラップポイント20点を獲得した近谷が8点差の2位に浮上。しかし近谷は終盤にポイントを加算出来ない一方、橋本はポイントを加算。倍の点数となるゴールは2位で6点を加算し、15点差として総合優勝を決めた。
「中距離は自分を活かせる種目」優勝・橋本英也
「昨年は出場しなかったので、ルールが変わって初めての全日本オムニアムでした。得意種目とする中距離ばかりになったので走りやすかったし、自分に有利と感じました。
2年前は守りの走りをしてしまって勝てなかったので、今回は自分から動いて点数を取り、後ろを引き離すような走りをイメージして臨みました。3種目を終えて点差を開けたのは、その通りに出来たからだと思います。
今は競輪学校に在学中ですが、中距離は自分の長所を活かせる種目でもあるし、ケイリンだからと短距離に限定するのではなく、キャパシティーは広げていきたいです。世界に挑戦する機会をもらえるなら、上位に入れるように頑張りたいです」
「この種目で安定した力がついてきたと感じる」2位・近谷涼
「いつも守りに入ってしまう事が多いので、順位を維持するのではなく積極的に攻めて、あわよくば優勝もと考えていたところでうまく逃げに乗る事が出来てラップを取る事ができました。
今年2回目の2位に入れました。これまでオムニアムで表彰台に乗れた事が無かったので、この種目で安定した力がついてきたと感じています。でも1位にはなれなかったので、次は優勝出来るように頑張ります」
「3連覇の自信はあったが・・・」3位・小林泰正
「プレッシャーはありましたが、自信もありました。ですが、最初のスクラッチでつまづいてしまい、テンポで取り返したけれどエリミ(ネイション)を落とし、得意なポイントレースで逆転を狙いましたが、3位までしか手が届きませんでした。
優勝した(橋本)英也さんは、競輪学校でも一歩前を行かれているので、この大会で一矢報いたいと思っていましたが出来ませんでした。この悔しさはどこかで晴らしたいと思っています。目標は中距離も走れる競輪選手になって、競輪だけでなく自転車全体を盛り上げていきたいです」
全日本選手権オムニアム 男子 結果
スクラッチ | テンポ | エリミ | ポイント | 合計 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 橋本英也(日本競輪学校) | 36p(3位) | 40p(1位) | 40p(1位) | 13p | 129p |
2位 | 近谷涼(ブリヂストンアンカー) | 14p | 36p(3位) | 38p(2位) | 26p | 114p |
3位 | 小林泰正(日本競輪学校) | 18p | 38p(2位) | 20p | 28p | 104p |
4位 | 原田裕成(愛三工業レーシング) | 8p | 28p | 36p(3位) | 31p | 103p |
5位 | 今村駿介(中央大学) | 40p(1位) | 32p(5位) | 30p | 0p | 102p |
6位 | 窪木一茂(NIPPOヴィーニファンティーニ) | 20p | 30p | 34p(4位) | 10p | 94p |
7位 | 渡部将太(法政大学) | 32p(5位9 | 6p | 18p | 29p | 85p |
8位 | 渡邊翔太郎(愛三工業レーシング) | 4p | 34p(4位) | 28p | 14p | 80p |
9位 | 山下祥平(日本体育大学) | 38p(2位) | 20p | 8p | 1p | 67p |
10位 | 中井唯晶(京都産業大学) | 28p | 1p | 1p | 32p | 62p |
女子 学生チャンピオンの中村愛花が優勝
女子は、先日のワールドカップのチームパーシュートで銅メダルを獲得したメンバー(梶原悠未、鈴木奈央、橋本優弥、中村妃智、古山稀絵)がエントリーしていたが、次のワールドカップ遠征を控えて出場を見合わせた。2日目の会場では銅メダル獲得のメンバーが来場し、記者会見と記念撮影などの交流会が行われた。
スクラッチ(30周・7.5km)
終盤に伊藤真生(日本体育大学)が単独先行するも吸収され、そのカウンターで仕掛けた中村愛花(日本体育大学)に小泉夢菜(日本体育大学)、松井優佳(南大隅高校)が追従。最後は小泉が差し込むが、僅差で中村が逃げ切った。
テンポレース(30周・7.5km)
序盤は中井彩子(鹿屋体育大学)、小泉夢菜(早稲田大学)、松井優佳(南大隅高校)らがポイントを取りに行くが、中村が5周連続でポイントを取り、後半に入ると伊藤が逃げて7周連続でポイントを取る。中村はさらに2点を獲得して1位。伊藤が2位に入り、総合でも日本体育大学が1位と2位に。
エリミネイション
総合首位の中村が序盤に除外され、勝負は小泉と松井に絞られる。スプリント勝負を小泉が制し、首位中村と2点差の総合2位に浮上する。
ポイントレース(80周・20km)
