2017/08/30(水) - 15:36
中国北京郊外で行われるシクロクロスのUCIレース「千森杯」に今年も11名の日本人選手が参戦する。本格的なシクロクロスシーズンを前に挑む選手たちのコメントを紹介しよう。
今年も北半球のシクロクロスシーズン幕開けを少々早めに告げるUCIクラス1レース、第5回千森杯が中国で行われる。去年と同様の2戦を北京郊外の2会場で競うが、去年とは開催の順番が逆になり、9月3日に北京西部の豊台地区、9月6日に万里の長城近くにある観光の町、延慶地区での開催となった。
今年も東北シクロクロス菅田オーガナイザーの呼びかけで日本からの遠征チームが編成され、9月1日に北京入りする。メンバーは選手11名、スタッフ5名で昨年と同規模の大所帯となった。今回もチームに同行し日本選手の活躍を中心に大会の様子を随時発信する。メンバーは以下の通り。
Men Elite
小坂光(宇都宮ブリッツエンシクロクロスチーム)※キャプテン
織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
小坂正則(スワコレーシングチーム)
竹之内悠(TOYO FRAME)
重田兼吾(Team CUORE)
斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)
中里仁(Speedvagen Family Racing)
向山浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
Women Elite
唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)
福本千佳(Live GARDEN Bici Stelle)
須藤むつみ(Ready Go JAPAN)
Staff
佐藤成彦(弱虫ペダルサイクリングチーム)
池本秀紀(宇都宮ブリッツエンシクロクロスチーム)
鬼頭拓也(TOYO FRAME)
高木政佳(Team CUORE)
諏訪孝浩(SNEL CYCLOCROSS TEAM)※総監督
千森杯常連の小坂光は今回チームキャプテンを務める。他のメンバーも男女共に国内上位陣の顔ぶれが集まった。今年の海外勢の顔ぶれは千森杯のポディウムに登った選手も何人か見えるが、UCIランキング100位以内の選手は多くなく日本勢にも表彰登壇のチャンスがあるだろう
ただし去年参加し、良い結果を残した前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)と武田和佳(Liv)は残念ながら不参加となった。そして発起人の菅田氏も都合がつかず不参加となり、監督は代わりにSNEL CYCLOCROSS TEAMの諏訪氏が務める。
千森杯について
手厚い主催者のケアと学生ボランティアのホスピタリティが印象的な千森杯は、国際シクロクロス大会として多くの海外選手を集めるため、欧州がまだオフシーズンのこの時期に開催することで始まった。2013年には北京市延慶地区でUCIクラス2として第1回大会が開催され、日本からは小坂光と宮内佐季子(現Club La.sista Offroad Team)参戦している。
2014年にはUCIクラス1に昇格しアジア最高峰のシクロクロス大会となった。2015年は北京市延慶地区と海南島珊中の南北2会場開催となり、2016年は中国内3会場開催とも噂されたが最終的に北京の北京市延慶地区と豊台地区の2会場で開催された。
そして2017年大会はエントリー方式が変更。今までUCIライセンスを持つ選手が申し込みをすれば無条件で参加が可能であったが、今大会からは男女計100名の枠を設け参加申請に対しオーガナイザーが審査し、UCIコミッセールがそれを承認するという、ハードルの高いエントリー方式となった。最後に何人かの選手のコメントを紹介しよう。
千森杯4回出場 キャプテンの小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)
「毎年シクロクロスシーズン開幕に向けての良い刺激になっているので、今年も千森杯に出場することにしました。 身体も機材もこのレースでチェックし、国内シーズン開幕に向けて調整するのが僕のここ数年の流れです。オーガナイザーの大会運営がしっかりしているので、リラックスしてレースに望むことができるのもこの大会の魅力であり良い点だと思っています。
今回は日本選手団のキャプテンとしてご指名をいただきましたが、普段国内ではライバル同士であり別のチームで活動する選手達が、大会期間中に1週間行動を共にする中で情報共有やアドバイスし合うなど、皆でレベルアップできるような雰囲気を作ることができたらと思っています。」
ベルギーに長く活動拠点を置き全日本シクロクロス5連覇した竹之内悠(TOYO FRAME)
