2017/05/12(金) - 15:01
イタリア人選手によるステージ優勝はいつやってくるのだろうと、ピンク色のガゼッタ紙は辛口の記事を載せる。南から吹く強い風に押されるように、この日はスイス人とベルギー人がステージ優勝を争った。
第6ステージの出走サイン台の向こうに広がるメッシーナ海峡は白波が立つ荒れ模様。朝から強い南風がレッジョ・カラブリアに吹き付けた。気温は20度ほどあるが、曇り空で風が強いため体感温度は低い。そこまで着る必要は全くないと思うのだけど、地元の観客たちはこぞってダウンジャケットを着込んでいる。
217kmにわたって北上するコースの大半は追い風。しかも時折突風を伴う嵐のような強風で、ペダルを漕がなくてもバイクが勝手に進みそうな風が吹くことも。追い風は楽しく走る分には快適だが、強風の場合はスリップストリームが意味をなくすため、レースを走る選手にとっては決して好ましいものではない。特に斜め後ろから(横方向から)吹く追い風が一番辛く、集団分裂の危険性が最も高い。ローテーションの人数が関係なくなるため大集団で走るアドバンテージが減り、逃げグループに有利な状態となる。
しかもこの日は総合争いが活発化する難易度でもなく、ピュアスプリンターにもチャンスがない。そんな逃げ向きの好条件と、UCIワールドチーム所属の強力なメンバーが揃ったことで、第4ステージに続く逃げ切りが決まった。
フィニッシュ地点のテルメ・ルイジアーネはその名の通り温泉の保養地で、あたりには硫黄の匂いが立ち込める。今回が4回目のジロ登場で、1993年はディミトリ・コニシェフ、1995年はマウリツィオ・フォンドリエスト、1999年はローラン・ジャラベール、2003年はステファノ・ガルゼッリが勝利している。現在コニシェフはカチューシャ・アルペシンの監督として、フォンドリエストは3週間ジロの全コースを走るスポンサーライドのゲストライダーとして、ガルゼッリはテレビ番組の解説としてジロに帯同中だ。
統計として、過去6年間、5月11日に行われたステージは全て海外選手の手に収まっている。イタリアは合計45名という最も多くの選手を出場させながら(次いでスペイン18名、フランス15名、ロシア14名、オランダ13名、ベルギー13名)、今年はまだイタリア人選手がステージ優勝を果たしておらず、マリアローザにも袖を通していない。チェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)が第1ステージでマリアアッズーラを着た以外、4賞ジャージにも縁がない。イタリア人選手によるステージ優勝の空白期間としては最長13ステージ(2009年の第19ステージから2010年の第11ステージまで)という記録がある。その不名誉な記録更新が近づいてきた。
誰もがストゥイヴェン有利と見る中でのシルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング)の勝利。スイス人選手はこれまでジロで55回ステージ優勝しているが、今世紀に入ってからはこれまで2010年ガヴィア越えステージにおけるヨアン・チョップ(当時ブイグテレコム、2014年引退)の勝利の1勝にとどまっていた。
フィニッシュ後に座り込んでしばらく立ち上がれなかったストゥイヴェンは、ステージ優勝の絶好のチャンスを逃しながらも、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)のマリアチクラミーノまで3ポイントに接近した。逃げている間のストゥイヴェンの平均出力は276Wで、推定消費カロリーは5,400kcal(ハンバーガー22個分)。5時間におよぶ逃げを締めくくる最後のスプリントでは、17秒間にわたって1,076Wを出している(最大1,232W)。
今年からチームのサブスポンサーであるセガフレード社がジャージスポンサーについているだけに、ストゥイヴェンは何としてもシクラメン色のポイント賞ジャージを手に入れたいところ。ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)が不調の今、ストゥイヴェンがイタリア人スタッフの多いアメリカチームの期待を背負っている。
text&photo:Kei Tsuji in Terme Luigiane, Italy
第6ステージの出走サイン台の向こうに広がるメッシーナ海峡は白波が立つ荒れ模様。朝から強い南風がレッジョ・カラブリアに吹き付けた。気温は20度ほどあるが、曇り空で風が強いため体感温度は低い。そこまで着る必要は全くないと思うのだけど、地元の観客たちはこぞってダウンジャケットを着込んでいる。
217kmにわたって北上するコースの大半は追い風。しかも時折突風を伴う嵐のような強風で、ペダルを漕がなくてもバイクが勝手に進みそうな風が吹くことも。追い風は楽しく走る分には快適だが、強風の場合はスリップストリームが意味をなくすため、レースを走る選手にとっては決して好ましいものではない。特に斜め後ろから(横方向から)吹く追い風が一番辛く、集団分裂の危険性が最も高い。ローテーションの人数が関係なくなるため大集団で走るアドバンテージが減り、逃げグループに有利な状態となる。
しかもこの日は総合争いが活発化する難易度でもなく、ピュアスプリンターにもチャンスがない。そんな逃げ向きの好条件と、UCIワールドチーム所属の強力なメンバーが揃ったことで、第4ステージに続く逃げ切りが決まった。
フィニッシュ地点のテルメ・ルイジアーネはその名の通り温泉の保養地で、あたりには硫黄の匂いが立ち込める。今回が4回目のジロ登場で、1993年はディミトリ・コニシェフ、1995年はマウリツィオ・フォンドリエスト、1999年はローラン・ジャラベール、2003年はステファノ・ガルゼッリが勝利している。現在コニシェフはカチューシャ・アルペシンの監督として、フォンドリエストは3週間ジロの全コースを走るスポンサーライドのゲストライダーとして、ガルゼッリはテレビ番組の解説としてジロに帯同中だ。
統計として、過去6年間、5月11日に行われたステージは全て海外選手の手に収まっている。イタリアは合計45名という最も多くの選手を出場させながら(次いでスペイン18名、フランス15名、ロシア14名、オランダ13名、ベルギー13名)、今年はまだイタリア人選手がステージ優勝を果たしておらず、マリアローザにも袖を通していない。チェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)が第1ステージでマリアアッズーラを着た以外、4賞ジャージにも縁がない。イタリア人選手によるステージ優勝の空白期間としては最長13ステージ(2009年の第19ステージから2010年の第11ステージまで)という記録がある。その不名誉な記録更新が近づいてきた。
誰もがストゥイヴェン有利と見る中でのシルヴァン・ディリエ(スイス、BMCレーシング)の勝利。スイス人選手はこれまでジロで55回ステージ優勝しているが、今世紀に入ってからはこれまで2010年ガヴィア越えステージにおけるヨアン・チョップ(当時ブイグテレコム、2014年引退)の勝利の1勝にとどまっていた。
フィニッシュ後に座り込んでしばらく立ち上がれなかったストゥイヴェンは、ステージ優勝の絶好のチャンスを逃しながらも、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)のマリアチクラミーノまで3ポイントに接近した。逃げている間のストゥイヴェンの平均出力は276Wで、推定消費カロリーは5,400kcal(ハンバーガー22個分)。5時間におよぶ逃げを締めくくる最後のスプリントでは、17秒間にわたって1,076Wを出している(最大1,232W)。
今年からチームのサブスポンサーであるセガフレード社がジャージスポンサーについているだけに、ストゥイヴェンは何としてもシクラメン色のポイント賞ジャージを手に入れたいところ。ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)が不調の今、ストゥイヴェンがイタリア人スタッフの多いアメリカチームの期待を背負っている。
text&photo:Kei Tsuji in Terme Luigiane, Italy
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