2016/11/04(金) - 18:33
いよいよ開幕した、日本最大級のスポーツバイクフェス「サイクルモード」。早速各ブースのレポートを紹介しましょう。第1弾はクリスティアーノ氏が来場したデローザ、7年ぶりの出展で話題のスペシャライズド、新型デュラエースDi2が展示されたシマノ、そして新型エアロヘルメットを初公開したカブトから。
デローザ:新型PROTOSが初公開、より輝きを増した金属フレームたち
サイクルモードの中でも毎回屈指の人気を誇るイタリアンブランド、デローザ。モチーフのハートマークをあしらったシックかつエレガントなブースには、デローザファミリーから日本が大好きだというクリスティアーノ・デローザCEOと創業者ウーゴの孫であるニコラス・デローザ氏が3年連続で来日中だ。来場者からの記念撮影やサインのリクエストに快く応じ、トークショーを通じてブランドのPRに務めている。
今回のデローザ、ひいてはサイクルモード全体の注目株の一つが、ハイエンドレーシングモデル「PROTOS」の次世代型が発表されたこと。奇抜なグラフィックのモデルが注目を浴びるが、フレームはカーボン素材からブラッシュアップし、20〜25%の軽量化と20%の剛性アップを実現しているという。フォルムもレース用として最適な剛性・軽量性を生み出す力強さをそのままにリファインされ、よりシャープな印象に生まれ変わっている。BBは従来のプレスフィットからシェル幅70mmのスレッド式に変更され、レース機材としての扱いやすさも高めている。
285のDEROSAのアルファベットをランダムにあしらった限定生産グラフィックバージョンは当初カモフラージュとしてのプロトタイプだったというが、好評のためそのまま販売もされるという。
そしてデローザラインナップの中核を担う、美しいデザインが特徴の人気モデル「IDOL」には日本向けとして待望の完成車仕様が登場、このサイクルモードで初お目見えしている。コンポーネントはPOTENZA、ホイールは同SCIROCCOとカンパニョーロ製品で統一され、フレームのグラフィックは本モデルのためにデザインされたものだ。高級感溢れる仕上がりながら42万円と比較的買い求めやすい価格であることも嬉しい。発売と同時に人気に火がつきそうだ。
また、今年のデローザは金属バイクがより元気になっている印象を受ける。もとより芸術的な仕上がりで人気を博しているが、今年は見る角度で色が変わるマジョーラカラーを施したSCANDIUMや、クラシック&レーシーな胴抜き塗装のTITANIOやCORUMなどは一見の価値あり。見ているだけでも飽きがこないあたりは流石デローザといったところだろうか。
シマノ:注目を集めるR9100系DURA-ACE、XT Di2や新型シューズを試せる展示も
4年ぶりのモデルチェンジとなる、ロード用フラッグシップコンポーネント「DURA-ACE」を中心に据えたシマノ。イメージカラーであるブラックをベースとしたスペースに、機械式とDi2、そして油圧ディスク仕様の3台が浮かび上がるかのように展示され、多くの注目を集めていた。
がらりと変わった新型DURA-ACE、一般のサイクリストの前に大々的に現れたのは今回のサイクルモードが初めて。機械式モデルのデリバリーは既に開始されているが、実際に組み付けられた状態で目にしたことがある方はかなり少ないのではないだろうか。
ブースの中に入れば、METREAやXTDi2、SLXといった、今年デビューもしくはリニューアルしたコンポーネントたちが勢ぞろい。XTDi2は、実際に変速動作を体験できる什器が用意され、シマノが誇る新変速システム「シンクロシフト」によるフロントギアの自動変速動作を体験することもできた。
また、コンポーネントだけではなく、ウエアやバッグといったアパレル類も合わせて展示されていた。中でも、目玉となるのは2017年モデルで一新されたシューズラインアップ。これまでのシマノシューズの系譜を大きく打ち破るフラッグシップ「S-PHYRE」を筆頭に、大幅にモデルチェンジしたシューズたちが壁一面に展示されていた。
シューズは試し履きすることも可能となっており、ブースの裏側に設けられたフィッティングエリアには長い列が形成されるほど。やはり人気が集まるのはS-PHYREで、鮮やかなブルーとネオンイエローのシューズが次々と来場者に履かれていく。これまでシマノシューズを使っていて、買い替えを考えているという来場者の方に感想を尋ねてみたところ、「想像以上のフィット感で、驚きました!」ということで、シューズの買い替えを考えている方はぜひ一度お試しあれ。
スペシャライズド・ジャパン:サガンのアルカンシエルと限定バイク、大規模なシューズ試着
7年ぶりの出展復活ということで、試乗を待つ人が大行列になるほど注目を集めているスペシャライズド。ブース正面にはペーター・サガン(スロバキア)の世界選手権2連覇を祝って先日発表されたばかりのS-Works Venge ViAS Disc サガンエディションと、サガン本人のアルカンシエル、そして特大パネルが展示されるなどプロレースファンにとっては嬉しい展示。