「今年も10月からヨーロッパで例年通りシクロクロスシーズンを開始する予定ですが、その前に一度コンペティブなレースをこなす良い機会と思い参加します。この千森杯に参加して、春夏にかけて作ってきた身体の今の状態を確認し、欧州での本格的レース活動に向かいます。UCIクラス1の国際レースと言っても、欧州のレースとはまた違うものになると思うので割り切って走りたいです。」
カムバック後、活躍を見せる唐見実世子選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)
「シクロクロスレースに復帰して今年で3シーズン目となります。本業のロードレースに関しては、昨シーズンに比べて選手らしくなってきておりますが、シクロクロスに関してはまだまだだと感じています。ですので、昨シーズンよりも良いシーズンにするために、早い時期からシクロクロスに取り組むチャンスだと思い千森杯に初めて参加します。
日本チームとしては、海外のトップ選手の胸を借りられる貴重な機会ですし、世界選手権やワールドカップといった高い土俵に比べると そこまで気負わず良い経験を積める場だと思っています。シーズン前で本調子とまではいかないにしろ、出来る限りの調整をして挑むつもりです。
シクロクロスはロードレースとは別物で経験も重要な本当に難しい競技です。昨年、チームにヨーロッパ遠征へ連れて行ってもらったのですが、レースについて行けず苦労した反面、レースそのものはとても楽しいとも思いました。千森杯はシクロクロスシーズンが始まっていない事、ヨーロッパでのレースよりは選手数が少ない事から、もしかしたら私にもチャンスがあるのではないかと思い参戦を決意しました。
中国でのレースはロードレースも含め今回が初めてですから、どのようになるか想像もつきません。選手はヨーロッパ、USA、オーストラリアなど各国から集まりますので、レベルも高く厳しいレースになると思います。大会は中国のオーガナイザーですので、そういった意味ではアジア色の強い運営になるかもしれませんね。個人的には、海外レースの経験を積む事だけではなくて、自分の持ち味を発揮して、結果にもこだわれるレースにしていきたいと思います。」
日本遠征チーム 諏訪監督
「今回の遠征メンバーは昨年と同じ11人です。今年から主催者側のセレクションが厳しくなったこともあり、 各国からの選手レベルも例年より高くなっていると思います。しかし日本チームも今まで以上の強力なメンバーで挑みます。当然、レース自体のレベルも上がって来るかと思いますが、日本チームで団結し、UCIポイントをできるだけ多く取れるよう頑張りたいと思います。」
report:Masakazu.Abe
今年も北半球のシクロクロスシーズン幕開けを少々早めに告げるUCIクラス1レース、第5回千森杯が中国で行われる。去年と同様の2戦を北京郊外の2会場で競うが、去年とは開催の順番が逆になり、9月3日に北京西部の豊台地区、9月6日に万里の長城近くにある観光の町、延慶地区での開催となった。
今年も東北シクロクロス菅田オーガナイザーの呼びかけで日本からの遠征チームが編成され、9月1日に北京入りする。メンバーは選手11名、スタッフ5名で昨年と同規模の大所帯となった。今回もチームに同行し日本選手の活躍を中心に大会の様子を随時発信する。メンバーは以下の通り。
Men Elite
小坂光(宇都宮ブリッツエンシクロクロスチーム)※キャプテン
織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
小坂正則(スワコレーシングチーム)
竹之内悠(TOYO FRAME)
重田兼吾(Team CUORE)
斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)
中里仁(Speedvagen Family Racing)
向山浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
Women Elite
唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)
福本千佳(Live GARDEN Bici Stelle)
須藤むつみ(Ready Go JAPAN)
Staff
佐藤成彦(弱虫ペダルサイクリングチーム)
池本秀紀(宇都宮ブリッツエンシクロクロスチーム)
鬼頭拓也(TOYO FRAME)
高木政佳(Team CUORE)
諏訪孝浩(SNEL CYCLOCROSS TEAM)※総監督
千森杯常連の小坂光は今回チームキャプテンを務める。他のメンバーも男女共に国内上位陣の顔ぶれが集まった。今年の海外勢の顔ぶれは千森杯のポディウムに登った選手も何人か見えるが、UCIランキング100位以内の選手は多くなく日本勢にも表彰登壇のチャンスがあるだろう
ただし去年参加し、良い結果を残した前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)と武田和佳(Liv)は残念ながら不参加となった。そして発起人の菅田氏も都合がつかず不参加となり、監督は代わりにSNEL CYCLOCROSS TEAMの諏訪氏が務める。
