2016/11/16(水) - 14:22
滑りやすい泥に覆われたガーフェレのコースでマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン)が他を寄せ付けない独走勝利。帰国が迫る竹之内悠(東洋フレーム)は27位でレースを終えた。
ベルギー西部、ヘントの南に位置するガーフェレで開催されたスーパープレスティージュ第4戦。ガーフェレの森を走るコースは起伏に富んでおり、その路面の大部分がスリッピーな泥で覆われている。
2年ぶりの出場となった竹之内悠(東洋フレーム)の言葉を借りると「2年前よりかは幾分マシな泥。だけど相変わらず独特な泥質」。乗車率の低い登りとパワーが必要な平地、そして神経質な下りが組み合わされたタフコースだ。
世界チャンピオンのワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)が好スタートを切る中、ライバルのファンデルポールはスタートで出遅れた。1周目の半分を終えた時点でファンデルポールは10番手前後に沈む。
しかしファンデルポールは泥の登りで先行者たちを抜き去り、1周目を終える頃には先頭パックに合流。すると2周目の泥の登りでオランダチャンピオンが一気に仕掛けた。強烈なファンデルポールの加速にはファンアールトやトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)が食らいつくも、数秒まで開いたタイム差は拡大傾向。スイッチの入ったファンデルポールは丁寧かつ強力に先頭で独走を続けた。
単独2番手を走り続けたファンアールトは「挽回できなくてフラストレーションが溜まった。いつもの半分の力しか出せなかった。去年も勝っている得意なコースだったので、可能な限りマテュー(ファンデルポール)から遅れないように走ってプレッシャーを与え続けたけど、マテューはとにかく速かった」と白旗。ファンデルポールの勢いは最後まで落ちず、ファンアールトに1分差をつける圧勝を飾った。
前日のGPブラバント(UCI C1)に続いて連勝を飾ったファンデルポールは「2日連続で優勝するのは気持ちが良い。スタートでは出遅れたものの、そこから上手くポジションを上げて、先頭に立ってからは自分のリズムで走り続けた。泥がそこまでドライブトレインに付着しなかったので、前半はピットでのバイク交換を極力少なくした。後続と大きくタイム差が広がってからは念のために何度も交換したよ。ワウト(ファンアールト)がもう少し粘ると思ったけど、今日は勢いがなかった」とコメント。
第1戦から第4戦までファンデルポールがスーパープレスティージュで敵無しの4連勝(ファンアールトは4戦連続2位)。シリーズ全勝が可能かとの質問には「次戦のスパ・フランコルシャンはタフなコースで、そこさえ乗り切れば残りのディーゲム、ホーグストラテン、ミッデルケルケは自分向き。もちろん8戦全勝できれば良いけどそれは簡単なことじゃないよ」と語っている。
3位表彰台を射止めたのはヨーロッパチャンピオンのトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)。今シーズン、21歳のファンデルポールと22歳のファンアールトに続く新勢力として力を伸ばす23歳は「この難コースで3位に入ったことは自分にとって勝利に値する。ライバルたちと3位争いを繰り広げている時、彼らの苦手なポイントをよく観察して、自分が得意だと思うポイントで仕掛けた。このまま成長を続けて、今シーズンのシクロクロスを盛り上げたい」と喜んだ。
全日本チャンピオンの竹之内はトップからマイナス4周で足切りとなり、約40分間でレースを終えた。「(1週間前の)ルッデルフォールデ以降、不安だった調子が崩れた。週の後半はトレーニングができず、踏めない、集中力も落ちるの悪循環。2年前とそんな変わらない結果だけど、今はもう少し走れて欲しかった」と、コンディションに不安を抱えている様子。翌週のUCIワールドカップ第4戦コクサイデは竹之内にとってヨーロッパ遠征前半の最終レース。その後帰国し、Raphaスーパークロス野辺山を経て12月1日に開催されるシクロクロス全日本選手権に備える。
選手コメントはベルギーのニュースブラッドより。
スーパープレスティージュ2016-2017第4戦結果
1位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) 1h03’35”
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) +1’02”
3位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) +1’20”
4位 クラース・ファントルノート(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) +1’31"
5位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート) +1’44”
6位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ナポレオンゲームス) +2’00”
7位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +2’32”
8位 デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) +2’59”
9位 イェンス・アダムス(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) +3’00”
10位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、ベオバンク・コレンドン) +3’05”
27位 竹之内悠(日本、東洋フレーム) -4Laps
