2017/07/14(金) - 10:51
ピレネー決戦の初日となったツール・ド・フランス第12ステージ。並み居るクライマーたちを下したロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)や、チームスカイの牙城を崩したファビオ・アル(イタリア、アスタナ)らのコメントを紹介しよう。
ステージ優勝を果たしたロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)
日曜日に勝利できなかったことがとても残念でならなかった。でも今は非常に幸せな気分。長い1日の最後を勝利で締めくくることができてよかったよ。長年の悲願であったツールでのステージ優勝を果たした今、総合争いに集中することができる。
最後の登りでフルームがアタックしてくるものだと予想していた。とにかく誰かが仕掛けてくるだろうと。ダン・マーティンがアタックしたのを見て、全力を振り絞って反応したんだ。最後の登りは5月に下見を行ったからよく知っていた。舗装されたばかりで、僕がおそらく初めて自転車で登ったことになる。地元の人たちは、きっとそのことが幸運をもたらしてくれるはずだ、と言ってくれた。そして今日、ステージ優勝を果たすことが出来たんだ。
今日の勝利はチームにとっても重要な勝利で、これで僕たちが総合争いに臨む準備は整った。4人のライバル達がとても近いタイム差で固まっている。厳しいコースになればなるほど、僕にとって有利になるだろう。
マイヨジョーヌを獲得したファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
この感情をどう表現すればいいのか、わからない。このイエロージャージは全てのサイクリストにとって、一度は夢に見るもの。これまで、ジロのピンクジャージとブエルタのレッドジャージを着たことはあったけれど、このジャージを着ることは出来なかった。けれど、ついに今日僕の下にやってきたんだ。とても幸せな気分だよ。
率直に言って、今日はとてもタフなステージだった。天候も良くなかったね。チームの皆が支えてくれ、集団の前方へ僕を運んでくれた。ラストのペイラギュードはとても速かった上に、勾配が強かった。ラスト350mで渾身のアタックを仕掛けたんだ。あの坂で一番強かったのはロマン・バルデで、彼の勝利は素直に祝福したい。そして、僕には、リーダージャージがもたらされたんだ。
残念なことに、昨ステージでダリオ・カタルドがクラッシュしてツールを去ることになった。そして左手にヒビが入りながら走ったヤコブ・フルサングにとっても辛いステージになった。だから、このイエロージャージは、彼らとチーム皆へ捧げたい。今日まで僕を支え続けてくれたみんなにね。
ツールには、まだまだ勝負所となるステージが残っている。明日は短いけれど難易度の高いピレネーのステージで、また大きく順位を変えることになるだろう。チームは昨日の落車を乗り越えて、ツールでの戦いを続けていく。一歩一歩、ステージをこなしていくよ。
マイヨジョーヌを手放したクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)
僕にとってペイラギュードはかなり厳しい結果となった。チームメイトは驚くほどのコントロール力を発揮して、完全に集団を支配していたけれど、最後の急斜面で僕の力が足りなかったんだ。単純に僕が弱かった、なにも言い訳出来ることは無い。
最後の滑走路の斜度は20%を超えていた。本当に、とても厳しいフィニッシュだった。ロマン・バルデのステージ優勝とファビオ・アルのイエロージャージを祝福することしかできないよ。レースはまだまだこれからだ。
ライバルたちから遅れたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
僕らは可能な限りの方法で戦ってきたけれど、僕が思っていたよりも強くないということを認めざるを得ないようだ。先頭集団から遅れた時、取り返しのつかないほどのタイム差を付けられてしまうのだろうと思った。けれど、ペースをキープして諦めなかったから、どうにか最悪の事態は避けることが出来た。
今の目標は、正直わからない。ステージ優勝に集中するのも良いかもしれないけれど、正直なところ僕が望んでいるのは調子が戻ってくることなんだ。そうじゃなければ、どんな目標のためにも戦うことが出来ない。僕が今いる位置は、決して望んだものではないけれど、まだツールは1週間も残っている。
