2017/04/28(金) - 11:40
降雪によって短縮されたツール・ド・ロマンディ第2ステージで、シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)とアンドリー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)が逃げ切り。力を残したキュングが自国で嬉しい勝利を飾った。
ツール・ド・ロマンディ3日目も相変わらず冷たい雨。前日のゴール地点/この日のスタート地点である山間の町シャンペリーは雪化粧となり、スタートサインを済ませた選手たちはチームカーでUCI(国際自転車競技連盟)が本拠地を置く麓町エーグルへと移動。22.3kmを短縮した136kmのショートステージで第2ステージが争われた。
リアルスタートが切られるとすぐに山岳ポイントランキング2位のサンデル・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル)がアタック。ここにシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)、5月1日から出場停止処分が始まるアンドリー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)、そしてフレデリック・フーヘレン(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)が合流した。
5分差までリードを広げた先頭4名の中で、アルメは雪化粧の3級山岳2か所、2級山岳1か所をいずれも先頭通過し、サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)を抜いて山岳ランキング首位浮上に成功する。
新城幸也(バーレーン・メリダ)や別府史之(トレック・セガフレード)もコントロールに加わった集団内では、ワレン・バルギル(フランス、チームサンウェブ)が単独落車してそのままレースからリタイア。検査の結果、ローラートレーニング復帰までに3週間程度を要す腸骨稜(骨盤の一部)骨折が発覚し、長期間のレース離脱が濃厚に。
サンウェブはプレスリリース内で手術の必要はないと判断(数日間の経過観察は必要)しているが、昨年1月のトレーニングキャンプ中の事故、その2か月後の足首負傷など、ここ最近怪我続きのバルギルにとっては更なる災難となってしまった。
山岳ポイントを乱獲したアルメは集団に戻り、残った先頭3名は雨中快調に逃げ続ける。寒さで追走の出足が鈍ったことで残り25km時点でのタイム差3分を残し、集団ではスプリントに持ち込みたいトレック・セガフレードやクイックステップフロアーズなどが慌ててペースアップを開始。しかし追い風も味方した先頭グループの背中は最後まで視界に捉えることはできなかった。
残り4kmでのグリブコの加速にフーヘレンが遅れ、「彼(グリブコ)が一番力があったけれど、自分のスプリントに自信があったので、ただ彼を逃さないようにすれば良かった」というキュングと共に残り2.5kmでタイム差は1分。二人は牽制しながらフィニッシュラインに到達し、マッチスプリントで番手のグリブコを並ばせなかったキュングが先着。自国スイスで嬉しいステージ優勝を挙げてみせた。
1993年生まれ、23歳のキュングにとって、ロマンディでの勝利は2年前のネオプロ時代に挙げたものに続く2勝目。「今日はあまりにも寒かったので、逃げて運動量が高かったことで身体を暖かく保てたし、それが勝利にも繋がったと思う。これからのステージではアシストに回ってチームを助けたい」とコメントしている。
総合成績上位陣は揃って20秒遅れのメイン集団でゴールしたため、トップ10の総合順位変動はなし。新城は2分、別府は10分半遅れでフィニッシュしており、過酷なステージを終えている。
ツール・ド・ロマンディ2017第2ステージ結果
1位 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) 3h33’15”
2位 アンドリー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)
3位 ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +20”
4位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット)
5位 ベン・スウィフト(イギリス、UAEチームエミレーツ)
6位 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
7位 トッシュ・ヴァンデルサンド(ベルギー、ロット・ソウダル)
8位 ヤルリンソン・パンタノ(コロンビア、トレック・セガフレード)
9位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
10位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)
119位 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +2’04”
143位 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +10’37”
個人総合成績
1位 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 4h39'07"
2位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) +8"
3位 ヘスス・エラダ(スペイン、モビスター)
4位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +9"
5位 ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +12"
6位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
7位 ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン) +13"
8位 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター)
9位 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・スコット) +14"
10位 ホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)
ポイント賞
1位 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) 56pts
2位 アンドリー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) 55pts
3位 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)48pts
山岳賞
1位 サンデル・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル) 39pts
2位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 24pts
3位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEアブダビ) 16pts
ヤングライダー賞
1位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) 8h12’50”
2位 ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ) +08"
3位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット) +11"
チーム総合成績
1位 モビスター 24h38’33”
2位 ロットNLユンボ +01"
