2017/07/24(月) - 09:06
イタリアのサイクルシューズブランドであるDMTより、足を360度包み込むように締めつけるスケルトンシステムを採用したロードシューズ「RS1」をインプレッション。リオオリンピックでエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)のオムニアム金メダルを支えたレーシングモデルだ。
1978年にイタリアで創業したDMTは、イタリアの職人技術に最新の素材を組み込んだ製品開発が強みのサイクリングシューズブランド。2012年のフィリップ・ジルベール(ベルギー)による世界選手権制覇を支えるなど、多くのプロ選手に愛用されてきた名門ブランドだ。そんなDMTから今回インプレッションを行ったのが、研究・開発・試作に3年という歳月を費やした全く新しいロードシューズ「RS1」だ。
リオ五輪でエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)のオムニアム金メダルを支えたRS1。その一番の特徴は、足を360度包み込むように締めつける「スケルトンシステム」と呼ばれる独自のフィット機構にある。これはBOAダイヤルによって締めつけられるワイヤーがインソールの下を通過し、シューズを一周するという今までにないフィットシステムだ。
通常のクロージャーシステムなら、足を上からソールに向かって押すように締めつけるだけだが、このスケルトンシステムにより360度足を包み込むようにワイヤーが締めつけてくれる。さらにDMTシューズの特長である袋縫いも相まって、究極のフィット感を実現しているのが特徴だ。
ワイヤーをソール部分に通すという機構のため、アウターソールは完全新規の専用デザインとなった。その名の通り、骨格の様に見えるソールからは外側に4本、内側に2本のナイロンチューブが伸びアッパーに埋め込まれる。そこから出るワイヤーがシューズ前面に1つだけ配置されたBOAダイヤルに繋がり、全体を均一に締め上げるのだ。
また一般的には別々に分かれるアッパーとタンを一体構造とすることで、シューズ上部のホールド感も高める構造となっている。パワー伝達の要となるアウトソールにはUDFAW150カーボンを採用し、軽量かつ一流スプリンターの踏みこみにも耐えうる優れた剛性を発揮する。
アッパーのつま先部分にはレーザー加工によるパンチングが施され、アウトソールにもベンチレーションホールが配され、シューズ内の通気性を確保。ヒールパーツは簡単に取り外すことが出来るため、摩耗した場合でも交換が可能だ。
カラーはブラックを基調にシルバーのロゴとアッパーで構成したブラック/シルバー1色で、サイズは37~44まで0.5刻みでラインアップされる。他にはないフィット感をもたらすスケルトンシステムを搭載した意欲作「RS1」。それでは早速インプレッションに移ろう。
― 編集部インプレッション
スケルトンシステムと呼ばれる血管のようなフィッティング機構ばかりに注目がいきがちなDMT RS1だが、イタリアンブランドらしからぬ幅広な靴型も特長的なロードシューズとなっている。これであれば幅広い日本人にフィットするのではないかと思う。
日本人の足は一般的に欧米人に比べ幅広、甲高と言われる。そのため、ヨーロッパブランドのサイクリングシューズで往々にして問題になるのが幅が狭く窮屈に感じるということだろう。その点、このRS1はイタリアの名門サイクリングシューズブランドでありながら比較的横幅がワイドに作られており、窮屈さを感じることがない。
そしてそのままBOAダイヤルを締めつけていくと、謳い文句の通り360度から締めつけられるような感覚でホールドしてくれる。こう書くとソールがワイヤーで曲がって行くのかと思う方がいるかもしれないが、具体的にはソールは変形せず、土踏まずのあたりのフィット感が高まり、360度包み込むというように感じるのだ。
もちろん甲部分の締めつけ感も一体となったタンのおかげもあって、引き足でも踏み足でもパワー伝達性を高めてくれるのではないかという期待感を持てる。1点、少しBOAダイヤルの裏側が足の甲に当たるが、厚めの靴下を使用するなどすれば問題ないだろう。
いざ実走してみると、大きく感じるのがソール剛性の高さ。流石エリア・ヴィヴィアーニのハイパワーを支えるUDFAW150カーボンだけあって、しなるという事もなくパワー伝達性能は非常に高い。ペダルを踏み込んだ分だけロス無く推進力に変わってくれる。その上、軽量にも仕上がっているため、軽快なペダリングが可能だ。
またBOAダイヤルが1つと言うのは脱ぎ履き、更には走行中の締めつけがし易いということにも気が付いた。シリアスに自転車競技を行う人の中にはイージーペースの場合はシューズの締めつけを少し緩めで走り、ハイペースやスプリント時にはシューズを締めるという人もいると思う。そんな人にとっては簡潔に素早く締め付けが行えるワンダイヤルというのも利便性が高いように感じた。
デザインに関しても、その独創的な構造ゆえではあるが今までにはない奇抜なスタイルで、所有欲を刺激してくれることだろう。他に人とは一味違ったシューズを求める人は確実にオススメ出来るシューズである。もちろん性能に揺るぎは無い。(インプレッション:CW編集部 釜田康佑)
DMT RS1
ソール:UDFAW150カーボン製
クロージャー:BOA L6ダイヤルx1個
サイズ:37、37.5、38、38.5、39、39.5、40、40.5、41、41.5、42、42.5、43、43.5、44