以前にも話した通り、今シーズン僕の最初の目標はダブルツールを達成することだった。でもそれはうまくいかなかった。リスクを負ってギャンブルをすれば、上手くいくこともあれば、失敗することもある。今年は失敗だったけれど、来年はきっともっといい結果が出せるはず。今年よりもいいコンディションで挑戦できると思っている。
バレ峠でアタックを仕掛けたアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)
バレ峠で仕掛けたのは、スカイの選手たちがまだまだ残っていたから、その状況を少しでも良くするための動きだと思ったんだ。結果として、彼らは4人に数を減らした。でも、スカイのような強力なチームが支配するレースに風穴を開けるのは簡単なことじゃない。
今日は厳しいステージになると思っていたけれど、出来る限りの結果を残そうと思っていた。ペイルスルドの山頂付近で遅れてしまったけれど、あそこまでついていくのが限界だった。今日の朝起きて感じた調子の悪さから思えば、上出来と言ってもいい結果だけれど、嬉しいとはとても言えないね。
とにかく今日は、限界でフィニッシュにたどり着いた。身体が痛くてアイシングしたくてたまらなかったよ。今の目標はステージ優勝すること。総合はさすがに厳しい状況になってしまった。僕のコンディションも決して楽観視できるものではないし、明日のステージもとても厳しいコースになっている。
総合リーダーが入れ替わったのは、レースの雰囲気を変えることになるだろう。僕は総合争いからは遠ざかってしまったけれど、また違った戦い方をするつもりだ。明日はまたチャレンジを続けるよ。
山岳賞ジャージを守ったワレン・バルギル(フランス、サンウェブ)
今日のステージはスマートに立ち回ることができたし、山岳賞のポイントも稼ぐことができて満足している。休息日前にバッドラックに見舞われたことは、振り返ってみると、エネルギーのセーブやポイントを稼ぐことにも繋がったので、振り返ってみると多分良いことだったのだろう。これからは山岳賞のために闘うし、ポイントを取り続けられるように願っている。
ステージ6位のダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)
30分は遅れるかと思うほどバッドデイだったので最初の50kmは恐ろしさを感じた。脚が全く残っていなかったよ。しかし幸運なことに、時間を失うこと無くステージを終えることができた。クラッシュ(第9ステージ)での痛みが残っているので、控えめに乗っていたけど一日中痛みに苦しんだ。だから今日の成績は本当に嬉しい。今は一日一日をクリアしていき、来週のアルプス決戦の前に体調が全快することを願っているよ。
敢闘賞を獲得したスティーブ・クミングス(イギリス、ディメンションデータ)
今日はステージが始まると同時にセルジュ・パウェルスとともに先頭に立ち逃げにチャレンジした。結果的に私が逃げに乗ることができ、それが全てうまくいった。エスケープはコントロール下にあると感じていたけど、メイン集団の動きまではコントロールできなかったよ。残念ながら、メイン集団の彼らは追走してくる日だった。脚の状態は良いので、また逃げに乗るつもりだよ。
山岳ポイントを目指して逃げたトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)
去年のツールとはかなり違った印象のレースになっているね。逃げ切ってのステージ優勝の機会はとても少なくなっている。特にチームスカイがとてもハイペースで集団をコントロールしているから、逃げ集団にとっては十分なタイム差を獲得することは至難の業だ。僕の調子は悪くなかったからクミングスとともに逃げた。4分ほどのタイム差を得たけれど、いくつも山が続くこのコースではあまりにも小さなアドバンテージだったね。
今年のツールでは、調子が最高のいわゆる”スーパーデー”はまだやってきていないから、その日が来るのを待っているんだ。とにかく今日は楽しんで走ることができたよ。山岳ポイントのために走っていたけれど、マシューズが強かったね。
怪我の影響で大きく順位を落としたヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)
全てを出し尽くしたよ。最初のセクションでは、ライバルたちについていこうとしたけれど、後半はとてもついていける速さじゃなかった。怪我の影響で、総合争いから脱落してしまうことになってしまったね。今日はとてもタフな一日だったけれど、明日のステージもまたチャレンジしたいね。
