2017/11/07(火) - 09:10
アンカーのロードバイクラインアップにおけるセカンドグレード「RS8」と「RL8」がフルモデルチェンジ。その発表会を兼ねたメディア向け試乗会の模様をレポート。バイクの開発秘話とともにインプレッションもお届けする。
独自のフレーム解析技術「PROFORMAT(プロフォーマット)」を投入することで、従来モデルに対し走りの性能を進化させてきたアンカー。2016年にデビューしたハイエンドレーシングモデル「RS9」を皮切りに、アルミフレームの「RS6」、今年登場したロングライドモデル「RL9」や「RL6」と、いずれも同技術により生み出されたバイクである。
そんな中、RSとRLのそれぞれのカテゴリーにおいてトップモデルとなる”9”のグレードが登場したことで、セカンドグレードを担うこととなったレーシングモデル「RS8」とロングライドモデル「RL8」。新型の9と6のモデルに挟まれながらも従来と変わらず展開を続けてきたこの2車種が、2018年モデルでフルモデルチェンジを果たすこととなった。
やはり開発の根幹となるのはPROFORMAT。推進力最大化解析技術とも呼ばれるこのテクノロジーは、自転車としての根本的な性質である”進む”性能をより高め、従来よりも速く、心地よくといった乗り味を実現するもの。バイクの挙動や乗り手の動きをデータ化し、実走環境を再現する幾多のシミュレーションを重ね、さらに得られた結果を細密に分析。これらのプロセスを通し、「進む距離の数値化」を行うことでより確実な性能向上を達成したフレームが完成しているのだ。
2018年モデルでは、エントリーグレードのRFA3も同テクノロジーにより後継機となる「RL3」へとモデルチェンジしており、これで遂に現行のロードバイクラインアップが全てPROFORMATによる展開となった。
今回新しくなった「RS8」と「RL8」もこのテクノロジーを落とし込み、上位グレードのRS9、RL9と同形状のフレームとしながらも、カーボングレードや積層を変更することで走りの性能を近づけつつ、リーズナブルな価格を実現したカーボンバイクのバリューモデルとして展開される。
「9のグレードの乗り味を継承し、出来る限り走りのテイストを再現することが開発のテーマでした。従来モデルから価格は据え置きに、それでいてどこまで走りの性能を高めることができるかに注力しました。価格を抑えつつ、トップモデルに近い性能を獲得していますから、『費用対性能』は抜群な仕上がりにできたと思っています」と、開発担当の植田さんは自信はのぞかせる。
「上位モデルの9グレードは、軽く硬い高弾性カーボンを使用することで高性能な走りを得ています。しかし高弾性カーボンは落車の衝撃に対して脆い面があるのも事実。反対に標準弾性カーボンを使用した今回の8グレードは強度も高く、耐衝撃性に優れるため比較的頑丈なフレームと言えるでしょう。初めてカーボンバイクに乗るため扱いが不安な人、レースでガシガシ使っていきたい人、輪行も併用してロングライドを楽しみたい人などに勧められるバイクです」と植田さんは語ってくれた。
また、2018年モデルはバイクラインアップ全体でカラーリングの刷新が行われている。「レース」「エッジ」「シンプル」の3つのスタイルからデザインを選択できる、アンカー独自のカラーオーダーシステムは引き続き展開。その中でもエッジスタイルは従来よりもブラックの面積を減らし、よりカラーが強調されるグラフィックとなった。また、選択できる色の種類も5色増えた全38カラー展開となり、今までブラック、ホワイト、シルバーの3色のみ用意されたロゴカラーも、レッドとネオンイエローが追加された計5色展開となった。
デザイン担当の太田さんは「トレンドやお客様からの要望を取り入れ、今回展開カラーを増やしました。従来以上にカラーの組み合わせができるようになったので、色で遊び心を出したオリジナリティ溢れる1台を作って欲しいですね。カスタムする楽しさを見出してより活用してほしい。出来上がったバイクをSNS等で発信するような流れができると嬉しいですね」とコメントしてくれた。
最後にRS8、RL8の各バイクを紹介するとともに、試乗を通してのインプレッションをお届けしよう。また、テストライドをアテンドしてくれたチームブリヂストン・アンカーの石橋学選手にもRS8に乗った感想を聞いてみた。
走りの性能と価格のバランスを実現するレーシングモデル RS8