3位 トレック・セガフレード +07"
text:So.Isobe
photo:CorVos,TDWsport
ツール・ド・ロマンディ3日目も相変わらず冷たい雨。前日のゴール地点/この日のスタート地点である山間の町シャンペリーは雪化粧となり、スタートサインを済ませた選手たちはチームカーでUCI(国際自転車競技連盟)が本拠地を置く麓町エーグルへと移動。22.3kmを短縮した136kmのショートステージで第2ステージが争われた。
リアルスタートが切られるとすぐに山岳ポイントランキング2位のサンデル・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル)がアタック。ここにシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)、5月1日から出場停止処分が始まるアンドリー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)、そしてフレデリック・フーヘレン(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)が合流した。
5分差までリードを広げた先頭4名の中で、アルメは雪化粧の3級山岳2か所、2級山岳1か所をいずれも先頭通過し、サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)を抜いて山岳ランキング首位浮上に成功する。
新城幸也(バーレーン・メリダ)や別府史之(トレック・セガフレード)もコントロールに加わった集団内では、ワレン・バルギル(フランス、チームサンウェブ)が単独落車してそのままレースからリタイア。検査の結果、ローラートレーニング復帰までに3週間程度を要す腸骨稜(骨盤の一部)骨折が発覚し、長期間のレース離脱が濃厚に。
サンウェブはプレスリリース内で手術の必要はないと判断(数日間の経過観察は必要)しているが、昨年1月のトレーニングキャンプ中の事故、その2か月後の足首負傷など、ここ最近怪我続きのバルギルにとっては更なる災難となってしまった。
山岳ポイントを乱獲したアルメは集団に戻り、残った先頭3名は雨中快調に逃げ続ける。寒さで追走の出足が鈍ったことで残り25km時点でのタイム差3分を残し、集団ではスプリントに持ち込みたいトレック・セガフレードやクイックステップフロアーズなどが慌ててペースアップを開始。しかし追い風も味方した先頭グループの背中は最後まで視界に捉えることはできなかった。
残り4kmでのグリブコの加速にフーヘレンが遅れ、「彼(グリブコ)が一番力があったけれど、自分のスプリントに自信があったので、ただ彼を逃さないようにすれば良かった」というキュングと共に残り2.5kmでタイム差は1分。二人は牽制しながらフィニッシュラインに到達し、マッチスプリントで番手のグリブコを並ばせなかったキュングが先着。自国スイスで嬉しいステージ優勝を挙げてみせた。
1993年生まれ、23歳のキュングにとって、ロマンディでの勝利は2年前のネオプロ時代に挙げたものに続く2勝目。「今日はあまりにも寒かったので、逃げて運動量が高かったことで身体を暖かく保てたし、それが勝利にも繋がったと思う。これからのステージではアシストに回ってチームを助けたい」とコメントしている。
総合成績上位陣は揃って20秒遅れのメイン集団でゴールしたため、トップ10の総合順位変動はなし。新城は2分、別府は10分半遅れでフィニッシュしており、過酷なステージを終えている。
ツール・ド・ロマンディ2017第2ステージ結果
1位 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) 3h33’15”
2位 アンドリー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)
3位 ソニー・コロブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +20”
4位 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、オリカ・スコット)
5位 ベン・スウィフト(イギリス、UAEチームエミレーツ)
6位 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)
7位 トッシュ・ヴァンデルサンド(ベルギー、ロット・ソウダル)
8位 ヤルリンソン・パンタノ(コロンビア、トレック・セガフレード)
9位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
10位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、クイックステップフロアーズ)
119位 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +2’04”
143位 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +10’37”
個人総合成績
1位 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 4h39'07"
2位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) +8"
3位 ヘスス・エラダ(スペイン、モビスター)
4位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +9"
5位 ホン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +12"
6位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)
7位 ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン) +13"
8位 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター)
9位 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・スコット) +14"
10位 ホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)
ポイント賞
1位 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) 56pts
2位 アンドリー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) 55pts
3位 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)48pts
山岳賞
1位 サンデル・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル) 39pts
2位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 24pts
3位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEアブダビ) 16pts
ヤングライダー賞
1位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) 8h12’50”
2位 ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ) +08"
3位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、オリカ・スコット) +11"
チーム総合成績
1位 モビスター 24h38’33”
2位 ロットNLユンボ +01"
3位 トレック・セガフレード +07"
text:So.Isobe
photo:CorVos,TDWsport
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