text:CW編集部
ステージ優勝を果たしたロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)
日曜日に勝利できなかったことがとても残念でならなかった。でも今は非常に幸せな気分。長い1日の最後を勝利で締めくくることができてよかったよ。長年の悲願であったツールでのステージ優勝を果たした今、総合争いに集中することができる。
最後の登りでフルームがアタックしてくるものだと予想していた。とにかく誰かが仕掛けてくるだろうと。ダン・マーティンがアタックしたのを見て、全力を振り絞って反応したんだ。最後の登りは5月に下見を行ったからよく知っていた。舗装されたばかりで、僕がおそらく初めて自転車で登ったことになる。地元の人たちは、きっとそのことが幸運をもたらしてくれるはずだ、と言ってくれた。そして今日、ステージ優勝を果たすことが出来たんだ。
今日の勝利はチームにとっても重要な勝利で、これで僕たちが総合争いに臨む準備は整った。4人のライバル達がとても近いタイム差で固まっている。厳しいコースになればなるほど、僕にとって有利になるだろう。
マイヨジョーヌを獲得したファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
この感情をどう表現すればいいのか、わからない。このイエロージャージは全てのサイクリストにとって、一度は夢に見るもの。これまで、ジロのピンクジャージとブエルタのレッドジャージを着たことはあったけれど、このジャージを着ることは出来なかった。けれど、ついに今日僕の下にやってきたんだ。とても幸せな気分だよ。
率直に言って、今日はとてもタフなステージだった。天候も良くなかったね。チームの皆が支えてくれ、集団の前方へ僕を運んでくれた。ラストのペイラギュードはとても速かった上に、勾配が強かった。ラスト350mで渾身のアタックを仕掛けたんだ。あの坂で一番強かったのはロマン・バルデで、彼の勝利は素直に祝福したい。そして、僕には、リーダージャージがもたらされたんだ。
残念なことに、昨ステージでダリオ・カタルドがクラッシュしてツールを去ることになった。そして左手にヒビが入りながら走ったヤコブ・フルサングにとっても辛いステージになった。だから、このイエロージャージは、彼らとチーム皆へ捧げたい。今日まで僕を支え続けてくれたみんなにね。
ツールには、まだまだ勝負所となるステージが残っている。明日は短いけれど難易度の高いピレネーのステージで、また大きく順位を変えることになるだろう。チームは昨日の落車を乗り越えて、ツールでの戦いを続けていく。一歩一歩、ステージをこなしていくよ。
マイヨジョーヌを手放したクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)
僕にとってペイラギュードはかなり厳しい結果となった。チームメイトは驚くほどのコントロール力を発揮して、完全に集団を支配していたけれど、最後の急斜面で僕の力が足りなかったんだ。単純に僕が弱かった、なにも言い訳出来ることは無い。
最後の滑走路の斜度は20%を超えていた。本当に、とても厳しいフィニッシュだった。ロマン・バルデのステージ優勝とファビオ・アルのイエロージャージを祝福することしかできないよ。レースはまだまだこれからだ。
ライバルたちから遅れたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
僕らは可能な限りの方法で戦ってきたけれど、僕が思っていたよりも強くないということを認めざるを得ないようだ。先頭集団から遅れた時、取り返しのつかないほどのタイム差を付けられてしまうのだろうと思った。けれど、ペースをキープして諦めなかったから、どうにか最悪の事態は避けることが出来た。
今の目標は、正直わからない。ステージ優勝に集中するのも良いかもしれないけれど、正直なところ僕が望んでいるのは調子が戻ってくることなんだ。そうじゃなければ、どんな目標のためにも戦うことが出来ない。僕が今いる位置は、決して望んだものではないけれど、まだツールは1週間も残っている。
以前にも話した通り、今シーズン僕の最初の目標はダブルツールを達成することだった。でもそれはうまくいかなかった。リスクを負ってギャンブルをすれば、上手くいくこともあれば、失敗することもある。今年は失敗だったけれど、来年はきっともっといい結果が出せるはず。今年よりもいいコンディションで挑戦できると思っている。