2016年の全日本選手権ロードを制したフラッグシップRS9のフレーム形状を引き継ぐRS8は、直線的なチュービングを多用し、ロードバイクの王道とも言える力強いルックスを獲得した1台だ。剛性を確保するための大口径ダウンチューブや、パワー伝達を最適化する左右非対称チェーンステーと幅広のBB部分などレーサーとしての性能を体現するデザインが豊富に盛り込まれる。
モデルチェンジ前と比較するとトップチューブからシートステーにかけての造形が大きく変更しているほか、外装だったワイヤールーティングも内装式へとアップデートされている。リアエンドもRS9と同じく新たにカーボン一体成型のループエンドデザインが採用され、軽量化と高剛性化に貢献。ヘッドが短めなレーシングスタイルのジオメトリーが採用される。
PROFORMATによりフロントトライアングルの剛性を強化することで、パワー入力に対するBB部の動きを抑制し推進力に繋げる設計となったRSシリーズ。今回のRS8も従来に比べ前三角の横剛性が25%アップしているのだとか。快適性を考慮し、後三角剛性は従来と同じ数値に設計されている。
またモデルチェンジに際し、フレームセット(フレーム、フォーク、小物含む)重量は前作に対し70gの軽量化を果たしている。電動コンポーネントにも対応し、パーツをアップデートしていくことでレースでも幅広く活躍するバイクとなることだろう。シマノ105完成車で255,000円(税抜)、シマノULTEGRA完成車で335,000円(税抜)、フレームセット180,000円(税抜)で販売される。
疲れにくく長距離ライドに最適なロングライドモデル RL8
ロングライドモデルらしく、細身でしなりを効かせたラグジュアリーな乗り心地のRL9と同形状とされたRL8。扁平させたトップチューブとシートステーが緩くアールを描くデザインとされ、振動吸収性を高めるとともに、アップライトなジオメトリーを採用することで長距離ライドをより快適に走れるバイクとして生み出されている。
モデルチェンジによって、ストレート形状だったフロントフォークが細身かつベンドした形状となった。推進力を高めるためにダウンチューブやチェーンステーもより最適化された形状へアップデートされる。カーボン積層も調整されることで、前作と比較して前三角横剛性は8%、後三角横剛性は11%向上しているという。
剛性強化が図られたことによりフレームセット重量は前作よりも50g増加したというが、そのぶんより進むフレームに仕上げたことで、走りの性能としては大きく進化した。こちらもRS8と同様にシマノ105完成車で255,000円(税抜)、シマノULTEGRA完成車で335,000円(税抜)フレームセット180,000円(税抜)で販売される。
― インプレッション
過去にトップモデルのRS9、RL9ともに試乗した経験のある筆者、村田(CW編集部)。その際はPROFORMATを用いたアンカーバイクの”よく進む”高性能な走りに驚かされただけに、今回のRS8、RL8はその点がどれだけ再現されているかに注目して走りの感触を確かめた。
始めに試乗したRL8はロングライド向けのジオメトリーとあって、乗った瞬間から身体に優しい楽なポジションを体感できる。PROFORMATが導き出した細身の形状により、走り出すとフレーム全体で路面の振動をいなしてくれる感覚があり、特にリア三角の柔軟性が効いていることで、サドルに座っている際の突き上げが極端に小さいことに気付く。
路面の段差の衝撃をフロントで感じても、リアが何事もないように付いてきてくれるため、一貫して不安感のない安定した走りを見せてくれる。セカンドグレードと言えど、この辺りはほとんど上位モデルと差のない”ラグジュアリー”な乗り心地を獲得している。
踏み込んだ時の進み具合という点で比較してしまうと、そこはやはりRL9に軍配が上がる。パワー入力に対する加速の良さは剛性の高い上位グレードならではの性能と言えるが、このRL8も進まないというネガティブな感想は一切なく、よりロングライドに適した走りができる仕上がりだと感じた。大トルクを受け止めスピードに乗るといったフレームではなく、軽い力で気持ちよく走ってくれるため、躍起になって漕ぐ感じではない。余裕を持った大人な走りを楽しめる1台だ。
RS8に乗り換えると一気に性格の違うレーシングな走りへと変わる。ハンドル低めの攻撃的なポジションで踏み込んだ分だけしっかりと加速してくれるため、ついつい楽しくなって速度を上げたくなってしまう、そんな印象を受ける。しなりを活かした走りを見せるRL8とは異なり、レーシングモデルとして無駄なたわみなく素早く反応してくれるRS9同様のレーサー向けの味付けを感じることができた。
