2009/12/02(水) - 10:57
イタリアはドロミテのサン・ペッレグリーノ峠付近でトレーニングキャンプ中のリクイガスチームに、シクロワイアードのジャーナリスト グレゴー・ブラウンが現地取材を行なった。記者会見とインタビューの中で、イヴァン・バッソは来シーズンの目標を明らかにした。
昨日お伝えした通り、バッソは来シーズンのジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスに出場する。リクイガスが月曜日にイタリア北部モエナで開いた記者会見の中で明らかにされた。
「ジロでは2人のキャプテンがチームを率いる。バッソと(フランコ)ペッリツォッティだ。イタリア企業のサポートを受けているチームにとって、ジロはシーズンの中で最も重要なレースなんだ」。チームマネージャーのロベルト・アマディオ氏はそう語る。
「イヴァンは今年、世界で数少ない優れたグランツールレーサーの一人であることを証明してくれた。ジロで総合5位、ブエルタ・ア・エスパーニャで総合4位という結果は決して悪くない」。
オペラシオン・プエルト関与の疑いで2年間の出場停止処分を受けたバッソは、2008年の終盤、ジャパンカップでレース復帰を果たした。今年バッソは、2006年の総合優勝以来3年ぶりにジロに出場し、総合5位でフィニッシュ。チームメイトのペッリツォッティが総合3位に入った。
バッソとペッリツォッティは、揃って2010年のツール・ド・フランスに出場する。2人の役割は明確で、バッソは総合成績を、ペッリツォッティはステージ成績を狙う。今年のツール総合7位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)と総合9位のロマン・クロイツィゲル(チェコ)は、バッソとともにチームリーダーとして闘う予定だ。
バッソは来シーズンのチームについてこう語る。「これからのトレーニングとレースを経て、(4人の中で)誰が一番強いのか判明していくだろう。フランコと僕は、今年のジロで信頼関係を築き、協力して闘った。また来年も同じ姿勢でグランツール制覇を目指す。もし我々チームの中で誰か一人でも総合優勝のチャンスがあるなら、チームは全力でそれを支える。チームには互いに尊敬し合える関係が築かれている」。
今年のブエルタを、バッソは総合4位で終えた。その結果は、彼がまだグランツールの総合優勝候補の一人であることの証明だ。しかしグランツールを制圧するためには、総合優勝した2006年ジロや、総合2位に入った2005年ツール当時の力を取り戻す必要がある。
「今年は個人タイムトライアルに苦しめられたよ」。バッソは復活のシーズンをそう振り返る。「それは決してバイクの問題ではない。自分のカラダの問題だった。最近はジムに通って、快適でエアロ効果に優れたポジションを探っているんだ。山岳の上りとタイムトライアル能力をバランス良く両立することが出来れば、ジロかツールのどちらかで総合優勝出来ると信じているよ」。
さらに、今年2度目のジャパンカップ出場を果たしたバッソは、2010年シーズンを再びジャパンカップで締めくくりたいことを明言した。
「2008年に出場停止処分が明けて、その僅か1日後に開催されたのがジャパンカップだった。僕に絶好のチャンスを与えてくれたんだ。だから今年は日本のファンに敬意を表するためにも、何としても出場したかったんだ。日本には本当に多くのファンがいて、いつでも歓迎された気持ちになる。自分にとってもバイクスポンサーのキャノンデールにとっても、大きな意味のあるレースだよ」。
バッソは現在、サンペッレグリーノ峠にほど近いイタリア北部のモエナで行なわれているリクイガスのトレーニングキャンプに参加中。チームは12月14日から22日にかけて、スペインに場所を移して第2回トレーニングキャンプを開催する予定だ。バッソは3月22日から28日にかけて開催されるブエルタ・ア・カタルーニャで本格始動する。
キャンプに帯同してお送りする現地レポート。次回はリクイガスの若きタレント、ヴィチェンツォ・ニーバリの動向をお伝えする。
text:Gregor Brown in Moena
translation:Kei Tsuji
photo:Gregor Brown, Makoto Ayano, Cor Vos
