2017/05/01(月) - 13:28
サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)との激しい総合争いはリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)に軍配し、BMCレーシングは自国スイスで逆転総合優勝を達成。ステージはプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)が制し、総合順位をジャンプアップさせた。
6日間に渡って開催されたツール・ド・ロマンディもこの日が最終日。レマン湖の北岸に位置するスイスの主要都市ローザンヌを舞台にした距離18.3kmの個人タイムトライアルで激しい総合争いが繰り広げられた。
IOC(国際オリンピック委員会)の本拠地が置かれている「オリンピックの首都」を巡るコースは、中盤に用意された丘の頂上を目指してなだらかに登り、そして下ってくるもの。細かいコーナーも多く通常のTTとは異なった性格を落合わせており、結果的にスピードマンよりもオールラウンダーがリザルト上位を占めることとなる。
前日終了時点で、総合首位サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)と2位リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)との差は僅か19秒。独走力に優れるポートに対してイェーツがリードを守りきれるかが焦点だ。
この日のターゲットタイムをマークしたのは、総合38位につけていたアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)。総合上位陣がスタートするとまず、アマドールの25分33秒に迫ったのがジロ・デ・イタリアで総合エースを担うティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)だった。
最終盤のクランクコーナーで前走のロマン・クロイツィゲル(チェコ、オリカ・スコット)に付いていた主催者車両とあわや接触という場面も見られたが、アマドールを1秒67上回り暫定首位に。最終的に3位となるヴァンガーデレンは「かなり危なかったが、全体的に良い感触を得ながら走ることができた」とジロに向けて好材料を得た様子。
総合7位ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)と同4位ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)は1秒以下の差でヴァンガーデレンに届なかったが、オランダナショナル王者プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)が中間計測ポイントでこれまでのタイムを圧倒する。勢いそのままゴールに飛び込むと、タイム表示は24分58秒と、ヴァンガーデレンを33秒も上回って首位に躍進した。
同3位エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)はステージ24位に沈み、総合2位ポートは中間計測でログリッチェのタイムを更に18秒以上短縮。続いたイエロージャージのイェーツも好走したものの、33秒遅れで通過し、総合優勝に黄信号が灯る。
ポートはコース後半にやや失速し、ダンシングでフィニッシュラインを駆け抜けたものの、ログリッチェのタイムには8秒届かず暫定2位に。しかし続いたイェーツのタイムの落ち方がより厳しかった。19秒の総合リードを残り300m地点で使い切ってしまい、この時点でポートの逆転総合優勝が決定。イェーツは最終的に48秒遅れのステージ12位となったため、総合2位にランクダウンした。
今シーズンツアー・ダウンアンダーで総合優勝、パリ〜ニースのクイーンステージでアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セフレード)を下し勝利と勝ち星を重ねているポートにとって、目標とするツール・ド・フランスに向けて弾みとなる総合優勝だ。
ポートは「総合優勝できるとはちょっとした驚きだ。確かにコンディションが良かったことに加え、チームが徹底的にサポートしてくれたことも良かった。スカルポーニやチャド・ヤング(アクセオン・ハーゲンスバーマン、ツアー・オブ・ジラでのクラッシュで金曜日に逝去)を失い精神的にも辛かったけれど、スイス発祥のBMCレーシングに勝利を届けることができて嬉しく思っているよ」と6日間のツール・ド・ロマンディを締めくくっている。
そして新城幸也(バーレーン・メリダ)と別府史之(トレック・セガフレード)もフィニッシュしており、ツール・ド・ロマンディを完走。別府は自身のTwitterに「2007年のツールドロマンディのステージ2位から10年もの月日が経ったけど、今も戦い続けてる。この3日間はリーダージャージを守るために、先頭を引き続ける満足のいく仕事が出来た。そしてまだまだ僕の戦いは終わらない」と語っている。
ツール・ド・ロマンディ2017第5ステージ結果
1位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) 24’58”
2位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) +08”
3位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) +34”
4位 ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)
5位 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
6位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) +35”
7位 ホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター) +41”
8位 レナード・ケムナ(ドイツ、チームサンウェブ) +42”
9位 クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) +46”
10位 イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
82位 新城幸也(バーレーン・メリダ) +2'44"
129位 別府史之(トレック・セガフレード) +4'56"
個人総合成績
1位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) 17h16’00”
2位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +21”
3位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +26”
4位 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) +51”
5位 ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +1’03”
6位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) +1’16”
7位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チームサンウェブ) +1’21”
8位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) +1’22”
9位 ヘスス・エラダ(スペイン、モビスター)
10位 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +1’24”
ポイント賞
1位 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) 66pts
2位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット) 58pts
3位 ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) 50pts
山岳賞
1位 サンデル・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル) 67pts
2位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 50pts
3位 ミカエル・シェレル(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)22pts
ヤングライダー賞
1位 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)16h51”47”
2位 マキシミリアン・シャフマン +14”
3位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット) +36”