瞬間的な加速性の良さはRS9に譲るものの、推進力に繋がる剛性バランスが上手く引き継がれていることで全体的な走りのフィーリングは上位グレードと遜色ないレベルに仕上がっている。プロスペックのスパルタンなRS9よりも乗りやすい剛性感を獲得しているため、一般レベルであれば逆にRS8の方がオーバースペックとならず、乗りこなせるバイクとなるかもしれない。
筆者のリクエストに応え、その場でテストライドを引き受けてくれた石橋学選手はRS8について「ダンシング時の踏み出しの軽さやコーナーでの安定感は、普段乗っているRS9とほとんど変わらないフィーリングに仕上がっています。長い登りでは車重の違いからその差を感じてしまいますが、RS9より硬さを抑えたことで足への負担も少なく、バランスの取れた性能になっていると思います。初心者が乗っても扱いづらさもないでしょうし、レースでも全く問題なく使うことができるバイクですね」と評価してくれた。
それぞれ各カテゴリーのセカンドグレードとしてラインアップするRS8、RL8だが、上位モデルの走りを高い次元で再現しており、価格以上の性能を有していることは間違いない。性格の異なる2台となるため自身の用途に応じてそれぞれを選んで欲しいが、いずれもコンポやホイールをアップグレードしながら長く付き合いたい1台となってくれるだろう。
アンカー RS8
フレーム:PROFORMAT 3ピース カーボン
サイズ:430、460、490、520、550mm
シートポスト径:31.6mm
BB規格:BB86
価格:
RS8 ELITE(シマノULTEGRA完成車) 335,000円(税抜)
RS8 EQUIPE(シマノ105完成車) 255,000円(税抜)
RS8フレームセット 180,000円(税抜)
アンカー RL8
フレーム:PROFORMAT 3ピース カーボン
サイズ:390、420、450、480、510、540mm
シートポスト径:27.2mm
BB規格:JIS
価格:
RL8 ELITE(シマノULTEGRA完成車) 335,000円(税抜)
RL8 EQUIPE(シマノ105完成車) 255,000円(税抜)
RL8フレームセット 180,000円(税抜)
text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
独自のフレーム解析技術「PROFORMAT(プロフォーマット)」を投入することで、従来モデルに対し走りの性能を進化させてきたアンカー。2016年にデビューしたハイエンドレーシングモデル「RS9」を皮切りに、アルミフレームの「RS6」、今年登場したロングライドモデル「RL9」や「RL6」と、いずれも同技術により生み出されたバイクである。
そんな中、RSとRLのそれぞれのカテゴリーにおいてトップモデルとなる”9”のグレードが登場したことで、セカンドグレードを担うこととなったレーシングモデル「RS8」とロングライドモデル「RL8」。新型の9と6のモデルに挟まれながらも従来と変わらず展開を続けてきたこの2車種が、2018年モデルでフルモデルチェンジを果たすこととなった。
やはり開発の根幹となるのはPROFORMAT。推進力最大化解析技術とも呼ばれるこのテクノロジーは、自転車としての根本的な性質である”進む”性能をより高め、従来よりも速く、心地よくといった乗り味を実現するもの。バイクの挙動や乗り手の動きをデータ化し、実走環境を再現する幾多のシミュレーションを重ね、さらに得られた結果を細密に分析。これらのプロセスを通し、「進む距離の数値化」を行うことでより確実な性能向上を達成したフレームが完成しているのだ。
2018年モデルでは、エントリーグレードのRFA3も同テクノロジーにより後継機となる「RL3」へとモデルチェンジしており、これで遂に現行のロードバイクラインアップが全てPROFORMATによる展開となった。
今回新しくなった「RS8」と「RL8」もこのテクノロジーを落とし込み、上位グレードのRS9、RL9と同形状のフレームとしながらも、カーボングレードや積層を変更することで走りの性能を近づけつつ、リーズナブルな価格を実現したカーボンバイクのバリューモデルとして展開される。
「9のグレードの乗り味を継承し、出来る限り走りのテイストを再現することが開発のテーマでした。従来モデルから価格は据え置きに、それでいてどこまで走りの性能を高めることができるかに注力しました。価格を抑えつつ、トップモデルに近い性能を獲得していますから、『費用対性能』は抜群な仕上がりにできたと思っています」と、開発担当の植田さんは自信はのぞかせる。