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。
昨日お伝えした通り、バッソは来シーズンのジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスに出場する。リクイガスが月曜日にイタリア北部モエナで開いた記者会見の中で明らかにされた。
「ジロでは2人のキャプテンがチームを率いる。バッソと(フランコ)ペッリツォッティだ。イタリア企業のサポートを受けているチームにとって、ジロはシーズンの中で最も重要なレースなんだ」。チームマネージャーのロベルト・アマディオ氏はそう語る。
「イヴァンは今年、世界で数少ない優れたグランツールレーサーの一人であることを証明してくれた。ジロで総合5位、ブエルタ・ア・エスパーニャで総合4位という結果は決して悪くない」。
オペラシオン・プエルト関与の疑いで2年間の出場停止処分を受けたバッソは、2008年の終盤、ジャパンカップでレース復帰を果たした。今年バッソは、2006年の総合優勝以来3年ぶりにジロに出場し、総合5位でフィニッシュ。チームメイトのペッリツォッティが総合3位に入った。
バッソとペッリツォッティは、揃って2010年のツール・ド・フランスに出場する。2人の役割は明確で、バッソは総合成績を、ペッリツォッティはステージ成績を狙う。今年のツール総合7位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)と総合9位のロマン・クロイツィゲル(チェコ)は、バッソとともにチームリーダーとして闘う予定だ。
バッソは来シーズンのチームについてこう語る。「これからのトレーニングとレースを経て、(4人の中で)誰が一番強いのか判明していくだろう。フランコと僕は、今年のジロで信頼関係を築き、協力して闘った。また来年も同じ姿勢でグランツール制覇を目指す。もし我々チームの中で誰か一人でも総合優勝のチャンスがあるなら、チームは全力でそれを支える。チームには互いに尊敬し合える関係が築かれている」。
今年のブエルタを、バッソは総合4位で終えた。その結果は、彼がまだグランツールの総合優勝候補の一人であることの証明だ。しかしグランツールを制圧するためには、総合優勝した2006年ジロや、総合2位に入った2005年ツール当時の力を取り戻す必要がある。
「今年は個人タイムトライアルに苦しめられたよ」。バッソは復活のシーズンをそう振り返る。「それは決してバイクの問題ではない。自分のカラダの問題だった。最近はジムに通って、快適でエアロ効果に優れたポジションを探っているんだ。山岳の上りとタイムトライアル能力をバランス良く両立することが出来れば、ジロかツールのどちらかで総合優勝出来ると信じているよ」。
さらに、今年2度目のジャパンカップ出場を果たしたバッソは、2010年シーズンを再びジャパンカップで締めくくりたいことを明言した。
「2008年に出場停止処分が明けて、その僅か1日後に開催されたのがジャパンカップだった。僕に絶好のチャンスを与えてくれたんだ。だから今年は日本のファンに敬意を表するためにも、何としても出場したかったんだ。日本には本当に多くのファンがいて、いつでも歓迎された気持ちになる。自分にとってもバイクスポンサーのキャノンデールにとっても、大きな意味のあるレースだよ」。
バッソは現在、サンペッレグリーノ峠にほど近いイタリア北部のモエナで行なわれているリクイガスのトレーニングキャンプに参加中。チームは12月14日から22日にかけて、スペインに場所を移して第2回トレーニングキャンプを開催する予定だ。バッソは3月22日から28日にかけて開催されるブエルタ・ア・カタルーニャで本格始動する。
キャンプに帯同してお送りする現地レポート。次回はリクイガスの若きタレント、ヴィチェンツォ・ニーバリの動向をお伝えする。
text:Gregor Brown in Moena
translation:Kei Tsuji
photo:Gregor Brown, Makoto Ayano, Cor Vos
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。
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