2017/01/14(土) - 08:55
ヨーロッパでも有数の自転車文化を持つベルギーに居を構えるバイクブランド、リドレー。北のクラシックを支えたエンデュランスモデル「FENIX」がカラーバリエーション豊富に復活。アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)も愛用した1台をインプレッションした。
リドレー FENIX photo:MakotoAYANO/cyclowired.jp
ヨーロッパおいて自転車文化が深く生活に根付いている国は多いが、とりわけ自転車競技の人気が高いベルギーだ。特に北部のフランドル地方においてはその人気は熱狂的で、過酷な石畳を舞台に繰り広げられるパリ~ルーベやロンド・ファン・フラーンデレンに代表される「北のクラシック」開催の地としても有名である。
そんなベルギーのフランドル地方に拠点を構えるリドレーは、1997年に創業した比較的若いバイクブランド。しかしトッププロチームへの機材供給実績は長く、2005年のダヴィタモン・ロット(現ロット・ソウダル)から継続してサポートを行っている、根っからのレーシングブランドだ。当時のメインバイクとして選ばれた「DAMOCLES(ダモクレス)」はその優れた振動吸収性と高い反応性で名車として名高く、そのテクノロジーは本作にも大いに活かされている。
扁平形状にすることで振動吸収性を高めたシートステー
PF30を採用し軽量化と剛性を強化
根元付近でベンドしたフォークは振動吸収性に貢献
今回インプレッションを行った「FENIX」は、同社カーボンフレームのエントリーグレードに位置付けられるエンデュランスバイク。2013年に登場し、アンドレ・グライペルなど強豪選手らによって2シーズンに渡ってクラシックレースで使用されたモデルだ。現在は後継モデルにあたる「FENIX SL」にそのポジションを譲ったが、欧州などでは販売が続けられており、今なお人気の高い1台となっている。
FENIXの性能で特筆されるのは高い耐久性と振動吸収性である。カーボン製バイクとしては末弟モデルという位置付けにあるものの、過酷な石畳のクラシックレースを走破するため、開発段階からパヴェでのテストを繰り返すことで、その性能は洗練されたものになっている。
リドレーロゴが目立つ大口径ダウンチューブ
角断面のチューブ設計を採用したダイアモンドシェープ形状
堅実な造りのリアエンド
シートステーとは対照的にボリュームを持たせたチェーンステー
フレーム素材には耐久性としなやかさに優れる24Tハイモジュラスカーボンを採用。各チューブにDAMOCLESから受け継いだ「ダイアモンドシェイプ」を受け継ぎ、ねじれ剛性と耐久性を向上させている。複雑な形状変化を見せるダウンチューブは、ヘッドチューブ側の接合部を縦に、BB側の接合部は横へ変形させチューブ同士の接合部分を増やすことにより、剛性を上げることで推進力向上を狙った。
振動吸収性の要となるリアトライアングルは、同社HELIUM(ヘリウム)シリーズからのフィードバックを受け、中央部分を横方向に薄く扁平加工させたシートステーを採用。板バネのような効果を発揮し横剛性を確保しながらも路面からの衝撃を確実に吸収する柔軟性を持たせると同時に、高い路面追従性を実現した。
迫力あるエクステリアは圧巻だ
リドレー伝統のテーパーヘッドチューブを採用
また、シートチューブの左右を跨ぐようにトップチューブとシートステーを結ぶことで、パワーロスにつながる不要な変形を抑えている。フロントフォークに関しても路面からの振動を吸収するために、根元付近でベンドさせることによって荒れた路面でもスムーズな走行を可能とした。フォークのオフセットは45mmで、重量は390gとなっている。
ヘッドチューブにはリドレーが当時、他社に先駆けて導入した上側1-1/8、下側1-1/2インチの上下異径のヘッドパーツを採用し、ハンドリング性能の向上に貢献。同時にヘッド部分の剛性強化によりブレーキング時に起こるたわみを抑え、高い制動力を実現している。
リアブレーキ部より二股に分かれるシートステーを採用
パヴェでテストした証の「Tested on pave」ステッカー
ヘッドチューブから内蔵されるオーソドックスなワイヤリング
ペダリング効率を左右するBBは、大口径のプレスフィット30を採用し軽量化とパワー伝達率の向上を図り、入力した力を無駄なく推進力に変える。プロ選手たちの石畳コースでの力強い踏み込みにも負けない、堅実な作りが見て取れる部分だ。