「上位モデルの9グレードは、軽く硬い高弾性カーボンを使用することで高性能な走りを得ています。しかし高弾性カーボンは落車の衝撃に対して脆い面があるのも事実。反対に標準弾性カーボンを使用した今回の8グレードは強度も高く、耐衝撃性に優れるため比較的頑丈なフレームと言えるでしょう。初めてカーボンバイクに乗るため扱いが不安な人、レースでガシガシ使っていきたい人、輪行も併用してロングライドを楽しみたい人などに勧められるバイクです」と植田さんは語ってくれた。
また、2018年モデルはバイクラインアップ全体でカラーリングの刷新が行われている。「レース」「エッジ」「シンプル」の3つのスタイルからデザインを選択できる、アンカー独自のカラーオーダーシステムは引き続き展開。その中でもエッジスタイルは従来よりもブラックの面積を減らし、よりカラーが強調されるグラフィックとなった。また、選択できる色の種類も5色増えた全38カラー展開となり、今までブラック、ホワイト、シルバーの3色のみ用意されたロゴカラーも、レッドとネオンイエローが追加された計5色展開となった。
デザイン担当の太田さんは「トレンドやお客様からの要望を取り入れ、今回展開カラーを増やしました。従来以上にカラーの組み合わせができるようになったので、色で遊び心を出したオリジナリティ溢れる1台を作って欲しいですね。カスタムする楽しさを見出してより活用してほしい。出来上がったバイクをSNS等で発信するような流れができると嬉しいですね」とコメントしてくれた。
最後にRS8、RL8の各バイクを紹介するとともに、試乗を通してのインプレッションをお届けしよう。また、テストライドをアテンドしてくれたチームブリヂストン・アンカーの石橋学選手にもRS8に乗った感想を聞いてみた。
走りの性能と価格のバランスを実現するレーシングモデル RS8
2016年の全日本選手権ロードを制したフラッグシップRS9のフレーム形状を引き継ぐRS8は、直線的なチュービングを多用し、ロードバイクの王道とも言える力強いルックスを獲得した1台だ。剛性を確保するための大口径ダウンチューブや、パワー伝達を最適化する左右非対称チェーンステーと幅広のBB部分などレーサーとしての性能を体現するデザインが豊富に盛り込まれる。
モデルチェンジ前と比較するとトップチューブからシートステーにかけての造形が大きく変更しているほか、外装だったワイヤールーティングも内装式へとアップデートされている。リアエンドもRS9と同じく新たにカーボン一体成型のループエンドデザインが採用され、軽量化と高剛性化に貢献。ヘッドが短めなレーシングスタイルのジオメトリーが採用される。
PROFORMATによりフロントトライアングルの剛性を強化することで、パワー入力に対するBB部の動きを抑制し推進力に繋げる設計となったRSシリーズ。今回のRS8も従来に比べ前三角の横剛性が25%アップしているのだとか。快適性を考慮し、後三角剛性は従来と同じ数値に設計されている。
またモデルチェンジに際し、フレームセット(フレーム、フォーク、小物含む)重量は前作に対し70gの軽量化を果たしている。電動コンポーネントにも対応し、パーツをアップデートしていくことでレースでも幅広く活躍するバイクとなることだろう。シマノ105完成車で255,000円(税抜)、シマノULTEGRA完成車で335,000円(税抜)、フレームセット180,000円(税抜)で販売される。
疲れにくく長距離ライドに最適なロングライドモデル RL8
ロングライドモデルらしく、細身でしなりを効かせたラグジュアリーな乗り心地のRL9と同形状とされたRL8。扁平させたトップチューブとシートステーが緩くアールを描くデザインとされ、振動吸収性を高めるとともに、アップライトなジオメトリーを採用することで長距離ライドをより快適に走れるバイクとして生み出されている。
モデルチェンジによって、ストレート形状だったフロントフォークが細身かつベンドした形状となった。推進力を高めるためにダウンチューブやチェーンステーもより最適化された形状へアップデートされる。カーボン積層も調整されることで、前作と比較して前三角横剛性は8%、後三角横剛性は11%向上しているという。
剛性強化が図られたことによりフレームセット重量は前作よりも50g増加したというが、そのぶんより進むフレームに仕上げたことで、走りの性能としては大きく進化した。こちらもRS8と同様にシマノ105完成車で255,000円(税抜)、シマノULTEGRA完成車で335,000円(税抜)フレームセット180,000円(税抜)で販売される。