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ベルギー西部、ヘントの南に位置するガーフェレで開催されたスーパープレスティージュ第4戦。ガーフェレの森を走るコースは起伏に富んでおり、その路面の大部分がスリッピーな泥で覆われている。
2年ぶりの出場となった竹之内悠(東洋フレーム)の言葉を借りると「2年前よりかは幾分マシな泥。だけど相変わらず独特な泥質」。乗車率の低い登りとパワーが必要な平地、そして神経質な下りが組み合わされたタフコースだ。
世界チャンピオンのワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス)が好スタートを切る中、ライバルのファンデルポールはスタートで出遅れた。1周目の半分を終えた時点でファンデルポールは10番手前後に沈む。
しかしファンデルポールは泥の登りで先行者たちを抜き去り、1周目を終える頃には先頭パックに合流。すると2周目の泥の登りでオランダチャンピオンが一気に仕掛けた。強烈なファンデルポールの加速にはファンアールトやトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)が食らいつくも、数秒まで開いたタイム差は拡大傾向。スイッチの入ったファンデルポールは丁寧かつ強力に先頭で独走を続けた。
単独2番手を走り続けたファンアールトは「挽回できなくてフラストレーションが溜まった。いつもの半分の力しか出せなかった。去年も勝っている得意なコースだったので、可能な限りマテュー(ファンデルポール)から遅れないように走ってプレッシャーを与え続けたけど、マテューはとにかく速かった」と白旗。ファンデルポールの勢いは最後まで落ちず、ファンアールトに1分差をつける圧勝を飾った。
前日のGPブラバント(UCI C1)に続いて連勝を飾ったファンデルポールは「2日連続で優勝するのは気持ちが良い。スタートでは出遅れたものの、そこから上手くポジションを上げて、先頭に立ってからは自分のリズムで走り続けた。泥がそこまでドライブトレインに付着しなかったので、前半はピットでのバイク交換を極力少なくした。後続と大きくタイム差が広がってからは念のために何度も交換したよ。ワウト(ファンアールト)がもう少し粘ると思ったけど、今日は勢いがなかった」とコメント。
第1戦から第4戦までファンデルポールがスーパープレスティージュで敵無しの4連勝(ファンアールトは4戦連続2位)。シリーズ全勝が可能かとの質問には「次戦のスパ・フランコルシャンはタフなコースで、そこさえ乗り切れば残りのディーゲム、ホーグストラテン、ミッデルケルケは自分向き。もちろん8戦全勝できれば良いけどそれは簡単なことじゃないよ」と語っている。
3位表彰台を射止めたのはヨーロッパチャンピオンのトーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア)。今シーズン、21歳のファンデルポールと22歳のファンアールトに続く新勢力として力を伸ばす23歳は「この難コースで3位に入ったことは自分にとって勝利に値する。ライバルたちと3位争いを繰り広げている時、彼らの苦手なポイントをよく観察して、自分が得意だと思うポイントで仕掛けた。このまま成長を続けて、今シーズンのシクロクロスを盛り上げたい」と喜んだ。
全日本チャンピオンの竹之内はトップからマイナス4周で足切りとなり、約40分間でレースを終えた。「(1週間前の)ルッデルフォールデ以降、不安だった調子が崩れた。週の後半はトレーニングができず、踏めない、集中力も落ちるの悪循環。2年前とそんな変わらない結果だけど、今はもう少し走れて欲しかった」と、コンディションに不安を抱えている様子。翌週のUCIワールドカップ第4戦コクサイデは竹之内にとってヨーロッパ遠征前半の最終レース。その後帰国し、Raphaスーパークロス野辺山を経て12月1日に開催されるシクロクロス全日本選手権に備える。
選手コメントはベルギーのニュースブラッドより。
スーパープレスティージュ2016-2017第4戦結果
1位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) 1h03’35”
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) +1’02”
3位 トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・フィデア) +1’20”
4位 クラース・ファントルノート(ベルギー、マーラックス・ネポレオンゲームス) +1’31"
5位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート) +1’44”
6位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、マーラックス・ナポレオンゲームス) +2’00”
7位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +2’32”
8位 デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク・コレンドン) +2’59”
9位 イェンス・アダムス(ベルギー、クレラン・ファストフートサービス) +3’00”
10位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、ベオバンク・コレンドン) +3’05”
27位 竹之内悠(日本、東洋フレーム) -4Laps
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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