エントリーモデルながら過酷な北のクラシックでロットチームを支えたFENIX。2015年には後継モデルFENIX SLの登場もあり一度ラインナップから姿を消したが、再販を望む声を受け復活。2017年モデルとして、6種類という豊富なカラーバリエーションと共に数量限定で発売中だ。それではインプレッションに移ろう。
ー インプレッション
「快適性が高く、初めてのカーボンバイクにもオススメ」山崎嘉貴(ブレアサイクリング)
今でこそエントリーモデルという位置づけでのラインナップですが、元々はパリ~ルーベを制することを目標に開発されたレーシングフレームということを忘れてはいけません。過酷な石畳に対応するための工夫が随所になされた、振動吸収性と安定感の高い仕上がりになっています。
「快適性が高く、初めてのカーボンバイクにもオススメ」山崎嘉貴(ブレアサイクリング) フレーム全体が柔らかく出来ているため、路面からの突き上げ感を軽減してくれるので快適感ですね。フロントフォークは硬く突っ張る感覚がありますが、柔らかいフレームがフロント周りの衝撃を流すように吸収してくれるため、そこまで気になるところではありません。リアバックに関しても、シートステーが扁平加工され、しなることで路面からの振動を吸収してくれるのを感じます。このリア三角の柔軟性は路面追従性の向上にも貢献しており、タイヤを路面に押しつけるよう働くので常にトラクションをかけ続けてくれるような感覚が得られますね。
BBは大きくしなり、硬さを感じることはなく脚に優しい剛性感です。その反面、軽いギアでくるくる回すような乗り方では進みにくく、パワーをかけてグイグイ踏み込む必要があります。まさにパリ~ルーベの石畳を力で抑え込んで走破していくような、常に重いギアを踏み続ける力のかけ方が必要になると感じました。
ケーブルの取り回しに関しては、ヘッドチューブから内蔵された後外出しで各所へアクセスするオーソドックスな構造ですので、メンテナンスはしやすいと思います。ステムが極端に短い人はワイヤリングに気を付けないとハンドルが戻る感覚があるかもしれませんので、ショップで上手く組んでもらって下さい。
ロングライドやグランフォンドのような長距離を走るイベントには最適だと思います。ホイールやタイヤは高剛性でパワー伝達率の高いものに変えると、バイクの反応性が高まりより気持ちよく乗ることができるでしょう。踏み続けやすい剛性感を持ったフレームなので、ディープリムホイールとの相性は良いと思います。
これだけの性能を持ちながら13万8千円というプライスは、かなりコストパフォーマンスが高いと思います。2台目としてカーボンフレームにステップアップしたい人にオススメですね。コンポーネントを乗せ換えて組めばリーズナブルに仕上がると思います。
「振動吸収性の高さが際立つオールラウンドバイク」遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)
パリ~ルーベ等のクラシックレースでプロ選手たちに使用されたフレームということで、やはり振動吸収性が群を抜いて良いですね。フレーム重量は若干ありますが、リドレーの自転車らしく、路面からの振動を素材と形状のニ方面からのアプローチで和らげている印象を受けます。
「振動吸収性の高さが際立つオールラウンドバイク」遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)
剛性感は同社のトップモデルNOAH SLと比べるとやや劣る場面がありますが、硬くもなく柔らか過ぎることもないちょうど良い味付けです。大きい力で踏み込むと、バネのような跳ね返しで後ろから押し出してくれるように加速していきます。リズム良くダンシングしていくと気持ち良く反応しスピードが伸びてくれますね。
乗り心地としては全体にしなり感があり、路面からの振動を吸収してくれるため快適性は高いです。長時間でも身体へのダメージが少ないため、ロングライドやグランフォンド等、オールラウンドに使えますね。少し荒れた路面も走ってみましたが、フレームのバネ感がMTBのフルサスのような効果を生み出し、快適性と高い路面追従性を両立しています。