千森杯について
手厚い主催者のケアと学生ボランティアのホスピタリティが印象的な千森杯は、国際シクロクロス大会として多くの海外選手を集めるため、欧州がまだオフシーズンのこの時期に開催することで始まった。2013年には北京市延慶地区でUCIクラス2として第1回大会が開催され、日本からは小坂光と宮内佐季子(現Club La.sista Offroad Team)参戦している。
2014年にはUCIクラス1に昇格しアジア最高峰のシクロクロス大会となった。2015年は北京市延慶地区と海南島珊中の南北2会場開催となり、2016年は中国内3会場開催とも噂されたが最終的に北京の北京市延慶地区と豊台地区の2会場で開催された。
そして2017年大会はエントリー方式が変更。今までUCIライセンスを持つ選手が申し込みをすれば無条件で参加が可能であったが、今大会からは男女計100名の枠を設け参加申請に対しオーガナイザーが審査し、UCIコミッセールがそれを承認するという、ハードルの高いエントリー方式となった。最後に何人かの選手のコメントを紹介しよう。
千森杯4回出場 キャプテンの小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)
「毎年シクロクロスシーズン開幕に向けての良い刺激になっているので、今年も千森杯に出場することにしました。 身体も機材もこのレースでチェックし、国内シーズン開幕に向けて調整するのが僕のここ数年の流れです。オーガナイザーの大会運営がしっかりしているので、リラックスしてレースに望むことができるのもこの大会の魅力であり良い点だと思っています。
今回は日本選手団のキャプテンとしてご指名をいただきましたが、普段国内ではライバル同士であり別のチームで活動する選手達が、大会期間中に1週間行動を共にする中で情報共有やアドバイスし合うなど、皆でレベルアップできるような雰囲気を作ることができたらと思っています。」
ベルギーに長く活動拠点を置き全日本シクロクロス5連覇した竹之内悠(TOYO FRAME)
「今年も10月からヨーロッパで例年通りシクロクロスシーズンを開始する予定ですが、その前に一度コンペティブなレースをこなす良い機会と思い参加します。この千森杯に参加して、春夏にかけて作ってきた身体の今の状態を確認し、欧州での本格的レース活動に向かいます。UCIクラス1の国際レースと言っても、欧州のレースとはまた違うものになると思うので割り切って走りたいです。」
カムバック後、活躍を見せる唐見実世子選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)
「シクロクロスレースに復帰して今年で3シーズン目となります。本業のロードレースに関しては、昨シーズンに比べて選手らしくなってきておりますが、シクロクロスに関してはまだまだだと感じています。ですので、昨シーズンよりも良いシーズンにするために、早い時期からシクロクロスに取り組むチャンスだと思い千森杯に初めて参加します。
日本チームとしては、海外のトップ選手の胸を借りられる貴重な機会ですし、世界選手権やワールドカップといった高い土俵に比べると そこまで気負わず良い経験を積める場だと思っています。シーズン前で本調子とまではいかないにしろ、出来る限りの調整をして挑むつもりです。
シクロクロスはロードレースとは別物で経験も重要な本当に難しい競技です。昨年、チームにヨーロッパ遠征へ連れて行ってもらったのですが、レースについて行けず苦労した反面、レースそのものはとても楽しいとも思いました。千森杯はシクロクロスシーズンが始まっていない事、ヨーロッパでのレースよりは選手数が少ない事から、もしかしたら私にもチャンスがあるのではないかと思い参戦を決意しました。
中国でのレースはロードレースも含め今回が初めてですから、どのようになるか想像もつきません。選手はヨーロッパ、USA、オーストラリアなど各国から集まりますので、レベルも高く厳しいレースになると思います。大会は中国のオーガナイザーですので、そういった意味ではアジア色の強い運営になるかもしれませんね。個人的には、海外レースの経験を積む事だけではなくて、自分の持ち味を発揮して、結果にもこだわれるレースにしていきたいと思います。」
日本遠征チーム 諏訪監督
「今回の遠征メンバーは昨年と同じ11人です。今年から主催者側のセレクションが厳しくなったこともあり、 各国からの選手レベルも例年より高くなっていると思います。しかし日本チームも今まで以上の強力なメンバーで挑みます。当然、レース自体のレベルも上がって来るかと思いますが、日本チームで団結し、UCIポイントをできるだけ多く取れるよう頑張りたいと思います。」
report:Masakazu.Abe
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