2017/11/08(水) - 09:22
11月5日、伊豆ベロドロームで「第1回全日本学生選手権オムニアム」が開催された。男子は京都産業大学の中井唯晶、女子は日本体育大学の中村愛花が優勝した。
4種目の合計ポイントを争うトラック競技のオムニアム。2020年の東京オリンピックに向けて日本学生自転車競技連盟(以下、学連)が力を入れる種目のひとつで、来年はインカレの種目に新たに加わる事になっている。そうした背景を受けて、今年学生選手権として初めて開催される事になった。
オムニアムの4種目と、おおよその競技内容は以下の通り。
スクラッチ・・・ロードレース同様に、規定の周回数を走って1着でゴールした者が優勝。
テンポレース・・・5周目から毎周回先頭通過した選手に1点が与えられ、合計点を争う。
エリミネイション・・・2周ごとに最後尾の選手が除外(エリミネート)され、最後に残った2人で勝負。
ポイントレース・・・10周ごとのポイント周回で1位通過=5点、2位=3点、3位=2点、4位=1点が与えられ、合計点を争う。ゴールの点数は倍になる。
総合順位は4種目の合計得点で争う。スクラッチ、テンポレース、エリミネイションは、1位40点、2位38点、3位36点、以下2点刻みで得点が与えられ、完走は1点。3種目の合計点にポイントレースの獲得点数がそのまま加算される。
男子 中井唯晶が初代オムニアム学生王者に
男子は3組に分けてポイントレースで予選を行い、各組の上位8人計24人がA決勝、その他がB決勝に進んだ。
スクラッチ、テンポレースを終えて総合首位に立ったのは徳田匠(鹿屋体育大学)。エリミネイションでは終盤に徳田が除外されてしまう一方、中井唯晶(京都産業大学)が1位。総合でも徳田を4点上回る108点として首位に立つ。
最終種目のポイントレース。序盤から中井と徳田がポイントを取り合うが、後半に入ると徳田はポイントに絡めず、近藤翔馬(法政大学)に逆転されて3位に後退。対して中井は集団を周回遅れにするラップポイント20点を加算するなど、終始積極的にレースを展開。最終的には2位以下に20点以上の差をつけて優勝した。
「第1回大会で優勝すれば初代チャンピオンになれるので、この大会を狙っていました」と言う中井。
「徳田君と4点差だったので、ポイントレースは難しい展開だったし危ないところもありました。チームメイトとは、僕が逃げたら追わない事と、一緒に逃げたら協力する事だけを決めていましたが、その通りに動いてもらったおかげで勝つ事が出来ました」と、レースを振り返る。
「今年はインカレの団体追い抜きで思うような結果を出せなかったので、来年は学連新記録を出して優勝したいです。ロードも含めて全部勝つつもりで行きます」と、4年になる来年の目標を語った。
京都産業大学の秋田監督は、「僕らは中・長距離を主戦場としているので、この大会は勝ちに行くよと、夏頃から選手達に言ってきました。他の大学よりもこの大会にかける意気込みは高かったと思いますし、このために練習を積んできた成果が出たと思っています。1人1人の意識の高さが勝手に出てきているのが本当に嬉しいし、今なら(団体追い抜きの)学連記録の更新も出来ると信じています」と、今回の結果の評価と次の目標を語った。
女子 中村愛花が他を圧倒して優勝
女子は、スクラッチとテンポレースで1位、エリミネイションで2位に入った中村愛花(日本体育大学)が、西島叶子(鹿屋体育大学)を6点リードして最終種目のポイントレースへ。レース中盤から中村が伊藤真生(日本体育大学)と逃げて1位通過を繰り返し、ラップポイント20点を加算してリードを広げる。最後は1位ゴールの10点を獲得して総合優勝を決めた。
「ナショナルチームのメンバーが出ていない大会でしたが、だからこそ優勝したいと思っていました。勝てたのは嬉しいです。最後のポイントレースはラップを取ると思っていて、先輩が逃げたところにうまく乗って行けました。ゴールの倍点も取れて良かったです」と話す中村は、日本体育大学の1年生。
「大学に入ってなかなか成績が出せなかったのですが、この大会でやっと1位を取れました。再来週はオムニアムの全日本があるので、もっと気持ちを入れ直して練習します」と、早くも次の目標に切り替えた。
photo&text:Satoru Kato
4種目の合計ポイントを争うトラック競技のオムニアム。2020年の東京オリンピックに向けて日本学生自転車競技連盟(以下、学連)が力を入れる種目のひとつで、来年はインカレの種目に新たに加わる事になっている。そうした背景を受けて、今年学生選手権として初めて開催される事になった。
オムニアムの4種目と、おおよその競技内容は以下の通り。
スクラッチ・・・ロードレース同様に、規定の周回数を走って1着でゴールした者が優勝。