ハンドリングはエンデュランス系のバイクというと直進安定性が強くアンダーステア気味のものが多いですが、このバイクは逆に少しシャープな感触で、コーナーに対して鋭角に入る事が出来ますね。クリテリウムのコーナリングで有利に働きそうです。ブレーキングに関しても、今回アッセンブルされたカーボンクリンチャーホイールで全く問題ない挙動を見せてくれたので、心配する点はないでしょう。
フレームの味付けを考えるとホイールはリムハイトの高いものを合わせ、ガシガシ踏んでいく乗り方が合っていると感じました。登りでケイデンス高く走りたい人は、ローハイトのもので走りを軽くするのも良いと思います。特に相性の悪いホイールはないと感じますね。
ワイヤリングはフルアウターで非常に組みやすく、メンテナンスも行いやすいフレームです。電動シフトもインストールしやすい構造ですので、最初は機械式コンポで組んで、アップグレードして電動コンポで組み直すとしてもストレスフリーで作業できます。
最初アルミバイクから乗り始めた方で、もう一段階ステップアップするためにカーボンバイクが欲しいという方にはとてもオススメです。手持ちのホイールや好きなパーツを用意して自分だけの一台を組むことが出来ますから愛着が湧くでしょうし、コストパフォーマンスが高いため、実業団のレース等リスクの高いシーンでも割り切って使用できる点はいいですね。
リドレー FENIX photo:MakotoAYANO/cyclowired.jp
リドレー FENIX フレームセット
素材:24Tハイモジュラスカーボン
BB規格:PF30(68×46)
シートポスト径:31.6mm
サイズ:XXS(410)、XS(440)、S(470)、M(500)
フレーム重量:XXS/1,110g、XS/1,150g、S/1,190g、M/1,230g
カラー:JP16-01As(BLK/GREY/PINK)、JP16-01Bs(RED/WHT/GREY)、JP16-01Cs(BLK/BLU/GREEN)、JP16-01Ds(BLK/RED/WHT)、JP16-01Es(WHT/RED/BLK)、JP16-01Fs(WHT/BLU/BLK)
価格:138,000円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
山崎嘉貴(ブレアサイクリング) 山崎嘉貴(ブレアサイクリング)
長野県飯田市にあるブレアサイクリング店主。ブリヂストンアンカーのサテライトチームに所属したのち、渡仏。自転車競技の本場であるフランスでのレース活動経験を生かして、南信州の地で自転車の楽しさを伝えている。サイクルスポーツ誌主催の最速店長選手権の初代優勝者でもあり、走れる店長として高い認知度を誇っている。オリジナルサイクルジャージ”GRIDE”の企画販売も手掛けており、オンラインストアで全国から注文が可能だ。
CWレコメンドショップページ
ブレアサイクリングHP
遠藤健太(サイクルワークス Fin’s) 遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)
新潟県長岡市に店舗を構えるサイクルワークス Fin’sの店長。学生時代にBMXから始まり、MTBやロードバイクまで幅広く自転車を楽しむ、バリバリの走れる系店長。スポーツバイク歴は18年にもなり、2012年には全日本選手権ロードに出場した経験も。お店は完璧なメカニックサービスを提供するべく、クオリティの高い整備が評判だ。ショップ主催のサイクリングやレース活動に積極的で、初めての人から実業団レースで活躍したい人まで手厚いサポートを心がける。
CWレコメンドショップページ
サイクルワークス Fin’s HP
ウェア協力:rh+、GRIDE
text:Kosuke.Kamata
photo:Makoto.AYANO
![リドレー FENIX](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-401.jpg)
ヨーロッパおいて自転車文化が深く生活に根付いている国は多いが、とりわけ自転車競技の人気が高いベルギーだ。特に北部のフランドル地方においてはその人気は熱狂的で、過酷な石畳を舞台に繰り広げられるパリ~ルーベやロンド・ファン・フラーンデレンに代表される「北のクラシック」開催の地としても有名である。
