2016/07/25(月) - 17:13
パリ・シャンゼリゼで幕を下ろしたツール・ド・フランス。最終ステージを制したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)や総合優勝に輝いたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)らのコメントを紹介します。
ステージ優勝を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
なんて表現したらいいのか分からない。チームが成し遂げた勝利をとても誇りに思う。今日のために3週間走り続けてきたんだ。何度も何度も挑戦した末に、チームとしてステージ2勝を飾ることができた。
今朝のミーティングで向かい風が吹いているという情報だったので、落ち着いて勝負に持ち込むことを心がけた。チームメイトたちがリードアウトトレインを組んだものの、完全に主導権を奪うには1人足らない状態だったので、最も強いクリストフの番手にスイッチした。目標を達成し、また一つツールのステージ優勝を重ねることができて本当に嬉しい。
ステージ3位のアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
ジャコポ・グアルニエーリの理想的なリードアウトからフィニッシュまで200mを残してスプリント開始。グライペルとサガンに追い抜かれないように先頭で堪えたものの、最後は抜かれてしまった。今日はグライペルが最速だった。
調子も良く、何度か惜しいところまで行ったものの、最後まで勝利を手にすることができなかった。全力を尽くしたものの届かなかった。満足しているけど、やはり落胆の感情のほうが大きい。
総合優勝に輝いたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
このマイヨジョーヌはチームメイトとチームスタッフのもの。みんなの献身がなければ決してここには立てていなかった。デイヴ・ブレイルスフォードGMとコーチのティム・ケリソンにはとても感謝している。特別なチームの一員としてツールを走ったことを誇りに思う。そして妻のミシェルと息子ケランの愛とサポートのおかげで全てが可能となった。この勝利をケランに捧げたい。
ニースでの悲劇が暗い陰を落とす中でのツールだった。亡くなった方々に敬意を払いながら選手たちは走り続けた。少なからずテロ事件の影響を受けたものの、自由な社会においてスポーツの価値を改めて確認できたと思う。
人はみなツール・ド・フランスを愛している。予測不可能なレースであり、その魅力は今も昔も変わらない。自国の選手を応援する観客の熱意と、フランスの美しい風景、そしてスポーツを通して生まれる友情。これらはこの先もずっと変わらないだろう。
5年連続マイヨヴェールを獲得したペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)
自分の活躍だけではなくチームメイトのアシストとしても走った今年のツール。振り返ってみると、良いツールだった。過去2年間ステージ優勝から遠ざかっていたものの、今年はステージ3勝という成績を残すことができて嬉しく思う。今日も全力で勝利を狙ったけど、わずかな差でステージ4勝目を掴み損ねた。スプリント開始が遅れてしまったし、今日はアンドレが最も良いスプリントを披露した。彼のステージ優勝は嬉しいし、祝福したい。
みんなが幸せな気分に包まれている。ツール・ド・フランスが終わってからしばらくリラックスした時間を過ごし、リオ五輪のMTBクロスカントリーに向けて準備をしたい。自分のルーツであるMTBでオリンピックに出場するのは特別な気持ち。しっかり楽しみたいと思う。
2度目の山岳賞を獲得したラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ)
初めて山岳賞を獲得した時と同様にとても嬉しい。チームとして3週間戦い抜き、ロマン・クロイツィゲルの総合トップ10と2つのジャージ獲得、そしてペーター・サガンの総合敢闘賞獲得という素晴らしい成績を残すことができた。毎日勝負に絡み、毎日全力で戦い続けた結果だ。
マイヨブランを獲得したアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ)
シャンゼリゼの表彰台に立つのは特別な栄誉。TVを通してだと簡単なステージに見えたかもしれないけど、今日のステージはスピードが速くて大変だった。3週間の戦いが終わっても自分は自分。毎日を生きている。だから将来について深く考えることはしていない。
パンクでチャンスを失ったブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)
今年のツールではここまで1度もパンクしなかったのに、最後の最後でパンクした。1週間ずっとこのステージのことだけを考えていたのでフラストレーションが溜まったよ。チームも素晴らしい走りをしていただけに、なんとか勝利で報いたかった。
結果は出せなかったものの、良いツールだった。決して無駄なツールではなかったし、一つ上のレベルに上がることができたと思う。平坦ステージであれば世界トップスプリンターと張り合える力があると自負している。
2回のパンクに見舞われたマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
シャンゼリゼで優勝するチャンスなんて人生でそう何回もあるものじゃない。山岳ステージを終えても調子の良さをキープしていた。だから本当に残念で、同時に苛立たしかった。でもトラブルは防ぎようがなかった。今大会3回のパンクのうち2回が今日発生。不運だったと言うしかない。最後は力が残っておらず、スプリントに絡めなかった。誰にも不運は訪れる。それがスポーツだ。
膝の痛みでリタイアしたトニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
最終日にリタイアするなんて残念だ。でも左膝の状態が良くなくて、レースを継続することが不可能だった。タイムカットぎりぎりでフィニッシュした昨日から苦しみ続け、今日は痛みが大きくなった。明日検査してこれからどう対処するかを決めたい。
現役最後のツールを終えたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
コフィディスのルイス・マテマルドネスに「先頭でシャンゼリゼに入ったらどう」と言われたけど、最初はノーと言った。でもそれからサガンやフルーム、チームメイトたちに促されて飛び出したんだ。シャンゼリゼで独走するのは信じられない気分だった。