バレ峠でアタックを仕掛けたアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)
バレ峠で仕掛けたのは、スカイの選手たちがまだまだ残っていたから、その状況を少しでも良くするための動きだと思ったんだ。結果として、彼らは4人に数を減らした。でも、スカイのような強力なチームが支配するレースに風穴を開けるのは簡単なことじゃない。
今日は厳しいステージになると思っていたけれど、出来る限りの結果を残そうと思っていた。ペイルスルドの山頂付近で遅れてしまったけれど、あそこまでついていくのが限界だった。今日の朝起きて感じた調子の悪さから思えば、上出来と言ってもいい結果だけれど、嬉しいとはとても言えないね。
とにかく今日は、限界でフィニッシュにたどり着いた。身体が痛くてアイシングしたくてたまらなかったよ。今の目標はステージ優勝すること。総合はさすがに厳しい状況になってしまった。僕のコンディションも決して楽観視できるものではないし、明日のステージもとても厳しいコースになっている。
総合リーダーが入れ替わったのは、レースの雰囲気を変えることになるだろう。僕は総合争いからは遠ざかってしまったけれど、また違った戦い方をするつもりだ。明日はまたチャレンジを続けるよ。
山岳賞ジャージを守ったワレン・バルギル(フランス、サンウェブ)
今日のステージはスマートに立ち回ることができたし、山岳賞のポイントも稼ぐことができて満足している。休息日前にバッドラックに見舞われたことは、振り返ってみると、エネルギーのセーブやポイントを稼ぐことにも繋がったので、振り返ってみると多分良いことだったのだろう。これからは山岳賞のために闘うし、ポイントを取り続けられるように願っている。
ステージ6位のダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)
30分は遅れるかと思うほどバッドデイだったので最初の50kmは恐ろしさを感じた。脚が全く残っていなかったよ。しかし幸運なことに、時間を失うこと無くステージを終えることができた。クラッシュ(第9ステージ)での痛みが残っているので、控えめに乗っていたけど一日中痛みに苦しんだ。だから今日の成績は本当に嬉しい。今は一日一日をクリアしていき、来週のアルプス決戦の前に体調が全快することを願っているよ。
敢闘賞を獲得したスティーブ・クミングス(イギリス、ディメンションデータ)
今日はステージが始まると同時にセルジュ・パウェルスとともに先頭に立ち逃げにチャレンジした。結果的に私が逃げに乗ることができ、それが全てうまくいった。エスケープはコントロール下にあると感じていたけど、メイン集団の動きまではコントロールできなかったよ。残念ながら、メイン集団の彼らは追走してくる日だった。脚の状態は良いので、また逃げに乗るつもりだよ。
山岳ポイントを目指して逃げたトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)
去年のツールとはかなり違った印象のレースになっているね。逃げ切ってのステージ優勝の機会はとても少なくなっている。特にチームスカイがとてもハイペースで集団をコントロールしているから、逃げ集団にとっては十分なタイム差を獲得することは至難の業だ。僕の調子は悪くなかったからクミングスとともに逃げた。4分ほどのタイム差を得たけれど、いくつも山が続くこのコースではあまりにも小さなアドバンテージだったね。
今年のツールでは、調子が最高のいわゆる”スーパーデー”はまだやってきていないから、その日が来るのを待っているんだ。とにかく今日は楽しんで走ることができたよ。山岳ポイントのために走っていたけれど、マシューズが強かったね。
怪我の影響で大きく順位を落としたヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)
全てを出し尽くしたよ。最初のセクションでは、ライバルたちについていこうとしたけれど、後半はとてもついていける速さじゃなかった。怪我の影響で、総合争いから脱落してしまうことになってしまったね。今日はとてもタフな一日だったけれど、明日のステージもまたチャレンジしたいね。
text:CW編集部
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