そんなベルギーのフランドル地方に拠点を構えるリドレーは、1997年に創業した比較的若いバイクブランド。しかしトッププロチームへの機材供給実績は長く、2005年のダヴィタモン・ロット(現ロット・ソウダル)から継続してサポートを行っている、根っからのレーシングブランドだ。当時のメインバイクとして選ばれた「DAMOCLES(ダモクレス)」はその優れた振動吸収性と高い反応性で名車として名高く、そのテクノロジーは本作にも大いに活かされている。
![扁平形状にすることで振動吸収性を高めたシートステー](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-431.jpg)
![PF30を採用し軽量化と剛性を強化](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-421.jpg)
![根元付近でベンドしたフォークは振動吸収性に貢献](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-414.jpg)
今回インプレッションを行った「FENIX」は、同社カーボンフレームのエントリーグレードに位置付けられるエンデュランスバイク。2013年に登場し、アンドレ・グライペルなど強豪選手らによって2シーズンに渡ってクラシックレースで使用されたモデルだ。現在は後継モデルにあたる「FENIX SL」にそのポジションを譲ったが、欧州などでは販売が続けられており、今なお人気の高い1台となっている。
FENIXの性能で特筆されるのは高い耐久性と振動吸収性である。カーボン製バイクとしては末弟モデルという位置付けにあるものの、過酷な石畳のクラシックレースを走破するため、開発段階からパヴェでのテストを繰り返すことで、その性能は洗練されたものになっている。
![リドレーロゴが目立つ大口径ダウンチューブ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-407.jpg)
![角断面のチューブ設計を採用したダイアモンドシェープ形状](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-411.jpg)
![堅実な造りのリアエンド](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-427.jpg)
![シートステーとは対照的にボリュームを持たせたチェーンステー](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-438.jpg)
フレーム素材には耐久性としなやかさに優れる24Tハイモジュラスカーボンを採用。各チューブにDAMOCLESから受け継いだ「ダイアモンドシェイプ」を受け継ぎ、ねじれ剛性と耐久性を向上させている。複雑な形状変化を見せるダウンチューブは、ヘッドチューブ側の接合部を縦に、BB側の接合部は横へ変形させチューブ同士の接合部分を増やすことにより、剛性を上げることで推進力向上を狙った。
振動吸収性の要となるリアトライアングルは、同社HELIUM(ヘリウム)シリーズからのフィードバックを受け、中央部分を横方向に薄く扁平加工させたシートステーを採用。板バネのような効果を発揮し横剛性を確保しながらも路面からの衝撃を確実に吸収する柔軟性を持たせると同時に、高い路面追従性を実現した。
![迫力あるエクステリアは圧巻だ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-458.jpg)
![リドレー伝統のテーパーヘッドチューブを採用](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-445.jpg)
また、シートチューブの左右を跨ぐようにトップチューブとシートステーを結ぶことで、パワーロスにつながる不要な変形を抑えている。フロントフォークに関しても路面からの振動を吸収するために、根元付近でベンドさせることによって荒れた路面でもスムーズな走行を可能とした。フォークのオフセットは45mmで、重量は390gとなっている。
ヘッドチューブにはリドレーが当時、他社に先駆けて導入した上側1-1/8、下側1-1/2インチの上下異径のヘッドパーツを採用し、ハンドリング性能の向上に貢献。同時にヘッド部分の剛性強化によりブレーキング時に起こるたわみを抑え、高い制動力を実現している。