3週間を振り返ると、いくつかミスをしたものの満足のいく出来だった。ツールは特別な存在。最後までグランツールで総合優勝できなかったけど何も悔いていない。次はクラシカサンセバスティアンとリオ五輪だ。
text:Kei Tsuji
ステージ優勝を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
なんて表現したらいいのか分からない。チームが成し遂げた勝利をとても誇りに思う。今日のために3週間走り続けてきたんだ。何度も何度も挑戦した末に、チームとしてステージ2勝を飾ることができた。
今朝のミーティングで向かい風が吹いているという情報だったので、落ち着いて勝負に持ち込むことを心がけた。チームメイトたちがリードアウトトレインを組んだものの、完全に主導権を奪うには1人足らない状態だったので、最も強いクリストフの番手にスイッチした。目標を達成し、また一つツールのステージ優勝を重ねることができて本当に嬉しい。
ステージ3位のアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
ジャコポ・グアルニエーリの理想的なリードアウトからフィニッシュまで200mを残してスプリント開始。グライペルとサガンに追い抜かれないように先頭で堪えたものの、最後は抜かれてしまった。今日はグライペルが最速だった。
調子も良く、何度か惜しいところまで行ったものの、最後まで勝利を手にすることができなかった。全力を尽くしたものの届かなかった。満足しているけど、やはり落胆の感情のほうが大きい。
総合優勝に輝いたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
このマイヨジョーヌはチームメイトとチームスタッフのもの。みんなの献身がなければ決してここには立てていなかった。デイヴ・ブレイルスフォードGMとコーチのティム・ケリソンにはとても感謝している。特別なチームの一員としてツールを走ったことを誇りに思う。そして妻のミシェルと息子ケランの愛とサポートのおかげで全てが可能となった。この勝利をケランに捧げたい。
ニースでの悲劇が暗い陰を落とす中でのツールだった。亡くなった方々に敬意を払いながら選手たちは走り続けた。少なからずテロ事件の影響を受けたものの、自由な社会においてスポーツの価値を改めて確認できたと思う。
人はみなツール・ド・フランスを愛している。予測不可能なレースであり、その魅力は今も昔も変わらない。自国の選手を応援する観客の熱意と、フランスの美しい風景、そしてスポーツを通して生まれる友情。これらはこの先もずっと変わらないだろう。
5年連続マイヨヴェールを獲得したペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)
自分の活躍だけではなくチームメイトのアシストとしても走った今年のツール。振り返ってみると、良いツールだった。過去2年間ステージ優勝から遠ざかっていたものの、今年はステージ3勝という成績を残すことができて嬉しく思う。今日も全力で勝利を狙ったけど、わずかな差でステージ4勝目を掴み損ねた。スプリント開始が遅れてしまったし、今日はアンドレが最も良いスプリントを披露した。彼のステージ優勝は嬉しいし、祝福したい。
みんなが幸せな気分に包まれている。ツール・ド・フランスが終わってからしばらくリラックスした時間を過ごし、リオ五輪のMTBクロスカントリーに向けて準備をしたい。自分のルーツであるMTBでオリンピックに出場するのは特別な気持ち。しっかり楽しみたいと思う。
2度目の山岳賞を獲得したラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ)
初めて山岳賞を獲得した時と同様にとても嬉しい。チームとして3週間戦い抜き、ロマン・クロイツィゲルの総合トップ10と2つのジャージ獲得、そしてペーター・サガンの総合敢闘賞獲得という素晴らしい成績を残すことができた。毎日勝負に絡み、毎日全力で戦い続けた結果だ。
マイヨブランを獲得したアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ)
シャンゼリゼの表彰台に立つのは特別な栄誉。TVを通してだと簡単なステージに見えたかもしれないけど、今日のステージはスピードが速くて大変だった。3週間の戦いが終わっても自分は自分。毎日を生きている。だから将来について深く考えることはしていない。
パンクでチャンスを失ったブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)
今年のツールではここまで1度もパンクしなかったのに、最後の最後でパンクした。1週間ずっとこのステージのことだけを考えていたのでフラストレーションが溜まったよ。チームも素晴らしい走りをしていただけに、なんとか勝利で報いたかった。
結果は出せなかったものの、良いツールだった。決して無駄なツールではなかったし、一つ上のレベルに上がることができたと思う。平坦ステージであれば世界トップスプリンターと張り合える力があると自負している。
2回のパンクに見舞われたマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
シャンゼリゼで優勝するチャンスなんて人生でそう何回もあるものじゃない。山岳ステージを終えても調子の良さをキープしていた。だから本当に残念で、同時に苛立たしかった。でもトラブルは防ぎようがなかった。今大会3回のパンクのうち2回が今日発生。不運だったと言うしかない。最後は力が残っておらず、スプリントに絡めなかった。誰にも不運は訪れる。それがスポーツだ。
膝の痛みでリタイアしたトニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
最終日にリタイアするなんて残念だ。でも左膝の状態が良くなくて、レースを継続することが不可能だった。タイムカットぎりぎりでフィニッシュした昨日から苦しみ続け、今日は痛みが大きくなった。明日検査してこれからどう対処するかを決めたい。
現役最後のツールを終えたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
コフィディスのルイス・マテマルドネスに「先頭でシャンゼリゼに入ったらどう」と言われたけど、最初はノーと言った。でもそれからサガンやフルーム、チームメイトたちに促されて飛び出したんだ。シャンゼリゼで独走するのは信じられない気分だった。
3週間を振り返ると、いくつかミスをしたものの満足のいく出来だった。ツールは特別な存在。最後までグランツールで総合優勝できなかったけど何も悔いていない。次はクラシカサンセバスティアンとリオ五輪だ。
text:Kei Tsuji
Amazon.co.jp