スペシャライズドと言えば、普段開催している試乗会ではS-WORKSなど高級モデルが用意されることが常だが、今回のサイクルモードでは実際の購買層を踏まえ、カーボンモデルのCOMPグレードや、高品質アルミロードのALEEZ SPRINTなど、比較的手が届きやすい価格帯を中心に試乗車が揃えられている。そんな中でも衝撃的な「フューチャーショック」を搭載した新型ROUBAIXは人気の的で、試乗にも長蛇の列ができているほど。土曜・日曜日の試乗を考えている方は、時間に余裕を持った方が良さそうだ。
加えて、誰もが気になるスペシャライズドのシューズ試着が大規模に展開されていることもトピック。通常の試着会では用意されにくい各サイズフルラインナップで、しかもボディージオメトリーフィットの日本総責任者を務める渡辺孝二さんらが作業にあたってくれる。その他ヨーロッパで爆発的な人気を得ているEバイクに当たるMTB、TURBOも展示されている。
カブト:全く新しいエアロヘルメットAERO R1を初公開
国内での圧倒的なシェアを誇るカブトは、このサイクルモードで新型のエアロヘルメット「AERO R1」を参考出品として発表した。オートバイヘルメットで培ったエアロフォルム「ウェイクスタビライザー」を投入したことが最大の特徴で、後部で大胆にカットされたデザインによって乱流を抑え、ショートテールながらTT用ヘルメット同様の空力性能を誇っているという。
「エアロヘルメットは空気の抜けが悪く、蒸れてしまうのが通説ですが、AERO R1はこの部分にこだわりました」と担当者談。安全性を十分に確保しながらゼナード同様ヘルメット内部のエアルートを広くとり、熱気を排出する構造となっている。また眼鏡を装着したままでもエアロ性能を発揮するバイザーも予定されており、このサイクルモードでは2種類の試作品を用意。ユーザーの声を直接汲み取ることで来春の発売に繋げたいという。Zenardと双璧を成すエアロヘルメットの登場であり、国内のハイスピードレースで存在間を増すことになるだろう一品だ。
その他、KOOFUラインナップには丸みを持たせ、アウターシェルの耐久性を高めた普段着モデル「BC-Via」が、普及価格帯にはバイザーの脱着を可能にした「REZZA(レッツァ)」が2017年春発売予定として参考出品された。更にアイウェアラインナップには、これまでと異なるシャープなデザインを採用したBinatoの後継モデルもお目見え。こちらは一般レンズで7000円、調光レンズで12,000円ほどの価格を予定しているという。
text&photo:CW編集部
デローザ:新型PROTOSが初公開、より輝きを増した金属フレームたち
サイクルモードの中でも毎回屈指の人気を誇るイタリアンブランド、デローザ。モチーフのハートマークをあしらったシックかつエレガントなブースには、デローザファミリーから日本が大好きだというクリスティアーノ・デローザCEOと創業者ウーゴの孫であるニコラス・デローザ氏が3年連続で来日中だ。来場者からの記念撮影やサインのリクエストに快く応じ、トークショーを通じてブランドのPRに務めている。
今回のデローザ、ひいてはサイクルモード全体の注目株の一つが、ハイエンドレーシングモデル「PROTOS」の次世代型が発表されたこと。奇抜なグラフィックのモデルが注目を浴びるが、フレームはカーボン素材からブラッシュアップし、20〜25%の軽量化と20%の剛性アップを実現しているという。フォルムもレース用として最適な剛性・軽量性を生み出す力強さをそのままにリファインされ、よりシャープな印象に生まれ変わっている。BBは従来のプレスフィットからシェル幅70mmのスレッド式に変更され、レース機材としての扱いやすさも高めている。
285のDEROSAのアルファベットをランダムにあしらった限定生産グラフィックバージョンは当初カモフラージュとしてのプロトタイプだったというが、好評のためそのまま販売もされるという。
そしてデローザラインナップの中核を担う、美しいデザインが特徴の人気モデル「IDOL」には日本向けとして待望の完成車仕様が登場、このサイクルモードで初お目見えしている。コンポーネントはPOTENZA、ホイールは同SCIROCCOとカンパニョーロ製品で統一され、フレームのグラフィックは本モデルのためにデザインされたものだ。高級感溢れる仕上がりながら42万円と比較的買い求めやすい価格であることも嬉しい。発売と同時に人気に火がつきそうだ。
また、今年のデローザは金属バイクがより元気になっている印象を受ける。もとより芸術的な仕上がりで人気を博しているが、今年は見る角度で色が変わるマジョーラカラーを施したSCANDIUMや、クラシック&レーシーな胴抜き塗装のTITANIOやCORUMなどは一見の価値あり。見ているだけでも飽きがこないあたりは流石デローザといったところだろうか。
シマノ:注目を集めるR9100系DURA-ACE、XT Di2や新型シューズを試せる展示も
