2017/01/24(火) - 00:54
スタート30秒前に突然降り出したあられであたり一面は真っ白に。仕切り直しのスタートを抜群の加速で抜け出した横山航太(シマノレーシング)は2位以下に大差をつけ圧勝した。
1月22日に奈良県生駒市くろんど池周辺で行われたくろんど池シクロクロスPresented by Masahiko MIFUNE。一昨年までは関西シクロクロスシリーズ戦の一つだったが、増え続ける参加者に駐車場のキャパシティが足りずに、別途で昨シーズンから三船雅彦氏が独立した大会を開いているものだ。もちろんAJOCCカレンダーに組み込まれており、スタッフも関西シクロクロスのメンバーで開催体制は他大会と変わりないものだ。
コースはくろんど池を周回するもので、前週の堺とは正反対でテクニカルな場面の多い1周2.3km。それでも上級者にとっては流れに乗ればアップダウンや切り返しなどもうまくこなせる設計にしてある。午前中はドライ路面もあったが次第に振り出した雨のため午後はぬかるんだ区間が多くなった。朝は晴れ、のち曇りから雨が降りやがてあられから雪に、そして夕方には再び晴れるという目まぐるしくコンディションが変わった1日に。C1・CM1は「GP Masahiko MIFUNE(三船雅彦杯)」として行われた。
天候急変のC1は横山航太(シマノレーシング)が圧勝
スタート30秒前に雷鳴が1回、そしてあられが激しく降りすぐにあたり一面は真っ白となり気温も急降下。10秒前になっていったん中断し天候状況を考慮して8分後にスタートとなった。それでもあられは降り続き見通せず、スタート後のアスファルト路面は数センチのシャーベット状となる。このコンディションにもかかわらずドライコンディションのようなスタートダッシュを決めたのは横山。さっそく横山の一人旅が始まる。
2番手は岡野樹(TEAM RINGO ROAD)で門田基志(TEAM GIANT)らがこれに続く。3周目に門田が2番手に上がりさらに川村誠(スクミズマシンワークス)、村田憲治(tacurino.net)、伊澤優大(岩井商会レーシング)、久保伸次(岩井商会レーシング)、比護任(PAXPROJECT)らが続く。先頭の横山は2番手以降とのタイム差を1分以上に引き離す。
4周目に門田がパンク対応のため5番手にまで順位を下げるがわずか1周で再び2番手に戻す。3番手は村田と伊澤がパックを作り競り合う。結局横山は2位門田に2分41秒差をつけ優勝、同一周回は11人のレースとなった。天候急変にもかかわらずテクニカルな場面を鮮やかにこなした横山の強さが光った。
優勝した横山は長野出身で雪のレースには定評がある。それでも冷たかったと語る。「荒れたコンディションで冷たくて足先の感覚がなくなっていました。今日は今シーズン最後のレースでこのジャージを着られるのも最後でした。気持ちよく勝ちたいと思っていたので良かったです」
シングルスピードと仮装クラスは大盛況
エキシビションで行われたシングルスピードと仮装クラスはどちらも大盛況。誰もが趣向を凝らしたものだが趣旨は「速く走れること」と共通するのが他大会と違うところ。中身の人はC1やCM1が多いのでそれも当然だろう。そのようすの一部をご覧いただこう。
「天候急変は選手にとってもいい経験ができたのでは」実行委員長の三船雅彦氏
2回目ですが(関西シクロクロスの)矢野さんが20年間毎年10回ほどやってきたことが凄いとあらためて思います。関係者との打ち合わせなどやることが多く、実際は岩佐さんがそのほとんどをやっており少なすぎるスタッフに対し、関西シクロクロスの人たちなどに協力いただいて無事終えることができました。
コースはくろんど池のフィールドのいいところを生かせるようにしました。たとえば階段がきついからシケインを置かなかったし、きつく難しいものにしました。そのコースを横山選手はウェットで滑りやすい路面は上手にまとめていたし、門田選手はブレーキをうまく使ってこなしていましたね。
天候急変に対しては経験ある人たちにリスクマネージメントしてもらって、主催者としての自分が責任を持った判断ができたと思います。最近難易度の低いレースが多いと思っていたので、選手にとっては身の引き締まる思いをされたと思いますね。ブレーキシューが減って効かなかったり体が冷えて動かないとか、いい経験になったのではないかと思います。
結果 くろんど池シクロクロス
C1
1位 横山航太(シマノレーシング)1時間01分30秒
2位 門田基志(TEAM GIANT)+2分41秒
3位 伊澤優大(岩井商会レーシング)+2分48秒
4位 村田憲治(tacurino.net)+3分34秒
5位 川村誠(スクミズマシンワークス)+4分19秒
6位 久保伸次(岩井商会レーシング)+5分42秒
7位 比護任(PAXPROJECT)+6分36秒
8位 北尾宜久(京都MTB朝ライド)+6分50秒
9位 松本哲(グランデパール播磨)+7分22秒
10位 高田晃平(オカヤマシクロクロス)+8分26秒
CL1
1位 宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)36分58秒
2位 江嶋綾(MAAP×IN THE WOODS)+2分13秒
3位 藤田桃花(村上建具)+2分39秒
CM1
1位 倉橋孝太郎(ベッキーシクロクロス)42分54秒
2位 藤井修(きゅうべえsports)+28秒
3位 自檀地崇(宇陀サイクルレーシング)+36秒
CJ
1位 出羽秀多(チーム36隊)43分28秒
C2
1位 森田正徳(オーマイっRacing)42分38秒
2位 景山昭宏((有)村上建具)+13秒
3位 遠矢竜祐(シマノドリンキング)+25秒
C3
1位 岡本良(INTHEWOODS)31分56秒
2位 溝杭亮二(京都MTB朝ライド)+18秒
