先週末にHCカテゴリーのワンデーレース、ブリュッセルサイクリングクラシックとGPフルミーが連続して開催され、それぞれトム・ボーネン(ベルギー)とマルセル・キッテル(ドイツ)が勝利。エティックス・クイックステップはスプリント2連勝を収めた。



トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)を先頭にスプリントが幕開けるトム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)を先頭にスプリントが幕開ける photo:Bettiniブリュッセルサイクリングクラシックを制したトム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)ブリュッセルサイクリングクラシックを制したトム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ) photo:Bettiniシャンパンを振り回すトム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)シャンパンを振り回すトム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ) photo:Bettini9月3日に開催されたブリュッセルサイクリングクラシックは、今年で96回目を迎える由緒あるワンデーレース。2012年まではパリ〜ブリュッセルと呼ばれており、歴代優勝者リストには重量級のスプリンターが名を揃えるクラシックレースだ。

6つのワールドチームの中でも屈強なメンバーを揃えたのは、トム・ボーネン(ベルギー)とマルセル・キッテル(ドイツ)の2枚看板を揃えたエティックス・クイックステップ。他アルノー・デマール(フランス、FDJ)やナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)も顔を揃え、NIPPOヴィーニファンティーニからは山本元喜も出場した。

石畳も現れる中で逃げグループは吸収され、後半のフィリッポ・ポッツァート(イタリア、ウィリエール・サウスイースト)やアレクシ・グジャール(フランス、AG2Rラモンディアール)の攻撃もFDJやコフィディス、エティックス・クイックステップの牽きによって引き戻される。

最後は早めのタイミングからトム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)が先行し、追い上げるアルノー・デマール(フランス、FDJ)とナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)を抑えて勝利。来年のパリ~ルーベでの引退を発表している35歳が7月末のライドロンドンクラシックに続く勝利を挙げた。

ボーネンは「最後はFDJが列車を並べてきたので仕掛けた。早めのタイミングだったが、最後まで100%踏み切った。昨日キッテルに君がOKなら勝負させて欲しいと尋ね、了承してくれたんだ。この勝利は世界選手権に向けての弾みにもなった」と語っている。

マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)がナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)を下すマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)がナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)を下す photo:www.grandprixdefourmies.com表彰台に上がるマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 表彰台に上がるマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)  photo:www.grandprixdefourmies.comそして翌9月4日に北フランスで開催されたのが同じくUCI1.HCにカテゴライズされる「GPフルミー・ラ・ヴォワ・ド・ノルド」。地理的にもブリュッセルから近いため、各チームはほぼ連戦で臨むことに。ボーネン、キッテル、デマール、ブアニらが再び顔を合わせた。

この日も同じく集団スプリントに持ち込まれたものの、ゴール前のアップダウンで各チームは列車を組むことができず、バラバラの状態での勝負に。唯一アシストの力を借りたブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)が真っ先に仕掛けたが、番手から踏み抜いたキッテルとブアニが伸びた。

最後はキッテルとブアニのハンドル投げ勝負に持ち込まれ、キッテルが先着。今シーズンいまいち調子の波に乗りきれていないキッテルにとっては復活の狼煙となる勝利だ。「昨日はボーネンで、今日は僕。全てが作戦通りに運んだレースになった。週末2連戦はタフだけれど。自分の調子はレースを繰り返すごとに良くなっている。シーズン終盤に向けて良いステップになった」と語っている。



9月3日 ブリュッセルサイクリングクラシック(UCI1.HC)結果(199.3km)
1位 トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)       4h35’10”
2位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
3位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
4位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 ティモシー・ドュポン(ヴェランダスヴィレムス)
6位 ピーター・ヴァンスピイブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
7位 ティエシー・ベノート(ベルギー、ロット・ソウダル)
8位 ケニー・デハース(ベルギー、ワンティ・ブループグベルト)
9位 ヤン・ロイ(ベルギー、ワンティ・ブループグベルト)
10位 ケヴィン・イスタ(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル)

9月4日 GPフルミー・ラ・ヴォワ・ド・ノルド2016(UCI1.HC)結果(205km)
1位 マルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)      4h48’32”
2位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
3位 ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)
4位 ロメン・フェイユー(フランス、HP BTP・オベール93)
5位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、ウィリエール・サウスイースト)
6位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
7位 アマウリー・カピオット(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
8位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18)
9位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、AG2Rラモンディアール)
10位 バプティステ・プランカート(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)

text:So.Isobe