― インプレッション
過去にトップモデルのRS9、RL9ともに試乗した経験のある筆者、村田(CW編集部)。その際はPROFORMATを用いたアンカーバイクの”よく進む”高性能な走りに驚かされただけに、今回のRS8、RL8はその点がどれだけ再現されているかに注目して走りの感触を確かめた。
始めに試乗したRL8はロングライド向けのジオメトリーとあって、乗った瞬間から身体に優しい楽なポジションを体感できる。PROFORMATが導き出した細身の形状により、走り出すとフレーム全体で路面の振動をいなしてくれる感覚があり、特にリア三角の柔軟性が効いていることで、サドルに座っている際の突き上げが極端に小さいことに気付く。
路面の段差の衝撃をフロントで感じても、リアが何事もないように付いてきてくれるため、一貫して不安感のない安定した走りを見せてくれる。セカンドグレードと言えど、この辺りはほとんど上位モデルと差のない”ラグジュアリー”な乗り心地を獲得している。
踏み込んだ時の進み具合という点で比較してしまうと、そこはやはりRL9に軍配が上がる。パワー入力に対する加速の良さは剛性の高い上位グレードならではの性能と言えるが、このRL8も進まないというネガティブな感想は一切なく、よりロングライドに適した走りができる仕上がりだと感じた。大トルクを受け止めスピードに乗るといったフレームではなく、軽い力で気持ちよく走ってくれるため、躍起になって漕ぐ感じではない。余裕を持った大人な走りを楽しめる1台だ。
RS8に乗り換えると一気に性格の違うレーシングな走りへと変わる。ハンドル低めの攻撃的なポジションで踏み込んだ分だけしっかりと加速してくれるため、ついつい楽しくなって速度を上げたくなってしまう、そんな印象を受ける。しなりを活かした走りを見せるRL8とは異なり、レーシングモデルとして無駄なたわみなく素早く反応してくれるRS9同様のレーサー向けの味付けを感じることができた。
瞬間的な加速性の良さはRS9に譲るものの、推進力に繋がる剛性バランスが上手く引き継がれていることで全体的な走りのフィーリングは上位グレードと遜色ないレベルに仕上がっている。プロスペックのスパルタンなRS9よりも乗りやすい剛性感を獲得しているため、一般レベルであれば逆にRS8の方がオーバースペックとならず、乗りこなせるバイクとなるかもしれない。
筆者のリクエストに応え、その場でテストライドを引き受けてくれた石橋学選手はRS8について「ダンシング時の踏み出しの軽さやコーナーでの安定感は、普段乗っているRS9とほとんど変わらないフィーリングに仕上がっています。長い登りでは車重の違いからその差を感じてしまいますが、RS9より硬さを抑えたことで足への負担も少なく、バランスの取れた性能になっていると思います。初心者が乗っても扱いづらさもないでしょうし、レースでも全く問題なく使うことができるバイクですね」と評価してくれた。
それぞれ各カテゴリーのセカンドグレードとしてラインアップするRS8、RL8だが、上位モデルの走りを高い次元で再現しており、価格以上の性能を有していることは間違いない。性格の異なる2台となるため自身の用途に応じてそれぞれを選んで欲しいが、いずれもコンポやホイールをアップグレードしながら長く付き合いたい1台となってくれるだろう。
アンカー RS8
フレーム:PROFORMAT 3ピース カーボン
サイズ:430、460、490、520、550mm
シートポスト径:31.6mm
BB規格:BB86
価格:
RS8 ELITE(シマノULTEGRA完成車) 335,000円(税抜)
RS8 EQUIPE(シマノ105完成車) 255,000円(税抜)
RS8フレームセット 180,000円(税抜)
アンカー RL8
フレーム:PROFORMAT 3ピース カーボン
サイズ:390、420、450、480、510、540mm
シートポスト径:27.2mm
BB規格:JIS
価格:
RL8 ELITE(シマノULTEGRA完成車) 335,000円(税抜)
RL8 EQUIPE(シマノ105完成車) 255,000円(税抜)
RL8フレームセット 180,000円(税抜)
text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
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