![リアブレーキ部より二股に分かれるシートステーを採用](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-425.jpg)
![パヴェでテストした証の「Tested on pave」ステッカー](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-440.jpg)
![ヘッドチューブから内蔵されるオーソドックスなワイヤリング](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-459.jpg)
ペダリング効率を左右するBBは、大口径のプレスフィット30を採用し軽量化とパワー伝達率の向上を図り、入力した力を無駄なく推進力に変える。プロ選手たちの石畳コースでの力強い踏み込みにも負けない、堅実な作りが見て取れる部分だ。
エントリーモデルながら過酷な北のクラシックでロットチームを支えたFENIX。2015年には後継モデルFENIX SLの登場もあり一度ラインナップから姿を消したが、再販を望む声を受け復活。2017年モデルとして、6種類という豊富なカラーバリエーションと共に数量限定で発売中だ。それではインプレッションに移ろう。
ー インプレッション
「快適性が高く、初めてのカーボンバイクにもオススメ」山崎嘉貴(ブレアサイクリング)
今でこそエントリーモデルという位置づけでのラインナップですが、元々はパリ~ルーベを制することを目標に開発されたレーシングフレームということを忘れてはいけません。過酷な石畳に対応するための工夫が随所になされた、振動吸収性と安定感の高い仕上がりになっています。
![「快適性が高く、初めてのカーボンバイクにもオススメ」山崎嘉貴(ブレアサイクリング)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-877.jpg)
BBは大きくしなり、硬さを感じることはなく脚に優しい剛性感です。その反面、軽いギアでくるくる回すような乗り方では進みにくく、パワーをかけてグイグイ踏み込む必要があります。まさにパリ~ルーベの石畳を力で抑え込んで走破していくような、常に重いギアを踏み続ける力のかけ方が必要になると感じました。
ケーブルの取り回しに関しては、ヘッドチューブから内蔵された後外出しで各所へアクセスするオーソドックスな構造ですので、メンテナンスはしやすいと思います。ステムが極端に短い人はワイヤリングに気を付けないとハンドルが戻る感覚があるかもしれませんので、ショップで上手く組んでもらって下さい。
ロングライドやグランフォンドのような長距離を走るイベントには最適だと思います。ホイールやタイヤは高剛性でパワー伝達率の高いものに変えると、バイクの反応性が高まりより気持ちよく乗ることができるでしょう。踏み続けやすい剛性感を持ったフレームなので、ディープリムホイールとの相性は良いと思います。
これだけの性能を持ちながら13万8千円というプライスは、かなりコストパフォーマンスが高いと思います。2台目としてカーボンフレームにステップアップしたい人にオススメですね。コンポーネントを乗せ換えて組めばリーズナブルに仕上がると思います。
「振動吸収性の高さが際立つオールラウンドバイク」遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)
パリ~ルーベ等のクラシックレースでプロ選手たちに使用されたフレームということで、やはり振動吸収性が群を抜いて良いですね。フレーム重量は若干ありますが、リドレーの自転車らしく、路面からの振動を素材と形状のニ方面からのアプローチで和らげている印象を受けます。
![「振動吸収性の高さが際立つオールラウンドバイク」遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-693.jpg)
剛性感は同社のトップモデルNOAH SLと比べるとやや劣る場面がありますが、硬くもなく柔らか過ぎることもないちょうど良い味付けです。大きい力で踏み込むと、バネのような跳ね返しで後ろから押し出してくれるように加速していきます。リズム良くダンシングしていくと気持ち良く反応しスピードが伸びてくれますね。