3位 高井一平(ボナペティ)+43秒
photo&text:高木秀彰
1月22日に奈良県生駒市くろんど池周辺で行われたくろんど池シクロクロスPresented by Masahiko MIFUNE。一昨年までは関西シクロクロスシリーズ戦の一つだったが、増え続ける参加者に駐車場のキャパシティが足りずに、別途で昨シーズンから三船雅彦氏が独立した大会を開いているものだ。もちろんAJOCCカレンダーに組み込まれており、スタッフも関西シクロクロスのメンバーで開催体制は他大会と変わりないものだ。
コースはくろんど池を周回するもので、前週の堺とは正反対でテクニカルな場面の多い1周2.3km。それでも上級者にとっては流れに乗ればアップダウンや切り返しなどもうまくこなせる設計にしてある。午前中はドライ路面もあったが次第に振り出した雨のため午後はぬかるんだ区間が多くなった。朝は晴れ、のち曇りから雨が降りやがてあられから雪に、そして夕方には再び晴れるという目まぐるしくコンディションが変わった1日に。C1・CM1は「GP Masahiko MIFUNE(三船雅彦杯)」として行われた。
天候急変のC1は横山航太(シマノレーシング)が圧勝
スタート30秒前に雷鳴が1回、そしてあられが激しく降りすぐにあたり一面は真っ白となり気温も急降下。10秒前になっていったん中断し天候状況を考慮して8分後にスタートとなった。それでもあられは降り続き見通せず、スタート後のアスファルト路面は数センチのシャーベット状となる。このコンディションにもかかわらずドライコンディションのようなスタートダッシュを決めたのは横山。さっそく横山の一人旅が始まる。
2番手は岡野樹(TEAM RINGO ROAD)で門田基志(TEAM GIANT)らがこれに続く。3周目に門田が2番手に上がりさらに川村誠(スクミズマシンワークス)、村田憲治(tacurino.net)、伊澤優大(岩井商会レーシング)、久保伸次(岩井商会レーシング)、比護任(PAXPROJECT)らが続く。先頭の横山は2番手以降とのタイム差を1分以上に引き離す。
4周目に門田がパンク対応のため5番手にまで順位を下げるがわずか1周で再び2番手に戻す。3番手は村田と伊澤がパックを作り競り合う。結局横山は2位門田に2分41秒差をつけ優勝、同一周回は11人のレースとなった。天候急変にもかかわらずテクニカルな場面を鮮やかにこなした横山の強さが光った。
優勝した横山は長野出身で雪のレースには定評がある。それでも冷たかったと語る。「荒れたコンディションで冷たくて足先の感覚がなくなっていました。今日は今シーズン最後のレースでこのジャージを着られるのも最後でした。気持ちよく勝ちたいと思っていたので良かったです」
シングルスピードと仮装クラスは大盛況
エキシビションで行われたシングルスピードと仮装クラスはどちらも大盛況。誰もが趣向を凝らしたものだが趣旨は「速く走れること」と共通するのが他大会と違うところ。中身の人はC1やCM1が多いのでそれも当然だろう。そのようすの一部をご覧いただこう。
「天候急変は選手にとってもいい経験ができたのでは」実行委員長の三船雅彦氏
2回目ですが(関西シクロクロスの)矢野さんが20年間毎年10回ほどやってきたことが凄いとあらためて思います。関係者との打ち合わせなどやることが多く、実際は岩佐さんがそのほとんどをやっており少なすぎるスタッフに対し、関西シクロクロスの人たちなどに協力いただいて無事終えることができました。
コースはくろんど池のフィールドのいいところを生かせるようにしました。たとえば階段がきついからシケインを置かなかったし、きつく難しいものにしました。そのコースを横山選手はウェットで滑りやすい路面は上手にまとめていたし、門田選手はブレーキをうまく使ってこなしていましたね。
天候急変に対しては経験ある人たちにリスクマネージメントしてもらって、主催者としての自分が責任を持った判断ができたと思います。最近難易度の低いレースが多いと思っていたので、選手にとっては身の引き締まる思いをされたと思いますね。ブレーキシューが減って効かなかったり体が冷えて動かないとか、いい経験になったのではないかと思います。
結果 くろんど池シクロクロス
C1
1位 横山航太(シマノレーシング)1時間01分30秒
2位 門田基志(TEAM GIANT)+2分41秒
3位 伊澤優大(岩井商会レーシング)+2分48秒
4位 村田憲治(tacurino.net)+3分34秒
5位 川村誠(スクミズマシンワークス)+4分19秒
6位 久保伸次(岩井商会レーシング)+5分42秒
7位 比護任(PAXPROJECT)+6分36秒
8位 北尾宜久(京都MTB朝ライド)+6分50秒
9位 松本哲(グランデパール播磨)+7分22秒
10位 高田晃平(オカヤマシクロクロス)+8分26秒
CL1
1位 宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)36分58秒
2位 江嶋綾(MAAP×IN THE WOODS)+2分13秒
3位 藤田桃花(村上建具)+2分39秒
CM1
1位 倉橋孝太郎(ベッキーシクロクロス)42分54秒
2位 藤井修(きゅうべえsports)+28秒
3位 自檀地崇(宇陀サイクルレーシング)+36秒
CJ
1位 出羽秀多(チーム36隊)43分28秒
C2
1位 森田正徳(オーマイっRacing)42分38秒
2位 景山昭宏((有)村上建具)+13秒
3位 遠矢竜祐(シマノドリンキング)+25秒
C3
1位 岡本良(INTHEWOODS)31分56秒
2位 溝杭亮二(京都MTB朝ライド)+18秒
3位 高井一平(ボナペティ)+43秒
photo&text:高木秀彰
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