テンポレース・・・5周目から毎周回先頭通過した選手に1点が与えられ、合計点を争う。
エリミネイション・・・2周ごとに最後尾の選手が除外(エリミネート)され、最後に残った2人で勝負。
ポイントレース・・・10周ごとのポイント周回で1位通過=5点、2位=3点、3位=2点、4位=1点が与えられ、合計点を争う。ゴールの点数は倍になる。
総合順位は4種目の合計得点で争う。スクラッチ、テンポレース、エリミネイションは、1位40点、2位38点、3位36点、以下2点刻みで得点が与えられ、完走は1点。3種目の合計点にポイントレースの獲得点数がそのまま加算される。
男子 中井唯晶が初代オムニアム学生王者に
男子は3組に分けてポイントレースで予選を行い、各組の上位8人計24人がA決勝、その他がB決勝に進んだ。
スクラッチ、テンポレースを終えて総合首位に立ったのは徳田匠(鹿屋体育大学)。エリミネイションでは終盤に徳田が除外されてしまう一方、中井唯晶(京都産業大学)が1位。総合でも徳田を4点上回る108点として首位に立つ。
最終種目のポイントレース。序盤から中井と徳田がポイントを取り合うが、後半に入ると徳田はポイントに絡めず、近藤翔馬(法政大学)に逆転されて3位に後退。対して中井は集団を周回遅れにするラップポイント20点を加算するなど、終始積極的にレースを展開。最終的には2位以下に20点以上の差をつけて優勝した。
「第1回大会で優勝すれば初代チャンピオンになれるので、この大会を狙っていました」と言う中井。
「徳田君と4点差だったので、ポイントレースは難しい展開だったし危ないところもありました。チームメイトとは、僕が逃げたら追わない事と、一緒に逃げたら協力する事だけを決めていましたが、その通りに動いてもらったおかげで勝つ事が出来ました」と、レースを振り返る。
「今年はインカレの団体追い抜きで思うような結果を出せなかったので、来年は学連新記録を出して優勝したいです。ロードも含めて全部勝つつもりで行きます」と、4年になる来年の目標を語った。
京都産業大学の秋田監督は、「僕らは中・長距離を主戦場としているので、この大会は勝ちに行くよと、夏頃から選手達に言ってきました。他の大学よりもこの大会にかける意気込みは高かったと思いますし、このために練習を積んできた成果が出たと思っています。1人1人の意識の高さが勝手に出てきているのが本当に嬉しいし、今なら(団体追い抜きの)学連記録の更新も出来ると信じています」と、今回の結果の評価と次の目標を語った。
女子 中村愛花が他を圧倒して優勝
女子は、スクラッチとテンポレースで1位、エリミネイションで2位に入った中村愛花(日本体育大学)が、西島叶子(鹿屋体育大学)を6点リードして最終種目のポイントレースへ。レース中盤から中村が伊藤真生(日本体育大学)と逃げて1位通過を繰り返し、ラップポイント20点を加算してリードを広げる。最後は1位ゴールの10点を獲得して総合優勝を決めた。
「ナショナルチームのメンバーが出ていない大会でしたが、だからこそ優勝したいと思っていました。勝てたのは嬉しいです。最後のポイントレースはラップを取ると思っていて、先輩が逃げたところにうまく乗って行けました。ゴールの倍点も取れて良かったです」と話す中村は、日本体育大学の1年生。
「大学に入ってなかなか成績が出せなかったのですが、この大会でやっと1位を取れました。再来週はオムニアムの全日本があるので、もっと気持ちを入れ直して練習します」と、早くも次の目標に切り替えた。
photo&text:Satoru Kato
第1回全日本学生選手権オムニアム大会 結果
男子 | スクラッチ | テンポレース | エリミネイション | ポイントレース | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 中井唯晶(京都産業大学) | 32(5位) | 36(3位) | 40(1位) | 31 | 139 |
2位 | 近藤翔馬(法政大学) | 26(8位) | 30(6位) | 36(3位) | 23 | 115 |
3位 | 徳田匠(鹿屋体育大学) | 38(2位) | 38(2位) | 28(6位) | 8 | 112 |
女子 | ||||||
1位 | 中村愛花(日本体育大学) | 40(1位) | 40(1位) | 38(2位) | 53(1位) | 171 |
2位 | 伊藤真生(日本体育大学) | 32(5位) | 38(2位) | 36(3位) | 42(2位) | 148 |
3位 | 西島叶子(鹿屋体育大学) | 36(3位) | 36(3位) | 40(1位) | 20(3位) | 132 |
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