チーム総合成績
1位 モビスター 51h51’49”
2位 オリカ・スコット +05”
3位 クイックステップフロアーズ +1’13”
text:So.Isobe
photo:CorVos
6日間に渡って開催されたツール・ド・ロマンディもこの日が最終日。レマン湖の北岸に位置するスイスの主要都市ローザンヌを舞台にした距離18.3kmの個人タイムトライアルで激しい総合争いが繰り広げられた。
IOC(国際オリンピック委員会)の本拠地が置かれている「オリンピックの首都」を巡るコースは、中盤に用意された丘の頂上を目指してなだらかに登り、そして下ってくるもの。細かいコーナーも多く通常のTTとは異なった性格を落合わせており、結果的にスピードマンよりもオールラウンダーがリザルト上位を占めることとなる。
前日終了時点で、総合首位サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)と2位リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)との差は僅か19秒。独走力に優れるポートに対してイェーツがリードを守りきれるかが焦点だ。
この日のターゲットタイムをマークしたのは、総合38位につけていたアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)。総合上位陣がスタートするとまず、アマドールの25分33秒に迫ったのがジロ・デ・イタリアで総合エースを担うティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)だった。
最終盤のクランクコーナーで前走のロマン・クロイツィゲル(チェコ、オリカ・スコット)に付いていた主催者車両とあわや接触という場面も見られたが、アマドールを1秒67上回り暫定首位に。最終的に3位となるヴァンガーデレンは「かなり危なかったが、全体的に良い感触を得ながら走ることができた」とジロに向けて好材料を得た様子。
総合7位ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)と同4位ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)は1秒以下の差でヴァンガーデレンに届なかったが、オランダナショナル王者プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)が中間計測ポイントでこれまでのタイムを圧倒する。勢いそのままゴールに飛び込むと、タイム表示は24分58秒と、ヴァンガーデレンを33秒も上回って首位に躍進した。
同3位エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)はステージ24位に沈み、総合2位ポートは中間計測でログリッチェのタイムを更に18秒以上短縮。続いたイエロージャージのイェーツも好走したものの、33秒遅れで通過し、総合優勝に黄信号が灯る。
ポートはコース後半にやや失速し、ダンシングでフィニッシュラインを駆け抜けたものの、ログリッチェのタイムには8秒届かず暫定2位に。しかし続いたイェーツのタイムの落ち方がより厳しかった。19秒の総合リードを残り300m地点で使い切ってしまい、この時点でポートの逆転総合優勝が決定。イェーツは最終的に48秒遅れのステージ12位となったため、総合2位にランクダウンした。
今シーズンツアー・ダウンアンダーで総合優勝、パリ〜ニースのクイーンステージでアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セフレード)を下し勝利と勝ち星を重ねているポートにとって、目標とするツール・ド・フランスに向けて弾みとなる総合優勝だ。
ポートは「総合優勝できるとはちょっとした驚きだ。確かにコンディションが良かったことに加え、チームが徹底的にサポートしてくれたことも良かった。スカルポーニやチャド・ヤング(アクセオン・ハーゲンスバーマン、ツアー・オブ・ジラでのクラッシュで金曜日に逝去)を失い精神的にも辛かったけれど、スイス発祥のBMCレーシングに勝利を届けることができて嬉しく思っているよ」と6日間のツール・ド・ロマンディを締めくくっている。
そして新城幸也(バーレーン・メリダ)と別府史之(トレック・セガフレード)もフィニッシュしており、ツール・ド・ロマンディを完走。別府は自身のTwitterに「2007年のツールドロマンディのステージ2位から10年もの月日が経ったけど、今も戦い続けてる。この3日間はリーダージャージを守るために、先頭を引き続ける満足のいく仕事が出来た。そしてまだまだ僕の戦いは終わらない」と語っている。
ツール・ド・ロマンディ2017第5ステージ結果
1位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) 24’58”
2位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) +08”
3位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) +34”
4位 ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)
5位 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
6位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) +35”
7位 ホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター) +41”
8位 レナード・ケムナ(ドイツ、チームサンウェブ) +42”
9位 クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) +46”
10位 イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
82位 新城幸也(バーレーン・メリダ) +2'44"
129位 別府史之(トレック・セガフレード) +4'56"
個人総合成績
1位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) 17h16’00”
2位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +21”
3位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +26”
4位 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) +51”
5位 ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +1’03”
6位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) +1’16”
7位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チームサンウェブ) +1’21”
8位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) +1’22”
9位 ヘスス・エラダ(スペイン、モビスター)
10位 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +1’24”
ポイント賞
1位 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) 66pts
2位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット) 58pts
3位 ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) 50pts
山岳賞
1位 サンデル・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル) 67pts
2位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 50pts
3位 ミカエル・シェレル(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)22pts
ヤングライダー賞
1位 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)16h51”47”
2位 マキシミリアン・シャフマン +14”
3位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット) +36”
チーム総合成績
1位 モビスター 51h51’49”
2位 オリカ・スコット +05”
3位 クイックステップフロアーズ +1’13”
text:So.Isobe
photo:CorVos
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