4年ぶりのモデルチェンジとなる、ロード用フラッグシップコンポーネント「DURA-ACE」を中心に据えたシマノ。イメージカラーであるブラックをベースとしたスペースに、機械式とDi2、そして油圧ディスク仕様の3台が浮かび上がるかのように展示され、多くの注目を集めていた。
がらりと変わった新型DURA-ACE、一般のサイクリストの前に大々的に現れたのは今回のサイクルモードが初めて。機械式モデルのデリバリーは既に開始されているが、実際に組み付けられた状態で目にしたことがある方はかなり少ないのではないだろうか。
ブースの中に入れば、METREAやXTDi2、SLXといった、今年デビューもしくはリニューアルしたコンポーネントたちが勢ぞろい。XTDi2は、実際に変速動作を体験できる什器が用意され、シマノが誇る新変速システム「シンクロシフト」によるフロントギアの自動変速動作を体験することもできた。
また、コンポーネントだけではなく、ウエアやバッグといったアパレル類も合わせて展示されていた。中でも、目玉となるのは2017年モデルで一新されたシューズラインアップ。これまでのシマノシューズの系譜を大きく打ち破るフラッグシップ「S-PHYRE」を筆頭に、大幅にモデルチェンジしたシューズたちが壁一面に展示されていた。
シューズは試し履きすることも可能となっており、ブースの裏側に設けられたフィッティングエリアには長い列が形成されるほど。やはり人気が集まるのはS-PHYREで、鮮やかなブルーとネオンイエローのシューズが次々と来場者に履かれていく。これまでシマノシューズを使っていて、買い替えを考えているという来場者の方に感想を尋ねてみたところ、「想像以上のフィット感で、驚きました!」ということで、シューズの買い替えを考えている方はぜひ一度お試しあれ。
スペシャライズド・ジャパン:サガンのアルカンシエルと限定バイク、大規模なシューズ試着
7年ぶりの出展復活ということで、試乗を待つ人が大行列になるほど注目を集めているスペシャライズド。ブース正面にはペーター・サガン(スロバキア)の世界選手権2連覇を祝って先日発表されたばかりのS-Works Venge ViAS Disc サガンエディションと、サガン本人のアルカンシエル、そして特大パネルが展示されるなどプロレースファンにとっては嬉しい展示。
スペシャライズドと言えば、普段開催している試乗会ではS-WORKSなど高級モデルが用意されることが常だが、今回のサイクルモードでは実際の購買層を踏まえ、カーボンモデルのCOMPグレードや、高品質アルミロードのALEEZ SPRINTなど、比較的手が届きやすい価格帯を中心に試乗車が揃えられている。そんな中でも衝撃的な「フューチャーショック」を搭載した新型ROUBAIXは人気の的で、試乗にも長蛇の列ができているほど。土曜・日曜日の試乗を考えている方は、時間に余裕を持った方が良さそうだ。
加えて、誰もが気になるスペシャライズドのシューズ試着が大規模に展開されていることもトピック。通常の試着会では用意されにくい各サイズフルラインナップで、しかもボディージオメトリーフィットの日本総責任者を務める渡辺孝二さんらが作業にあたってくれる。その他ヨーロッパで爆発的な人気を得ているEバイクに当たるMTB、TURBOも展示されている。
カブト:全く新しいエアロヘルメットAERO R1を初公開
国内での圧倒的なシェアを誇るカブトは、このサイクルモードで新型のエアロヘルメット「AERO R1」を参考出品として発表した。オートバイヘルメットで培ったエアロフォルム「ウェイクスタビライザー」を投入したことが最大の特徴で、後部で大胆にカットされたデザインによって乱流を抑え、ショートテールながらTT用ヘルメット同様の空力性能を誇っているという。
「エアロヘルメットは空気の抜けが悪く、蒸れてしまうのが通説ですが、AERO R1はこの部分にこだわりました」と担当者談。安全性を十分に確保しながらゼナード同様ヘルメット内部のエアルートを広くとり、熱気を排出する構造となっている。また眼鏡を装着したままでもエアロ性能を発揮するバイザーも予定されており、このサイクルモードでは2種類の試作品を用意。ユーザーの声を直接汲み取ることで来春の発売に繋げたいという。Zenardと双璧を成すエアロヘルメットの登場であり、国内のハイスピードレースで存在間を増すことになるだろう一品だ。
その他、KOOFUラインナップには丸みを持たせ、アウターシェルの耐久性を高めた普段着モデル「BC-Via」が、普及価格帯にはバイザーの脱着を可能にした「REZZA(レッツァ)」が2017年春発売予定として参考出品された。更にアイウェアラインナップには、これまでと異なるシャープなデザインを採用したBinatoの後継モデルもお目見え。こちらは一般レンズで7000円、調光レンズで12,000円ほどの価格を予定しているという。
text&photo:CW編集部
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