重 量:260g(41サイズ)
カラー:ブラック/シルバー
価 格:42,000円(税抜)
text:Kosuke.Kamata
photo:Makoto.Ayano
1978年にイタリアで創業したDMTは、イタリアの職人技術に最新の素材を組み込んだ製品開発が強みのサイクリングシューズブランド。2012年のフィリップ・ジルベール(ベルギー)による世界選手権制覇を支えるなど、多くのプロ選手に愛用されてきた名門ブランドだ。そんなDMTから今回インプレッションを行ったのが、研究・開発・試作に3年という歳月を費やした全く新しいロードシューズ「RS1」だ。
リオ五輪でエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)のオムニアム金メダルを支えたRS1。その一番の特徴は、足を360度包み込むように締めつける「スケルトンシステム」と呼ばれる独自のフィット機構にある。これはBOAダイヤルによって締めつけられるワイヤーがインソールの下を通過し、シューズを一周するという今までにないフィットシステムだ。
通常のクロージャーシステムなら、足を上からソールに向かって押すように締めつけるだけだが、このスケルトンシステムにより360度足を包み込むようにワイヤーが締めつけてくれる。さらにDMTシューズの特長である袋縫いも相まって、究極のフィット感を実現しているのが特徴だ。
ワイヤーをソール部分に通すという機構のため、アウターソールは完全新規の専用デザインとなった。その名の通り、骨格の様に見えるソールからは外側に4本、内側に2本のナイロンチューブが伸びアッパーに埋め込まれる。そこから出るワイヤーがシューズ前面に1つだけ配置されたBOAダイヤルに繋がり、全体を均一に締め上げるのだ。
また一般的には別々に分かれるアッパーとタンを一体構造とすることで、シューズ上部のホールド感も高める構造となっている。パワー伝達の要となるアウトソールにはUDFAW150カーボンを採用し、軽量かつ一流スプリンターの踏みこみにも耐えうる優れた剛性を発揮する。
アッパーのつま先部分にはレーザー加工によるパンチングが施され、アウトソールにもベンチレーションホールが配され、シューズ内の通気性を確保。ヒールパーツは簡単に取り外すことが出来るため、摩耗した場合でも交換が可能だ。
カラーはブラックを基調にシルバーのロゴとアッパーで構成したブラック/シルバー1色で、サイズは37~44まで0.5刻みでラインアップされる。他にはないフィット感をもたらすスケルトンシステムを搭載した意欲作「RS1」。それでは早速インプレッションに移ろう。
― 編集部インプレッション
スケルトンシステムと呼ばれる血管のようなフィッティング機構ばかりに注目がいきがちなDMT RS1だが、イタリアンブランドらしからぬ幅広な靴型も特長的なロードシューズとなっている。これであれば幅広い日本人にフィットするのではないかと思う。
日本人の足は一般的に欧米人に比べ幅広、甲高と言われる。そのため、ヨーロッパブランドのサイクリングシューズで往々にして問題になるのが幅が狭く窮屈に感じるということだろう。その点、このRS1はイタリアの名門サイクリングシューズブランドでありながら比較的横幅がワイドに作られており、窮屈さを感じることがない。
そしてそのままBOAダイヤルを締めつけていくと、謳い文句の通り360度から締めつけられるような感覚でホールドしてくれる。こう書くとソールがワイヤーで曲がって行くのかと思う方がいるかもしれないが、具体的にはソールは変形せず、土踏まずのあたりのフィット感が高まり、360度包み込むというように感じるのだ。
もちろん甲部分の締めつけ感も一体となったタンのおかげもあって、引き足でも踏み足でもパワー伝達性を高めてくれるのではないかという期待感を持てる。1点、少しBOAダイヤルの裏側が足の甲に当たるが、厚めの靴下を使用するなどすれば問題ないだろう。
いざ実走してみると、大きく感じるのがソール剛性の高さ。流石エリア・ヴィヴィアーニのハイパワーを支えるUDFAW150カーボンだけあって、しなるという事もなくパワー伝達性能は非常に高い。ペダルを踏み込んだ分だけロス無く推進力に変わってくれる。その上、軽量にも仕上がっているため、軽快なペダリングが可能だ。
またBOAダイヤルが1つと言うのは脱ぎ履き、更には走行中の締めつけがし易いということにも気が付いた。シリアスに自転車競技を行う人の中にはイージーペースの場合はシューズの締めつけを少し緩めで走り、ハイペースやスプリント時にはシューズを締めるという人もいると思う。そんな人にとっては簡潔に素早く締め付けが行えるワンダイヤルというのも利便性が高いように感じた。
デザインに関しても、その独創的な構造ゆえではあるが今までにはない奇抜なスタイルで、所有欲を刺激してくれることだろう。他に人とは一味違ったシューズを求める人は確実にオススメ出来るシューズである。もちろん性能に揺るぎは無い。(インプレッション:CW編集部 釜田康佑)
DMT RS1
ソール:UDFAW150カーボン製
クロージャー:BOA L6ダイヤルx1個
サイズ:37、37.5、38、38.5、39、39.5、40、40.5、41、41.5、42、42.5、43、43.5、44
重 量:260g(41サイズ)
カラー:ブラック/シルバー
価 格:42,000円(税抜)
text:Kosuke.Kamata
photo:Makoto.Ayano
リンク
Amazon.co.jp