乗り心地としては全体にしなり感があり、路面からの振動を吸収してくれるため快適性は高いです。長時間でも身体へのダメージが少ないため、ロングライドやグランフォンド等、オールラウンドに使えますね。少し荒れた路面も走ってみましたが、フレームのバネ感がMTBのフルサスのような効果を生み出し、快適性と高い路面追従性を両立しています。
ハンドリングはエンデュランス系のバイクというと直進安定性が強くアンダーステア気味のものが多いですが、このバイクは逆に少しシャープな感触で、コーナーに対して鋭角に入る事が出来ますね。クリテリウムのコーナリングで有利に働きそうです。ブレーキングに関しても、今回アッセンブルされたカーボンクリンチャーホイールで全く問題ない挙動を見せてくれたので、心配する点はないでしょう。
フレームの味付けを考えるとホイールはリムハイトの高いものを合わせ、ガシガシ踏んでいく乗り方が合っていると感じました。登りでケイデンス高く走りたい人は、ローハイトのもので走りを軽くするのも良いと思います。特に相性の悪いホイールはないと感じますね。
ワイヤリングはフルアウターで非常に組みやすく、メンテナンスも行いやすいフレームです。電動シフトもインストールしやすい構造ですので、最初は機械式コンポで組んで、アップグレードして電動コンポで組み直すとしてもストレスフリーで作業できます。
最初アルミバイクから乗り始めた方で、もう一段階ステップアップするためにカーボンバイクが欲しいという方にはとてもオススメです。手持ちのホイールや好きなパーツを用意して自分だけの一台を組むことが出来ますから愛着が湧くでしょうし、コストパフォーマンスが高いため、実業団のレース等リスクの高いシーンでも割り切って使用できる点はいいですね。
![リドレー FENIX](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2017/01/12/impre2016dec-443.jpg)
リドレー FENIX フレームセット
素材:24Tハイモジュラスカーボン
BB規格:PF30(68×46)
シートポスト径:31.6mm
サイズ:XXS(410)、XS(440)、S(470)、M(500)
フレーム重量:XXS/1,110g、XS/1,150g、S/1,190g、M/1,230g
カラー:JP16-01As(BLK/GREY/PINK)、JP16-01Bs(RED/WHT/GREY)、JP16-01Cs(BLK/BLU/GREEN)、JP16-01Ds(BLK/RED/WHT)、JP16-01Es(WHT/RED/BLK)、JP16-01Fs(WHT/BLU/BLK)
価格:138,000円(税抜)
インプレッションライダーのプロフィール
![山崎嘉貴(ブレアサイクリング)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/12/20/impre2016dec-680re.jpg)
長野県飯田市にあるブレアサイクリング店主。ブリヂストンアンカーのサテライトチームに所属したのち、渡仏。自転車競技の本場であるフランスでのレース活動経験を生かして、南信州の地で自転車の楽しさを伝えている。サイクルスポーツ誌主催の最速店長選手権の初代優勝者でもあり、走れる店長として高い認知度を誇っている。オリジナルサイクルジャージ”GRIDE”の企画販売も手掛けており、オンラインストアで全国から注文が可能だ。
CWレコメンドショップページ
ブレアサイクリングHP
![遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/12/20/impre2016dec-677re.jpg)
新潟県長岡市に店舗を構えるサイクルワークス Fin’sの店長。学生時代にBMXから始まり、MTBやロードバイクまで幅広く自転車を楽しむ、バリバリの走れる系店長。スポーツバイク歴は18年にもなり、2012年には全日本選手権ロードに出場した経験も。お店は完璧なメカニックサービスを提供するべく、クオリティの高い整備が評判だ。ショップ主催のサイクリングやレース活動に積極的で、初めての人から実業団レースで活躍したい人まで手厚いサポートを心がける。
CWレコメンドショップページ
サイクルワークス Fin’s HP
ウェア協力:rh+、GRIDE
text:Kosuke.Kamata
photo:Makoto.AYANO
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