中村が序盤から2回連続で1位通過しポイントを加算。小泉が上位のポイントを取れない一方、中井彩子(鹿屋体育大学)がレース中盤からアタックを繰り返し、4回連続で1位通過。中村に5点差まで迫る。
しかし中村は最後のゴールポイント10点を獲得。中井の追い上げをかわして優勝を決めた。
「絶対勝ちたかった」優勝・中村愛花
「ナショナルチームの選手が出ないと聞いて、絶対1位を取りたかった。勝てた事は素直に嬉しいです。
スクラッチ、テンポは良かったのですが、エリミネイションで最後まで残れなかった点は反省点です。走り方をもっと研究しないとダメですね。ポイントレースは(伊藤)真生先輩と後半2人で逃げようと話していました。自分も後半体力が無くて、(中井)彩子さんのアタックに反応するのに精いっぱいで、自分からアタック出来なかった事が心残りです。
最後のゴールポイント10点が欲しくて強引に行ったら、後ろが見えてなくて小泉さんと絡んで落車させてしまい、罪悪感と申し訳ない気持ちでいっぱいです。優勝したけどモヤモヤしてます。
ポイントレース後半の体力とか、エリミネイションの走り方とか、まだまだ全然出来てないので、これからオフシーズンに練習して、来シーズンはパワーアップしてナショナルチームの選手達と同じレベルで走れるようにしたいです」
女子は、先日のワールドカップのチームパーシュートで銅メダルを獲得したメンバー(梶原悠未、鈴木奈央、橋本優弥、中村妃智、古山稀絵)がエントリーしていたが、次のワールドカップ遠征を控えて出場を見合わせた。2日目の会場では銅メダル獲得のメンバーが来場し、記者会見と記念撮影などの交流会が行われた。
スクラッチ(30周・7.5km)
終盤に伊藤真生(日本体育大学)が単独先行するも吸収され、そのカウンターで仕掛けた中村愛花(日本体育大学)に小泉夢菜(日本体育大学)、松井優佳(南大隅高校)が追従。最後は小泉が差し込むが、僅差で中村が逃げ切った。
テンポレース(30周・7.5km)
序盤は中井彩子(鹿屋体育大学)、小泉夢菜(早稲田大学)、松井優佳(南大隅高校)らがポイントを取りに行くが、中村が5周連続でポイントを取り、後半に入ると伊藤が逃げて7周連続でポイントを取る。中村はさらに2点を獲得して1位。伊藤が2位に入り、総合でも日本体育大学が1位と2位に。
エリミネイション
総合首位の中村が序盤に除外され、勝負は小泉と松井に絞られる。スプリント勝負を小泉が制し、首位中村と2点差の総合2位に浮上する。
ポイントレース(80周・20km)
中村が序盤から2回連続で1位通過しポイントを加算。小泉が上位のポイントを取れない一方、中井彩子(鹿屋体育大学)がレース中盤からアタックを繰り返し、4回連続で1位通過。中村に5点差まで迫る。
しかし中村は最後のゴールポイント10点を獲得。中井の追い上げをかわして優勝を決めた。
「絶対勝ちたかった」優勝・中村愛花
「ナショナルチームの選手が出ないと聞いて、絶対1位を取りたかった。勝てた事は素直に嬉しいです。
スクラッチ、テンポは良かったのですが、エリミネイションで最後まで残れなかった点は反省点です。走り方をもっと研究しないとダメですね。ポイントレースは(伊藤)真生先輩と後半2人で逃げようと話していました。自分も後半体力が無くて、(中井)彩子さんのアタックに反応するのに精いっぱいで、自分からアタック出来なかった事が心残りです。
最後のゴールポイント10点が欲しくて強引に行ったら、後ろが見えてなくて小泉さんと絡んで落車させてしまい、罪悪感と申し訳ない気持ちでいっぱいです。優勝したけどモヤモヤしてます。
ポイントレース後半の体力とか、エリミネイションの走り方とか、まだまだ全然出来てないので、これからオフシーズンに練習して、来シーズンはパワーアップしてナショナルチームの選手達と同じレベルで走れるようにしたいです」
全日本選手権オムニアム 女子 結果
スクラッチ | テンポ | エリミ | ポイント | 合計 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 中村愛花(日本体育大学) | 40p(1位) | 40p(1位) | 34p(4位) | 30p | 144 |
2位 | 中井彩子(鹿屋体育大学) | 32p(5位) | 36p(3位) | 36p(3位) | 31p | 135 |
3位 | 小泉夢菜(早稲田大学) | 38p(2位) | 34p(4位) | 40p(1位) | -1p | 111 |
4位 | 伊藤真生(日本体育大学) | 34p(4位) | 38p(2位) | 32p(5位) | 5p | 109 |
5位 | 松井優佳(南大隅高校) | 36p(3位) | 32p(5位) | 38p(2位) | DNF |
text&photo:Satoru Kato
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