サントス・ツアー・ダウンアンダー(UCIワールドツアー)の開幕を控えた1月12日、2014年以来2度目の出場となる新城幸也(バーレーン・メリダ)にインタビュー。新チームのこと、今大会について、そして今シーズンについて聞いた。



2014年以来3年ぶりの出場となるサントス・ツアー・ダウンアンダーで2017年シーズンをスタートさせる新城幸也。バーレーンで行われたチームプレゼンテーション終了後、バーレーン・メリダのチームメイトとともに1月11日に現地入りした。タイで合宿を行っていたため「時差ぼけは無し」。暑い太陽の下で開幕前のトレーニングをエンジョイしている新城に話を聞いた。

新城幸也(バーレーン・メリダ)新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:Kei Tsuji


3年ぶりの出場ですが、オーストラリアレースとの相性は?

コアラとの記念写真に喜ぶ新城幸也(バーレーン・メリダ)コアラとの記念写真に喜ぶ新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:Kei Tsuji特に意識はしていませんが、2007年のヘラルドサンツアーでも良い成績(ステージ4位&5位)を残せたし、2010年にロード世界選手権で9位に入った時もオーストラリアだった。オーストラリアのレースは、時期や気候というよりも自分向きのコースが多く、相性が良いので楽しみです。

この暑さは自分の味方になります。チームメイトたちが「昨日は暑かった、本当に暑かった」と言っていたけど、自分にとっては全く暑くなかった。むしろ朝夕は長袖を着たいぐらい寒くて、昼間も自分はインナーを着ていたぐらいです。

ダウンアンダーにおけるバーレーン・メリダの目標は?

ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ) photo:Kei Tsujiチームはジョヴァンニ・ヴィスコンティの総合成績が目標になると思います。長い登りで勝負が決まるレースではなく、しっかり位置取りして集団の前で短い登りを連続して越えていくようなガチャガチャしたレースなので、ヤネス・ブライコヴィッチではなく今回はヴィスコンティですね。第5ステージのウィランガヒルだけでなく、獲得標高差が大きくて登りフィニッシュが設定された第2ステージも重要になる。

そして平坦ステージではニッコーロ・ボニファツィオのスプリント狙い。今回のメンバーを見る限り、おそらく自分の役目はスプリンターのボニファツィオのアシストです。平坦要員の自分がアシストしなければ彼が一人になってしまうので。

シーズンインが例年よりも早いことでタイ合宿の期間が短かったのでは?

例年は1ヶ月以上タイで合宿していましたが、今年は3週間ほどしかいませんでした。合宿をスタートしたタイミングが早かったので、休んでいた時間(オフシーズン)はいつもより短いです。でも休んでいた時間が短くて、乗り始めた時期が早い分、コンディションを戻す時間も短くて済むと思っています。

シーズンを通してのコンディショニングの予定は?

中野喜文マッサーと新城幸也(バーレーン・メリダ)中野喜文マッサーと新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:Kei Tsujiシーズン前半の第1目標は4月のアルデンヌクラシックです。今回のツアー・ダウンアンダーを終えて一旦日本に帰国し、それからスペインのブエルタ・ア・ムルシア、ルタ・デル・ソル、パリ〜ニース、ボルタ・ア・カタルーニャ、ブエルタ・アル・パイスバスコが続いてアルデンヌクラシック。どれだけ登らせるんだと思うぐらい、登りが多いスペインのステージレースが多いですね。クライマーじゃないのに。

次の目標はツール・ド・フランスに出場して活躍することです。ヴィンチェンツォ・ニーバリが狙っているジロ・デ・イタリアはパス。おそらくツールではヨン・イサギレを軸にチームは走る。ランプレ・メリダ時代よりも動きやすいシチュエーションは増えると思います。そのために去年より登れる身体を作っていきたい。

新しいバーレーン・メリダの雰囲気は?

笑顔でステージに上がる新城幸也(バーレーン・メリダ)笑顔でステージに上がる新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:Kei Tsujiチームの雰囲気はとても良いですね。チーム設立1年目にしてはとてもよくまとまっている。決してイタリア色の強いチームではなく、多国籍なチームという印象です。イタリア人選手も英語を話すので、チーム内の公用語は英語。知っているスタッフや選手も多くて居心地が良いです。

チームは変わってもタイでの個人合宿も理解を得ていますし、バイクも変わらずそのまま。今年もメリダのリアクトとスクルトゥーラを使い分けて乗る予定です。活動の環境はそのままですが、タイ合宿など好き勝手やらせてもらっているだけに結果を出さないといけない。

ずばり今回のダウンアンダーの総合優勝者は?

サイモン・ゲランスじゃないですかね?でも、総合がかかっていてモチベーションが高ければペテル・サガンもウィランガヒルを登れるはず。登坂距離も長くないし、それほど勾配もきつくないので。平坦ステージでボーナスタイムを稼いで、集団に残ってウィランガヒルを登り切ればサガンにもチャンスがあると思います。

text:Kei Tsuji

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